「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - Tさん-a-17

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 階段を前にして足止めを食らっちまった。
 その足止めを担当している、黒服さんに見せてもらった写真の通りの≪13階段≫の兄ちゃんを見ながら、写真を見せてもらった時に聞いた話を思い出す。
「黒服さんから聞いた話だと≪13階段≫って遠距離攻撃に無力なんだよな?」
 そう言ってTさんに顔を向ける。
 Tさんは、ふむ、と相槌を打ち、
「では一発いってみるか?」
 手に光を灯して≪13階段≫の兄ちゃんに向けた。
「つーかーな仲だな」
 髪が伸びる黒服さんが呟いている。
 すると、
「待ってくださいませ!」
「うぉっ!? 犬が喋った!?」
 メイドの姉ちゃんを背負ったでっかい黒犬がなにやらTさんを止めるように喋った。
「喋る人形を普段から連れておいて何を言っているんだ」
 Tさんはそう言いながら黒犬を見て訊ねる。
「ドクターがどうとか言っていたな。それが問題か?」
「ええ」
 黒犬の姉ちゃんの話だとドクターとかいう人物が≪13階段≫に飲まれちまったらしい。
「気絶させれば戻ってくる……わきゃないか」
「下手をすると≪13階段≫の異界へ侵入するルートを潰すことになりかねんな」
 俺の一言を受けてTさんがぼやく。
 さてどうしたもんかと首を巡らせていると髪が伸びる黒服さんと目があった。どうも≪13階段≫の件はいろいろ難しそうなので先にこっちの疑問を晴らしておくことにする。
「そういや髪がのびる黒服さん、≪スパニッシュフライ≫から逃げられたんだ? 突然消息不明になるし、かと思ったらとりあえず戦意喪失した≪魔女の一撃≫が≪スパニッシュフライ≫に髪の伸びる黒服さんは操られてるって言ってたからちょっと心配してたんだぜ?」
 見た感じだと髪の伸びる黒服さんは無事そうだ。
「ああ、おかげでいろいろと殴られたけどな。それにしても、奴らの戦力を一つ潰したのか。そいつは良好だな」
 そう言って笑う表情もこの前会った時と大して変わらなく見える。
「……髪の伸びる黒服さんはマッドガッサーを止める側でいいんだな?」
 Tさんが尋問するように訊ねた。
「おいおい、じゃなきゃこんなところで真面目に説得なんてしてないぜ?」
「あんまりまじめにみえないのー」
「人形が、しゃべった……?」
 爆乳嬢ちゃんがなんか驚いてる。俺的にはその体系こそが驚きなんだけどな……。
 髪の伸びる黒服さんは、あー、と唸ると、
「それは、アレだ。じっくり相手を刺激しない戦略なのと、あと、このハーレム状態を長く味わっていたくてな。また女率が増えたわけだしな。なんならTさんも女体化してみるか?」
「いらん」
 女体化したTさん。見たいかもしれない……。そしてそれをハーレム的な意味で見たがるこの黒服さん、変態なのかもしれない。
「≪魔女の一撃≫が髪の伸びる黒服さんはマッドガッサーの計画に共感していた、と言っていたからな。そしてその能力を持っていてドクターを階段に飲みこまれている現状……少し疑いたくなった」
 共感っつーと、
「確か『人間と都市伝説の境界を取っ払えるんだとしたら素晴らしい』ってやつだっけ? 俺もそれ自体はいいことだと思うぞ?」
 俺が言うとTさんは首肯。
「確かに俺もその考えには賛成だが、マッドガッサーのやり方にまで賛同されていたらかなわん」
「おいおい、一応数人に対して妨害に動いていたがそれは≪スパニッシュフライ≫に操られていたからであってな?」
 弁解する髪の伸びる黒服さんを見てTさんは頭をかく。
「ああ、だろうな。――すまない、結構連戦していて多少疲れているようだ」
 言ってTさんはため息を吐く。
 そして皆に対して、
「さて、俺たちは≪魔女の一撃≫とその契約者の戦意喪失以上の交渉材料を持っていないわけだが……」
「困りましたね」
 結界嬢ちゃんも言葉の通り困り顔で言う。
「ドクターって奴は大丈夫なのか?」
「いや、急がないと危険なんじゃないかと思う」
 階段を見ながらの独り言に爆乳嬢ちゃんが答えてくれた。
「だろうな」
 Tさんも階段上を見上げる。
「……もし実力行使に出るのなら声をかけてくれ。それまでは、待機か」
 階段前、最上階に上るために通らなければならない通路を目の前にしながら、ひとまず待つしかないのだった。


22:35 二階踊り場


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