「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 夢幻泡影-24b

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匿名ユーザー

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私は童謡の「シャボン玉」。 名前はありませんでした。

2009年3月3日、私は学校町で生まれました。
どうやって生まれたのかはわかりません。 気がついたら、路地裏に立ってました。
何で生まれたのか、これから何をすればいいのか。
何もかもわからず、ただただ、町の中を歩いていました。

(赤マント>君ィ、赤いマントと青いマント・・・どっちが好きかね?

(変態>かわいいお嬢ちゃ~ん、おじさんと一緒に遊ばない?

(人面犬>ほっといてくれよぉぉぉぉぉ!

 ・・・この町は、恐い都市伝説と、恐い人達でいっぱいでした。
だから、そういう人達に出会う度に、逃げて、逃げて、時々姿を変えて隠れて・・・
恐くて、辛くて、寂しくて・・・そんな毎日でした。
死にたい、とも考えた事があります。
でも、それもやっぱり恐くて、結局町の中をふらふらと歩き回っていたんです。






ある日のことでした・・・

(少女>しゃーぼんだーまーとーんーだ・・・やーねーまーで―――

トントン

(少女>?
(ゴム人間>ゲヘヘヘ・・・悪いねお嬢ちゃん、今俺は人が殺したくてたまんないんだ!
(少女>い、いや・・・キャァァァァァァァ!

私は叫んで、とにかく走って逃げました。
誰か助けて、誰でもいいから助けて! そう心から願いました。
今までも願って助けが来る事なんてなかったんですけど・・・それでも、願い続けました。

(ゴム人間>ゲヘヘヘヘヘヘ・・・
(少女>はぁ・・・はぁ・・・だ・・・れか・・・たすけっ・・・あ!

逃げてる時に、涙で前が見えなくなって、足が縺れてしまったんです。
すぐにゴム人間が追いついてきました。 その時の恐怖は、はっきり覚えてます。

(少女>いやぁ・・・来ないで!

もう、ここで死んじゃうんだ・・・全て諦めてました。 「あの人」が来るまでは。

(ゴム人間>ゲヘヘヘ、お嬢ちゃん、今ラクにしてあげるから―――
(少年>こぉんのド変態がぁ!

ゴム人間は後ろから誰かに蹴られて、私の頭の上を飛んでいきました。

(少女>ぁ・・・・・・
(少年>お嬢さん、お怪我は?

私に手を伸ばしたその人は、影を連れた黒い服の王子様。

(少女>あぁ、はい、大丈夫です。 あの・・・ありがとうございます。
(少年>お礼なら後で。今からヤツを消してやるんで!
(ゴム人間>効かんねぇ、「ゴム」だから―――ん? そいつはシャドーマン・・・まさかお前、黄昏裂邪!?

タソガレ、レツヤ・・・それが私を救ってくれた方の名前でした。

(裂邪>ほぇ? 意外や意外。 この俺の名がまさか学校町にまで届いているとは。 光栄だねぇ。
(ゴム人間>バカな!あれは『田舎で都市伝説狩りをしている』という都市伝説だったはず!
(裂邪>俺都市伝説扱い!? はらわたが煮えくり返っちまいそうだぜ。 シェイド!『シャドークロー』!
(シェイド>了解シタ。

影を操って自分の武器にする王子様の姿が・・・逞しく、そしてキレイで・・・かっこよかったです。
でも、ゴム人間が腕を伸ばして攻撃しようとした時、

(裂邪>あ、想定外だった。

その声を聞いて、私は無意識に、ストローを構えて大きなシャボン玉を作り出しました。
ぽよん、と伸びた腕が弾かれていたのも覚えてます。

(裂邪>よし、ありがとう!

「アリガトウ」・・・そんな言葉かけられたこと、一度も無かったんです。
とても心が温かくなって、感情が抑えられなくなって・・・涙が出そうになりました。
でも、泣くのは後にしようって、我慢したんですけど。
気がつくと、王子様がゴム人間を倒した後でした。
もう逃げなくていいんだ、という気持ちもありましたが、
「この人が無事でいてよかった」という安心の気持ちが、とても強かったです。
それで、私は心に決めました。 怖かったけど、勇気を出して、彼に言ったんです。

(少女>も、もしよかったら・・・け、契約してもらえないでしょうか?
(裂+シェ>ハイ!?

すごく驚いてる様子でした。 無理もないでしょうけど・・・

(少女>き、急にごめんなさい! 実は私、最近この町で生まれたばかりで、他の都市伝説に襲われては逃げての繰り返しで・・・
   私にやさしくしてくれたのは、あなたが初めてなんです! あなたに契約してもらえなかったら、私・・・

その時、また涙が出てきたんです。 この人が契約してくれなかったらどうしよう、って。
何とかしようと思って、そうすると、あることを思いついたんです。

(少女>あ、この姿はイヤですか? 年頃の女の子の方が好きですよね?
   私、子供の女の子だったらどんな姿にでもなれるんです!
(裂邪>いや、そういうわけじゃ―――

何か言おうとしてたみたいでしたが、私は早々に姿を変えてしまいました。
ところが、彼が中学生くらいでしたから、そのくらいの姿にと思ったんですけど、
調節に失敗してしまって、小学5年生くらいの姿になってしまったんです。

(少女>あ、ご、ごめんなさい! 同い年ぐらいにするはずだったんですが・・・もうちょっと歳を―――
(裂邪>いやいい! それでいい! 契約するからずっとその姿で俺のそばにいてくれ!

また涙が溢れそうになっちゃいました。 嬉しくて涙が出るなんて、生まれて初めてでした。
この人といると、なんだか胸が温かい・・・

(裂邪>えっと・・・名前とかある?
(少女>いえ、ありません。

彼は暫く悩むと、両手を叩いて、

(裂邪>『水泡』って書いて『ミナワ』って読むんだが、どう?












あの日から、私は「ミナワ」として、新しい人生を歩み始めました。
もう逃げなくていい。 もう寂しくなんかない。 楽しい、明るい人生。
全て、あの人の・・・

(裂邪>ミ・ナ・ワ?
(ミナワ>ひゃ!? ご、ご主人様、どうかなさいましたか?
(裂邪>いや? 珍しくボーッとしてるから、お前がどうしたのかな~って。
(ミナワ>えっと、その・・・
(裂邪>なになに?・・・・・・・して欲しいの?
(ミナワ>ご主人様のばかぁ!///
(裂邪>ウヒヒヒヒヒヒヒw

全て、ご主人様の。 優しくて、強くて、ちょっぴりえっちな、ご主人様のお陰です。

(裂邪>あ~腹減ってきたな。 お袋もいないし、何か作ってくれないか?
(ミナワ>・・・はい、ご主人様♪

   ...END

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