「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - Tさん-a-19

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 ≪モンスの天使≫が行う銃撃の嵐の中、携帯に向かって髪が伸びる黒服が半ば叫ぶようにいくつかの言葉を並べて数秒、
「察してくれ! お嬢さん、モンスの天使の契約者をちょっと黙らせてくれ!」
 そう髪が伸びる黒服が電話の向こうに言い、青年にニヤリと笑んで後、更に数十秒、青年が接近してきた≪モンスの天使≫相手に動こうと思った直後、
 天使たちによる銃撃がピタリと止んだ。
「ご主人様がピンチ!? 危ない!?」
「戻らなきゃ、戻らなきゃ!!」
 そんなことを言い合いながら元来た方向へと帰っていく≪モンスの天使≫たちを呆気にとられて見送り、
「これはまた、対応が早い」
 青年は呟き、安堵の息を吐いた。
 そして周囲が突然の銃撃終了を実感し始めた頃、髪が伸びる黒服の携帯が鳴った。
 銃撃が止んだためか、近くに居る青年には電話の向こうの声も微かに聞こえてくる。
 それは幼い少女のもので、髪が伸びる黒服はなにやら要求を受けているようだった。
「……助かった。今度、甘い物でも持って行ってやる」
 億劫そうにそう言った髪が伸びる黒服を見て、「ずいぶんとかわいらしい声の切り札だ」と微かに青年は笑う。が、
『ふむ、まぁ良……とこ、で、H-360、。確……お前、消息不、態だっ……では』
 途切れがちに聞こえる少女の声が一つのシリアルナンバーを告げた。
 ……H-360?
 青年が疑問を抱いたそのすぐ後に通話を切る髪が伸びる黒服。彼は≪13階段≫の契約者へと目を向ける。
 青年もそこへと目を向ける。その背にH-96と刻まれている≪13階段≫の契約者は≪爆発する携帯電話≫の契約者を護るように前に出て構えており、≪爆発する携帯電話≫の契約者も≪13階段≫の契約者の名らしきものを呼んで気遣っていた。
 そして、
「……、あれは男? いや、女体化したから女……? ならおーけーなの、か? いやいや……」
「お姉ちゃーん?」
 その光景を見て青年の契約者の少女は首を捻ってなにやら哲学的な思考を行っていた。リカちゃんはそのあまりの思考の深遠さに置き去り状態だ。
 青年はため息と共に少女の肩を叩く。
Tさん?」
 振り向いた少女に青年は一つ頷き、重々しく告げた。
「こういう世界も、ある」
「そう……なのか?」
「ああ」
 話し合っていると、
「……あぁ、そうだ、そこのあんた」
 ≪13階段≫の契約者が青年に向かって声をかけてきた。
「……俺か?」
 青年が答えると≪13階段≫の契約者は無言で頷き、
「あんた、俺の背中のシリアルナンバーが何なのか、気にしたな?」
「む……」
 以前黒服に聞いた話では≪13階段≫は≪組織≫を裏切ったのだという話だった。もしかしたらシリアルナンバーから≪組織≫を裏切った理由でも聞き出せるかもしれないと思い、髪が伸びる黒服に問いかけたことだったが、
『あんたも元≪組織≫の人間だろ? なら察してくれや』
 ……あの髪が伸びる黒服さんの言葉でなんとなく予想はつくが、
 話してくれるのならば聞くこともやぶさかではない。思い、耳を傾ける。
 ≪13階段≫の契約者は暗く笑って、
「これは、≪組織≫の実験体のナンバーだ。俺は≪組織≫で色々と実験に使われたからな」
 周囲に軽いざわめきが起こる。
「あぁ、そうさ。訳のわからない薬飲まされたり注射させられたり、同僚同士殺し合わされたり色々殺させられたり……色々と、やらされたよ」
 服の裾を掴んでいる≪爆発する携帯電話≫の契約者をちらりと見、≪13階段≫の話は続く。
「他にもそう言う事をされてた連中はたくさんいたが……まぁ、≪夢の国≫の騒動の時にほとんど死んだからな。少なくとも、俺が受けていたような実験の生き残りは、俺だけだ」
「……っまさか、先ほどのモンスの天使の襲撃は……」
「口封じ、だね? その実験の真相を知っている、君の」
 結界の少女とト○ロの契約者がそれぞれ言うのへ、だろうな。と答える≪13階段≫の契約者。
「……マッドガッサーの計画がうまくいきゃあ……世界中が、そうなれば。少なくとも俺はもう命を狙われずにすむし、俺のような目に合う奴もいなくなる……こいつだって」
 そう言ってちらりと≪13階段≫の契約者が≪爆発する携帯電話≫の契約者に視線をやった。
 それに小さく首をかしげ……しかし、≪13階段≫の契約者に向けている心配そうな視線はそのままな≪爆発する携帯電話≫。
「だから、俺は≪13階段≫を解除するつもりはねぇ……お前達を、屋上には行かせない」
 そう宣言する≪13階段≫の言葉に、≪爆発する携帯電話≫は慌て、説得でもしようというのか声をかける。
 ……≪組織≫は相変わらず、か。――それにしても妙な構図だな。
 青年は自分の居た頃と大して変わらない≪組織≫に落胆しながら、どうしたものかと考える。 もう23:00だ。正直なところ屋上まで上がるのにこんなに時間を取られるとは思わなかった。そろそろ急いだ方がいいだろう時間だ。そして戦力的に見ればここの突破は容易い。
 だが、
 今回の件を出来得る限り丸く収めようというのなら、ここの強行突破は得策ではない。下手をすると≪13階段≫の契約者を殺してしまう結果になりかねないのも問題だ。
 ……もし俺が彼らと対峙することがあっても出来得る限り殺さないという黒服さんとの約束もあることだし、
 契約者をちらりと見て、
「穏便にいきたいものだ」
 呟く。
 声に反応してこちらを振り返った髪が伸びる黒服。
 ……こっちもシリアルナンバーの繋がりで気になることがあるが……。
 髪が伸びる黒服さんが襲撃を察知していたのは同じようなシリアルナンバーを持つ者として口封じを予期していたからだろうか? 
 ……いや、深入りはすまい。
 そう思い、青年は髪が伸びる黒服へと笑いかけ、
「甘い物が入用ならばいい店を紹介しようか? 今は≪組織≫の管轄だったろうか、西区にいい喫茶店がある」
 契約者の少女も甘い物という言葉に反応して髪が伸びる黒服に言う。
「甘いもんならアレだ。黒服さんの知り合いにものすごく甘いモノを作る人がいるぜ」
 いきなり甘味処の紹介をされて面食らったような髪が伸びる黒服を見ながら、青年はいつまでならば強行突破を図らなくていいだろうかと思案する。
 すると、階段の下のほうから足音が聞こえてきた。――また人数が増えるようだ。

23:00


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