自分を猫だと信じ込んだ虎の子がいた
にゃーにゃー鳴いて、猫に混ざりたがる
一匹の猫が、その虎の子と友達になってくれた
にゃーにゃー鳴いて、猫に混ざりたがる
一匹の猫が、その虎の子と友達になってくれた
友達になった猫が襲われた
虎の子は、猫を護ろうと戦った
戦う虎の子の姿に、猫は怯えて逃げ去った
虎の子は、猫を護ろうと戦った
戦う虎の子の姿に、猫は怯えて逃げ去った
残された虎の子は
まだ、自分が虎の子であるとは気付かずに
にゃーにゃー鳴いて、友達が戻ってくるのを待ち続けている
まだ、自分が虎の子であるとは気付かずに
にゃーにゃー鳴いて、友達が戻ってくるのを待ち続けている
きっと、友達はもう戻っては来ないだろうと
心のどこかで、気付きながら
心のどこかで、気付きながら
Red Cape
…もう、夜も遅い
家の連中は、皆とっくに眠っている
花子さんは、普段住処にしている小学校に帰っていったし、家に泊まっていっている海造だって、もう寝ている
家の連中は、皆とっくに眠っている
花子さんは、普段住処にしている小学校に帰っていったし、家に泊まっていっている海造だって、もう寝ている
誰も起きていないであろう、その時間帯に
俺は、それに向かい合っていた
俺は、それに向かい合っていた
刀、だ
鞘に収められた状態で鎮座しているそれは、この家に代々伝わっている物だ
俺はどう言う訳か、餓鬼の頃から、この刀の前にいるのが好きだった
飽きる事なく刀を見つめ続けていた俺を見て、親父が剣道を習わせてくれたのだった
…今は、もう、やめてしまったけれど
鞘に収められた状態で鎮座しているそれは、この家に代々伝わっている物だ
俺はどう言う訳か、餓鬼の頃から、この刀の前にいるのが好きだった
飽きる事なく刀を見つめ続けていた俺を見て、親父が剣道を習わせてくれたのだった
…今は、もう、やめてしまったけれど
それでも、刀の前にいると落ち着くのは、昔と変わらない
今でも、こうやって刀の世話になることはよくある
今でも、こうやって刀の世話になることはよくある
部屋の明かりはつけていない
だから、光源は外から入り込んでくる月明かりだけだ
この薄暗い状態が、逆に落ち着く
だから、光源は外から入り込んでくる月明かりだけだ
この薄暗い状態が、逆に落ち着く
「………」
…ぎし、と
足音が、小さく響く
それは、ゆっくりと俺に近づいてきて
足音が、小さく響く
それは、ゆっくりと俺に近づいてきて
「……眠れないのか、雨村」
「気付かれましたか」
「気付かれましたか」
気付くに決まっている
足音が聞こえたのだから
足音が聞こえたのだから
「よく、私だとわかりましたね?」
「…歩き方で、お前だと判断した」
「…歩き方で、お前だと判断した」
気配を殺そうとして、気配を殺しきれて居ない足の運び
完全に気配を殺しきれてはいないが、通常ならば、気付かないだろうレベルの気配の殺し方
…俺が気付いたのは、気配を殺してそばにいたり近づいてくる相手に慣れているせいなんだろう
完全に気配を殺しきれてはいないが、通常ならば、気付かないだろうレベルの気配の殺し方
…俺が気付いたのは、気配を殺してそばにいたり近づいてくる相手に慣れているせいなんだろう
「…隣、いいですか?」
「………好きにしろ」
「………好きにしろ」
好きにします、と隣に座ってきた雨村
…お袋が貸した寝巻き姿だ
そう言えば、泊まりに来たと言いながら、着替えの類を一切持ってきていなかったな、こいつ…
…お袋が貸した寝巻き姿だ
そう言えば、泊まりに来たと言いながら、着替えの類を一切持ってきていなかったな、こいつ…
「…先輩、この刀、何ですか?」
「……家で、八代目様の代から伝えられてきた物だ」
「………八代目、様?」
「明治初期に、この家の当主だった方だ」
「……家で、八代目様の代から伝えられてきた物だ」
「………八代目、様?」
「明治初期に、この家の当主だった方だ」
この獄門寺家が、学校街の五大旧家に数えられるになるようになった、それは、八代目様が日景家との縁を作ったから
…正確に言えば、八代目様が、当時の日景家の当主に、救われ、温情をかけられたから
この刀も、そこから始まった縁でとある方から与えられたものらしい
…正確に言えば、八代目様が、当時の日景家の当主に、救われ、温情をかけられたから
この刀も、そこから始まった縁でとある方から与えられたものらしい
「………」
「…どうした、雨村」
「…先輩、この、刀……何だか、威圧感を感じます」
「…どうした、雨村」
「…先輩、この、刀……何だか、威圧感を感じます」
ぽつり、呟く雨村
…刀を見慣れていない人間は、本物を前にすると威圧感を感じる事があるらしいが
雨村もそうなのだろうか?
