(裂邪>・・・・よし、出来た!
静かな自宅の台所で、裂邪は独り、歓喜の声を漏らした
(裂邪>親父もお袋も正義もいないなんて好都合だったぜ
・・・問題は、ちゃんと出来てるかどうかだけど
・・・問題は、ちゃんと出来てるかどうかだけど
完成した物をじっと見つめ、やや不安げな表情をするが、すぐに首を左右に振り、
(裂邪>ぜ、絶対、喜んでくれるよな、うん
シェイド~、小皿とか影の中入れといて~
(シェイド>私ハオ前ノ鞄カ・・・
シェイド~、小皿とか影の中入れといて~
(シェイド>私ハオ前ノ鞄カ・・・
ぶつぶつ文句を零しながら言われた通りにすると、
裂邪はゆっくりと、それを己の部屋へと運んでいった
裂邪はゆっくりと、それを己の部屋へと運んでいった
† † † † † †
(ミナワ>灯りをつけましょ雪洞に~♪ お花をあげましょ桃の花~♪
橙色に染まりかけた裂邪の部屋にて
澄んだ声で歌いながら、彼女は折り紙で作った人形を、
金の屏風を模した蛇腹に折った紙の前に飾った
澄んだ声で歌いながら、彼女は折り紙で作った人形を、
金の屏風を模した蛇腹に折った紙の前に飾った
(リム>やっぱり桃の節句はこうでないとバク
(ウィル>おぉ! 流石はミナワの姐さん、可愛らしい雛人形でい!
(ミナワ>えへへ/// この間、ご主人様に作り方を教えて頂いたんです♪
(リム>・・・未だにその事実を受け入れられないバクよ
(ウィル>おぉ! 流石はミナワの姐さん、可愛らしい雛人形でい!
(ミナワ>えへへ/// この間、ご主人様に作り方を教えて頂いたんです♪
(リム>・・・未だにその事実を受け入れられないバクよ
既に忘れ去られていると思うが、裂邪は手先が器用だ
何故それを他の事に有効活用しないかは謎だが
何故それを他の事に有効活用しないかは謎だが
(ウィル>しかし珍しいこともありやすねぇ
(リム>何がバクか?
(ウィル>桃の節句と言やぁ、女の子が主役の日でやしょ?
旦那なら、姐さんとべったりってぇのを予想してやしたが
(ミナワ>そうなんですよ、今日1日、ずっと部屋に戻ってなくて・・・
(リム>何がバクか?
(ウィル>桃の節句と言やぁ、女の子が主役の日でやしょ?
旦那なら、姐さんとべったりってぇのを予想してやしたが
(ミナワ>そうなんですよ、今日1日、ずっと部屋に戻ってなくて・・・
少し寂しそうな顔をして、俯くミナワ
(ミナワ>何処かに出かけてるんでしょうか・・・?
(ウィル>また散歩じゃありゃせんか?
(リム>いーや、また女の子をナンパしてるに決まってるバク。若いのに・・・
(ウィル>また散歩じゃありゃせんか?
(リム>いーや、また女の子をナンパしてるに決まってるバク。若いのに・・・
あちらで盛り上がり、こちらでしょんぼりしている中で、
コンコン、とドアをノックする音と共に、囁くような小さな声
コンコン、とドアをノックする音と共に、囁くような小さな声
(裂邪>ミナワ、今大丈夫か?
(ミナワ>あ、はい、大丈夫です
(リム>何だ、いたバクか
(ミナワ>あ、はい、大丈夫です
(リム>何だ、いたバクか
ミナワの返事を聞くと、ガチャリとドアを開け、裂邪は速やかに閉めた
(ミナワ>ご主人様、今日はどうなさったんですk―――――――へ?
(リム>主、それは何バク?
(リム>主、それは何バク?
彼女の言葉を失わせたものは、裂邪が片手に持っていたもの
形は少し崩れているが、真っ白なクリームの上にイチゴが乗せられた、シンプルなショートケーキだった
形は少し崩れているが、真っ白なクリームの上にイチゴが乗せられた、シンプルなショートケーキだった
(裂邪>その、ケーキ作ったの、初めてだからさ・・・形も味も自信ないんだけど
そっと、ケーキの乗った皿を床に置き、彼は影の中から小皿と包丁、フォークを取り出した
ケーキの上のチョコレートには、『ミナワ、誕生日おめでとう!』と書かれていた
ケーキの上のチョコレートには、『ミナワ、誕生日おめでとう!』と書かれていた
(ウィル>お、バースデーケーキでやすね?
(リム>へぇ、よく出来てるバクね
(裂邪>そ、そうか? 言われると照れるな///
(ミナワ>わ・・・私、の・・・ですか?
(裂邪>本当は、こういうのは作り慣れた奴がするんだろうけど、何しようか全然思いつかなくてさ
突然「そうだ、ケーキ作ろう」みたいな発想に至ってさw
マジで、味とか保障できないし、まずかったら捨ててもいいから―――
(リム>へぇ、よく出来てるバクね
(裂邪>そ、そうか? 言われると照れるな///
(ミナワ>わ・・・私、の・・・ですか?
(裂邪>本当は、こういうのは作り慣れた奴がするんだろうけど、何しようか全然思いつかなくてさ
突然「そうだ、ケーキ作ろう」みたいな発想に至ってさw
マジで、味とか保障できないし、まずかったら捨ててもいいから―――
ぴたり、ミナワの作った雛人形に目を止める
「しまった」、と声に出さず呟き、
「しまった」、と声に出さず呟き、
(裂邪>あ、今日雛祭りだったな・・・ひし餅でも買ってこようか?
