それは、染桐 葵が、手塚 星との戦闘で負傷した翌日の事
「本当にいいのか?ジャッカロープの乳を飲まなくても」
「ん、えぇんよ。たまにはゆっくり休ませてぇな」
「ん、えぇんよ。たまにはゆっくり休ませてぇな」
包帯が巻かれた痛々しい右腕の様子を心配してくるマッドガッサーに、葵は微笑んでそう言った
編集部には、右腕負傷につき、しばらく連載を休むと連絡した
病院の診断書もセットだから、ちゃんと担当も編集も信じてくれた…まぁ、担当は悲鳴をあげていたが
とまれ、しばらくマンガの連載は休みである
編集部には、右腕負傷につき、しばらく連載を休むと連絡した
病院の診断書もセットだから、ちゃんと担当も編集も信じてくれた…まぁ、担当は悲鳴をあげていたが
とまれ、しばらくマンガの連載は休みである
心配そうに自分を見つめてきているマッドガッサーに、葵はとん、とよりかかった
その葵の肩を、マッドガッサーは優しく抱いてくれる
その葵の肩を、マッドガッサーは優しく抱いてくれる
「なかなか、休みとらせてもらえへんし。こう言う時でもないと、ゆっくり休めへんやん?」
「…お前なぁ」
「…お前なぁ」
小さく苦笑するマッドガッサー
確かに、葵が連載しているマンガはなかなかの人気作品な訳で、雑誌側としては休まれれば困るだろうし、休みを取りにくいのは事実だが
…だからって、怪我を言い訳に使うことはないだろうに
確かに、葵が連載しているマンガはなかなかの人気作品な訳で、雑誌側としては休まれれば困るだろうし、休みを取りにくいのは事実だが
…だからって、怪我を言い訳に使うことはないだろうに
「こっちは心配してるんだからな」
ぎゅう、と
葵の体を背後から抱きしめるマッドガッサー
今度は、葵が小さく苦笑する
葵の体を背後から抱きしめるマッドガッサー
今度は、葵が小さく苦笑する
「堪忍な。けど……こうでもせぇへんと、なかなかマッドはんとゆっくりできへんのやもん」
愛しい人との、ゆったりとした時間
それが、もっともっと、欲しいと願うのは
我侭な、事かもしれないけれど
しかし、欲さずにはいられないのだ
それが、もっともっと、欲しいと願うのは
我侭な、事かもしれないけれど
しかし、欲さずにはいられないのだ
それもそうだけどな、と苦笑して、マッドガッサーは抱きしめている葵の頭をそっと撫でた
頭を撫でられる感触の心地よさに、葵は目を細める
頭を撫でられる感触の心地よさに、葵は目を細める
「…なぁ、マッドはん。うちに襲い掛かってきた、あの少年やけど…」
「辰也があの黒服に確認とったら、やっぱ悪魔の囁きに憑かれてたみたいだぞ。コーク・ロア支配型の被害者も増えてるみたいだし…また、騒がしくなりそうだな」
「せやなぁ」
「辰也があの黒服に確認とったら、やっぱ悪魔の囁きに憑かれてたみたいだぞ。コーク・ロア支配型の被害者も増えてるみたいだし…また、騒がしくなりそうだな」
「せやなぁ」
…まぁ
たとえ、相手が何者であろうとも
仲間に手を出してきたならば、敵だ
敵ならば、叩き潰しても問題あるまい
たとえ、相手が何者であろうとも
仲間に手を出してきたならば、敵だ
敵ならば、叩き潰しても問題あるまい
…特に
愛しい相手に、手を出したならば
愛しい相手に、手を出したならば
葵をぎゅう、と抱きしめたまま
マッドガッサーは、学校町を覆い始めた暗雲への警戒を強める決意を固めたのだった
マッドガッサーは、学校町を覆い始めた暗雲への警戒を強める決意を固めたのだった
to be … ?