…刀を見慣れていない人間は、本物を前にすると威圧感を感じる事があるらしいが
雨村もそうなのだろうか?
「俺は、逆に落ち着くが」
「……先輩は、時々、感性が変わってると思います」
「…………お前にだけは、言われたくない……まぁ、威圧感は感じるかもしれないな……これは、鬼を斬った刀だから」
「…鬼、ですか?」
「……先輩は、時々、感性が変わってると思います」
「…………お前にだけは、言われたくない……まぁ、威圧感は感じるかもしれないな……これは、鬼を斬った刀だから」
「…鬼、ですか?」
鬼を斬ったと伝えられる刀
本来ならば、国宝として、あるべき場所に収められているはずのもの
……それが、ここに、あるのだ
本来ならば、国宝として、あるべき場所に収められているはずのもの
……それが、ここに、あるのだ
「都市伝説…何ですか?」
「…さぁな。本来あるべき場所にある物が本物なのか、こっちが本物なのか……それとも、本物の逸話から生まれた存在なのか。俺にはわからないからな」
「………何て言う刀なんです?これは」
「…さぁな。本来あるべき場所にある物が本物なのか、こっちが本物なのか……それとも、本物の逸話から生まれた存在なのか。俺にはわからないからな」
「………何て言う刀なんです?これは」
雨村の、その問いかけに
俺は、静かに目を閉じた
俺は、静かに目を閉じた
刃長二尺六寸五分、反りはばき元にて約一寸、横手にて約六分半、重ねニ分。
造り込みは鎬造、庵棟。腰反り高く小切先。地鉄は小板目が肌立ちごころとなり、地沸が厚くつき、地斑まじり、地景しきりに入る
刃文は小乱れで、足よく入り、砂流し、金筋入り、匂口深く小沸つく
茎は生ぶ。先は栗尻。鑢目は切。目釘孔1つ。佩表に「安綱」二字銘を切る
造り込みは鎬造、庵棟。腰反り高く小切先。地鉄は小板目が肌立ちごころとなり、地沸が厚くつき、地斑まじり、地景しきりに入る
刃文は小乱れで、足よく入り、砂流し、金筋入り、匂口深く小沸つく
茎は生ぶ。先は栗尻。鑢目は切。目釘孔1つ。佩表に「安綱」二字銘を切る
…かつて聞かされたこの刀の情報を反芻する
鬼を斬ったと言う逸話以外にも、江戸時代に試し切りをしたところ、積み重ねられた6人の罪人の死体を切断し、土台まで刃が達したという話も残されている
鬼を斬ったと言う逸話以外にも、江戸時代に試し切りをしたところ、積み重ねられた6人の罪人の死体を切断し、土台まで刃が達したという話も残されている
「………安綱」
そう
この刀の、名前は
この刀の、名前は
「「童子切安綱」」
俺の、声に
もう一人の男の声が、重なった
もう一人の男の声が、重なった
俺と雨村しかいなかったはずの、部屋の中に
何時の間にか…もう一人、人影が入り込んでいた
何時の間にか…もう一人、人影が入り込んでいた
雨村が、警戒したように、人影に視線を向ける
俺は慣れているから、ゆっくりとそっちを見やった
俺は慣れているから、ゆっくりとそっちを見やった
長い髪をした、和装の男が、酒と盃を持って、座り込んでいる
俺と雨村を見て、小さく笑っていた
俺と雨村を見て、小さく笑っていた
「清和源氏の嫡流・源頼光が、丹波国大江山に住み着いた鬼、酒呑童子の首をこの刀で切り落とした。故に、「童子切」。鬼を斬った刀、さ」
雨村が警戒している様子などおかまいなしに、笑う男
