---空気が、重くなる
周囲に、ピリピリとした、張り詰めた空気が張られ始める
周囲に、ピリピリとした、張り詰めた空気が張られ始める
覚えのある気配に、盟主はあからさまに嫌そうな表情を浮かべた
……近づいてきている
こちらに向かって、ゆっくりと、しかし、確実に
……近づいてきている
こちらに向かって、ゆっくりと、しかし、確実に
「まったく、こんな時に……!」
ばちっ、と盟主の周囲をプラズマが走る
それは、盟主の苛立ちにあわせるように、どんどん強くなっていっていて…
それは、盟主の苛立ちにあわせるように、どんどん強くなっていっていて…
「あぁ、盟主、ここにいたか」
------ばちぃんっ!!と
姿を現した、その人物に…盟主の放った特大のプラズマが、直撃した
姿を現した、その人物に…盟主の放った特大のプラズマが、直撃した
「…あの、盟主様、今のって…」
「危ないところでしたね。悪魔の囁きはどんな契約者や都市伝説に憑いているかわかりませんし。先手必勝って大事ですね」
「いや、あの」
「危ないところでしたね。悪魔の囁きはどんな契約者や都市伝説に憑いているかわかりませんし。先手必勝って大事ですね」
「いや、あの」
何か、猛烈に突っ込むべき事態が、今、確かに起きたはずなのだが
しかし、この場において、盟主にそんなツッコミを入れられる勇者など、存在しない
しかし、この場において、盟主にそんなツッコミを入れられる勇者など、存在しない
…代わりに
「くっかかかかかかか……随分な挨拶だなぁ?盟主よ」
プラズマが直撃したはずの、その煙の向こうから
無傷の人影が………「首塚」平将門が、姿を現した
無傷の人影が………「首塚」平将門が、姿を現した
っち、と、盟主があからさまに舌打ちする
「あらいたんですか危ないじゃないですかまた死にますよ?」
「激しく棒読みっ!?」
「なぁに、この程度では死なぬさ」
「激しく棒読みっ!?」
「なぁに、この程度では死なぬさ」
くっく、と笑っている将門
ますます、盟主は舌打ちする
ますます、盟主は舌打ちする
「…それで、何しに来やがりましたか、落ち武者。正直、あなたに来られると周囲が迷惑なのですが。主に、私にとって迷惑なのですが」
「なぁに、どうやら、悪魔の囁きの契約者が、騒ぎを起こし始めたようだからなぁ?」
「なぁに、どうやら、悪魔の囁きの契約者が、騒ぎを起こし始めたようだからなぁ?」
盟主の言葉に答えながら、将門は背後に近づいてきていた悪魔の囁き憑きの被害者に、っひゅん、と刀を振るった
不思議な事に悪魔の囁き憑きの被害者には傷一つつかず
不思議な事に悪魔の囁き憑きの被害者には傷一つつかず
『ヒギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!??』
とり憑いていた悪魔の囁きだけが、真っ二つに切り裂かれ…消滅した
悪魔の囁きを切られ、解放された被害者がその場で気絶し、倒れる
悪魔の囁きを切られ、解放された被害者がその場で気絶し、倒れる
「手を貸してやろうかと、思ってなぁ?」
「いりませんよ。私達だけで大丈夫です。帰りやがりなさい、落ち武者」
「いりませんよ。私達だけで大丈夫です。帰りやがりなさい、落ち武者」
将門の言葉に冷たく答え、皆のサポートをする盟主
盟主のそんな態度にも、将門はどこか楽しげに笑い
盟主のそんな態度にも、将門はどこか楽しげに笑い
---そして、ふと
真面目な表情になり、盟主に尋ねる
真面目な表情になり、盟主に尋ねる
「……蟲毒の影響は、ないのか?」
「…………全くない………とは、言いきれません。自分でも、攻撃的になっている自覚は………………ない訳では、ありません」
「…………全くない………とは、言いきれません。自分でも、攻撃的になっている自覚は………………ない訳では、ありません」
