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連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち・決戦編-13

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○月×日 22:12 生徒会室横 階段前 及び 階段踊り場


 …ハーメルンの笛吹き
 その名前は、「組織」に居た頃に聞いた事がある
 自分は討伐に向けられた事はないが、何人か、こいつに返り討ちにあっていたはずだ

 ……いや
 今は、そんな事はどうでも、いい
 それよりも、重要な事は

「…その鼠は、お前が操ってるんだな?」
「あぁ、そうだ」

 それがどうした、と言うように、ハーメルンの笛吹きはこちらを見下ろしてくる
 マリか魔女の一撃を呼ぶ事を期待する、とこいつはそう言った
 ………ならば

「…誰が、てめぇの期待になんぞ、答えてやるか」

 視線を、ハーメルンの笛吹きの後方の………隠しカメラにやる
 こちらの映像はスーパーハカーが見ている
 そして…「爆発する携帯電話」に、それは伝わっている

「…………」

 つきり
 一瞬、胸が痛んだ気がした

 違う、あいつは裏切った訳じゃない
 …こちらの事を純粋に考えて、あの結論を出したのだ

 ………大丈夫だ
 計画が、この賭けが、うまくいけば
 きっと、あいつもわかってくれる

「…なぁ、ハーメルンの笛吹き」
「うん?」

 だが、その前に
 一つ、確認しておきたかった
 確認しても、意味などない
 ただ、空しくなるだけの事

 だが、空しくなるとわかっていても
 「13階段」は、それを確かめたかった

「……お前は名前があるか?」
「は?」
「名前だ。ハーメルンの笛吹きなんて都市伝説の名前じゃねぇ、人間としての名前だ」
「…あったとしても、名乗らなきゃいけない理由はないな」

 それは、そうだろう
 名前を知ることより、相手を操るような都市伝説や能力も、世の中には存在するから
 こいつは随分と用心深いようだから、きっと名前は名乗らない

 ただ、「13階段」は…このハーメルンの笛吹きという、大量殺人を犯した男に名前が存在するかどうか
 それが、知りたかったのだ

 ---あぁ、そうか
 こいつも、ちゃんと名前があるのか
 名前を持っているのか

「…お前には、名前があるんだな。今はどうか知らないが…ちゃんと、「日常」があったんだな」
「………?」

 「13階段」が何を言いたいのか、わからないのだろう
 かすかに、ハーメルンの笛吹きが怪訝な顔をする

「羨ましいじゃねぇかよ、畜生……やっぱり、普通はちゃんと、両親がつけた名前があるはずだよな。ちゃんと、「日常」があるはずだよなぁ…」

 畜生、畜生、畜生
 羨ましくて、妬ましくて
 殺してしまいたい
 だが、自分にそれだけの力はない
 「13階段」としての能力でしか、自分は他人を殺せない

 …だから、せめて

「…ゆっくり休んで体力回復、って言ってたな?……それじゃあ、もっとゆっくりできるようにしてやろうか?」
「……どういうことだ?」

 あぁ、そうさ
 ゆっくり休ませてやる
 ただし……この舞台から、引き摺り下ろす、という方法で

「-----やってくれ!!」

 声は、届くはずだ
 スーパーハカーが、届けるはずだ 
 「13階段」が叫ぶと同時
 ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ
 複数の携帯が、着信を告げる
 その音は、主に一年生の教室の側から響いていて

「…………っ!!」

 危険を感じたのだろう
 ハーメルンの笛吹きが、生徒会室側へと移動した

 ----ごぅんっ!!と
 一年生教室傍に仕掛けられていた携帯電話が一斉に爆発する
 爆発は鼠の群れの一部を巻き込み、鼠たちの数を減らした
 だが、それはどうでもいい
 本当の狙いは、そこじゃない

「閉じ込めろ!!」
『シャァネェナァア!!はにーモタノンデキテルカラニハ、キイテヤルゼェ!!』

 声は、「13階段」がポケットに突っ込んでいた携帯電話から響いた
 都市伝説 スーパーハカーの、機械的な声

「その声は……っ!?」

 ハーメルンの笛吹きは、何かに気づいたようだった
 だが、もう遅い

 ガラガラガラガラガラガラガラガラガラ

 何か、重たい物が降りてくる……音

 ガシャアァアアン!!!と
 生徒会室側の廊下から、階段への道
 そこに……分厚い、防火シャッターが下ろされた

「…悪いな。俺の女を怖がらせた事と……俺が持つ事を許されなかった名前と日常を持ってるお前がムカついたんで、閉じ込めさせてもらったぜ。ハーメルンの笛吹き」
『オイコラ、ヘタレ。オレノオンナッテノハダレノコトヲイッテンダ?』
「「爆発する携帯電話」のあいつに決まってるだろ。こう言うのは言ったもん勝ちだ」

 スーパーハカーの突っ込みに、堂々と言い切った
 あぁ、もう、言い切ってやるよ
 そりゃ、あいつは元は男だが今は女だ
 うん、だからそれでいいのだ

 …ハーメルンの笛吹きは閉じ込めた…が、そのうち、出てくるかもしれない
 生徒会室に入り込む事は可能だし、窓まで封じた訳じゃない
 それに、マリが「嫌な気配がする」とか言っておいてきた、という獲物…
 もしかしたら、村正辺りの一種かもしれない
 だとしたら、こんな防火シャッターなど、あっさりと切り裂くだろう

 ----だが、それでも
 ネズミと言う無数の悪意で「爆発する携帯電話」を怯えさせたハーメルンの笛吹きと顔を合わせていると
 …自分がどんなに望んでも手に入れられなかった名前や日常を持っていた、いや、今だって…大量殺人鬼になった今すら、名前をもち続けている男と顔を合わせていると
 憎らしくて憎らしくて憎らしくて憎らしくて、ただ殺意だけが湧き上がり

 とてもじゃないが…冷静でいられそうに、なかったのだ




to be … ?





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