…まったく、相変わらずだ
俺は小さくため息をついて、雨村に告げる
…まったく、相変わらずだ
俺は小さくため息をついて、雨村に告げる
「……警戒する必要はない」
「でも、先輩…明らかに、都市伝説の気配がします」
「あぁ、今は都市伝説、って呼び名だったか?まったく、神だの妖怪だの。ころころと呼び名を変えないで欲しいもんだな」
「でも、先輩…明らかに、都市伝説の気配がします」
「あぁ、今は都市伝説、って呼び名だったか?まったく、神だの妖怪だの。ころころと呼び名を変えないで欲しいもんだな」
楽しげに笑う男
盃に酒を注ぎ、煽る
盃に酒を注ぎ、煽る
「……また、勝手に持ち出して」
「なぁに、気にするな。昔からのことだろ?龍」
「なぁに、気にするな。昔からのことだろ?龍」
まぁ、確かにそうなんだが
……何時の間にか酒がなくなっていて気付かない、親父も親父、か
……何時の間にか酒がなくなっていて気付かない、親父も親父、か
「…久しぶりだな、ぬら。学校街に帰ってきたのか?」
「あぁ。またしばらく、学校街にいさせてもらうさ。ここにもちょくちょく、来させてもらうぜ?」
「……今度は、花子さんがいる時にでも、顔を見せてくれ。会いたがっていたから」
「そうかい?……俺があの嬢ちゃんと顔合わせちゃ、悪いような気もするんだがな」
「あぁ。またしばらく、学校街にいさせてもらうさ。ここにもちょくちょく、来させてもらうぜ?」
「……今度は、花子さんがいる時にでも、顔を見せてくれ。会いたがっていたから」
「そうかい?……俺があの嬢ちゃんと顔合わせちゃ、悪いような気もするんだがな」
…そんな事はないと思うのだが
妙な事を気にする奴だ
妙な事を気にする奴だ
「…先輩の、お知り合いなんですか?」
「…………旧い友人だ」
「…………旧い友人だ」
そう
俺にとって、花子さんよりも付き合いが長い相手だ
まぁ、ああちこちぶらぶらと、自由気ままにぬらりくらりと流れるように生活している奴だから、花子さんのように、常に一緒に居た訳ではないが…それでも、俺にとって、気を許せる友人だ
俺にとって、花子さんよりも付き合いが長い相手だ
まぁ、ああちこちぶらぶらと、自由気ままにぬらりくらりと流れるように生活している奴だから、花子さんのように、常に一緒に居た訳ではないが…それでも、俺にとって、気を許せる友人だ
「はじめましてだ、嬢ちゃん。俺ぁ、ぬらりひょん……まぁ、好きに呼んでくれや。龍とは、こいつが赤ん坊ん頃からの付き合いだよ」
「…そこまで、長かったのか?」
「あぁ。お前が覚えてるのは、もうちょっと大きくなってからだろうがな」
「…そこまで、長かったのか?」
「あぁ。お前が覚えてるのは、もうちょっと大きくなってからだろうがな」
………さすがに、そこまでは知らなかった
せいぜい、覚えているのは、幼稚園の頃からだから
まぁ、昔からこの家に出入りしてたらしいから、その可能性もあったか
せいぜい、覚えているのは、幼稚園の頃からだから
まぁ、昔からこの家に出入りしてたらしいから、その可能性もあったか
「で、龍よ。その嬢ちゃんは、お前のコレか?」
「断じて違う」
「え?即答??」
「断じて違う」
「え?即答??」
ぬらのふざけた質問に対する俺の即答に、なぜか、ややショックを受けたような声を出す雨村
何故そんな声を出してきたのか、まったく理解できない
