西区の工場群の一角…
機械音のやかましいこの地域にはまったくもって似合わない黒い服。
妖しげな雰囲気を放つ建物の前に仁王立ち。
「不審な人物はいないか?」「あぁ、大丈夫だ」
「No.0様の命令で普段よりも警戒を強めるようとのことだ。おそらく実験体を連れ戻したからだろう」
「No.0様の命令で普段よりも警戒を強めるようとのことだ。おそらく実験体を連れ戻したからだろう」
そんな話をしている所から目と鼻の先…
道路の隅に、いかにも怪しげな段ボール箱が二つ。
道路の隅に、いかにも怪しげな段ボール箱が二つ。
「…なぁ厨さん」「ん、なんだい昆虫君」
「……これ、逆に目立ちませんか…?」
厨さんこと忠二に昆虫君こと友人が問う。
一応言っておくと、現在二人は段ボールの中にて様子をうかがっている最中である。
「バカヤロー潜入捜査と言ったらこれが基本なんだよ何年生きてきてんだ」「す、すいません」
「バカヤロー潜入捜査と言ったらこれが基本なんだよ何年生きてきてんだ」「す、すいません」
「段ボールっつーのはなぁ、どんな状況においてもかぶることによってただそこに置いてあるモノとして気にかけられることのなくなる最強装備…!
段ボールこそ最強!段ボールこそ無敵!」「ちょ、厨さん声大きい!」
段ボールこそ最強!段ボールこそ無敵!」「ちょ、厨さん声大きい!」
「…何だ、あの段ボール動いてるぞ」「気にするな、どうせ捨て猫か何かだ」
仁王立ちの二人は気づいてはいるようだが気には留めていない。
仁王立ちの二人は気づいてはいるようだが気には留めていない。
「厨さん…あの二人、交代するみたいです」「んあ?ん、そんな感じだな」
段ボールにあけた穴から見ると、ちょうど門の前に立っていた二人が建物内へと入って行くところであった。
段ボールにあけた穴から見ると、ちょうど門の前に立っていた二人が建物内へと入って行くところであった。
「んじゃ、そろそろ始めるか。こっちは気にせずガンガンいったれ」「あ、はい。ありがとうございます」
「気にすんな。俺は暇つぶしたいだけだしぃ?ついでと言っちゃなんだが組織の一施設潰せばこっち側にも得になるしぃ?
…っと、早く始めっぞ。また監視が来ないうちにな」
「気にすんな。俺は暇つぶしたいだけだしぃ?ついでと言っちゃなんだが組織の一施設潰せばこっち側にも得になるしぃ?
…っと、早く始めっぞ。また監視が来ないうちにな」
………
ゴソゴソ…
「…なぁ26」「む?」
「…なぁ26」「む?」
ゴソゴソ…
「…段ボールが近づいてくるが…」「む」
26と呼ばれた男がそのほうを向くと、何かが入ったような段ボールが一直線にこちらへと向かっていた。
「…段ボールが近づいてくるが…」「む」
26と呼ばれた男がそのほうを向くと、何かが入ったような段ボールが一直線にこちらへと向かっていた。
「ぬ」スゥッ…
深呼吸を一つ。そして、段ボールへ向けて息を吐く…
深呼吸を一つ。そして、段ボールへ向けて息を吐く…
ゴウッ。
26の息は、吐き出されると同時に炎へと変わっていた。そしてその炎は段ボールを取り囲み、包み込んで。
炎が消えた時、そこにはただ何かが焦げたような跡だけが残っていた。
「…虫か何かか」「ぬ」
「ふむ、お前さんの力、なかなかのものだな」
「ぬ…?」「な、何もn」バタッ
…ありのまま、今起こったことを話そう。
『ここにいないはずの誰かの声を聞いたと思ったらいつの間にか倒されていた』
何を言ってるのか わからないと思うが俺も何をされたのかわからなかった…
記憶がどうにかなりそうだ…
空耳だとか透明人間だとかそんなチャチなものでは 断じてない
もっと恐ろしいものの片鱗を味わっている…
記憶がどうにかなりそうだ…
空耳だとか透明人間だとかそんなチャチなものでは 断じてない
もっと恐ろしいものの片鱗を味わっている…
「はいはい、変な改変はいいからおねんねしましょう、ねっ!」ゴッ!
