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連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち・決戦編-14

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○月×日 22:25 北区山の中


 みっしりと
 みっしりと、藁人形が打ち付けられた大木
 ーーーーぽぅ、と
 その大木が、内側から光って

 直後
 激しい爆音と共に木は内側から爆破され…折れて、倒れた

 大木に打ち付けられた藁人形の能力が…ついに、発動した




○月×日 22;26(日本時間) アメリカ某所

 それは、追撃者を前に一歩も引く様子はなかった
 全身に無数の傷を負いながらも、それは退かない
 もちろん、殺されるつもりもない
 ガスマスクを被ったそれは、己が製造できる上でもっとも凶悪な毒ガスを、追撃者達に噴きつけようと、ガスの噴射口を追撃者達に向けた


 -------その時
 彼を、激しい激痛が襲った
 何者かともわからぬ何かの力が、彼を締め付ける


 それは、呪い
 どこかの誰かの呪いが、彼を締め上げて


 それは、瞬間的な激痛だった
 しかし、それは彼にとって、致命的な隙になってしまって

 直後、彼は己の体が何かに貫かれた事を、確かに感じて

「------く、そ」

 カラン……っ、と
 彼の被っていたガスマスクが、落ちて……彼の体は、この世から消滅した




○月×日 22;30 屋上


「-------っ」

 ほんの数分前、何かに締め付けられるような感覚を覚えた
 しかし、それはほんの一瞬で…すぐに、その苦しさは消えたのだが

 …今、感じたもの
 それは、濃密な、死のイメージ


「…マッドはん?どないしたんや?」

 似非関西弁の女性が、心配そうに声をかけてくる
 ----っば!!と
 マッドガッサーは、慌てて似非関西弁の女性の顔を覗きこむ

「っひゃ!?ど、どないしたん?」
「お前、体に異変はないか!?」
「…………へ?」

 きょとん、と
 似非関西弁の女性は、不思議そうにマッドガッサーを見つめる

「と、特に何も…大丈夫、やけど」
「……良かった」

 ほっと、安心したような声をだすマッドガッサー
 ガスマスクのせいで表情は見えないが、心からほっとしたようだった

「……何があった?」

 スパニッシュフライの契約者を落ち着かせようとしていたマリが、疑問の声をあげた
 先ほど、似非関西弁の女性に慌てて声をかけたマッドガッサー
 …そうだ、慌てていたのだ
 一体、何があったと言うのか
 マリの問いに、マッドガッサーはかすかに俯いて

「………兄貴が、死んだ」

 と、小さく答えた

「兄貴て……マッドはんの、片割れ?」

 あぁ、とマッドガッサーは頷く
 本来は、一つの存在だった片割れ
 その死を、はるか遠く離れていても…彼は、感じとったのだ
 あの濃密な死のイメージは…片割れの死、そのものだ

「兄貴が死んで、俺と兄貴に分散されていた分の兄貴の力……っつか、知識と技術だな。それが一部、俺に戻ってきた。ヘタをしたら、契約者であるお前にまで影響が出たかと思ったんだが…」
「いや、うちは全く。特にそう言う感覚はあらへんけど…」

 小さく首をかしげる、似非関西弁の女性
 …それなら、良かったのだ
 マッドガッサーは改めて安堵する
 自分の力が変化したことで、契約者である彼女の器の限界を超えてしまう事が、恐ろしかった
 彼女を、都市伝説化させる訳にはいかない

「……ま、あの糞兄貴が死んでくれたんだ…これで改めて、計画に集中できるから、良しとするか」

 ぼそり、マッドガッサーは小さく呟く
 自分にとって最大のトラウマで、最大の敵が死んだのだ
 これで、ここで計画が成功すれば……同じ事を、世界中で行える
 もし、あの最悪の片割れがまだ生きていたら、アメリカは最後に回そうと思っていたが…この国全てで計画を終えたら、次はあの国でもいいな

 ガスの精製を続けながらも、マッドガッサーはそんな事を考えたのだった



to be … ?



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