「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-64e

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だれでも歓迎! 編集
5 お饅頭


 兎の顔したお饅頭
 あまぁいあまぁい、お饅頭

 もむもむと、少年はそんな饅頭を頬張っていた
 「首塚」の本部、真昼間のせいか、将門は眠りに付いていて
 少年は一人、おやつを食べていた
 いつものお気に入りのお菓子の箱は、傍らに置かれたままだ

「……うー……」

 やや、不満そうな顔をあげる少年
 じっと、兎の饅頭を見つめる
 不味い訳ではない
 ただ

「…うー」

 つまらなそうな表情で、饅頭を見つめ続ける少年
 ……と、ひょい、と
 その饅頭を、誰かに取り上げられた

「う?」
「どうしたのじゃ?そんな不貞腐れた顔をして」

 少年が、顔をあげると
 そこには、何時の間にか滝夜叉が立っていて

「この饅頭、もらうぞ?」

 と、少年の答えも聞かずに、ぱくり
 饅頭を食べてしまった

「うむ、美味いのぅ」
「…うー!おいしー!うーうー!」
「おや」

 うーうーうー
 一転、ご機嫌になった少年
 滝夜叉は、面白そうに笑って少年の傍らに腰を下ろした

 …そんなに、一人が寂しかったか
 よしよしと頭を撫でてやれば、少年はますます嬉しそうに笑って


 一人で食べるよりも
 二人で食べた方が、ずっとずっと、甘くて美味しいのだ


終わる




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