思うのだ
自分は、皆の足手まといになってはいないだろうか?と
自分は、皆の足手まといになってはいないだろうか?と
自分が契約したスパニッシュフライの能力
それは、撹乱には便利ではあるが、直接的な戦闘能力はない
そして、自分自身に戦う力があるか?と問われると
……即答する事ができない
アレがあればちょっとは…と、思うけれど、近接戦闘ができない事に変わりはないし
自分は、足手まといでしかない
そんな気がして、ならないのだ
それは、撹乱には便利ではあるが、直接的な戦闘能力はない
そして、自分自身に戦う力があるか?と問われると
……即答する事ができない
アレがあればちょっとは…と、思うけれど、近接戦闘ができない事に変わりはないし
自分は、足手まといでしかない
そんな気がして、ならないのだ
……自分のせいで
マリに、あんな大怪我を負わせてしまった
マッドガッサーを、危険な目にあわせてしまった
マリに、あんな大怪我を負わせてしまった
マッドガッサーを、危険な目にあわせてしまった
もう、あんな思いをするのは嫌だ
仲間の足手まといになるのは嫌だ
仲間の足手まといになるのは嫌だ
だから
もっと、自分も戦えるようになりたい
せめて、自分が戦えなくとも…何か、スパニッシュフライの能力で何かできないか?
そう、彼女は考え込む
もっと、自分も戦えるようになりたい
せめて、自分が戦えなくとも…何か、スパニッシュフライの能力で何かできないか?
そう、彼女は考え込む
買出しの帰り道、スパニッシュフライの状態を確認しつつ、考え込み、歩く
ぶぅん…と、飛び回るスパニッシュフライ
なぜか、野良のスパニッシュフライも多いこの学校町
その野良をも飲み込み、スパニシュフライの数は日々、増え続けている
使っても使っても減らない、なんという繁殖力だろう
後は、自分がこれを使いこなせれば…
ぶぅん…と、飛び回るスパニッシュフライ
なぜか、野良のスパニッシュフライも多いこの学校町
その野良をも飲み込み、スパニシュフライの数は日々、増え続けている
使っても使っても減らない、なんという繁殖力だろう
後は、自分がこれを使いこなせれば…
「………?」
…と、ふと
嫌な気配を感じ、彼女は立ち止まった
……都市伝説の、気配
多分、契約者なしの野良
どこから、気配がする?
警戒しながら彼女は視線を彷徨わせ、見つけたのは…
嫌な気配を感じ、彼女は立ち止まった
……都市伝説の、気配
多分、契約者なしの野良
どこから、気配がする?
警戒しながら彼女は視線を彷徨わせ、見つけたのは…
…カタカタ動く、マンホール
「------っきゃあ!?」
がばんっ!!と
マンホールの蓋が何かの力で吹き飛ばされる
現れたのは、白い鰐
マンホールの蓋が何かの力で吹き飛ばされる
現れたのは、白い鰐
……マリの片脚を奪った下水道の鰐か!?
これは、不味い
とにかく、逃げないと…
これは、不味い
とにかく、逃げないと…
「っきゃ!?」
べちゃん!
無様に転んでしまう
あぁ、もう、どうして自分はヒールなんて履いていたのだ!!
迫り来る白い鰐
がばり、大口を開けてきていて
無様に転んでしまう
あぁ、もう、どうして自分はヒールなんて履いていたのだ!!
迫り来る白い鰐
がばり、大口を開けてきていて
…このままでは、飲み込まれる
「----スパニッシュフライ!!」
ぶぅぅぅぅぅん!!
