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連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち・決戦以降-20e

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 …それは
 エーテルが、マクスウェルの精神世界へと、夢を通して迷い込んだ翌日の事…


「ぁ………怪我、もう大丈夫、か……?」

 少し外を出歩き、戻ってきたエーテルに声をかけてきたのは、ジャッカロープを抱きかかえている恵
 傷つき倒れていたエーテルを、初めに助けようとした存在
 気遣うような言葉に、エーテルは苦笑して答える

「あぁ、もう大丈夫だよ」
「……爆発に巻き込まれた怪我、も?」
「あぁ」

 …なぜか、この教会に担ぎ込まれてからも、すでに二回ほど負傷している
 その度、恵は心配して来てくれたのだ
 ………ついでに、その度に辰也に睨まれたような気がするのは、きっと気のせいじゃないのだろう、多分
 ちなみに、周りはそれに気付いていたようだが、一切フォローしてくれなかった
 世間とは冷たいものだ

「………なら、良かった」

 エーテルの答えに…恵が、ほっとしたような表情を浮かべる
 自分と言う存在を殺そうとしてきた「組織」の一員…それも、上層部メンバーであるエーテル相手でも、恵は優しい

「…探してる相手…見付かった…?」
「いや、まだ…」

 ………
 うん??

「…俺が誰かを探していると、なぜわかった?」

 やや警戒しつつ、恵にそう尋ねるエーテル
 恵は、ジャッカロープを抱いたまま、ぼそぼそと答える

「……辰也、が宏也と話してた時……お前に、部下がいると言う話を、していた……それを、お前は妹のように思っている、と言っていた」
「あぁ、あれ、聞かれてたのか…」

 こっそりと、苦笑するエーテル
 なるほど、あの会話で察した、という事か

「…マクスウェルは、まだ見付かっていないよ。どこかの組織に、無事保護されていればいいんだが…」
「……やはり、心配、か?」
「あぁ。大切な相手だからな」

 …それは、妹のような存在として、と言う意味でなのか
 それとも、それ以外の意味も含まれているのか……
 それは、その言葉を発したエーテル以外には、わからぬ事である

「…「首塚」と「薔薇十字団」、それに「第三帝国」には、確認をとれる、ぞ…?」
「……そうか、それなら、頼んでもいいか?」

 ん、と頷く恵
 ぴすぴす、ジャッカロープが真似して頷く

「に、しても。お前はどうして、そんなに親切にしてくれるんだ?」
「…大切な相手の消息がわからないのは、心配だろうから」

 ぽそぽそと答える恵
 …そこには、打算的な考えなど、一切覗く事なく
 ただただ純粋に、エーテルと、エーテルが探しているマクスウェルの事を心配している
 その純粋な考え方に、一瞬、 D-No.0のことを思い出してしまった

「……俺も…同じ状況に、なったら………きっと、不安で、仕方なく、なるから」
「今の仲間がいなくなるのが、不安か」
「……あぁ……」

 特に…と、言いかけて、言葉を飲み込む恵
 ……自分の中に生まれつつある感情を、恵はまだ、もてあましている状況だ
 自分などが、そんな感情を抱く事が許されるのか
 相手に、迷惑をかけないか
 ただ、それだけを考えて……その芽生えた感情を、それ以上育てる事ができない

 だが
 その感情が、育っていない、その状況でも
  …その存在が大切である事実に、変わりはない

「……あまり」
「?」
「…あまり、辰也を、虐めないでくれると、嬉しい…」

 ぽそぽそとそう言って…恵はてとてとと、エーテルの前から離れていった
 その背中を見送り、エーテルは苦笑する

「虐めているつもりはないんだがな…」

 一度、辰也に掻き切られかけた喉元に、思わず触れながら
 エーテルは、そう呟いたのだった




to be … ?




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