【電磁人の韻律詩35~夜と星と黒い鸚鵡・前編~】
学校町の夜は早い。
秋になると午後五時を過ぎれば、町は人の顔も解らぬ薄闇の中に沈む。
そんな薄闇の時間も終われば、次に始まるのは魑魅魍魎の跋扈する地獄変。
そしてそんな地獄の中を漂う影が二つ。
秋になると午後五時を過ぎれば、町は人の顔も解らぬ薄闇の中に沈む。
そんな薄闇の時間も終われば、次に始まるのは魑魅魍魎の跋扈する地獄変。
そしてそんな地獄の中を漂う影が二つ。
「久しぶりに夜の町を歩くねえ。」
「そうだな、まあ正義の味方たるものこういう日々の活動こそが大切ですから。」
「そうだな、まあ正義の味方たるものこういう日々の活動こそが大切ですから。」
一人は正義の味方に憧れる少年、明日真。
もう一人は彼の契約する都市伝説『電子レンジで猫をチン』が人間の姿を得て変身した少女、恋路。
もう一人は彼の契約する都市伝説『電子レンジで猫をチン』が人間の姿を得て変身した少女、恋路。
「最近忙しかったからね。」
「そうそう、『組織』の仕事も色々有ったしなあ……。」
「“モケーレムベンベ”を倒した時は流石に苦労したよね。」
「俺はどっちかというと“四つ辻の悪魔”がなぁ……。」
「あと、『組織』を裏切ったとかいう契約者はどうなったのかな?」
「うーん、まあそこは宏也さんに任せるしかないと思うんだよ。
正義の味方だからって人を裁ける訳じゃないし。
倒した悪人は司法の手にってバットマンが言ってた。」
「『組織』は司法なのかな?」
「……だって、そこ以外その役割を担える組織はないじゃん。」
「そうそう、『組織』の仕事も色々有ったしなあ……。」
「“モケーレムベンベ”を倒した時は流石に苦労したよね。」
「俺はどっちかというと“四つ辻の悪魔”がなぁ……。」
「あと、『組織』を裏切ったとかいう契約者はどうなったのかな?」
「うーん、まあそこは宏也さんに任せるしかないと思うんだよ。
正義の味方だからって人を裁ける訳じゃないし。
倒した悪人は司法の手にってバットマンが言ってた。」
「『組織』は司法なのかな?」
「……だって、そこ以外その役割を担える組織はないじゃん。」
少しばかり意地悪な問いにむくれる明日。
そしてそれを見て微笑む恋路。
こういう何気ない一瞬が戦いの続く日々に訪れるわずかばかりの幸せな時間だった。
そしてそれを見て微笑む恋路。
こういう何気ない一瞬が戦いの続く日々に訪れるわずかばかりの幸せな時間だった。
しかしそんな平和な時間もあっさり崩れ去ろうとしていた。
「キャアアアアアア!」
闇を裂いて響く悲鳴。
今日もまた都市伝説という非日常がこの町を浸食し始める。
今日もまた都市伝説という非日常がこの町を浸食し始める。
「悲鳴だ!」
「あっちの方向からだよ、急いで行こう!」
「あっちの方向からだよ、急いで行こう!」
二人は悲鳴の方向へかけだした。
狭い路地を抜け、薄暗い交差点を曲がり、あとは真っ直ぐに真っ直ぐに走り抜ける。
しばらく走って二人が悲鳴の場所にたどり着くとそこには一人の女性とガスマスクをつけた怪しげな男が居た。
女性の方は意識がないらしくぐったりしている。
だが、この夜の闇の中ではそれ以上の詳しい様子まで確認することは出来ない。
狭い路地を抜け、薄暗い交差点を曲がり、あとは真っ直ぐに真っ直ぐに走り抜ける。
しばらく走って二人が悲鳴の場所にたどり着くとそこには一人の女性とガスマスクをつけた怪しげな男が居た。
女性の方は意識がないらしくぐったりしている。
だが、この夜の闇の中ではそれ以上の詳しい様子まで確認することは出来ない。
「あのガスマスク……、もしかしてマッドガッサー!?」
「其処のお前、その女の人に何をしたんだ!」
「え、ちょ、ちょっと待ってくれ!
