「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち・決戦編-15c

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○月×日 22:40 視聴覚室横階段踊り場


「…………」

 …己の契約している都市伝説で作り出した異空間
 そこに取り込んだはずの女性が、何者かによって救出されたことを、「13階段」は確かに感じ取った
 転移系能力は、魔女の一撃が描いた魔法陣によって封じられている
 異空間に干渉する能力だって、ある程度封じられているはずなのだ
 だと、言うのに…異空間に干渉してきて、中に取り込んだ相手を救出した
 異空間操作のエキスパートが、校内に入り込んでいる
 …それは、確かだ

 ちらり、傍に置いてある携帯電話に視線をやった
 そこには、一階職員室傍の階段の前に集まる男女…と言っても男は少年一人だが…の姿を映し出していた
 あの、デカい胸の女の仕業か
 確か、あれは…女に変えてやった、赤い靴
 くそ、あの赤い靴、異空間操作に長けているのか
 目の前の連中に、悟られる訳にはいかない

「…なぁ、意地を張るのはやめないか?」

 黒服が、声をかけてきた
 自分に、色々と教えてきた黒服が…本気なのかやる気がないのか、なんとも中途半端な態度でこちらを見あげてきている

「意地?何の事だ?」
「お前さんは、意地を張ってるだけだろ。今の状況も全部わかっていて「13階段」の能力を解除しないのは、お前さんが意地を張っているだけだ」

 他の連中よりは、一歩退いた位置…窓際に寄りかかるような体制で、黒服はこちらを見あげてきている
 …相変わらずの、どこかニヤけた顔
 何もかもわかっているようなふりをして、大嘘をつくときの顔
 まったく、気に食わない

「ま、意地を張りたくなる気持ちもわかるがな。説得に応じないのは、マッドガッサーやマリのことを考えてのことだろ?連中、説得しに来た「ふりをした」連中に騙されかけたり騙されたりしてきてるからな」
「…………」

 …どこまでを、本当に知っているのか
 それとも、ハッタリや推測を含んでいるのか
 あぁ、畜生が
 あのど変態、真面目な考えをしていやがる時は、全く考えが読めない

「俺達が本当にお前さんたちに危害を加えたくなくて説得しようとしているのか…いや、俺たちがそうだとしても、俺たちの上司やら関係者やら。その辺に悪意がないとは言い切れない。だからだろ?」
「っちょ、Hさん…」
「-----あぁ、そうだよ」

 胸のでかいガキが黒服に何か言おうとしたが、無視して、答えてやった
 あぁ、そうだ
 こいつらに善意があったとしても、こいつらの仲間までそうとは限らない
 …特に、「組織」は
 俺は「組織」を信じない
 信用などしない
 だから、信じてなどやるものか

 …それに、あの白衣の女だって
 俺の「13階段」に、踏み込んできたが…あの女の覚悟は感じてやったが、あの女の「上」を信用する気はない
 研究者肌の奴だったようだが、もし、あの女の所属組織も、そう言う研究タイプだったら…特に、科学的な研究タイプだったら
 なおさら、その説得を聞く気にはならない
 マッドガッサーもマリも、そう言う連中に酷い目に合わされている
 まぁ、マリを一番酷い目にあわせたり、魔女の一撃にも酷い事をしやがったのは「教会」の連中だが…

 ……まぁ、いい
 どちらにせよ、俺は「13階段」の能力を維持し続けるだけだ

「俺としても、お前たちを信用する気はない…だから、通さねぇよ」

 屋上に、行かせてなるものか
 屋上への階段を全て封じるのが……今回の作戦で、俺が「唯一」できる事だ


「…意地だな、まったく」

 黒服Hは小さく苦笑した
 「13階段」の能力以外、彼には戦闘能力がない
 …今回の戦いで、彼が唯一できること
 それが、屋上への道を封じる事だ

 だから、そう簡単に能力を解かないだろう
 唯一できるその仕事を、そう簡単には放棄しないはずだ
 絶対的に不利な状況になろうとも…きっと、彼はその意地を貫き通しかねないな、と黒服Hは小さく苦笑したのだった





to be … ?




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