「首塚」に保護されている子供達は、警戒を解いた相手には非常に人懐っこい
何分、こんな閉ざされた絶壁の孤島で生活しているのだ
好奇心も旺盛である
何分、こんな閉ざされた絶壁の孤島で生活しているのだ
好奇心も旺盛である
「チャラ男ー、あの黒服、チャラ男が前から言ってた奴ー?」
「いいひとー?」
「あぁ、そうだぞ」
「いいひとー?」
「あぁ、そうだぞ」
腰をおろした翼の膝の上に、子供達が乗ってくる
膝に乗ってきて、背中から抱きついてきて、腕にしがみ付いてきて
クリスマスにはケーキを、年末には年越し蕎麦とおせち料理を届けておいたせいか、翼はここの子供達に特に懐かれていた
…動物ではないが、食べ物をくれる相手には懐きやすいものである
膝に乗ってきて、背中から抱きついてきて、腕にしがみ付いてきて
クリスマスにはケーキを、年末には年越し蕎麦とおせち料理を届けておいたせいか、翼はここの子供達に特に懐かれていた
…動物ではないが、食べ物をくれる相手には懐きやすいものである
「あの女の子可愛いねー」
「お嫁さんにしたいなー」
「あいつはもう好きな相手がいるから、難易度高いぞ?」
「お嫁さんにしたいなー」
「あいつはもう好きな相手がいるから、難易度高いぞ?」
無邪気に、初対面の望相手への好意を現してくる子供たちの言葉に、翼は笑う
この子供達の言葉は、つまりは、幼い頃に「隣の綺麗なお姉さんをお嫁さんにする」とか「幼稚園の先生をお嫁さんにする」とか、そういったものと同じ次元だろう、と少なくとも翼は受け取っている
だから、自分に対して時折男子から「およめさんにする」だの「えろどれいにする」などと言う言葉が飛んできても、翼は大して気にしていなかった
いつかは忘れる、幼い頃の淡い想いとか勘違いというやつだ
この子供達の言葉は、つまりは、幼い頃に「隣の綺麗なお姉さんをお嫁さんにする」とか「幼稚園の先生をお嫁さんにする」とか、そういったものと同じ次元だろう、と少なくとも翼は受け取っている
だから、自分に対して時折男子から「およめさんにする」だの「えろどれいにする」などと言う言葉が飛んできても、翼は大して気にしていなかった
いつかは忘れる、幼い頃の淡い想いとか勘違いというやつだ
「あのこ、すきなこいるの~?」
「誰ー?」
「さぁな?」
「誰ー?」
「さぁな?」
まぁ、流石にそこまで話す必要はあるまい
そう考え、翼は適当に誤魔化そうとして…
そう考え、翼は適当に誤魔化そうとして…
「ステーキのお兄ちゃん、知ってるでしょー?」
「吐けー!吐かせろー!」
「くすぐれー!!」
「うわっ!?」
「吐けー!吐かせろー!」
「くすぐれー!!」
「うわっ!?」
ぼすんっ!!!
子供達に、畳の上に押し倒される翼
きゃわきゃわと、子供達は無邪気に翼の体をくすぐってくる
子供達に、畳の上に押し倒される翼
きゃわきゃわと、子供達は無邪気に翼の体をくすぐってくる
「っちょ、くすぐった、やめっ!?」
「まいったかー!」
「白状しろー!!」
「まいったかー!」
「白状しろー!!」
きゃあきゃあきゃあ
どこまでも無邪気なちみっこ達の攻撃
多勢に無勢、逃げ出す事もできない
…まぁ、子供相手に本気を出せない時点で、逃げ出す事などとっくに不可能なのだが
どこまでも無邪気なちみっこ達の攻撃
多勢に無勢、逃げ出す事もできない
…まぁ、子供相手に本気を出せない時点で、逃げ出す事などとっくに不可能なのだが
「こ、こら、やめ………っひゃ!?っちょ、んなとこ、くすぐんな……っ」
「もっとくすぐれー!」
「せめたてろー!!」
「もっとくすぐれー!」
「せめたてろー!!」
当初の目的を忘れて、くすぐる事に熱中しだした子供達
そんな子供達から、翼は何とか逃げ出そうとするが、逃げ出せない雨間
翼のそんな様子を…将門は、くっく、と笑って見ていて
そんな子供達から、翼は何とか逃げ出そうとするが、逃げ出せない雨間
翼のそんな様子を…将門は、くっく、と笑って見ていて
「相変わらず、可愛らしい奴だ………どれ、我も加わって」
「……将門公?」
「……将門公?」
---そんな、将門に
低い声が投げかけられる
低い声が投げかけられる
低く、低く
そう、告げてきた黒服
その背後には、般若を思わせるオーラのようなものが背負われていて
…その様子は、元同僚曰く
そう、告げてきた黒服
その背後には、般若を思わせるオーラのようなものが背負われていて
…その様子は、元同僚曰く
「「組織」にいた頃は決して見る事がなかった、般若を背負った同僚の姿を見た。あんな恐ろしい同僚を始めて見た」
と言わしめるほどだったという
おわれ