俺は何もしてないって!」
「其処のお前、その女の人に何をしたんだ!」
「え、ちょ、ちょっと待ってくれ!
俺は何もしてないって!」
慌てた様子で首をぶんぶん振るマッドガッサー。
彼はこの学校町に現れた特別なマッドガッサーで女体化ガスしか出せないのだが、
当然明日真も恋路もそんなことは知らない。
彼はこの学校町に現れた特別なマッドガッサーで女体化ガスしか出せないのだが、
当然明日真も恋路もそんなことは知らない。
「何もしてないって……、じゃあなんでそこの女の人は倒れているんだ!」
「いや出会い頭に急に倒れてしまってだな……。」
「どう見ても怪しいじゃないか!」
「アスマ、喋っている暇は無いよ。
もしそこの女の人がマッドガッサーに襲われたのだとしたら毒ガスを浴びている可能性も有る。」
「だから違うんだって!俺たちは逆にこの辺りに出るとかいう野良都市伝説を探していてだな!
そもそも俺のガスは都市伝説の動きを止めるだけの物で人間には害がないように調整しているぞ!」
「だってどう見ても怪しいじゃないか!
とりあえず『組織』に確認を取らせて貰うぜ!」
「仕方ない、良いぜ。今俺たちは『組織』と停戦中だし、後ろ暗いところはないぞ。」
「よし、恋路はそこの女の人の様子を見ていてくれ。」
「解った、あれこの人……耳がちぎりとられてる!?」
「え?」
「いや出会い頭に急に倒れてしまってだな……。」
「どう見ても怪しいじゃないか!」
「アスマ、喋っている暇は無いよ。
もしそこの女の人がマッドガッサーに襲われたのだとしたら毒ガスを浴びている可能性も有る。」
「だから違うんだって!俺たちは逆にこの辺りに出るとかいう野良都市伝説を探していてだな!
そもそも俺のガスは都市伝説の動きを止めるだけの物で人間には害がないように調整しているぞ!」
「だってどう見ても怪しいじゃないか!
とりあえず『組織』に確認を取らせて貰うぜ!」
「仕方ない、良いぜ。今俺たちは『組織』と停戦中だし、後ろ暗いところはないぞ。」
「よし、恋路はそこの女の人の様子を見ていてくれ。」
「解った、あれこの人……耳がちぎりとられてる!?」
「え?」
恋路が異常に気付いたのは明日真が携帯電話を取りだした瞬間のことだった。
恋路の言葉を聞いてマッドガッサーがハッとする。
恋路の言葉を聞いてマッドガッサーがハッとする。
「後ろに気をつけろ!」
恋路の真後ろに突然現れる黒い人型の影。
常に微弱なマイクロ波を周囲に飛ばし続けることでその奇襲をいち早く察知した明日真はそれを捕まえようと飛びかかる。
そしてマッドガッサーはその黒い影から恋路を守る為に恋路に性別変換ガスを放射した。
常に微弱なマイクロ波を周囲に飛ばし続けることでその奇襲をいち早く察知した明日真はそれを捕まえようと飛びかかる。
そしてマッドガッサーはその黒い影から恋路を守る為に恋路に性別変換ガスを放射した。
二人の善意の行動は結果としてとんでもないことを招いた。
「うわっ、けむたい!でも捕まえたぜ人を襲う都市伝説め!
3000Wで…………消し飛べ!」
3000Wで…………消し飛べ!」
明日の掌を中心にその都市伝説は見事に爆散する。
身体の内側で一気に水分を蒸発させられたのだ。
少なくとも生物型の都市伝説ならばそれは致命傷である。
恋路に怪我がなかったことを安心に思う反面、明日真は不自然に感じていた。
身体の内側で一気に水分を蒸発させられたのだ。
少なくとも生物型の都市伝説ならばそれは致命傷である。
恋路に怪我がなかったことを安心に思う反面、明日真は不自然に感じていた。
恋路にガスがかかった瞬間、あの都市伝説の動きが止まったのだ。
そしてマッドガッサーの放ったガスが晴れると同時に、明日真は自分の身体の変化に気付く。
「あれ…………?
