…ぶぅん、と
コンビニを出た彼の耳に、再び不気味な羽音が聞こえてきた
それは、人毛のない路地裏から聞こえてくる
コンビニを出た彼の耳に、再び不気味な羽音が聞こえてきた
それは、人毛のない路地裏から聞こえてくる
…一体、何だ?
ぶぅん、ぶぅん、ぶぅううううううん……
不気味な羽音は、どんどん大きくなっているようにも聞こえた
それは、まるで何かが群れをなしていっているかのような音に…
それは、まるで何かが群れをなしていっているかのような音に…
彼が疑問に思って、ふと好奇心で路地裏を覗いた、その時
「ん?」
「肉ー?」
「肉ー?」
ちょこんっ
そこに、金髪の幼女がいた
幼女である
完膚なきまでに、幼女である
ヴェールを頭から被った金髪西洋幼女は、もぐもぐ、コロッケを口にしつつ、彼を見上げてきていた
そこに、金髪の幼女がいた
幼女である
完膚なきまでに、幼女である
ヴェールを頭から被った金髪西洋幼女は、もぐもぐ、コロッケを口にしつつ、彼を見上げてきていた
…何故、こんな時間に、こんな場所に、幼女が一人で?
彼は、思わず疑問を抱き
…直後
スパイダーネットワークで得ていたとある情報を思い出し、後ずさる
彼は、思わず疑問を抱き
…直後
スパイダーネットワークで得ていたとある情報を思い出し、後ずさる
「…ッマリ・ヴェリテのベートか!」
「んぁ……なんだぁ?俺を知ってんのか」
「んぁ……なんだぁ?俺を知ってんのか」
ニタリ、幼女が笑って……伸ばされた手が、無造作に彼を掴んだ
「うわっ!?」
ぶんっ!と
半ば振り回されるかのように、路地裏に引きずりこまれる!
半ば振り回されるかのように、路地裏に引きずりこまれる!
「マッド!ガスだ!」
「おう!」
「おう!」
路地裏にいたのは…ガスマスクの男、マッドガッサーと
先ほどから聞こえてきた羽音の主であろう、無数の黒焦げた蝿を従えた、長い黒髪の女性の姿があった
マッドガッサーは、彼にガスの発射口を向けて
逃れようにも、強かに背中を打ちつけてしまい、反応が遅れる
先ほどから聞こえてきた羽音の主であろう、無数の黒焦げた蝿を従えた、長い黒髪の女性の姿があった
マッドガッサーは、彼にガスの発射口を向けて
逃れようにも、強かに背中を打ちつけてしまい、反応が遅れる
ぶしゅううううううっ!
甘い香りを伴った、冗談みたいなピンク色のガスが、彼を包み込む
「げほっ………!?」
吸わないようにしようとするが、ほんの少し、吸ってしまった
体中に、一瞬、熱さのようなものを感じる
体中に、一瞬、熱さのようなものを感じる
…ぶぅん
羽音が、近づいてくる
羽音が、近づいてくる
ガスが晴れた、その瞬間…彼は、黒焦げた蝿
すなわち、スパニッシュフライによって、包囲されていた
すなわち、スパニッシュフライによって、包囲されていた
「さぁさ、口をあけましょうね?」
蝿の向こう側で、女が微笑んでいるのがわかった
……ふざけるな!
かさかさ、かさかさ
自分を中心に半径5メートル程の距離にいた蜘蛛を、一斉に集合させる
……ふざけるな!
かさかさ、かさかさ
自分を中心に半径5メートル程の距離にいた蜘蛛を、一斉に集合させる
「----っきゃああああああ!!??やだやだやだやだっ!?蜘蛛は嫌ぁあああああっ!?」
「っちょ!?お、おい、落ちつけ!?」
「っちょ!?お、おい、落ちつけ!?」
よし!
どうやら、相手は蜘蛛嫌いだったようだ
スパニッシュフライの統制が、崩れた
今がチャンスだ!
