「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花子さんと契約した男の話-39e

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匿名ユーザー

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『…そうか、お前の知り合いは元に戻ったか』
「はい、おかげさまで」

 今、俺が通っている高校は絶賛学校閉鎖中
 でもまぁ、先生に情報の事のお礼を言いたくて、先生に電話していた

『わかった、あいつにも伝えておく。その解毒剤は人間相手なら有効、とな』
「はい……まぁ、その、その知り合い、都市伝説と契約もしてないんで…都市伝説と契約している人の場合はどうかわかりませんけど」
『ま、どうにかなるだろ』

 相変わらずの無気力な声
 でも、まぁ…ほっとしてくれているらしい事は、わかる

「とにかく、ありがとうございました」
『あぁ、どーいたしまして』

 …と、電話で話していて、気づいたのだが
 何か、さっきから若干、声が聞こえにくい
 と、言うか…先生が話している後ろの方で、何かガヤガヤしてるってか、がちゃがちゃ音が聞こえるってか…

「ところで、先生。今、どちらに?」
『学校だ。ちょいと仕事がな』
「…大変ですね」
『今度、うちの高校で最新の警備システムを導入する事になったらしくてな。そっちの設置の手伝いやらなにやらで借り出されてる」

 へぇ、最新の警備システム、ねぇ…
 …って

「そんなのの設置、一般人が手伝わされていいんですか?」
『いや、俺はそのカメラの前を通るなりして、きちんと映るかどうかチェックさせるのが基本だ。これくらいなら問題ないんだろ、多分。俺もあからさまにわかるカメラ以外はどこに設置されているのかわからんしな』

 …大変なんだな、先生も
 に、しても最新の警備システムなぁ…
 ………
 …………
 ……………

「…あの、先生。そのシステム、俺たちとしてはすげぇ都合悪いと思うんですが」
『あぁ、俺もちょっとそう思う訳で。どうしたらいいもんだか』

 うん、ヤバイ
 冷静に考えてヤバイぞ
 学校に監視カメラとか設置されまくるとなると…ヘタに学校に出てくる都市伝説と戦うとかできねぇだろ
 ヤバイだろ、色々と

『…まぁ、あまり映らない場所とか、チェックしとくわ』
「……すみません、頼みます」

 あぁ、もう
 ただでさえ見つからないよう戦うの大変だってのに、これ以上大変になるのかよ
 勘弁してくれよ畜生め
 ため息をついて、俺は携帯の通話を切った

「あ、兄貴ー、話終わった?」
「終わったー?」

 俺の部屋に入り込んでいた妹と花子さんが、俺に声をかけてきた
 なお、妹が通っている中学校も絶賛学校閉鎖中
 どんだけ学校閉鎖の波広がってんだよ
 大丈夫か、この街

「あぁ、一応な」

 携帯をしまうと、てちてち、花子さんが近づいてきた
 学校閉鎖中だから、学校にいても詰まらないのだろう
 花子さんは、最近、家に入り浸っている
 まぁ、花子さんの姿は俺や妹以外には見えないんだし、問題ないか

「…みー?けーやくしゃ、悩んでる?」
「ん、ちょっとな」

 警備システム、か…
 いや、色々と物騒なご時世だから、あった方がいいのかもしれないが
 だが、それが不都合って事もあるんだよなぁ
 どうしたらいいものやら

「…それにしても、お前、さっきからずっと携帯見てるな」
「え?うん、クラスメイトにオススメされた携帯小説。結構面白くてさ」
「ほっほっほ、若い人の書いた文章もいいねぇ」

 うぉう
 さり気なく鏡のばーちゃんも見てたっ!?
 ひょっとして、花子さんもさっきからそれを一緒に読んでいたんだろうか
 途中で退屈になってこっちに着たみたいだが

「ロンって人が書いてる話なんだけどさ、最近ちょっと作風変わったらしいけど、面白いよ。兄貴も読む?」
「ミステリーなら」
「ミステリーじゃないけど」

 じゃ、やめとこう
 正直、携帯小説苦手だし


 …ちらり、窓から外を見る
 インフルエンザ大流行のせいか、それともマッドガッサー騒動のせいか、人通りは少ない
 本当、学校閉鎖が終わった頃には、元に戻って欲しいものだ
 俺はそう考えながら、傍らにいる花子さんの頭を撫でるのだった





fin





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