将門の言葉に、盟主は小さく、そう答えた
…学校町に張り巡らされ、発動されている…蟲毒
土地神に近い性質を持つ盟主に、影響がでないはずがないのだ
…学校町に張り巡らされ、発動されている…蟲毒
土地神に近い性質を持つ盟主に、影響がでないはずがないのだ
「ですが、問題はありません。このまま、この騒動を治めて…そちらの問題も、その内解決します」
「………………そうか」
「………………そうか」
盟主の答えに、将門は納得したような、納得していないような、そんな表情を浮かべ
再び目に入った悪魔の囁き憑きに刀を振るい、悪魔の囁きだけを切り裂く
再び目に入った悪魔の囁き憑きに刀を振るい、悪魔の囁きだけを切り裂く
「……盟主よ、この戦終えたら、酒盛りでもするか?」
「は?何、嫌味言っていやがるんですか。私が飲み食いできない事はわかっているはずでしょう?」
「は?何、嫌味言っていやがるんですか。私が飲み食いできない事はわかっているはずでしょう?」
将門と違い、実体化はできない盟主
当然、飲み物にも食べ物にも、直接は触れない
しかし、将門はくっく、と笑い
当然、飲み物にも食べ物にも、直接は触れない
しかし、将門はくっく、と笑い
「なぁに、お前でも飲み食いできるものが手に入る当てがある」
「…………本当ですか?」
「我が、お前に嘘を言うと思うかぁ?」
「…………本当ですか?」
「我が、お前に嘘を言うと思うかぁ?」
くっく、と楽しげに楽しげに笑っている将門
…だが、残念ながら、その言葉に嘘は感じられず
…だが、残念ながら、その言葉に嘘は感じられず
「………まぁ、気が向いたら、付き合ってあげても良いですよ。できれば、あなたがいない場所で飲み食いできる事を希望しますが」
「くく……っ、まぁ、良い。全ては、この戦が終わってからよ……!」
「くく……っ、まぁ、良い。全ては、この戦が終わってからよ……!」
コーク・ロアの被害者
クールトーに操られている、狂犬病に感染させられた犬達
悪魔の囁き憑きの被害者
…悪魔の囁きの契約者である朝比奈 秀雄が、何かしているのだろうか
悪魔の囁き憑きの被害者が、ヤケに多い
感染が、どんどん広まっているのかもしれない
クールトーに操られている、狂犬病に感染させられた犬達
悪魔の囁き憑きの被害者
…悪魔の囁きの契約者である朝比奈 秀雄が、何かしているのだろうか
悪魔の囁き憑きの被害者が、ヤケに多い
感染が、どんどん広まっているのかもしれない
「…盟主、あの黒服が言うには、コーク・ロアの契約者が、どこかに隠れている可能性があるらしい。それを探す事、お前たちはできるか?」
「……そちらを叩けば、少なくとも、コーク・ロアの被害者達だけでも止められると?」
「あぁ。一人だけでではないようだからな、すぐには全てが止まる事はないだろうが…」
「……そちらを叩けば、少なくとも、コーク・ロアの被害者達だけでも止められると?」
「あぁ。一人だけでではないようだからな、すぐには全てが止まる事はないだろうが…」
言いながら、将門は繁華街の、その向こう側に視線をやる
強い、強い気配が
朝比奈 秀雄の三つ目の都市伝説の気配がする、その向こう側を…睨み付けた
朝比奈 秀雄の三つ目の都市伝説の気配がする、その向こう側を…睨み付けた
「…大元を叩きたいが………それは、翼の役目だ。我は手を出せぬ」
「まったく…肝心な時に役に立たない落ち武者ですね…!」
「まったく…肝心な時に役に立たない落ち武者ですね…!」
ぼやきながらも、プラズマを放っている盟主
将門も、刀を振るい続ける
将門も、刀を振るい続ける
「エリア51」が発動されている中、2人が戦いを遠慮する理由など、もはや存在していないのだった
to be … ?