おい、マッドガッサーとやら。
さっき人間には害がないとか言ってなかったか?」
おい、マッドガッサーとやら。
さっき人間には害がないとか言ってなかったか?」
これには流石の明日君も顔が引きつる。
「あれ、アスマが女になってる!」
「恋路、お前も男になってるから。」
「ええええええええええええええええええ!?」
「恋路、お前も男になってるから。」
「ええええええええええええええええええ!?」
ぷるんとした唇
うるんだ瞳
小柄な体躯
控えめなバストとヒップ
明日真は…………、それはそれは可愛らしい女の子になっていた。
そう、学校町のマッドガッサーの操るガスは女体化ガス改め性転換ガスだったのだ。
うるんだ瞳
小柄な体躯
控えめなバストとヒップ
明日真は…………、それはそれは可愛らしい女の子になっていた。
そう、学校町のマッドガッサーの操るガスは女体化ガス改め性転換ガスだったのだ。
「ああー、正直済まなかった。」
「何故に性転換!?即効性の麻酔ガスじゃ駄目だったのかよ!」
「いやじつはさっきお前が倒した都市伝説は“カオリさん”と言って、
女性の耳を引きちぎって回る都市伝説なんだよ。
逆を言うと男性は襲えないんだよな、だから性転換ガスを用意してたんだが……。」
「俺にもかかってしまったと。」
「…………済まなかった。」
「いや、それは良いんだ。結果として人命は守れた訳で。」
「とりあえず組織の人に被害者の保護はお願いしておいたよ。
もうちょいで治癒系の都市伝説持ちが来ると思うからそこの女の人は大丈夫。」
「そうか、なら良かった。
それで、マッドガッサーさん。俺たちは何時戻れるのかな?」
「ああ、それなら任せな。同じのをもう一回かければ……。」
「何故に性転換!?即効性の麻酔ガスじゃ駄目だったのかよ!」
「いやじつはさっきお前が倒した都市伝説は“カオリさん”と言って、
女性の耳を引きちぎって回る都市伝説なんだよ。
逆を言うと男性は襲えないんだよな、だから性転換ガスを用意してたんだが……。」
「俺にもかかってしまったと。」
「…………済まなかった。」
「いや、それは良いんだ。結果として人命は守れた訳で。」
「とりあえず組織の人に被害者の保護はお願いしておいたよ。
もうちょいで治癒系の都市伝説持ちが来ると思うからそこの女の人は大丈夫。」
「そうか、なら良かった。
それで、マッドガッサーさん。俺たちは何時戻れるのかな?」
「ああ、それなら任せな。同じのをもう一回かければ……。」
カスッカスッ!
「あれ?」
「「え゛」」
「……重ねて済まない、どうやらガス欠のようだ。
まあ一週間以内には自然治癒するし、最悪明日ガス補充し直してかけにいっても……。」
「「え゛」」
「……重ねて済まない、どうやらガス欠のようだ。
まあ一週間以内には自然治癒するし、最悪明日ガス補充し直してかけにいっても……。」
その言葉を聞いた瞬間、恋路が悪い顔をし始めた。
「いえ大丈夫ですよマッドさん。私たち仕事柄こういうのは慣れているんで!
ああそうだ、世にも奇妙な冒険~秋の二時間スペシャル~の録画忘れちゃってた!
急いで帰らないと駄目だよアスマ!」
「へ?急に何を言い出しているんだ恋路?」
「良いから急いで帰るよ!ハリー!ハリー!」
「ちょ、待って!?ひゃん!」
ああそうだ、世にも奇妙な冒険~秋の二時間スペシャル~の録画忘れちゃってた!
急いで帰らないと駄目だよアスマ!」
「へ?急に何を言い出しているんだ恋路?」
「良いから急いで帰るよ!ハリー!ハリー!」
「ちょ、待って!?ひゃん!」
随分可愛くなってしまった真ちゃんとは対照的に、
恋路君の方はわりと背の高い侍ポニーテールのイケメンお兄さんである。
真ちゃんはあっさり抱きかかえられてしまった。
お姫様だっこである。
恋路君の方はわりと背の高い侍ポニーテールのイケメンお兄さんである。
真ちゃんはあっさり抱きかかえられてしまった。
お姫様だっこである。
「ちょ、やめろ!放せ!」
「うへへへへへへ、今こそお持ち帰りだぜえ!
