「----俺を相手に選んで、後悔すると思わないのか?」
はらはら、雪が舞い散る学校町
繁華街を歩く一組のカップルの、男がそんな言葉を言い放った
一緒に歩いていた女が、きょとんとした表情を浮かべる
繁華街を歩く一組のカップルの、男がそんな言葉を言い放った
一緒に歩いていた女が、きょとんとした表情を浮かべる
「後悔?」
「あぁ」
「どうして、後悔なんてしなければいけないの?」
「あぁ」
「どうして、後悔なんてしなければいけないの?」
なんとも不思議そうに女は首をかしげる
そんな女の様子に、男は小さく苦笑した
そんな女の様子に、男は小さく苦笑した
「…俺は人間じゃないんだぞ?」
この男、人間ではない
青紫の髪は染めたものではなく、天然の色だ
ひとたび正体を現せば、その背中からは黒い翼が出現する
女はそれを知っていて、男と恋仲になっているのだ
そしてそれは、もう4年も続いている
青紫の髪は染めたものではなく、天然の色だ
ひとたび正体を現せば、その背中からは黒い翼が出現する
女はそれを知っていて、男と恋仲になっているのだ
そしてそれは、もう4年も続いている
「それがどうかしたの?」
男の言葉に
しかし、女は不思議そうに続けるのだ
しかし、女は不思議そうに続けるのだ
「私は、心からあなたに惚れたから、あなたと付き合っているのよ。何故、後悔なんてしなければならないのかしら?」
「人間じゃない者と付き合っていたら、いつかは後悔するかもしれないぞ?」
「人間じゃない者と付き合っていたら、いつかは後悔するかもしれないぞ?」
人と、人ならざる者…都市伝説
特に、この男には「寿命」と言うものが存在しない
しかし、女は人間であり、老いていってしまう
いつか、自分などと言う化け物と恋仲である事を後悔する日が来るのではないか
男は、それが心配なのだ
特に、この男には「寿命」と言うものが存在しない
しかし、女は人間であり、老いていってしまう
いつか、自分などと言う化け物と恋仲である事を後悔する日が来るのではないか
男は、それが心配なのだ
しかし、女はからからと笑う
「後悔なんてしないわよ。だって、私のあなたへの想いは真実だもの。だから、たとえあなたが何者であろうと、あなたに恋をした事でどんな結末が待っていようとも、私は後悔しない」
はっきりと、女は言い切る
迷いなど、一切存在しない、そんな様子で
迷いなど、一切存在しない、そんな様子で
「好きになったことを後悔するならば、それは真実の恋じゃないんじゃない?本当に愛しているならば、後悔なんてするはずないもの」
…まったく
彼女は、どこまでも真っ直ぐで
そして、こう言う事も、恥ずかしげもなく言い切ってしまう
彼女は、どこまでも真っ直ぐで
そして、こう言う事も、恥ずかしげもなく言い切ってしまう
……だから、惚れたのだな
男は、そう考える
男は、そう考える
「じゃあ、逆に聞くけど、あなたは私を愛してくれた事を、後悔するかしら」
「いいや」
「いいや」
男も、はっきりと言い切る
後悔など、するものか
自分は、確かに彼女を愛しているのだから
後悔など、するものか
自分は、確かに彼女を愛しているのだから
「ふふっ、ありがと」
くすくす、女は笑う
その笑顔に、男は引き込まれる
その笑顔に、男は引き込まれる
「後悔するって言ったら、右手でひっぱたいてたかも?」
「右手は勘弁してくれ、せめて左手で」
「右手は勘弁してくれ、せめて左手で」
…冗談だとしても、遠慮してくれ
男は、肩をすくめた
自分が人間ではないとは言え、彼女の「右手」で引っ叩かれたら…いや、能力を使ってはこないと思うが…どうなるかわからない
男は、肩をすくめた
自分が人間ではないとは言え、彼女の「右手」で引っ叩かれたら…いや、能力を使ってはこないと思うが…どうなるかわからない
「ほら、行きましょ?映画見るんでしょ」
「あぁ」
「あぁ」
ぎゅ、と手をつながれる
暖かなぬくもりに、男は笑った
暖かなぬくもりに、男は笑った
「…それにしても、突然どうしたのよ、マステマ。あんな事聞いてきて」
「……お前が、何か男と話していたから……」
「?」
「……お前が、何か男と話していたから……」
「?」
女は、ふと考えて
あぁ、と思い当たる
あぁ、と思い当たる
「彼ね。彼は昔の同級生ってだけよ」
「…それだけか?」
「…それだけか?」
マステマと呼ばれた男が、念を押すように尋ねると
女は、ん~、と考えて…続ける
女は、ん~、と考えて…続ける
「…好敵手、かしら?」
「何の好敵手だ。何の好敵手なんだ」
「殴り合い的な意味……「双頭の狂犬」、結局二人とも、ただの一度も勝たせてはくれなかったわね…」
「話を聞くたび思うんだが、どんな高校生活を送っていたんだ…」
「何の好敵手だ。何の好敵手なんだ」
「殴り合い的な意味……「双頭の狂犬」、結局二人とも、ただの一度も勝たせてはくれなかったわね…」
「話を聞くたび思うんだが、どんな高校生活を送っていたんだ…」
…一見、殴り合いには無縁そうに見える女だと言うのに
しかし、彼女の昔の話を聞くと、その手の話題が多い
一部は、彼女にとって大切な弟を護る為のものとはいえ、勇ましいことである
しかし、彼女の昔の話を聞くと、その手の話題が多い
一部は、彼女にとって大切な弟を護る為のものとはいえ、勇ましいことである
--その勇ましさにも、彼は惚れたのだが
「何よ、マステマ。ヤキモチ?」
「…別に」
「…別に」
いや、ヤキモチ、だったのだが、完璧に
あら、と笑う女に、ややむくれたようにそっぽを向く
あら、と笑う女に、ややむくれたようにそっぽを向く
…彼女は、夜には弟と一緒に過ごすからと言っていた
彼女と共に過ごせるのは昼間だけ
だからこそ、昼間は自分以外の男に意識を向けて欲しくないと思うのは、はたして我侭だろうか?
彼女と共に過ごせるのは昼間だけ
だからこそ、昼間は自分以外の男に意識を向けて欲しくないと思うのは、はたして我侭だろうか?
カップルもげろと言いつつfin