彼女が契約しているスパニッシュフライたちが、あれ狂う
群れとなってそれは白い鰐を覆い、その視界をふさいだ
たかれて不愉快なのか、鰐は尻尾を振り回し、大口を開けて暴れている
彼女が契約しているスパニッシュフライたちが、あれ狂う
群れとなってそれは白い鰐を覆い、その視界をふさいだ
たかれて不愉快なのか、鰐は尻尾を振り回し、大口を開けて暴れている
「………」
その様子を、じっと見詰めて
ふと、彼女は気づいた
スパニッシュフライは媚薬
飲み込めば、媚薬の効果を発揮する
それは、催淫剤としての効果もあり、惚れ薬としての効果もある
…そう
惚れ薬と、しての
ふと、彼女は気づいた
スパニッシュフライは媚薬
飲み込めば、媚薬の効果を発揮する
それは、催淫剤としての効果もあり、惚れ薬としての効果もある
…そう
惚れ薬と、しての
「…やってみる価値は、あるわよね」
ぽそり、彼女は呟いて
白い鰐にたかる、そのスパニッシュフライたちを、数匹
一斉に、その開けられた大口へと、飛び込ませた
白い鰐にたかる、そのスパニッシュフライたちを、数匹
一斉に、その開けられた大口へと、飛び込ませた
「!?」
ごくり
白い鰐は、スパニッシュフライを飲み込んだ
…今だ!
スパニッシュフライたちを、鰐から退けさせる
鰐の視界が、はっきりと彼女を捕えた
…スパニッシュフライを飲み込んだ鰐が、彼女を捕えた
白い鰐は、スパニッシュフライを飲み込んだ
…今だ!
スパニッシュフライたちを、鰐から退けさせる
鰐の視界が、はっきりと彼女を捕えた
…スパニッシュフライを飲み込んだ鰐が、彼女を捕えた
にぃ、と
彼女は、口の端に笑みを浮かべる
彼女は、口の端に笑みを浮かべる
「さぁさ……これで、あなたは私の、虜」
「………」
「………」
…鰐は、ゆっくりと彼女に近づいた
彼女は、逃げない
そもそも、逃げる事もできないのだが
のすのす、のすのす
鰐は、ゆっくりと近づいて
彼女は、逃げない
そもそも、逃げる事もできないのだが
のすのす、のすのす
鰐は、ゆっくりと近づいて
…彼女の傍らに、体を落とすと
まるで、彼女に心底心を許しているかのように…ふっ、と目を閉じた
まるで、彼女に心底心を許しているかのように…ふっ、と目を閉じた
そっと、その頭を撫でる
鰐は、嫌がらない
鰐は、嫌がらない
………成功、したのだ
「…やれば、できるものね…」
スパニッシュフライの能力を考えれば、可能だったはずなのだ
どうして、今まで思いつかなかったのだろう
彼女は、小さく苦笑する
どうして、今まで思いつかなかったのだろう
彼女は、小さく苦笑する
「これで…マっちゃんやマリの、役に立てるかな…」
傷ついたマリの姿が、脳裏に蘇る
…嫌
嫌だ
もう、マリにあんな風に傷ついて欲しくない
自分のせいで、誰かが傷つくのは嫌だ
嫌だ
もう、マリにあんな風に傷ついて欲しくない
自分のせいで、誰かが傷つくのは嫌だ
だから、自分も
もっと、戦えるように、なるのだ
鰐を撫でながら、彼女は静かに、決意を固めるのだった
もっと、戦えるように、なるのだ
鰐を撫でながら、彼女は静かに、決意を固めるのだった
「…あら?」
「どうした?」
「……いえ」
「どうした?」
「……いえ」
バイト帰りの「日焼けマシンで人間ステーキ」と歩いていたはないちもんめは、下水道の白い鰐の支配が誰かに奪われたことを、確かに感じた
…最近増えていると言うコーク・ロアの支配型にやられた?
それとも、別の誰か?
距離が感知できるギリギリの範囲だったから、わからない
…とにかく、使える戦力が一つ減ってしまった事実に、はないちもんめは警戒感を強めるのだった
…最近増えていると言うコーク・ロアの支配型にやられた?
それとも、別の誰か?
距離が感知できるギリギリの範囲だったから、わからない
…とにかく、使える戦力が一つ減ってしまった事実に、はないちもんめは警戒感を強めるのだった