トイレの花子様 14
あまりにも暑かったのと、星が綺麗だったので、夜の散歩をする。
首輪と鎖を着けて。
花「ヨーヨーであったわよね、犬の散歩って技。」
男「全盛期の俺はダブルループやムーンサルトできましたよ。」
花「なかなかやるのね。とりあえずレイダー系の回転力は異常よね。」
そんな会話をしていると、エンジン音が聞こえる。それも複数…。
音の質でバイクの、それも250CC以上だと分かる。
大きな通りに出るとその音の主はいた。
首輪と鎖を着けて。
花「ヨーヨーであったわよね、犬の散歩って技。」
男「全盛期の俺はダブルループやムーンサルトできましたよ。」
花「なかなかやるのね。とりあえずレイダー系の回転力は異常よね。」
そんな会話をしていると、エンジン音が聞こえる。それも複数…。
音の質でバイクの、それも250CC以上だと分かる。
大きな通りに出るとその音の主はいた。
首無しライダー…俺が聞いたのは事故で首を無くした走り屋って話だ。
そして約十人の十代後半から二十代後半の普通に人間の男達。しっかりと手を加えたマシン。
その他「クビさん、カモが来ましたよ。」
その他「熱々だねー、ここを通りたければ交通量を払いな!なに、幸せのおすそ分けをね。」
花子様は無視して首無しライダーに話しかける。
花「アナタ、こいつ等を操ってるの?」
首無しライダーは首を振れないので、胸の前で両手の人差し指を交差させる。某ムリダナのように。
その他が反論する。
その他「俺達はクビさんを尊敬してるんだ!」
その他「人間じゃなくても関係ないんだ!」
なんか感動してる自分がいる。そして気づく、花子様に焦りが見える。
それは付き合いの長い俺にしか分からないレベルだが確かに焦っていた。そして理由に気づく。
ここにはトイレが無い。いくら生身の人間でもトイレ無しでこの人数、更にクビさんに勝てない。
しかも相手はバイクだ。逃げ切れるわけがない。
ああ、俺の首輪から上はおさらばかと持っていた俺達にクビさんは言う。
そして約十人の十代後半から二十代後半の普通に人間の男達。しっかりと手を加えたマシン。
その他「クビさん、カモが来ましたよ。」
その他「熱々だねー、ここを通りたければ交通量を払いな!なに、幸せのおすそ分けをね。」
花子様は無視して首無しライダーに話しかける。
花「アナタ、こいつ等を操ってるの?」
首無しライダーは首を振れないので、胸の前で両手の人差し指を交差させる。某ムリダナのように。
その他が反論する。
その他「俺達はクビさんを尊敬してるんだ!」
その他「人間じゃなくても関係ないんだ!」
なんか感動してる自分がいる。そして気づく、花子様に焦りが見える。
それは付き合いの長い俺にしか分からないレベルだが確かに焦っていた。そして理由に気づく。
ここにはトイレが無い。いくら生身の人間でもトイレ無しでこの人数、更にクビさんに勝てない。
しかも相手はバイクだ。逃げ切れるわけがない。
ああ、俺の首輪から上はおさらばかと持っていた俺達にクビさんは言う。
クビさん「俺とレースしろ。勝ったら見逃してやる。そしていう事を聞く。
負けたらクビは貰う。」
花「な…!?」
男「いいぜ。受けてやる。」
花「ちょっと、男!お前バイクなんて…」
男「バリバリ伝説全巻読んだから大丈夫です。首輪取ってください。」
花「…とるのは鎖だけよ。私の犬なんだから。いい?あいつより先に戻ってきなさい。」
こくりと頷く。
男「クビさん、勝負がつくまで彼女に手を出さないように手下に言ってください。」
クビさんはその他の方を向く。全員が心得たという表情をする。相当に慕われているのが分かる。
