ぺたし
ぺたぺた
街中にポスターを張っている男と少女
…誰がこれを知るだろう
この男が、街を騒がせる連続殺人鬼「ハーメルンの笛吹き男」であると
ぺたぺた
街中にポスターを張っている男と少女
…誰がこれを知るだろう
この男が、街を騒がせる連続殺人鬼「ハーメルンの笛吹き男」であると
「さて、メル。あとどれくらいポスター残ってる?」
「ぶっちゃけ、まだ相当残ってます。調子こいて印刷しすぎですよ。マスター」
「そ、そんな事ないぞ?うっかり印刷枚数桁間違えたとか、そんな事はないからなっ!?」
「間違えてたんですね。何だか多いなー、って思ってたんですけど、突っ込むべきだったんですね、止めるべきだったんですね、あの場面は」
「ぶっちゃけ、まだ相当残ってます。調子こいて印刷しすぎですよ。マスター」
「そ、そんな事ないぞ?うっかり印刷枚数桁間違えたとか、そんな事はないからなっ!?」
「間違えてたんですね。何だか多いなー、って思ってたんですけど、突っ込むべきだったんですね、止めるべきだったんですね、あの場面は」
…自分の契約都市伝説になんだか突っ込みを受けたりしているが、まぁ、この男は連続殺人犯なのである
間違えなく善人ではなく、しかし、完全な悪人か?と問われれば、それを断定する事は誰にも出来ない
いっそ愛おしい程に狂っているようでいて、しかし、狂ってすらいない
最凶にして最悪で、しかし身内には優しい、そんな殺人鬼
間違えなく善人ではなく、しかし、完全な悪人か?と問われれば、それを断定する事は誰にも出来ない
いっそ愛おしい程に狂っているようでいて、しかし、狂ってすらいない
最凶にして最悪で、しかし身内には優しい、そんな殺人鬼
ぺたぺたぺたし
街中に、ポスターを張っていく二人
…許可?何それ、美味しいの??
とまれ、そうやってポスターを貼っていっていると
街中に、ポスターを張っていく二人
…許可?何それ、美味しいの??
とまれ、そうやってポスターを貼っていっていると
「…む、メルよ、見ろ」
「?……幼女ですね」
「あぁ、幼女だ」
「?……幼女ですね」
「あぁ、幼女だ」
ロリーーーン
上田の視線の先、そこに、一人の幼女…いや、幼女と少女の中間、と言った所か
そんな少女が歩いていた
ふりふりのゴスロリ服に、黒いレース生地の日傘
俗に言う美少女であろう
こんな曇り空の日に、日傘を差しているのはやや不自然だが…
上田の視線の先、そこに、一人の幼女…いや、幼女と少女の中間、と言った所か
そんな少女が歩いていた
ふりふりのゴスロリ服に、黒いレース生地の日傘
俗に言う美少女であろう
こんな曇り空の日に、日傘を差しているのはやや不自然だが…
「とりあえず、友好的に接触しようと思うんだ。人気もないし」
「軽く誘拐フラグなセリフですよね」
「軽く誘拐フラグなセリフですよね」
…記述を忘れていたが、この上田と言う男、ロリコンである
契約都市伝説であるハーメルンの笛吹きこと、メルとは性的な意味でもナイスパートナーである
契約都市伝説であるハーメルンの笛吹きこと、メルとは性的な意味でもナイスパートナーである
「そんな訳で…これを身につけようと思う」
すちゃり
取り出しますはネコミミカチューシャ
上田は、躊躇いなくそれをつけた
「持ち歩いてたんですか。持ち歩いてたんですか、それ」と言うメルの突っ込みはひとまずスルー
上田はネコミミカチューシャをつけた状態で、幼女に近づこうとして
取り出しますはネコミミカチューシャ
上田は、躊躇いなくそれをつけた
「持ち歩いてたんですか。持ち歩いてたんですか、それ」と言うメルの突っ込みはひとまずスルー
上田はネコミミカチューシャをつけた状態で、幼女に近づこうとして
「-------!」
ぴくり
気配と視線を感じて…足を、止める
メルと一緒に、ほぼ同時に視線の先に振り返った
気配と視線を感じて…足を、止める
メルと一緒に、ほぼ同時に視線の先に振り返った
そこにいたのは、一人の女
すらりと背が高く、豊かな胸を持っている
正直、上田の好みではない…いや、それは関係ないとして、上田もメルも、面識がない相手だ
だと言うのに、じっと上田を見つめてきている…その様子に、二人は警戒する
すらりと背が高く、豊かな胸を持っている
正直、上田の好みではない…いや、それは関係ないとして、上田もメルも、面識がない相手だ
だと言うのに、じっと上田を見つめてきている…その様子に、二人は警戒する
「…何か用かにゃ?」
「マスター、やめてくださいその口調」
「マスター、やめてくださいその口調」
ネコミミをつけている状態だったので、うっかりと口調が「にゃ」になってしまった上田
仕方ない、ネコミミを外すか…と、ネコミミカチューシャに手を伸ばそうとして
仕方ない、ネコミミを外すか…と、ネコミミカチューシャに手を伸ばそうとして
気づく
女性の様子が、おかしい事に
女性の様子が、おかしい事に
「…………い」
何か、呟いている
「……ネコミミ……かぁいい……」
「は?」
「は?」
二人が、その呟きを聞き取った、その瞬間
女の姿が消えた
上田の姿が、消えた
上田の姿が、消えた
「-----え!?」
慌てて、辺りを見回すメル
上田も女も、すぐに見付かった
上田も女も、すぐに見付かった
「お、おおおおおお、お持ち帰りぃいいいいいいいいいい!!!!」
「…………っな!?」
