恐怖のサンタ 悪魔の囁き&コークロア編 16
「……契約者、まさか子どもにまで手を出すなんて。外道ですか? 鬼畜なんですか?」
「待て。いきなり何でそんな事を言われなきゃならん」
「待て。いきなり何でそんな事を言われなきゃならん」
迷子と思わしき少女を見つけてから約1時間後。
俺は良子を筆頭とする同居人4人と合流していた。
元々一人で探すつもりだったのだが、いかんせん少女が泣きやまないのだ。
住所を聞いても、名前を聞いても、少女はただ泣くばかり。
いい加減俺の方が泣きたくなってきたので、頼みの綱の女性陣にお呼びがかかった次第である。
呼ばれた側の女性陣の一人、二条 佑香はげっそりとした俺の顔と、現在良子によってあやされている少女を見比べて
俺は良子を筆頭とする同居人4人と合流していた。
元々一人で探すつもりだったのだが、いかんせん少女が泣きやまないのだ。
住所を聞いても、名前を聞いても、少女はただ泣くばかり。
いい加減俺の方が泣きたくなってきたので、頼みの綱の女性陣にお呼びがかかった次第である。
呼ばれた側の女性陣の一人、二条 佑香はげっそりとした俺の顔と、現在良子によってあやされている少女を見比べて
「……ロリコン?」
「違う」
「……ペド?」
「……それも違う。つーか、仮にも10歳のはずだろ、お前。何でそんな単語知ってんだよ……」
「今の子供は、みみとしまし」
「ませ過ぎだろ……後、『みみとしまし』じゃなくて『みみどしま』な」
「どっちも大して変わらないの思うの」
「変わるわっ!」
「違う」
「……ペド?」
「……それも違う。つーか、仮にも10歳のはずだろ、お前。何でそんな単語知ってんだよ……」
「今の子供は、みみとしまし」
「ませ過ぎだろ……後、『みみとしまし』じゃなくて『みみどしま』な」
「どっちも大して変わらないの思うの」
「変わるわっ!」
……なんという不毛な会話だろうか。
子どもの事は子どもに、と佑香も呼んだのだが、この状況を鑑みると間違いだったのかもしれない。
マゾは論外として、良子と沙希だけを呼ぶべきだったと、今更ながらに後悔する。
子どもの事は子どもに、と佑香も呼んだのだが、この状況を鑑みると間違いだったのかもしれない。
マゾは論外として、良子と沙希だけを呼ぶべきだったと、今更ながらに後悔する。
「…………ん? そういえば沙希は?」
つい最近山田家に住まい始めた一人の女性を思い浮かべて、周囲を見渡す。
合流する際に姿を見たはずなのだが、それから一度もその姿を見ていなかった。
今までの会話を聞いて、呆れて帰ってしまったのだろうか。
彼女の性格からしてそれはないと考えつつも、何となく不安になる。
合流する際に姿を見たはずなのだが、それから一度もその姿を見ていなかった。
今までの会話を聞いて、呆れて帰ってしまったのだろうか。
彼女の性格からしてそれはないと考えつつも、何となく不安になる。
「沙希さんなら、そこにいるじゃないですか」
しかし、そんな心配も杞憂だったらしい。
マゾの指差す先、少女をあやす良子の後ろに隠れるように、沙希が立っていた。
春なのに未だに赤いコートを着ている彼女は、その派手な格好と対照的に何だか縮こまっているように見える。
時折手を少女に伸ばそうとしてはひっこめているのは、まだ人間の、それも小さな女の子にあまり慣れていないからか。
当人としては真面目なのだろうが、見ているこちらとしては何とも微笑ましい限りである。
マゾの指差す先、少女をあやす良子の後ろに隠れるように、沙希が立っていた。
春なのに未だに赤いコートを着ている彼女は、その派手な格好と対照的に何だか縮こまっているように見える。
時折手を少女に伸ばそうとしてはひっこめているのは、まだ人間の、それも小さな女の子にあまり慣れていないからか。
当人としては真面目なのだろうが、見ているこちらとしては何とも微笑ましい限りである。
「沙希さんは何をやっているんでしょうか」
「さぁ……?」
「さぁ……?」
マゾと佑香が、その光景を見て首を傾げあう。
