…それは
エーテルが、マクスウェルの精神世界へと、夢を通して迷い込んだ翌日の事…
エーテルが、マクスウェルの精神世界へと、夢を通して迷い込んだ翌日の事…
「ぁ………怪我、もう大丈夫、か……?」
少し外を出歩き、戻ってきたエーテルに声をかけてきたのは、ジャッカロープを抱きかかえている恵
傷つき倒れていたエーテルを、初めに助けようとした存在
気遣うような言葉に、エーテルは苦笑して答える
傷つき倒れていたエーテルを、初めに助けようとした存在
気遣うような言葉に、エーテルは苦笑して答える
「あぁ、もう大丈夫だよ」
「……爆発に巻き込まれた怪我、も?」
「あぁ」
「……爆発に巻き込まれた怪我、も?」
「あぁ」
…なぜか、この教会に担ぎ込まれてからも、すでに二回ほど負傷している
その度、恵は心配して来てくれたのだ
………ついでに、その度に辰也に睨まれたような気がするのは、きっと気のせいじゃないのだろう、多分
ちなみに、周りはそれに気付いていたようだが、一切フォローしてくれなかった
世間とは冷たいものだ
その度、恵は心配して来てくれたのだ
………ついでに、その度に辰也に睨まれたような気がするのは、きっと気のせいじゃないのだろう、多分
ちなみに、周りはそれに気付いていたようだが、一切フォローしてくれなかった
世間とは冷たいものだ
「………なら、良かった」
エーテルの答えに…恵が、ほっとしたような表情を浮かべる
自分と言う存在を殺そうとしてきた「組織」の一員…それも、上層部メンバーであるエーテル相手でも、恵は優しい
自分と言う存在を殺そうとしてきた「組織」の一員…それも、上層部メンバーであるエーテル相手でも、恵は優しい
「…探してる相手…見付かった…?」
「いや、まだ…」
「いや、まだ…」
………
うん??
うん??
「…俺が誰かを探していると、なぜわかった?」
やや警戒しつつ、恵にそう尋ねるエーテル
恵は、ジャッカロープを抱いたまま、ぼそぼそと答える
恵は、ジャッカロープを抱いたまま、ぼそぼそと答える
「……辰也、が宏也と話してた時……お前に、部下がいると言う話を、していた……それを、お前は妹のように思っている、と言っていた」
「あぁ、あれ、聞かれてたのか…」
「あぁ、あれ、聞かれてたのか…」
こっそりと、苦笑するエーテル
なるほど、あの会話で察した、という事か
なるほど、あの会話で察した、という事か
「…マクスウェルは、まだ見付かっていないよ。どこかの組織に、無事保護されていればいいんだが…」
「……やはり、心配、か?」
「あぁ。大切な相手だからな」
「……やはり、心配、か?」
「あぁ。大切な相手だからな」
…それは、妹のような存在として、と言う意味でなのか
それとも、それ以外の意味も含まれているのか……
それは、その言葉を発したエーテル以外には、わからぬ事である
それとも、それ以外の意味も含まれているのか……
それは、その言葉を発したエーテル以外には、わからぬ事である
「…「首塚」と「薔薇十字団」、それに「第三帝国」には、確認をとれる、ぞ…?」
「……そうか、それなら、頼んでもいいか?」
「……そうか、それなら、頼んでもいいか?」
ん、と頷く恵
ぴすぴす、ジャッカロープが真似して頷く
ぴすぴす、ジャッカロープが真似して頷く
「に、しても。お前はどうして、そんなに親切にしてくれるんだ?」
「…大切な相手の消息がわからないのは、心配だろうから」
「…大切な相手の消息がわからないのは、心配だろうから」
ぽそぽそと答える恵
…そこには、打算的な考えなど、一切覗く事なく
ただただ純粋に、エーテルと、エーテルが探しているマクスウェルの事を心配している
その純粋な考え方に、一瞬、 D-No.0のことを思い出してしまった
…そこには、打算的な考えなど、一切覗く事なく
ただただ純粋に、エーテルと、エーテルが探しているマクスウェルの事を心配している
その純粋な考え方に、一瞬、 D-No.0のことを思い出してしまった
「……俺も…同じ状況に、なったら………きっと、不安で、仕方なく、なるから」
「今の仲間がいなくなるのが、不安か」
「……あぁ……」
「今の仲間がいなくなるのが、不安か」
「……あぁ……」
特に…と、言いかけて、言葉を飲み込む恵
……自分の中に生まれつつある感情を、恵はまだ、もてあましている状況だ
自分などが、そんな感情を抱く事が許されるのか
相手に、迷惑をかけないか
ただ、それだけを考えて……その芽生えた感情を、それ以上育てる事ができない
……自分の中に生まれつつある感情を、恵はまだ、もてあましている状況だ
自分などが、そんな感情を抱く事が許されるのか
相手に、迷惑をかけないか
ただ、それだけを考えて……その芽生えた感情を、それ以上育てる事ができない
だが
その感情が、育っていない、その状況でも
…その存在が大切である事実に、変わりはない
その感情が、育っていない、その状況でも
…その存在が大切である事実に、変わりはない
「……あまり」
「?」
「…あまり、辰也を、虐めないでくれると、嬉しい…」
「?」
「…あまり、辰也を、虐めないでくれると、嬉しい…」
ぽそぽそとそう言って…恵はてとてとと、エーテルの前から離れていった
その背中を見送り、エーテルは苦笑する
その背中を見送り、エーテルは苦笑する
「虐めているつもりはないんだがな…」
一度、辰也に掻き切られかけた喉元に、思わず触れながら
エーテルは、そう呟いたのだった
エーテルは、そう呟いたのだった
to be … ?