「…………っな!?」
女に抱えられている上田
決して小柄でもないし細身と言う訳でもない上田の体を、女はあっさりと抱えていた
そして、なんとも幸福そうな顔で、走り去る
…まさしく、お持ち帰り
決して小柄でもないし細身と言う訳でもない上田の体を、女はあっさりと抱えていた
そして、なんとも幸福そうな顔で、走り去る
…まさしく、お持ち帰り
一瞬の事で、対応しきれなかったのだろう
そして、状況の把握が遅れているのだろうか
上田は、固まったままだ
そして、状況の把握が遅れているのだろうか
上田は、固まったままだ
「ッマ、マスター!?」
慌てて、メルは女を追いかけていく
しばし…女とメルの、追いかけっこが続いた
しばし…女とメルの、追いかけっこが続いた
----数分後
「いやぁ、御免ねぇ」
申し訳無さそうに、女は笑う
上田は、解放されている
メルが、女を警戒して見上げながら、上田にしっかりとくっ付いていた
上田は、解放されている
メルが、女を警戒して見上げながら、上田にしっかりとくっ付いていた
「まぁ、何というか、言い訳を聞こうか」
「ネコミミ青年なんて言うかぁいい生き物を見つけて…正気を失ってしまっていたわ」
「むしろ聞きたくなかった!?」
「普段はそんな事ないんだけど…ネコミミをつけたあなたが、あまりにもかぁいいものだから」
「ネコミミ青年なんて言うかぁいい生き物を見つけて…正気を失ってしまっていたわ」
「むしろ聞きたくなかった!?」
「普段はそんな事ないんだけど…ネコミミをつけたあなたが、あまりにもかぁいいものだから」
ほぅ、と至福の表情を浮かべる女
あぁ、変態だ
上田とメルは、即座に結論を出した
あぁ、変態だ
上田とメルは、即座に結論を出した
「…ねぇ、今度は連れ去らないから、またネコミミを」
「だが断る」
「…愛でたいだけなのに」
「だが断る」
「…愛でたいだけなのに」
むぅ、と不満そうな女性
はっきり言って、却下である
と言うか、これ以上関わりあいたくない
はっきり言って、却下である
と言うか、これ以上関わりあいたくない
「ま、仕方ないわよね…せめて、お詫びしたいんだけど。そのポスター貼るの、手伝おうか?」
「おや、それはありがたい」
「おや、それはありがたい」
ぶっちゃけ、二人で貼っていくにはきつい量である
いや、一応メルを増やしてそれにも貼らせているが、それにしてもきつい
どう考えても印刷しすぎです、ありがとうございました
いや、一応メルを増やしてそれにも貼らせているが、それにしてもきつい
どう考えても印刷しすぎです、ありがとうございました
「それじゃあ、お任せしようか。ちなみに、俺は笛吹丁。探偵だ」
「笛吹さんね、探偵かぁ…カッコイイわね」
「笛吹さんね、探偵かぁ…カッコイイわね」
くすりと笑う女
そして、名乗ってくる
そして、名乗ってくる
「それなら…私は「追撃者」と名乗ろうかしら?」
「追撃者?」
「追撃者?」
首を傾げたメルに、女はそうよ、と笑った
「一部の筋の人から、そう呼ばれてるの」
くすくすと、女は笑っている
嘘をついている様子はない、真っ直ぐな言葉
嘘をついている様子はない、真っ直ぐな言葉
「こちらは名前を名乗ったのだから、そっちも名前を名乗って欲しかったな」
「あら、だって」
「あら、だって」
…ポスターを抱えたまま
くすり、と女…「追撃者」が笑う
くすり、と女…「追撃者」が笑う
「だって、あなた、笛吹丁って、本名じゃないでしょ?」
この、瞬間
場の空気が、凍りついた
場の空気が、凍りついた
だが、追撃者はそれを基にした様子すらなく
ポスターを抱えて、この場を後にしようとする
ポスターを抱えて、この場を後にしようとする
「じゃあね、笛吹さん。今度会えた時は、本当の名前を教えてね?」
くすくすくす
笑いながら、女は上田に背を向け、小走りにかけていく
笑いながら、女は上田に背を向け、小走りにかけていく
…今、なら
背後から一撃を加えられる
人目も、ほとんどない
背後から一撃を加えられる
人目も、ほとんどない
「どうします?マスター」
「………いや」
「………いや」
一瞬、村正に手を伸ばす
しかし…すぐに、放した
追撃者の正面から、一人の男が彼女に近づいていっていたからだ
しかし…すぐに、放した
追撃者の正面から、一人の男が彼女に近づいていっていたからだ
「あら?どうしたの?マステマ」
「どうしたの?じゃないだろ…酷くね?かぁいいセンサーが働いたからって、デート中の彼氏置き去りとか酷くね??」
「どうしたの?じゃないだろ…酷くね?かぁいいセンサーが働いたからって、デート中の彼氏置き去りとか酷くね??」
…何だか、男に同情したくなるような、生暖かい視線を送りたくなるような会話が聞こえてきた
……あぁ…苦労、してるんだな……
男と追撃者は、あっと言う間に二人の視線から消えてしまって
後には、残りのポスターを抱えた上田とメルだけが残されたのだった
……あぁ…苦労、してるんだな……
男と追撃者は、あっと言う間に二人の視線から消えてしまって
後には、残りのポスターを抱えた上田とメルだけが残されたのだった
---これが、ハーメルの笛吹きと追撃者のファーストコンタクトである
後に、彼らがどんな再会を果たすのか
それはまだ、誰にもわからない
後に、彼らがどんな再会を果たすのか
それはまだ、誰にもわからない
to be … ?