どうやら、相手は蜘蛛嫌いだったようだ
スパニッシュフライの統制が、崩れた
今がチャンスだ!
糸を作りだし、頭上に向けて発射する
ビルの突き出た部分に引っ掛け、そのまま上へと逃げる
そのままずっと、上へ、上へ
ビルの屋上まで、彼は一気に逃げ延びた
ビルの突き出た部分に引っ掛け、そのまま上へと逃げる
そのままずっと、上へ、上へ
ビルの屋上まで、彼は一気に逃げ延びた
「っ熱……くそ、さっきのガスが、例の女体化のガスか……!?」
自分は、それを吸ってしまった
…すなわち
自分は、女に、なってしまった?
…すなわち
自分は、女に、なってしまった?
「…ん?でも……」
ぺたぺた
彼は、自分の胸元に触れた
男の時と変わらぬつるぺったん
…本当に、女になったのか?
彼は、自分の胸元に触れた
男の時と変わらぬつるぺったん
…本当に、女になったのか?
……ごそごそと
男として、ついていなきゃいけないものを確認した
………
…………
男として、ついていなきゃいけないものを確認した
………
…………
ないっ!?
「うわ、マジかよ…」
間違いなく、彼は女になっていた
胸のサイズ、AAカップのつるぺったん少女に
一体、どうしたらいいものか
と、言うか、結局巻き込まれてしまったこの現状に、彼はしばし頭を抱えるのだった
胸のサイズ、AAカップのつるぺったん少女に
一体、どうしたらいいものか
と、言うか、結局巻き込まれてしまったこの現状に、彼はしばし頭を抱えるのだった
「いやいやいやいやいやいやいやいやいやぁああああああっ!!蜘蛛は嫌蜘蛛は嫌蜘蛛は嫌蜘蛛は嫌蜘蛛は嫌ぁあああああ!!!」
「落ちつけ、もう全部潰したから」
「落ちつけ、もう全部潰したから」
ひっし、と
人狼姿になったマリ・ヴェリテにしがみ付きつつ、震えているスパニッシュフライの契約者
集まってきた蜘蛛は、全てマッドガッサーとマリ・ヴェリテが踏み潰した
夕蜘蛛は親でも殺せ
別に、潰しても問題はあるまい…いや、潰すべきだろう
人狼姿になったマリ・ヴェリテにしがみ付きつつ、震えているスパニッシュフライの契約者
集まってきた蜘蛛は、全てマッドガッサーとマリ・ヴェリテが踏み潰した
夕蜘蛛は親でも殺せ
別に、潰しても問題はあるまい…いや、潰すべきだろう
ぷるぷるぷるぷる
が、蜘蛛たちを全て潰しても、恐怖が残っているのか震え続けているスパニッシュフライ契約者
しがみ付いているマリから離れることができない
が、蜘蛛たちを全て潰しても、恐怖が残っているのか震え続けているスパニッシュフライ契約者
しがみ付いているマリから離れることができない
「…に、しても、お前、蜘蛛が駄目だったのか」
「蜘蛛以外の虫なら平気よ。でも、蜘蛛だけは嫌、絶対に嫌!!」
「蜘蛛以外の虫なら平気よ。でも、蜘蛛だけは嫌、絶対に嫌!!」
断言するスパニッシュフライ契約者
…幼い頃、蜘蛛の巣にかかって怖い思いをしていらい、どうにも駄目なのである
…幼い頃、蜘蛛の巣にかかって怖い思いをしていらい、どうにも駄目なのである
「まぁ、可愛いところ見れたからいいがなぁ?」
「うぅぅ…」
「うぅぅ…」
ニヤニヤと笑って見下ろしてくるマリを前に、恥ずかしさを感じ…が、恐怖が消えたわけでもないので、離れることもできず
スパニッシュフライ契約者は、やや頬を赤く染めながら、マリから視線をそらすのだった
スパニッシュフライ契約者は、やや頬を赤く染めながら、マリから視線をそらすのだった
終わる