今晩はちょっとばかり熱くなりそうだぁ!」
「うへへへへへへ、今こそお持ち帰りだぜえ!
今晩はちょっとばかり熱くなりそうだぁ!」
全力で走り去る恋路を見たマッドガッサーは
「……幸せそうだし、良いか。」
そう呟いて、組織の人が来て被害者を保護してから静かにその場を去っていった。
「さあついちゃったよマコにゃん!僕たちの愛の巣に!」
「ちょ、やめろ恋路!なんか色々と洒落にならない!」
「愛があれば概ね許される!ところで今日は……両親居ないんだったよね?」
「やめて!毎晩そうだけど寝室まで無理矢理運んでおいてそれはやめて!」
「ちょ、やめろ恋路!なんか色々と洒落にならない!」
「愛があれば概ね許される!ところで今日は……両親居ないんだったよね?」
「やめて!毎晩そうだけど寝室まで無理矢理運んでおいてそれはやめて!」
当然世にも奇妙な冒険~秋の二時間スペシャル~など見る気はない。
恋路君が見ているのは真ちゃんの可愛らしい仕草だけだ。
恋路君はさっきまで抱きかかえていた真ちゃんを普段彼の使っているベッドの上に放り投げた。
恋路君が見ているのは真ちゃんの可愛らしい仕草だけだ。
恋路君はさっきまで抱きかかえていた真ちゃんを普段彼の使っているベッドの上に放り投げた。
「大丈夫、きっちり僕がリードするから!」
「いや、やらせねえよ!?」
「こういうのはムードが大切って?
女の子みたいな事言っちゃ駄目駄目!」
「誰か助けて!彼女に犯される!」
「何か問題があるかな?かな?」
「うわあああああああ!こんなんで童貞失いたくねえよ!
ていうかこの場合童貞……ですらねえ!」
「うふふ、アスマが悪いんだよ……。
私だって何度も誘っているのにハッキリしないから……!」
「いや、やらせねえよ!?」
「こういうのはムードが大切って?
女の子みたいな事言っちゃ駄目駄目!」
「誰か助けて!彼女に犯される!」
「何か問題があるかな?かな?」
「うわあああああああ!こんなんで童貞失いたくねえよ!
ていうかこの場合童貞……ですらねえ!」
「うふふ、アスマが悪いんだよ……。
私だって何度も誘っているのにハッキリしないから……!」
抵抗して脱兎の如く逃げ出そうとする真ちゃんだったが彼は肉体的には所詮一般人である。
対して恋路君は八極拳などで普段から身体を鍛えている上に、
とある軍に勤めていた昔の契約者の知識を吸収しているのでその他にも様々な格闘技を使える。
……当然の結果として、可愛い女の子たる真ちゃんは恋路君に簡単に押し倒されてしまった。
対して恋路君は八極拳などで普段から身体を鍛えている上に、
とある軍に勤めていた昔の契約者の知識を吸収しているのでその他にも様々な格闘技を使える。
……当然の結果として、可愛い女の子たる真ちゃんは恋路君に簡単に押し倒されてしまった。
「うっひょう、男の身体だと切れが違うぜ!
前の契約者が男の人だったらもっと戦闘も楽なのにな!」
「一歩間違えると俺は掘られていたとでも言うのか?
いいや、その前に今……今のは掘られるというのだろうか。」
「ふっふっふ、まずはそのぶつぶつ言っている唇を奪ってやるぜ。」
「んんんんんんんん”#%$&”!!!!」
前の契約者が男の人だったらもっと戦闘も楽なのにな!」
「一歩間違えると俺は掘られていたとでも言うのか?
