「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-59c

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
 「首塚」に保護されている子供達は、警戒を解いた相手には非常に人懐っこい
 何分、こんな閉ざされた絶壁の孤島で生活しているのだ
 好奇心も旺盛である

「チャラ男ー、あの黒服、チャラ男が前から言ってた奴ー?」
「いいひとー?」
「あぁ、そうだぞ」

 腰をおろした翼の膝の上に、子供達が乗ってくる
 膝に乗ってきて、背中から抱きついてきて、腕にしがみ付いてきて
 クリスマスにはケーキを、年末には年越し蕎麦とおせち料理を届けておいたせいか、翼はここの子供達に特に懐かれていた
 …動物ではないが、食べ物をくれる相手には懐きやすいものである

「あの女の子可愛いねー」
「お嫁さんにしたいなー」
「あいつはもう好きな相手がいるから、難易度高いぞ?」

 無邪気に、初対面の望相手への好意を現してくる子供たちの言葉に、翼は笑う
 この子供達の言葉は、つまりは、幼い頃に「隣の綺麗なお姉さんをお嫁さんにする」とか「幼稚園の先生をお嫁さんにする」とか、そういったものと同じ次元だろう、と少なくとも翼は受け取っている
 だから、自分に対して時折男子から「およめさんにする」だの「えろどれいにする」などと言う言葉が飛んできても、翼は大して気にしていなかった
 いつかは忘れる、幼い頃の淡い想いとか勘違いというやつだ

「あのこ、すきなこいるの~?」
「誰ー?」
「さぁな?」

 まぁ、流石にそこまで話す必要はあるまい
 そう考え、翼は適当に誤魔化そうとして…

「ステーキのお兄ちゃん、知ってるでしょー?」
「吐けー!吐かせろー!」
「くすぐれー!!」
「うわっ!?」

 ぼすんっ!!!
 子供達に、畳の上に押し倒される翼
 きゃわきゃわと、子供達は無邪気に翼の体をくすぐってくる

「っちょ、くすぐった、やめっ!?」
「まいったかー!」
「白状しろー!!」

 きゃあきゃあきゃあ
 どこまでも無邪気なちみっこ達の攻撃
 多勢に無勢、逃げ出す事もできない
 …まぁ、子供相手に本気を出せない時点で、逃げ出す事などとっくに不可能なのだが

「こ、こら、やめ………っひゃ!?っちょ、んなとこ、くすぐんな……っ」
「もっとくすぐれー!」
「せめたてろー!!」

 当初の目的を忘れて、くすぐる事に熱中しだした子供達
 そんな子供達から、翼は何とか逃げ出そうとするが、逃げ出せない雨間
 翼のそんな様子を…将門は、くっく、と笑って見ていて

「相変わらず、可愛らしい奴だ………どれ、我も加わって」
「……将門公?」

 ---そんな、将門に
 低い声が投げかけられる

 低く、低く
 そう、告げてきた黒服
 その背後には、般若を思わせるオーラのようなものが背負われていて
 …その様子は、元同僚曰く

「「組織」にいた頃は決して見る事がなかった、般若を背負った同僚の姿を見た。あんな恐ろしい同僚を始めて見た」

 と言わしめるほどだったという



おわれ




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