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連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち・決戦以降-17b

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だれでも歓迎! 編集
「ねぇ、マリ」
「何です?」

 ホワイトデー
 今年のホワイトデーは、日曜日だ
 毎週日曜日の礼拝に教会にやってくる奥様たちや子供達には、バレンタインにチョコレートを受け取っている訳で
 人の良い温和な司祭……という事になっているマリも、当然のようにお返しを配っていた
 …まぁ、そのお返しのクッキーを作ったのは誠なのだが

「…その」

 ……何を、言おうとしているのやら
 小さく、苦笑する
 別に、ヤキモチとかじゃ、ないけれど
 でも

 …小さく、マリが笑ってくる
 礼拝の時間も終わって、奥様方も子供達も、皆、もう帰っていて
 ぐ、と腰を抱き寄せられた

「…あなたへのお返しも、当然、用意してますよ?」

 伊達眼鏡の下、マリが笑う
 その温和な表情の下の肉食獣の顔を知っている、けれど
 それでも、彼の全てが、愛しい

「それで、質問なのですが」
「嫌な予感がするんだけど、一応聞いておくわね」
「嫌な予感なんて、抱く必要ありませんよ」

 そうやって、温和に笑っているくせに
 どうせ、考えている事は

「上の口と下の口と、どちらで食べたいですか?」
「~~~~マリ」

 …心がまえは、出来ていたはずなのに
 それでも、頬が赤く染まってしまう

 どこまでも、欲望に正直で
 …でも、そのマリがどこまでも愛しく思える自分も、また
 欲望に正直なのだろうか?

「…何を用意してくれたの?」
「キャンディですよ。ほら」
「……っ大人のキャンディ、って何!?何かちょっと昼間食べるには不安が…っ」
「大丈夫ですよ。さぁ、寝室に……あぁ、皆さんお帰りになったのですし、講堂でも問題ありませんね」
「っだ、駄目よ。誰か帰ってきたらどうするのっ!?」

 …少なくとも、恵には見せられるものじゃない
 こちらの反応を楽しむように笑ってくるマリに、もう、と呆れたように、笑って
 これ以上、言葉で辱められるのも、御免だから
 何か言おうとしてきた唇を、自分の唇で塞いでやったのだった


fin

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