男「バイクとメットを貸して貰うよ。」
その他「好きなのを選びな。」
俺は一台のバイクのところで足を止める。
男「これだ、これが良い。CB750F。」
負けたらクビは貰う。」
花「な…!?」
男「いいぜ。受けてやる。」
花「ちょっと、男!お前バイクなんて…」
男「バリバリ伝説全巻読んだから大丈夫です。首輪取ってください。」
花「…とるのは鎖だけよ。私の犬なんだから。いい?あいつより先に戻ってきなさい。」
こくりと頷く。
男「クビさん、勝負がつくまで彼女に手を出さないように手下に言ってください。」
クビさんはその他の方を向く。全員が心得たという表情をする。相当に慕われているのが分かる。
男「バイクとメットを貸して貰うよ。」
その他「好きなのを選びな。」
俺は一台のバイクのところで足を止める。
男「これだ、これが良い。CB750F。」
クビさん「この先は短いワインディングロードになっている。そこに俺たちが立てた目印が有るから、そこをターンして
ココに戻ってくる。おk?」
男「把握した。」
ココに戻ってくる。おk?」
男「把握した。」
アイドリング音が響く。スタート位置にバイクを並べる。
花「首輪取れるような事になったら流すわよ。」
正直、返す言葉が無い。首さんの子分がスタートのカウントダウンをする。
子「カウントいくぞー。5・4・3・2・1…」
全身が緊張する。
子「GO!!」
轟音をとどろかせて加速する二台のバイク。俺とクビさんのバトルは始まった。
・ ・ ・ ・ ・
排気音が遠ざかっていく。完全に聞こえなくなると首無しライダーの子分達が口を開く。
子「あの男、何コーナーもつかな?」
子「漫画読んだだけでナナハンに乗るなんて馬鹿じゃねーのか?」
子「おねーさん綺麗だからきっとクビさんも見逃してくれるんじゃないかな?」
子「大丈夫、俺達はよってたかってアンタを犯したりなんかしないから。」
子「漫画読んだだけでナナハンに乗るなんて馬鹿じゃねーのか?」
子「おねーさん綺麗だからきっとクビさんも見逃してくれるんじゃないかな?」
子「大丈夫、俺達はよってたかってアンタを犯したりなんかしないから。」
2人が帰るのを首無しライダーの子分達(人間)とゴール地点で待っているのだが意外と普通な奴なのだ。
ここは一つ、試してみるか。
花「おはよーさーん 皆さん準備は良いですかー?」
ここは一つ、試してみるか。
花「おはよーさーん 皆さん準備は良いですかー?」
子分達「「「はーい!」」」
花「いきますかー 元気ー!」
子分達「「「元気ー!」」」
花「勇気ー!」
子分達「「「勇気ー!」」」
花・子分達「「「「ポンポポンポポンキッキー!!!」」」」
花(悪い奴では無いようね)
・ ・ ・ ・ ・
ところ変わって峠道。排気音を高らかに鳴らして走る二台のバイク。
自分でもビックリなハイペースでクビさんに追走することができている。
きっと本気ではないのかもしれないが、この時点でかなりの大健闘と言って良いだろう。
見よう見まね(漫画の)で、クランクケースを擦りながらコーナーを抜けていく。
すると、予想だにしない事態に陥る。
見通しの悪い中速コーナーの途中、コーナーがガケ崩れで塞がれている。
自分でもビックリなハイペースでクビさんに追走することができている。
きっと本気ではないのかもしれないが、この時点でかなりの大健闘と言って良いだろう。
見よう見まね(漫画の)で、クランクケースを擦りながらコーナーを抜けていく。
すると、予想だにしない事態に陥る。
見通しの悪い中速コーナーの途中、コーナーがガケ崩れで塞がれている。
男(ヤバイ…でもどうせ止まれないならッ!)