何故そんな声を出してきたのか、まったく理解できない
「相変わらずだな、龍は…本当、あいつにそっくりだ」
楽しげに笑ってくるぬら
何が楽しいのか、よくわからない
何が楽しいのか、よくわからない
「に、しても、龍よ。お前が、安綱の事を誰かに話すなんて、珍しいな?」
「………雨村は、無闇に言いふらすような性格でもない」
「………雨村は、無闇に言いふらすような性格でもない」
問われたから答えた
それだけだ
それ以上の意味など、存在しない
それだけだ
それ以上の意味など、存在しない
「そうかい………まぁ、いいんだけどな」
「……?」
「……?」
…ぬらが、目を伏せた様子に
雨村が、小さく首をかしげたように見えた
雨村が、小さく首をかしげたように見えた
……俺は未だに、ぬらに気を使わせてしまっているのか
「…先輩?」
「……俺は、部屋に戻って寝る……雨村も、さっさと寝ておけ。宿題、明日にはもっと進めて置きたいだろう?」
「はい。ぶっちゃけ、全部終わるまで帰る気はありません」
「…終わらなくとも、とっとと帰れ」
「……俺は、部屋に戻って寝る……雨村も、さっさと寝ておけ。宿題、明日にはもっと進めて置きたいだろう?」
「はい。ぶっちゃけ、全部終わるまで帰る気はありません」
「…終わらなくとも、とっとと帰れ」
どれだけ、俺に頼る気だ
ため息をつき、ぬらの横を進み……立ち止まる
ため息をつき、ぬらの横を進み……立ち止まる
「…………ぬら」
「うん?」
「……話があって、来たんじゃないのか?」
「………まぁ、な………だが、急ぐって話でもねぇ………………近いうちに、改めて話す」
「……………わかった」
「うん?」
「……話があって、来たんじゃないのか?」
「………まぁ、な………だが、急ぐって話でもねぇ………………近いうちに、改めて話す」
「……………わかった」
近いうちにまた、とそう告げて
俺は暗い廊下を進んで、部屋へと戻っていくのだった
俺は暗い廊下を進んで、部屋へと戻っていくのだった
「…もしかして、私。お邪魔でしたか?」
「うん?…いや、そう言う訳でもねぇさ。むしろ、助かった」
「うん?…いや、そう言う訳でもねぇさ。むしろ、助かった」
在処の問いかけに、ぬらりひょんは苦笑した
盃の中の酒を一気に煽り、答える
盃の中の酒を一気に煽り、答える
「…むしろ………どう、切り出したらいいもんか、悩んでたとこでな………考える時間をもらえたよ」
「なら、いいんですけど…」
「なら、いいんですけど…」
本当に、良かったのだろうか?
在処の中に、疑問が生まれる
しかし、その疑問をさえぎるように、ぬらりひょんが在処に声をかける
在処の中に、疑問が生まれる
しかし、その疑問をさえぎるように、ぬらりひょんが在処に声をかける
「…嬢ちゃん。俺の事は、龍の周りの連中にゃあ、秘密にしておいてくれるか?」
「………先輩の周囲の人に、ですか?」
「あぁ、俺は、龍の「秘密の友達」なもんでね……………特に、「ハナちゃん」にだけは、絶対に、話さないでくれ。彼女、今、あいつに近い位置にいるんだろ?」
「………先輩の周囲の人に、ですか?」
「あぁ、俺は、龍の「秘密の友達」なもんでね……………特に、「ハナちゃん」にだけは、絶対に、話さないでくれ。彼女、今、あいつに近い位置にいるんだろ?」
…「ハナちゃん」?
