「ねぇ、マリ」
「何です?」
「何です?」
ホワイトデー
今年のホワイトデーは、日曜日だ
毎週日曜日の礼拝に教会にやってくる奥様たちや子供達には、バレンタインにチョコレートを受け取っている訳で
人の良い温和な司祭……という事になっているマリも、当然のようにお返しを配っていた
…まぁ、そのお返しのクッキーを作ったのは誠なのだが
今年のホワイトデーは、日曜日だ
毎週日曜日の礼拝に教会にやってくる奥様たちや子供達には、バレンタインにチョコレートを受け取っている訳で
人の良い温和な司祭……という事になっているマリも、当然のようにお返しを配っていた
…まぁ、そのお返しのクッキーを作ったのは誠なのだが
「…その」
……何を、言おうとしているのやら
小さく、苦笑する
別に、ヤキモチとかじゃ、ないけれど
でも
小さく、苦笑する
別に、ヤキモチとかじゃ、ないけれど
でも
…小さく、マリが笑ってくる
礼拝の時間も終わって、奥様方も子供達も、皆、もう帰っていて
ぐ、と腰を抱き寄せられた
礼拝の時間も終わって、奥様方も子供達も、皆、もう帰っていて
ぐ、と腰を抱き寄せられた
「…あなたへのお返しも、当然、用意してますよ?」
伊達眼鏡の下、マリが笑う
その温和な表情の下の肉食獣の顔を知っている、けれど
それでも、彼の全てが、愛しい
その温和な表情の下の肉食獣の顔を知っている、けれど
それでも、彼の全てが、愛しい
「それで、質問なのですが」
「嫌な予感がするんだけど、一応聞いておくわね」
「嫌な予感なんて、抱く必要ありませんよ」
「嫌な予感がするんだけど、一応聞いておくわね」
「嫌な予感なんて、抱く必要ありませんよ」
そうやって、温和に笑っているくせに
どうせ、考えている事は
どうせ、考えている事は
「上の口と下の口と、どちらで食べたいですか?」
「~~~~マリ」
「~~~~マリ」
…心がまえは、出来ていたはずなのに
それでも、頬が赤く染まってしまう
それでも、頬が赤く染まってしまう
どこまでも、欲望に正直で
…でも、そのマリがどこまでも愛しく思える自分も、また
欲望に正直なのだろうか?
…でも、そのマリがどこまでも愛しく思える自分も、また
欲望に正直なのだろうか?
「…何を用意してくれたの?」
「キャンディですよ。ほら」
「……っ大人のキャンディ、って何!?何かちょっと昼間食べるには不安が…っ」
「大丈夫ですよ。さぁ、寝室に……あぁ、皆さんお帰りになったのですし、講堂でも問題ありませんね」
「っだ、駄目よ。誰か帰ってきたらどうするのっ!?」
「キャンディですよ。ほら」
「……っ大人のキャンディ、って何!?何かちょっと昼間食べるには不安が…っ」
「大丈夫ですよ。さぁ、寝室に……あぁ、皆さんお帰りになったのですし、講堂でも問題ありませんね」
「っだ、駄目よ。誰か帰ってきたらどうするのっ!?」
…少なくとも、恵には見せられるものじゃない
こちらの反応を楽しむように笑ってくるマリに、もう、と呆れたように、笑って
これ以上、言葉で辱められるのも、御免だから
何か言おうとしてきた唇を、自分の唇で塞いでやったのだった
こちらの反応を楽しむように笑ってくるマリに、もう、と呆れたように、笑って
これ以上、言葉で辱められるのも、御免だから
何か言おうとしてきた唇を、自分の唇で塞いでやったのだった
fin