佑香はともかく、マゾは多少そう言った機微に聡そうなイメージが俺の中に存在していたのだが、どうやら俺の想像は外れていたらしい。
いや、そもそも嫌われている事を自覚せずにストーカーを続けている時点で、そう言った機微を微塵も理解していないのかもしれないが。
佑香はともかく、マゾは多少そう言った機微に聡そうなイメージが俺の中に存在していたのだが、どうやら俺の想像は外れていたらしい。
いや、そもそも嫌われている事を自覚せずにストーカーを続けている時点で、そう言った機微を微塵も理解していないのかもしれないが。
「それで、人海戦術ですか、契約者」
傾げていた首を途中でこちらに向け、マゾが尋ねる。
実際はともかく、こうしてみるとただの可愛い女の子である。
実際はともかく、こうしてみるとただの可愛い女の子である。
「あの子の親を探すには探すけど、たった5人で人海戦術は何だか違うだろ」
「5人ジャネェダロ、6人ダロウガヨォ」
「……いや、お前断りそうだったし、そもそも悪魔を数えるのは『人』であってるのか?」
「5人ジャネェダロ、6人ダロウガヨォ」
「……いや、お前断りそうだったし、そもそも悪魔を数えるのは『人』であってるのか?」
唐突に頭上から響いた声の主は、デビ田。
いつの間に実体化したのか、小さな蛇の姿で俺の頭の上にとぐろを巻いていた。
ぺちぺちと、不機嫌そうに尾で俺の頭を叩いている。
いつの間に実体化したのか、小さな蛇の姿で俺の頭の上にとぐろを巻いていた。
ぺちぺちと、不機嫌そうに尾で俺の頭を叩いている。
「オレサマハテメェカラ離レラレネェンダヨ。テメェガ動イタラオレサマモ着イテイカナキャナンネェダロウガ」
「素直じゃないのな、お前。あれか、ツンデレか」
「誰ガつんでれダ、誰ガッ! オレサマハ事実ヲ言ッテルダケダロォガ。ソレモ分カンネェノカ、オイ?」
「相変わらず口の悪い蛇だね、山田。山田が飼いならしてないから動物は反抗するんだぞー」
「蛇ジャネェッ!? 悪魔ノ囁キダヨ、悪魔ノ囁。イイ加減覚エヤガレ、チッコイノ」
「ふ、山田の頭に乗る様な子蛇に『ちっこいの』なんて言われても」
「ウッゼェ! コノちびマジデウッゼェ!」
「素直じゃないのな、お前。あれか、ツンデレか」
「誰ガつんでれダ、誰ガッ! オレサマハ事実ヲ言ッテルダケダロォガ。ソレモ分カンネェノカ、オイ?」
「相変わらず口の悪い蛇だね、山田。山田が飼いならしてないから動物は反抗するんだぞー」
「蛇ジャネェッ!? 悪魔ノ囁キダヨ、悪魔ノ囁。イイ加減覚エヤガレ、チッコイノ」
「ふ、山田の頭に乗る様な子蛇に『ちっこいの』なんて言われても」
「ウッゼェ! コノちびマジデウッゼェ!」
……うぜぇのはいいから、俺の頭上で議論しないで欲しい。
実体化してもデビ田の声は俺の頭に直接響くように伝わって来るので、正直先程から軽いめまいに襲われていた。
感覚を共有しているはずのデビ田が何ともない事を考えると、もしかしたら精神的なダメージによって引き起こされたものなのかもしれない。
実体化してもデビ田の声は俺の頭に直接響くように伝わって来るので、正直先程から軽いめまいに襲われていた。
感覚を共有しているはずのデビ田が何ともない事を考えると、もしかしたら精神的なダメージによって引き起こされたものなのかもしれない。
「…………はぁ」
溜息をついて、自分の周囲を見回す。
俺から少し離れた所で、良子と沙希は少女にかかりきり。
佑香とデビ田は、俺の頭上で口喧嘩。
マゾはあの三人の内の誰かを見つけたのか、匂いがどうのと言ってさっさと消えてしまっていた。
つまり、俺だけ一人、ある意味蚊帳の外である。
俺から少し離れた所で、良子と沙希は少女にかかりきり。
佑香とデビ田は、俺の頭上で口喧嘩。
マゾはあの三人の内の誰かを見つけたのか、匂いがどうのと言ってさっさと消えてしまっていた。
つまり、俺だけ一人、ある意味蚊帳の外である。
「…………はぁ」
もう一度、今度は少し小さめの溜息をつく。
少女の親を見つける事が出来るのは、大分後になりそうだった。
少女の親を見つける事が出来るのは、大分後になりそうだった。
【終】