在処は、首をかしげる
在処は、首をかしげる
「…花子さんの、事ですか?」
「…あー…いや、その嬢ちゃんじゃあねぇ。とりあえず、龍の周囲の奴らに、俺の事を秘密してくれていればいい」
「………どのような事情かはわかりませんが、先輩に迷惑はかけたくありませんから、話しませんけど」
「…あー…いや、その嬢ちゃんじゃあねぇ。とりあえず、龍の周囲の奴らに、俺の事を秘密してくれていればいい」
「………どのような事情かはわかりませんが、先輩に迷惑はかけたくありませんから、話しませんけど」
押しかけお泊りとか塀を乗り越えて敷地内侵入とか爆破とか
既に、今日一日だけでも結構な迷惑をかけているのだが、それはさておき
既に、今日一日だけでも結構な迷惑をかけているのだが、それはさておき
………本格的に…龍一にとって、何らかの迷惑がかかりそうな、事情
さすがの彼女も、空気を読む
さすがの彼女も、空気を読む
「…ありがとうな」
在処の答えに、ほっとしたように笑うぬらりひょん
酒瓶と盃を持ったまま、立ち上がる
酒瓶と盃を持ったまま、立ち上がる
「……んじゃあ。今日のところは、お暇するわ。嬢ちゃんも、早く寝ときな」
「まぁ、先輩も部屋に戻っちゃいましたし。ドキドキチャンスがすでに今日はなさそうなので、寝ますけど」
「そうかい……あぁ、それと。もし、嬢ちゃんが龍の事が好きなんだったら……もうちょっと、待ってくれるか?」
「まぁ、先輩も部屋に戻っちゃいましたし。ドキドキチャンスがすでに今日はなさそうなので、寝ますけど」
「そうかい……あぁ、それと。もし、嬢ちゃんが龍の事が好きなんだったら……もうちょっと、待ってくれるか?」
…そう
口にした、ぬらりひょんの表情は
どこか、物悲しそうで
口にした、ぬらりひょんの表情は
どこか、物悲しそうで
「……あいつの中の未練が終わるまで、待ってやってくれよ。あいつは諦めちまったようで、その癖して、今でも完全には、諦め切れていないようだからな」
「………未練……ですか?」
「そうさ……俺が間に合わなかったせいで、あいつは諦めざるを得なくなって。だが、完全には諦めきれずに未練になっている…………その未練が、完全に終わるまで。あいつは誰かを好きになる事はないだろうからな」
「………未練……ですか?」
「そうさ……俺が間に合わなかったせいで、あいつは諦めざるを得なくなって。だが、完全には諦めきれずに未練になっている…………その未練が、完全に終わるまで。あいつは誰かを好きになる事はないだろうからな」
ちらりと
ぬらりひょんが、刀を…童子切安綱を、見やった
どこか、懐かしげに続ける
ぬらりひょんが、刀を…童子切安綱を、見やった
どこか、懐かしげに続ける
「あいつは。あんなところまで………龍(たつ)にそっくりだからな。同時に二人の女性を愛するなんざ、できる訳もねぇんだよ」
そう、告げて
ぬらりひょんは、夜の闇に溶け込むように、姿を消した
まるで、初めからここにいなかったかのように
ぬらりひょんは、夜の闇に溶け込むように、姿を消した
まるで、初めからここにいなかったかのように
後には、在処と、童子切安綱だけが、部屋に残されて
「………」
童子切安綱から感じ取れる、得体の知れない威圧感、圧迫感に
在処は小さく身震いして、部屋から出たのだった
在処は小さく身震いして、部屋から出たのだった
この日の、この出来事が
後々、彼らの運命に影響を及ぼすか、否か
それは、神のみぞ知る………
後々、彼らの運命に影響を及ぼすか、否か
それは、神のみぞ知る………
to be … ?