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連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち・決戦編-24

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 ---- マッドガッサー達の騒動より、一週間後 ----


「にゃー、明日からとうとう学校かー」

 ようやく、学校閉鎖は解かれようとしていた
 …実は、この少女が通う学校は、他の学校よりも、学校閉鎖が解けるのが少し遅れていた
 何でも、テスト導入された最新警備システムに不備があったとかで、一旦取り付けた監視カメラを再び外したり…の作業が行われたそうで

 てくてく、図書館の帰り道
 ついでに頼まれていたお使いも済ませ、少女は繁華街を歩いて帰路についていて…


 ---どんっ!と
 背後から、ぶつかられた


「にゃっ!?あれ、何か冷た……」
「ソーリー!!」

 え?と、駆けられた声に振り返る
 見ると、そこにはアイスクリームを持った外人さんが
 …そのアイス、なんだか形が歪になってて…?

「……っあ!?」

 どうやら、少女にぶつかって、アイスが少女の服についてしまったらしかった
 相手は申し訳なさそうに、早口の英語で捲くし立ててきていて…正直、半分もその内容が理解できない
 何とか、相手を落ち着かせようとする少女


 ……す、と
 少女の鞄に、誰かの手が伸びて


「…アイスクリーム強盗か」
「ふぇ?」

 第三者からかけられた声
 少女の鞄に伸びていた手が、びくりと止まった

「相手にぶつかって、その拍子にアイスクリームを相手の服につける。それに早口で捲くし立てて謝罪し、それに相手があっけにとられている間に荷物を奪っていく……主なターゲットは日本人、ってな。アメリカ本国以外で見ることになるとは思わなかったな」

 買い物袋を抱えた、長い銀髪の青年が…ゆっくりと歩いてきながら、そう言ってくる
 その相手の顔を…少女は思わず、きょとん、と見つめてしまった
 体格や声は、間違いなく男性なのだが…その顔立ちは、どこか愛らしい少女のようなものだったからだ
 どこか、酷くアンバランス
 だが、少女はすぐに、自分の鞄に手を伸ばしてきていた、もう一人の外国人の手に気づき、そんな事はどうでもよくなる

「あぁっ!?言われたとおりっ!?」
「っく………!?」

 自分達が犯そうとしていた犯罪を見破られた事に気づき
 その外国人二人組は、急いで逃げ出した
 逃げていく彼らの前方…そちらからも、買い物袋を抱えている青年が、歩いてきていて


「……あぁ、駄目だな、全然駄目だ」


 彼が、そう呟いた直後
 外国人二人組は、一瞬で足払いを受け、アスファルトの地面に強かに頭を打って気絶していた

「計画性も、実行力も、あまりにも稚拙すぎる。全然駄目だ。お前らには、悪事を犯すという覚悟が足りねぇ」
「足りても困るやん、それ」

 もう、と呆れたような声とともに、長い銀髪の青年…よく見れば、彼も西洋人的な顔立ちをしている…の傍に、ポニーテールの女性が姿を現した
 あれ?と、少女はその姿に見覚えがあった
 以前、コーク・ロアに操られていたらしい人に襲われた時、助けてくれた……

「大丈夫やった?」
「あ、は、はい…」
「ほんなら良かったわ。ほな、マッドはん、清川はん、行こか」

 少女を気遣って、声をかけてきた女性
 少女の無事を確認すると、長い銀髪の青年と、外国人二人を叩きのめした男性と一緒に歩き出した
 お礼をちゃんと言おうとして、少女は声をかけようと

「……って、あれ……マッド、って、やっぱり…?…………あ」

 一瞬、抱いた疑問
 その答えを導き出すよりも前に……もう、三人の姿は見えなくなっていた



 北区 教会にて

「しさいさま、どこいってたのー?」
「おかえりなさーーい!」
「お久しぶりです……すみません。急に、本国に用事ができたものですから」

 教会を任せられている…と、言う事になっている…若き司祭、マリに、近所の子供達が駆け寄っていた
 この一週間、彼はずっと姿を見せていなかったのだ
 その間、彼は本国に用事で帰っていた……と、言う事になっている

「もう、何も言わずにいなくなったりはしませんよ」
「ほんとー?」
「やくそくだよー」

 きゃあきゃあと、無邪気な子供達
 …そんな子供達を見つめるマリの瞳に、邪悪な影はもう、ない

 帰っていく子供達を見送って…それと入れ替わりに、マッドガッサー達が買出しから帰ってきた

「お帰りなさい」
「お帰りー。外寒かったでしょ?ほら、早く入って」

 カソックを身に纏ったスパニッシュフライの契約者が、三人を教会に招き入れる
 教会の中では、「13階段」…広瀬辰也や、「爆発する携帯電話」の契約者が、講堂を掃除しているところで

「お、帰ったか」
「……おかえ、り」
「今夜の食材買い足してきたぞ。マリ、今日こそ食事当番から逃げんな」
「何ー?」

 …ちょこーん
 仲間達以外の目がないのをいい事に、マリはさっさと幼女姿になっていた
 肉ー、と、仲間たちが買ってきた食材の…肉に、目を奪われている

「マリ、このやろっ!?今日こそてめぇも家事やれ!逃げるな!?」
「肉ー」

 賑やかな教会内
 彼らの安息を邪魔するものは……今はもう、いない





 この平和な状況を手に入れるために
 彼らは約一週間、奔走し続けたのだから




to be … ?



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