そういや、今月はお前にホワイトデーも返さないといけないんだよな
何返そうか・・・いや待てよ? 今月はミナワに初めて会った日もあるから・・・
うわぁ、今年もプレゼントいっぱい用意しなきゃn
(ミナワ>ふえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!
そういや、今月はお前にホワイトデーも返さないといけないんだよな
何返そうか・・・いや待てよ? 今月はミナワに初めて会った日もあるから・・・
うわぁ、今年もプレゼントいっぱい用意しなきゃn
(ミナワ>ふえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!
突如、ミナワは大声をあげて泣き出してしまった
余りに突然の出来事に驚き、部屋を右往左往するリムとウィル
慌てて彼女の隣に寄り、必死で宥める裂邪
余りに突然の出来事に驚き、部屋を右往左往するリムとウィル
慌てて彼女の隣に寄り、必死で宥める裂邪
(裂邪>ど、どうした!? ケーキ、嫌いだったっけ!?
(ミナワ>違い・・・ますよぉ・・・ひっぐ・・・
(裂邪>だ、だったら―――
(ミナワ>プレゼントは・・・もぉ、いらないって・・・言ったのに・・・
私はぁ・・・裂邪がいてくれたら、それで良いって・・・ちゃんと言ったのにぃ・・・
裂邪は、私のご主人様なのに・・・私なんかの為に、こんな・・・
(裂邪>なんだ、そういうことか
(ミナワ>違い・・・ますよぉ・・・ひっぐ・・・
(裂邪>だ、だったら―――
(ミナワ>プレゼントは・・・もぉ、いらないって・・・言ったのに・・・
私はぁ・・・裂邪がいてくれたら、それで良いって・・・ちゃんと言ったのにぃ・・・
裂邪は、私のご主人様なのに・・・私なんかの為に、こんな・・・
(裂邪>なんだ、そういうことか
裂邪は手をまわし、ぎゅっと彼女を抱き寄せ、涙を指で拭う
(裂邪>そんなの、俺の勝手だろ?
俺だって、誰かにやってもらってばかりじゃ、申し訳なく思っちまうよ
だから、せめて感謝の気持ちぐらい、こうして何かの形として渡そうと思って
(ミナワ>・・・感謝したいのは・・・私の、方ですよぉ・・・
私みたいな、弱い都市伝説を・・・3年も置いて下さって・・・ありがとぉございましたぁ・・・
(裂邪>やめろよ、お前は俺より強いじゃん
今日だって、泣いたの久しぶりだろ?
「泣かない」って約束、ずっと守ってくれてたもんな
お前は俺の中で最強の都市伝説だよ
(ミナワ>ぐすん・・・裂、邪ぁ・・・
(裂邪>改めて、言わせてくれ
ミナワ、誕生日おめでとう。そして・・・有難う
俺だって、誰かにやってもらってばかりじゃ、申し訳なく思っちまうよ
だから、せめて感謝の気持ちぐらい、こうして何かの形として渡そうと思って
(ミナワ>・・・感謝したいのは・・・私の、方ですよぉ・・・
私みたいな、弱い都市伝説を・・・3年も置いて下さって・・・ありがとぉございましたぁ・・・
(裂邪>やめろよ、お前は俺より強いじゃん
今日だって、泣いたの久しぶりだろ?
「泣かない」って約束、ずっと守ってくれてたもんな
お前は俺の中で最強の都市伝説だよ
(ミナワ>ぐすん・・・裂、邪ぁ・・・
(裂邪>改めて、言わせてくれ
ミナワ、誕生日おめでとう。そして・・・有難う
ぽんぽんと頭を撫でながら、彼はミナワの耳元で、はっきりと己の気持ちを伝えた
彼女は目を擦り涙を拭き取ると、とびきりの笑顔を裂邪に見せた
彼女は目を擦り涙を拭き取ると、とびきりの笑顔を裂邪に見せた
(シェイド>出来損ナイノ恋愛ドラマゴッコハ終ワッタカ?
振り向くと、リムとウィルを抱えたシェイドが立っていた
そういえば、周りが静かになっていた気がする
そういえば、周りが静かになっていた気がする
(裂邪>出来損ないって言うな! それに、俺とミナワの愛はあんな作り物の愛とは違う!
太陽のように熱い、いや優しい温もりのある本☆物の愛だ!
(ミナワ>も、もぉ、裂邪ったら・・・調子良すぎです♪
(リム>それより早く、ケーキ食べるバク!
(ウィル>ケーキでいケーキでい!
(裂邪>あ、コラお前等、これはミナワのケーキだ! お前等の分はない!
(リ+ウィ>えぇ~!?
(ミナワ>れ、裂邪ぁ、意地悪したら、めっ!ですよ?
(裂邪>かぁいいなぁもう・・・ゴホン、お前等ミナワに感謝しろよな!
(シェイド>・・・全ク、変ワランナ、何年経ッテモ
太陽のように熱い、いや優しい温もりのある本☆物の愛だ!
(ミナワ>も、もぉ、裂邪ったら・・・調子良すぎです♪
(リム>それより早く、ケーキ食べるバク!
(ウィル>ケーキでいケーキでい!
(裂邪>あ、コラお前等、これはミナワのケーキだ! お前等の分はない!
(リ+ウィ>えぇ~!?
(ミナワ>れ、裂邪ぁ、意地悪したら、めっ!ですよ?
(裂邪>かぁいいなぁもう・・・ゴホン、お前等ミナワに感謝しろよな!
(シェイド>・・・全ク、変ワランナ、何年経ッテモ
はしゃぐ裂邪達を見て、シェイドは呆れつつも、安心したように笑った
...To be Continued