負けてもコケても恐らく命は無い。なら、憧れのあの技を使ってみたいと思った。
ギリギリ一台分、コーナー外側のガードレールと土砂の間にあるスペースに突っ込む。
そして
男「ガードレールキックターン!!!」
その名の通り、ガードレールを蹴飛ばしてマシンの向きを変える。
何とかガケ崩れ部分を抜けたが、その先にはクビ無しライダーが待っていた。
クビさんは障害物を通り抜けたんだろう。これは勝ち目ないな。
止まっているクビさんの所にバイクを止める。
ギリギリ一台分、コーナー外側のガードレールと土砂の間にあるスペースに突っ込む。
そして
男「ガードレールキックターン!!!」
その名の通り、ガードレールを蹴飛ばしてマシンの向きを変える。
何とかガケ崩れ部分を抜けたが、その先にはクビ無しライダーが待っていた。
クビさんは障害物を通り抜けたんだろう。これは勝ち目ないな。
止まっているクビさんの所にバイクを止める。
クビさん「これじゃ興ざめだ…今日はもう止めにしよう。俺の負けで良い。」
俺は意外な反応に驚いた。クビさんは続ける。
クビさん「はじめて乗ったバイクであそこまでやられちゃ俺の負けみたいなもんだ。
それに俺はガケ崩れを都市伝説としての能力で通りぬけた。いわば逃げたんだ。
それをお前はキックターンで抜けやがった。度胸でも負けてたからな。」
俺は意外な反応に驚いた。クビさんは続ける。
クビさん「はじめて乗ったバイクであそこまでやられちゃ俺の負けみたいなもんだ。
それに俺はガケ崩れを都市伝説としての能力で通りぬけた。いわば逃げたんだ。
それをお前はキックターンで抜けやがった。度胸でも負けてたからな。」
男「あれは…」
クビさん「これをやっても、ちっとも速くない秘密の技だろ?」
男「クビさんも読んでたんですね。」
クビさん「当たり前だ。ありゃあバイク乗りのバイブルだぜ。
にしても、あれ読んだだけでここまでやるとは、恐れ入ったよ、良い才能だ。
うちのチームに入らないか?実はレース業界に知り合いがいてな、頑張り次第じゃプロでも通用すると思うんだが。」
にしても、あれ読んだだけでここまでやるとは、恐れ入ったよ、良い才能だ。
うちのチームに入らないか?実はレース業界に知り合いがいてな、頑張り次第じゃプロでも通用すると思うんだが。」
俺は首を横に振った。確かに自分の潜在能力には驚いたし、我ながら凄いと思うが
男「あいにく、俺のご主人様が綱を放してくれないんでね。」
と、首輪を指差して言った。
クビさん「そうだな。…じゃあ戻ろう。」
そうして、花子様達の待つスタート地点に向かった。
・ ・ ・ ・ ・
その頃
花・子分「「「ジャカジャカジャン♪ジャカジャカジャン♪ジャカジャカジャカジャカジャン♪」」」
花・子分「「「イェイ☆」」」
花・子分「「「ジャカジャカジャン♪ジャカジャカジャン♪ジャカジャカジャカジャカジャンケンポーン♪」」」
子分「うおお!また負けた!!」「いよっしゃああ!勝ったぜえ!!」「くっそ、あいこかよ。」
花「それにしても遅いわね。もう30回はやってるわよ?」
子分「姐さん!来ましたよ!!」
子分「ヤケにゆっくりじゃねーか?」
子分「ヤケにゆっくりじゃねーか?」
ざわざわ
2人がバイクを止めると首無しライダーの子分達が駆け寄っていく。私も親愛なる馬鹿犬に駆け寄る。
首無しライダーが言う。
首無しライダーが言う。
クビさん「悔しいが俺の負けだ。」
子分達が騒然とするのをしずめて、経緯を話した。
クビさん「こんないろんな意味で馬鹿な奴は初めてだ。面白かったぜ。」
クビさん「さて、約束だ。何でもいう事を聞こう。」
クビさん「さて、約束だ。何でもいう事を聞こう。」
その言葉には、私達が今まで戦った都市伝説のように消されることも含まれているようだった。
都市伝説としてその辺は分かっているようだ。子分達も察しているらしく、涙ぐむ者もいた。
