電磁人の韻律詩~10号~ 戦場のようなメリークリスマス の水族館での騒動直後
…くるり
水族館の、イルカプールを見下ろす座席
そこに、一人の少女が腰掛けていた
黒い、ゴスロリのサンタ衣装を身にまとい、黒いレースの日傘を差した少女
先程の、謎のヒーローと全裸兄貴の戦いを見ても、騒ぐ様子なく…彼女は、そこを見下ろしていた
水族館の、イルカプールを見下ろす座席
そこに、一人の少女が腰掛けていた
黒い、ゴスロリのサンタ衣装を身にまとい、黒いレースの日傘を差した少女
先程の、謎のヒーローと全裸兄貴の戦いを見ても、騒ぐ様子なく…彼女は、そこを見下ろしていた
「ふぅむ、なるほどのぅ…あれが、H-No360が新たに担当をしている契約者か…なかなか、見所のある少年じゃのぅ」
血も美味そうじゃし
不吉な事を呟く
そんな少女の背後に…ぬぅ、と大男が現れた
大柄でガタイのいい体を包む黒スーツ、サングラスで隠しきれるはずもない顔の縫い目が、酷く威圧的な男だ
不吉な事を呟く
そんな少女の背後に…ぬぅ、と大男が現れた
大柄でガタイのいい体を包む黒スーツ、サングラスで隠しきれるはずもない顔の縫い目が、酷く威圧的な男だ
「…お嬢様、ひとまず、目撃者はこの会場から出られなくしておきました」
「うむ、では、頼んだぞ、G-No,1」
「了解いたしました」
「うむ、では、頼んだぞ、G-No,1」
「了解いたしました」
たんっ、と
大柄な男が、軽く床を蹴る
すちゃり、少女が懐からサングラスを取り出し、身につけた
大柄な男が、軽く床を蹴る
すちゃり、少女が懐からサングラスを取り出し、身につけた
だん!!と
男は、イルカプールの中央の舞台に降り立った
観客たちがますます混乱する中…男は、ゆっくりとサングラスを外す
男は、イルカプールの中央の舞台に降り立った
観客たちがますます混乱する中…男は、ゆっくりとサングラスを外す
その瞬間
男の、サングラスの下から現れた目が……赤く、光って
その赤い光は、会場内を包み込んだ
男の、サングラスの下から現れた目が……赤く、光って
その赤い光は、会場内を包み込んだ
「……あれ??」
観客たちが、気づいた時
大柄な男の姿は消えていた
倒れていた全裸兄貴も消えている
大柄な男の姿は消えていた
倒れていた全裸兄貴も消えている
そして、観客たちの記憶からは、その大柄な男の記憶も、全裸兄貴の記憶も…その兄貴と戦っていた、謎のヒーローの記憶も
全て、消え去っていた
ただ、プールで泳ぐイルカ達が、不思議そうに、係員のツギの指示を待っていたのだった
全て、消え去っていた
ただ、プールで泳ぐイルカ達が、不思議そうに、係員のツギの指示を待っていたのだった
「うむ、たまには現場に出るのもいいものじゃな!」
現場の空気と言う奴がよくわかる
そう言って、少女は上機嫌だ
…水族館の売店で買ったのか買わせたのか、大きなイルカのヌイグルミを抱えているのも、ご機嫌の理由だろう
そう言って、少女は上機嫌だ
…水族館の売店で買ったのか買わせたのか、大きなイルカのヌイグルミを抱えているのも、ご機嫌の理由だろう
「なぁ、G-No,1よ」
「お気持ちはわかりますが、だからと言って、そう頻繁にお嬢様に現場に出ていただくわけにもいきません」
「お気持ちはわかりますが、だからと言って、そう頻繁にお嬢様に現場に出ていただくわけにもいきません」
ぴしゃり、そう言いきる大柄な男
むぅ、と少女は可愛らしく頬を膨らます
むぅ、と少女は可愛らしく頬を膨らます
「妾も、もっと現場の仕事がしたいのじゃ」
「お嬢様は、それを言い訳に外へと出たいだけでしょう」
「お嬢様は、それを言い訳に外へと出たいだけでしょう」
苦笑する大柄な男
考えを読まれたからか、少女はバツの悪そうな顔をする
考えを読まれたからか、少女はバツの悪そうな顔をする
「…さて、上空を飛んでおる、残りの兄貴達じゃが」
「お嬢様が飛んで撃ち落すのは却下です」
「わかっておるわ…一応、モンスの天使が頑張っておるようじゃし、様子見じゃな。禿本体に関しては、見つけ次第、気絶寸前まで血を吸い尽くしてくれるわ」
「…お嬢様にあの筋肉が感染しては困ります。おやめください」
「お嬢様が飛んで撃ち落すのは却下です」
「わかっておるわ…一応、モンスの天使が頑張っておるようじゃし、様子見じゃな。禿本体に関しては、見つけ次第、気絶寸前まで血を吸い尽くしてくれるわ」
「…お嬢様にあの筋肉が感染しては困ります。おやめください」
…むむむむ
何故、この部下は自分に仕事をさせてくれないのか
くるり、くるり
日傘を回しつつ、むくれる少女
大柄な男は、そんな上司の姿に小さく苦笑して
どこか、アンバランスな二人組みは、水族館を後にした
何故、この部下は自分に仕事をさせてくれないのか
くるり、くるり
日傘を回しつつ、むくれる少女
大柄な男は、そんな上司の姿に小さく苦笑して
どこか、アンバランスな二人組みは、水族館を後にした
男は、通称 黒服G
一般の黒服達と上層部を繋ぐ、そんな中間管理職的な立場にある男だ
少女は、通称……お嬢様、もしくはお嬢さん
彼女もまた、「組織」の黒服の一人
一般の黒服達と上層部を繋ぐ、そんな中間管理職的な立場にある男だ
少女は、通称……お嬢様、もしくはお嬢さん
彼女もまた、「組織」の黒服の一人
…俗に言う、「上層部」メンバーの一人であった
fin