倒れたまま何かネタを呟いてる黒服の後頭部にかかとを思いっきり入れる。
倒れたまま何かネタを呟いてる黒服の後頭部にかかとを思いっきり入れる。
「…よし、意識は飛んだな。さ、堂々と侵入すっぜ!”ヒューマンロケット”!」
忠二が技を叫びながら気絶した二人に触れる…
すると
忠二が技を叫びながら気絶した二人に触れる…
すると
ヒュゴォッ!
体が、飛んだ。
門が、飛んだ。
扉が、飛んだ。
門が、飛んだ。
扉が、飛んだ。
「な、何事だ!」「に、26!51!」
その音を聞いて、中から黒服が駆けつけてくる。
「き、貴様!ここをわが研究所と知っての行いか!」「侵入者は排除するまで!」
その音を聞いて、中から黒服が駆けつけてくる。
「き、貴様!ここをわが研究所と知っての行いか!」「侵入者は排除するまで!」
「さぁって…暴れますか…!」
その頃…施設裏…
「…っん…っく…やっぱ…垂直なのは…まだキツイ…な」
赤と青の全身タイツに身を包んだ男が一人、施設の外壁を上っていた。
赤と青の全身タイツに身を包んだ男が一人、施設の外壁を上っていた。
「…しっかし…こんなもんまで都市伝説として存在するとはな…」
現在、蜘蛛男となっている彼、友人はまた新たな都市伝説と契約していた。
『蜘蛛にかまれると、蜘蛛の力を手に入れられる』
とあるアメコミのヒーローがそんな経緯で力を手に入れたのは御存知だろう。
その力が、友人の交わした第七の契約。
その力が、友人の交わした第七の契約。
「まぁ…いいか。んしょっと」
つかむところも何もない、ただの壁を上がりきり、屋上へとたどり着く。
「えーと、入口は…あのドアか…!!」
ドアノブに触れた瞬間、体全体に悪寒が走り、何かの危険を伝える。
つかむところも何もない、ただの壁を上がりきり、屋上へとたどり着く。
「えーと、入口は…あのドアか…!!」
ドアノブに触れた瞬間、体全体に悪寒が走り、何かの危険を伝える。
「…これが…スパイダーセンス、ってやつか」
蜘蛛男は、その超人的な能力に加え、超人的な感覚を得る。
それにより危機を察知し、幾度となくピンチを乗り越えてきた。
それと、友人の『虫の知らせ』が共に混ざりあい、元以上の超感覚となる。
「…そんじゃあ、こっちから入るか」
そう言って、ドアの横にある小さな窓へと向き直る。
それにより危機を察知し、幾度となくピンチを乗り越えてきた。
それと、友人の『虫の知らせ』が共に混ざりあい、元以上の超感覚となる。
「…そんじゃあ、こっちから入るか」
そう言って、ドアの横にある小さな窓へと向き直る。
「ふんっ」パリーン
…友人のパンチ一発で、まるでそれが飴細工だったかのようにガラスが砕け散る。
そうして出来た穴から窓を解錠し、中へと侵入する。
…友人のパンチ一発で、まるでそれが飴細工だったかのようにガラスが砕け散る。
そうして出来た穴から窓を解錠し、中へと侵入する。
「ひぇ~、こいつぁ厳しい」
内側からドアを見ると、ドアの脇に手榴弾が仕掛けられていた。
戸を開くとピンがはずれ、爆発するようになっているようだ。
戸を開くとピンがはずれ、爆発するようになっているようだ。
「さて、それじゃ…雪歩ちゃん救出作戦、開始だ…!」
………続く