都市伝説としてその辺は分かっているようだ。子分達も察しているらしく、涙ぐむ者もいた。
花「どうするの?男…」
男「はい?今回は男が倒したようなもんだから、お前が決めなさい。」
男「うーん。そうだなぁ。」
男「他人に迷惑かけないようにバイクを楽しんでくれれば良いかな?あと俺の無免許運転は内緒にしてくれれば良いや。」
まったくコイツは…あきれてしまう。優しいというか、良い意味で場違いだ。
予想外の言葉にボケっとしているクビさんと子分達。あれ?と戸惑う男。
じれったいので私が場を仕切る。
予想外の言葉にボケっとしているクビさんと子分達。あれ?と戸惑う男。
じれったいので私が場を仕切る。
花「ほら、聞いたでしょ。わかったらさっさと行きなさい。私達の時間を邪魔しないで頂戴。」
子分「ありがとう姐さん!」「ありがとう!!」
口々に礼を言って去っていく子分達。最後に残ったクビさんは近寄ってきて男に言った。
クビさん「アドレス交換しよう。なにかあったら助けになろう。」
首が無いのにメールできるのか?と思っているうちに赤外線通信を済ませて去っていった。
彼らのバイクの音が聞こえなくなるまで男とそこに立っていた。
完全に音が聞こえなくなってから、私達は家に向かった。
彼らのバイクの音が聞こえなくなるまで男とそこに立っていた。
完全に音が聞こえなくなってから、私達は家に向かった。
花「はっ!!大事なこと忘れたわ!」
男「な、なにか?」
花「赤外線通信よ!私、メイドからケータイ貰って、赤外線通信に憧れてたのよ。
あの時クビさんと赤外線したかったのに…残念だわ。」
男「意外と可愛い憧れをお持ちで。帰ったらやりましょうよ。」
花「意外ととか、馬鹿にしないで!まったく…」
男「な、なにか?」
花「赤外線通信よ!私、メイドからケータイ貰って、赤外線通信に憧れてたのよ。
あの時クビさんと赤外線したかったのに…残念だわ。」
男「意外と可愛い憧れをお持ちで。帰ったらやりましょうよ。」
花「意外ととか、馬鹿にしないで!まったく…」
花「ああ!男のが入ってくるわ…あっ、もっと早くしなさい!!」
男「誤解を招くような表現を…通信速度なんてこんなもんですよ。」
男「誤解を招くような表現を…通信速度なんてこんなもんですよ。」
これからメールの打ち方とか教えることになるんだろうなあ、と思った。
・ ・ ・ ・ ・
(ああ!男のが入ってくるわ…あっ、もっと早くしなさい!!」 )
(・・・を招くような・・・を…通…速…んてこんなもんですよ)
(・・・を招くような・・・を…通…速…んてこんなもんですよ)
ドア一枚向こう側
母「え!?昇天を招くような性技を…精通速度はこんなもんって何やってんのあの子!」
オヤツにと思ってシュークリームを持ってきたら、花子ちゃんにクリーム注入でシュークリームしてるなんて!!
シュークリームより甘い時間を過ごすなんてェ!スイーツ(性)
ついこの間まで【かくゆう私も童貞でね】状態だったのに…。
めでてえ!コイツぁめでてえ!!今後一週間は三食赤飯よ!!!
母「え!?昇天を招くような性技を…精通速度はこんなもんって何やってんのあの子!」
オヤツにと思ってシュークリームを持ってきたら、花子ちゃんにクリーム注入でシュークリームしてるなんて!!
シュークリームより甘い時間を過ごすなんてェ!スイーツ(性)
ついこの間まで【かくゆう私も童貞でね】状態だったのに…。
めでてえ!コイツぁめでてえ!!今後一週間は三食赤飯よ!!!
翌日
母「花子ちゃん、私まだお婆ちゃんにはなりたくないけど、孫の名前は私に付けさせてくれないかしら?
ユパ様並のネーミングセンスで風の恵みを受けるいい名前をつけるから。」
花・男「!?」
ユパ様並のネーミングセンスで風の恵みを受けるいい名前をつけるから。」
花・男「!?」
首無しライダーとレース、おわり