「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち・決戦以降-18i

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 宏也と歩いていたら、宏也が担当している契約者で、最近どうやらいい仲になったらしいガキを見かけて
 確か、まだ高校生だったはずのあのガキが、そろそろ新学期の始まる時期、この時間帯に歩いているのは不自然だ
 宏也もそう考えたのだろう、声をかけたのだが
 …ガキは赤くなって、何か叫んで、逃げた
 ………うん

「お前、何やった?」
「何って言われてもなぁ。つか、迷う事なく、俺が原因、決定か」

 他になにが原因だと言うんだ
 理由など、いくらでも思い浮ぶ
 この歩くセクハラ装置が

「どうせ、付き合うようになったのをいいことに、セクハラ以上のことでもやったんだろ」
「残念ながら、まだそこまではやってねぇよ。佳奈美が高校卒業するまで、最後まではヤる気はねぇし」

 最後までは、という事は途中まではヤる気か
 自重しろ、おっさんが

「とりあえず、追いかけた方がいいんじゃないのか?」
「あー、そうだよなぁ」

 ただなぁ、と
 ちらりと視線を向けられて
 鬱陶しい、というようにため息をついてやった

「体の痛みはドクターの薬で治ってるよ。問題ねぇ」

 久しぶりに使った、「身体能力強化剤」の力
 確か、去年、中央高校で俺達が起こした騒ぎの最中に、階段を飛び降りた時に無意識に使って以来だ
 体を強化するあの薬の効果は、日頃から意識してある程度使っていないと、一気に体に反動が来る
 H-No.9の顎を引き裂くのに腕と手の力を強化したせいで、腕から手にかけて激しい激痛が走った
 まともに動かせないほどの痛みだったが、今はドクターの薬でその反動は落ち着き、かすかに痛む程度ですんでいる

「いや、そっちじゃなくてだな」

 …腕の事じゃなかったら、何だと言うんだ
 他には、何も問題なんてない
 H-No.9を殺してやって、残りあと三人
 そいつらを全員殺してやれば、俺達の復讐は終わって
 そして

「いいから、とっとと追いかけとけ。復讐を終わらせたら、人間に戻ってあのガキと一緒に生きるんだろ?」

 そうだ
 復讐を終えたら、宏也は人間に戻るのだ
 「組織」の黒服と言う都市伝説から、人間へ
 あのガキと結婚して、共に歳を取って生きたいと願うなら、人間に戻るべきなのだ
 都市伝説であり続けては、こいつはたとえあのガキが死んでも、生き続けなければならないかもしれないから
 宏也は、人間に戻るべきなのだ
 ただでさえ、魂レベルで自分が都市伝説となった事実を否定し続けている奴だ
 そのせいで、薬なしで生きられない体になっているのだから
 その状態から脱出するには、人間に戻るべきだ

「何やったんだか知らねぇが、どうせ原因はお前なんだ。謝っとけ」
「信用ねぇなぁ」

 こっちの言葉に、宏也は苦笑してきて
 ……ぽふり
 子供にするように、頭を撫でてきた

「…んじゃあ、俺は行くけどよ。無理するなよ?」
「………わかってる。子供扱いするな」

 頭を撫でてきた手を、跳ね除ける
 宏也はもう一度苦笑して……逃げていったあのガキが、走り去った方向に駆けていく

「………………」

 ---撫でられた頭が痛い
 この先、起こるであろう出来事を考えて
 その事実を、受け入れる心構えが…まだ、俺はできていない

 さっさと、受け入れるべきだ
 諦めるべきだ
 宏也は、人間に戻るべきなのだから

 H-No.360でもなく
 広瀬 宏也でもなく


 ……元の名前に、戻るべきなのだ


 その時は、宏也にとって祝福すべき瞬間なのだから
 俺も、それを祝福してやるべきなのだ

 ---たとえ、それによって、俺がどう言う状況に置かれたと、しても


to be … ?


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