いいや、その前に今……今のは掘られるというのだろうか。」
「ふっふっふ、まずはそのぶつぶつ言っている唇を奪ってやるぜ。」
「んんんんんんんん”#%$&”!!!!」
ちょっと荒々しい感じにきゅんとなってしまっている自分が居ることに明日真は情け無くなっていた。
なんとか恋路を引き離す頃にはすっかり呼吸が荒くなっていた。
なんとか恋路を引き離す頃にはすっかり呼吸が荒くなっていた。
「はぁはぁ……ちょ、ちょっと待とうか。」
「なんだいアスマ!僕は何時でもいけるよ!」
「すごく、大きいです……。いやいやそう言う問題じゃなくて。」
「大丈夫だよ、子供ができてもちゃんと責任取るから!」
「絶対違う!」
「なんだいアスマ!僕は何時でもいけるよ!」
「すごく、大きいです……。いやいやそう言う問題じゃなくて。」
「大丈夫だよ、子供ができてもちゃんと責任取るから!」
「絶対違う!」
パリィン!
窓ガラスを割って明日の寝室に彼の姉が飛び込んでくる。
窓ガラスを割って明日の寝室に彼の姉が飛び込んでくる。
「お姉ちゃんはそんな展開許しませえええええええええん!」
「姉さん!?」
「でも妹ができたのは大歓迎なんだから!」
「カメラ持参だと!?」
「姉さん!?」
「でも妹ができたのは大歓迎なんだから!」
「カメラ持参だと!?」
明日真は迷わず胸を隠した。
胸を隠す動作をしてからすっかり女になってしまっている自分に気付く。
胸を隠す動作をしてからすっかり女になってしまっている自分に気付く。
「ていうかなんで義姉さんがこの展開知っているの!?」
「いや、超能力で。」
「超能力便利!」
「今の内に…………。」
「「やらせねえよ。」」
「いや、超能力で。」
「超能力便利!」
「今の内に…………。」
「「やらせねえよ。」」
恋路君と晶が盛り上がっている間に明日真は逃げ出した!
……だがまわりこまれてしまった。
……だがまわりこまれてしまった。
「とりあえず男になったので遠慮無くアスマ相手にガンガンいろんなことしたいんです!」
「待って、それは良いけど流石に高校生なんだからもうちょっと節度を持って!?
女の子の身体って基本繊細なんだから!ていうかその前にこのゴスロリセットを我が妹に着せたいの!」
「どうしても相容れないようですね。」
「譲らないねえ、お互いに。」
「待って、それは良いけど流石に高校生なんだからもうちょっと節度を持って!?
女の子の身体って基本繊細なんだから!ていうかその前にこのゴスロリセットを我が妹に着せたいの!」
「どうしても相容れないようですね。」
「譲らないねえ、お互いに。」
そして……第二次明日家対戦が始まった。
晶が念動力で飛ばした銃弾を恋路が肘打ちでグラインダーの如く削り取り叩き落とす。
恋路が高く飛んで回し蹴りを放つと、当然の如く家の壁が砕ける。
それを低く伏せて躱した晶が恋路に拳を繰り出すと柱に綺麗な穴が空いた。
明日真は携帯電話と服を持ってこっそりと家を抜け出し、電話をかけようとして大変なことに気付いた。
晶が念動力で飛ばした銃弾を恋路が肘打ちでグラインダーの如く削り取り叩き落とす。
恋路が高く飛んで回し蹴りを放つと、当然の如く家の壁が砕ける。
それを低く伏せて躱した晶が恋路に拳を繰り出すと柱に綺麗な穴が空いた。
明日真は携帯電話と服を持ってこっそりと家を抜け出し、電話をかけようとして大変なことに気付いた。
「あれ、Hさんにかけたら不味いんじゃないか……。
かといってあの探偵にも……。
友達、にもっとも頼れない自体だしなあ今……。
恋路……、にはたった今犯されかけた。
姉……だけは間違っても頼れない。
解った、とりあえず明日の朝までネットカフェにでも泊まろう。」
かといってあの探偵にも……。
友達、にもっとも頼れない自体だしなあ今……。
恋路……、にはたった今犯されかけた。
姉……だけは間違っても頼れない。
解った、とりあえず明日の朝までネットカフェにでも泊まろう。」
携帯電話をポケットに入れると明日真は普段より大きく感じるバイクに乗って走り出した。
かくして明日真の一晩の逃亡劇が始まるのである。
その先に何が有るのか、彼はまだ知らない……。
かくして明日真の一晩の逃亡劇が始まるのである。
その先に何が有るのか、彼はまだ知らない……。
【電磁人の韻律詩35~夜と星と黒い鸚鵡・前編~fin】