「首塚」の本部
ここを通過する事で、その島に到着する
この島にも雪が降っていたようで、さくり、雪を踏みしめる感覚が伝わってくる
ここを通過する事で、その島に到着する
この島にも雪が降っていたようで、さくり、雪を踏みしめる感覚が伝わってくる
「「首塚」は、こんな島も所有してたのね」
「あぁ。「組織」からの保護を訴えてきた連中は、大体こっちに住んでんだよ」
「あぁ。「組織」からの保護を訴えてきた連中は、大体こっちに住んでんだよ」
黒服と望を先導し、「日焼けマシン」の契約者の青年が歩く
神社での初詣を終え、これから「首塚」の新年会に参加だ
望は秋祭りの後に「首塚」に入ったから、まだ「首塚」内にも知り合いが少ない
せっかくだから、皆と顔をあわせるいい機会だろう
神社での初詣を終え、これから「首塚」の新年会に参加だ
望は秋祭りの後に「首塚」に入ったから、まだ「首塚」内にも知り合いが少ない
せっかくだから、皆と顔をあわせるいい機会だろう
さくさく、さくさく、雪を踏みしめて進んでいくと…やがて、子供達が遊んでいるような声が聞こえてきた
木々が広がっていた視界が開け、大きな日本家屋が見えてくる
その家屋の前では、凧揚げしたりコマ回しをしている子供達と…子供達に、そんな古風な遊びを教えている、旧日本軍の衣服を着た男達の姿があって
平和な光景に、青年は笑みを深める
木々が広がっていた視界が開け、大きな日本家屋が見えてくる
その家屋の前では、凧揚げしたりコマ回しをしている子供達と…子供達に、そんな古風な遊びを教えている、旧日本軍の衣服を着た男達の姿があって
平和な光景に、青年は笑みを深める
「よぉ!」
ひらひらと手を振って声をかけると…子供達が、それに気づいた
ぱぁ、と笑顔を浮かべて、ぱたぱたと駆け寄ってくる
ぱぁ、と笑顔を浮かべて、ぱたぱたと駆け寄ってくる
「ステーキのお兄ちゃん~!」
「あけましておめでとー!」
「お年玉頂戴ー!」
「あけましておめでとー!」
「お年玉頂戴ー!」
きゃあきゃあわいわい
下は幼稚園児程度、上は小学校低学年くらいの子供達が、駆け寄ってくる
青年に駆け寄り、そして、興味深げに黒服と望に視線をやった
下は幼稚園児程度、上は小学校低学年くらいの子供達が、駆け寄ってくる
青年に駆け寄り、そして、興味深げに黒服と望に視線をやった
「誰ー?」
「おじさん誰ー?」
「おねえちゃんだれーー??」
「っちょ…」
「おじさん誰ー?」
「おねえちゃんだれーー??」
「っちょ…」
見知らぬ子供達に囲まれて、やや困惑している様子の望
黒服は…この島に集まっているのが「組織」から逃れようとした者が多い、と言う事を考えてか、自分が「組織」の者である事を名乗る訳にもいかず、困っているようで
青年は小さく苦笑して、子供達に答える
黒服は…この島に集まっているのが「組織」から逃れようとした者が多い、と言う事を考えてか、自分が「組織」の者である事を名乗る訳にもいかず、困っているようで
青年は小さく苦笑して、子供達に答える
「俺の家族だよ。ほら、中に入りたいから、ちょっとどいてくれよ
「家族ー?」
「なかま?なかま??」
「あとで遊んでねー!」
「家族ー?」
「なかま?なかま??」
「あとで遊んでねー!」
きゃわきゃわきゃわ
なんとか、子供達の包囲網を抜ける事に成功した
旧日本軍の男達は、青年に敬礼して、道を明けてくる
…家屋の中に入ると、ほんのりと温かい
奥からは、賑やかな声が聞こえてきていた
なんとか、子供達の包囲網を抜ける事に成功した
旧日本軍の男達は、青年に敬礼して、道を明けてくる
…家屋の中に入ると、ほんのりと温かい
奥からは、賑やかな声が聞こえてきていた
「…あの子供達も、「組織」から逃れた…?」
中に入ってから、黒服がそう尋ねてきて
あぁ、と青年は答えた
あぁ、と青年は答えた
「中には、都市伝説に教われてたとこを保護した奴もいるけどよ。全員、何らかの都市伝説契約者だな」
「…よくもまぁ、これだけ集まったものね」
「まだいるぞ?小学校のクラス一つ分くらいはいるから」
「…よくもまぁ、これだけ集まったものね」
「まだいるぞ?小学校のクラス一つ分くらいはいるから」
ガキばっかじゃないけどな、と続ける
……実際のところ、「首塚」はここで保護されている非戦闘員の数が多いのだ
その分、戦える者は戦闘力が高い者が多いことも事実
構成員の数だけで言えば、「首塚」は相当な人数がいるのだ
……実際のところ、「首塚」はここで保護されている非戦闘員の数が多いのだ
その分、戦える者は戦闘力が高い者が多いことも事実
構成員の数だけで言えば、「首塚」は相当な人数がいるのだ
「…いいのでしょうか?「組織」に対して恐怖心を抱いている方もいらっしゃるでしょうに。私まで参加して…」
「大丈夫だよ、黒服なら」
「大丈夫だよ、黒服なら」
やや不安そうな黒服に、青年はそう言って笑って見せた
黒服ならば、問題ない
きっと、みんなも受け入れてくれる
青年は、そう信じていた
それに、聞いた話によれば、マッドガッサー騒動の後辺りに、「組織」の黒服が一人、己の担当契約者共々保護を訴えてきたらしいし
ここにいる者たちも、黒服=恐怖の対象とまでは、流石に見ない
黒服ならば、問題ない
きっと、みんなも受け入れてくれる
青年は、そう信じていた
それに、聞いた話によれば、マッドガッサー騒動の後辺りに、「組織」の黒服が一人、己の担当契約者共々保護を訴えてきたらしいし
ここにいる者たちも、黒服=恐怖の対象とまでは、流石に見ない
すたすたと、奥へと進んでいく
障子を開けると、広い宴会場では、新年会の真っ最中だったようだ
……いや
もしかしたら、年越しと同時に開始して、ずっと酒を飲んでいた可能性のある男が、一番奥にいる訳だが
障子を開けると、広い宴会場では、新年会の真っ最中だったようだ
……いや
もしかしたら、年越しと同時に開始して、ずっと酒を飲んでいた可能性のある男が、一番奥にいる訳だが
「将門様!」
「む?……おぉ、来たか」
「む?……おぉ、来たか」
青年達に気づき、将門がにやりと笑う
青年は将門に歩み寄り…腰を下ろし、頭を下げた
青年は将門に歩み寄り…腰を下ろし、頭を下げた
「新年、あけましておめでとうございます」
黒服と望も、将門に頭を下げる
くっくっく、と将門はなんとも上機嫌な様子だ
くっくっく、と将門はなんとも上機嫌な様子だ
「あぁ、楽にしろ。目出度い席だ。堅苦しい挨拶はいらん」
ちゃぷりっ
将門の持つ杯には、並々と酒が満たされている
ぐ、とその酒を飲み干し…将門が、青年に手を伸ばす
将門の持つ杯には、並々と酒が満たされている
ぐ、とその酒を飲み干し…将門が、青年に手を伸ばす
「…早速だ。酒を注いでもらおうか?」
「はいっ!」
「はいっ!」
将門に言われ、腰をあげて彼に近づく青年
……黒服が、やや警戒するような視線を、将門に向けた事に
青年は、まったく気づいていないのだった
……黒服が、やや警戒するような視線を、将門に向けた事に
青年は、まったく気づいていないのだった
軽く続く