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連載 - 夢幻泡影-43i

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Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
雪の降る中、少女――クラリッサの叫び声が響く
その姿を見下し、愉しそうに笑いながら、シモネッタは鞭を強く打ち鳴らした

(シモネッタ>・・・さぁ、あなたの悲鳴も聞かせてぇン?クラリッサの悲鳴と二重奏よぉ!!
(裂邪>――――黙れババア

落とした金の鎌を拾って立ち上がり、上着に積もった雪を払い落として、裂邪は静かに言い放った
「んン?」と首を傾げるシモネッタに、尚も続けて口を開く

(裂邪>黙って聞いてりゃべらべらべらべらと・・・
    俺のことなら幾らでも傷つければ良いさ、どうせすぐ治るんだし
    でもなぁ、この世には一生かけても治らない傷だってあるんだぞ!?
    お前がたった今ぶっ壊したものみてぇになぁ!!
(シモネッタ>あらン? 突然どうしたのぉン?
       さっきまでは楽しかったのに・・・可愛くない子は嫌いよン?

怒気の篭った裂邪の言葉を聞き、
シモネッタは愉しげな表情を醜悪に歪ませ、鞭を構えた
裂邪は鞭になったウィルを、元の状態に戻す

(裂邪>・・・ウィル、いいか?
(ウィル>いいんですかい? あっしはともかく、旦那が・・・
(裂邪>安心しろ、俺は飲まれないから・・・始めろ!
(ウィル>っ、がってんでい!

足元に打たれた鞭をかわして背後に跳び、態勢を整える
速やかにウィルの姿は、火の玉から火の鳥へと変わり、裂邪の真後ろで羽ばたく

(シモネッタ>んンー? 何を始めるのン?
(裂邪>ウヒヒヒヒ、お前を煉獄に送る儀式だよ・・・ウィル!

裂邪が指示した直後、炎の翼は彼の身体を包みこんだ
炎の勢いは次第に強く、激しくなっていき、雪は雨へ、雨は水蒸気へと変わる
熱が一帯を支配した時、翼が開いて中から人の形をした何かが現れる
その身体は腕も脚も一つ残らず燃え盛り、
頭には2本の角と思しき小さな飾りがあり、
翼は先程の鳥のようなものではなく、甲虫が持つような4枚のそれになっていた
燃え上がる少年――裂邪は「レイヴァテイン」を前に差し出し、
その形を鎌から幾つもの刃が連なった、蛇のようにうねる蛇腹剣に変化させ、
刀身を炎で纏い、手始めに足元を切り裂いて、ふわりと羽ばたき“飛んだ”

(裂邪>・・・『ファンタズマゴリア』!!!

叫ぶと同時に、裂邪を纏う炎が揺らめく・・・否、蠢いている
それは身体の片側へ蠢いて、裂邪と全く同じ形をした炎の塊となり、裂邪の身体を離れた
そして裂邪の炎と、分かれた炎はまた蠢き始め、それぞれ1つずつ炎の塊を生み出す
4つから8つへ、8つから16へ
何度か繰り返して、いつの間にか20、30の炎の人型は、
シモネッタをぐるりと囲んで円を作っていた

(シモネッタ>ッ!? な、何よンこれぇ!?
(裂邪>ヒハハハハハハハハハハハハハハハハハ!! こいつらは全部“あっし”の分身でさぁ!
    どれか1つが本物で残りは空っぽ、おめぇの運や勘が問われるってぇ寸法よぉ!!

全ての炎の塊が燃え盛る鞭を振るい、地表に立つシモネッタに向けて一斉に放った
紫の翼を羽ばたかせて上空に避けたが、足元は黒く焦げて大破していた
ゆっくりと舞い降りる彼女に合わせて、裂邪とその分身も降り、くるくると円を描きながら回り始める

(裂邪>さぁて、灼いちまっても良いですかい? 答えは聞いてやせんけどぉ!
(シモネッタ>んもぅ、暑苦しいわねン!

びしぃっ!と鞭を地面にぶつけると、巨大な振り子刃が上空に突如として現れる
鋭い刃は、円を描く炎の人型の首を刎ねた
しかし、それは尚も動き続け、頭も元に戻ってしまった

(シモネッタ>っちぃ、偽者ン!?
(裂邪>本物はこっちでい!!

背後からの声を聞き、即座に鉄の処女を呼び出し攻撃を防ぐ
炎の鞭は鉄の処女に防がれ、融かしつつも攻撃は彼女に届かなかった
にやり、と笑うシモネッタだったが、すぐにそれは苦悶の表情へと変わる

(シモネッタ>――――――ッッッ!!??

燃える炎の熱さ
熱を込めた金属の熱さ
刃物で皮膚を抉られる痛み
傷口を火で焼かれる痛み
4つのダメージが一気に背中に押し寄せ、声も出せないでいると、笑い声が耳に届いた
それも、1つだけでなく、四方八方から

(裂邪>「「「「「ヒハハハハハハ!随分と馬鹿正直でござんすねぇ!?」」」」」
(シモネッタ>あ゙ぐっ・・・鬱、陶しい、わねぇン!!

きっ、と目の前の炎を睨みつけるが、
見定めた個体はどんどん後ろに移動して、別の個体が目の前に現れる
駆けて、跳びはね、宙返り、舞踊でもしているかのように様々なアクションをとりながら、
炎の人型は笑って何度も何度も、同じ場所を舞っている
同じ姿をした炎の幻は、絶え間なく延々と回り続ける―――走馬灯(ファンタズマゴリア)の如く

(シモネッタ>なら・・・まとめて閉じ込めてあげるわぁン!!

再び鞭を打ち鳴らすと、周囲の炎の人型が消えた
代わりに、鉄で出来た牛の形のオブジェがずらりと並んでいた
これは、中に人間を押し込み、外から加熱することによって拷問する為の装置である
鉄の中で反響する叫び声が、そのフォルムの示す通り、牛の鳴き声に聞こえたそうだ
それに今、裂邪とその分身は閉じ込められてしまったのだ

(裂邪>「「「「「「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」」」」」」
(シモネッタ>あぁン、良いわぁン!! やっぱりこうでなくっちゃねン♪
       ほらほらほらぁン、もっともぉっと悲鳴をあげてぇン!!

満足そうに、しかしまだまだ足りないのか、悦びの笑みを浮かべて彼女は鞭を振るう
叫び声に酔いしれているのか、それとも勝利の美酒に酔っているのか
それだけに、次の瞬間の彼女の驚きは相当のものだった

(裂邪>いやぁ、これ以上は流石に喉が潰れちまうんで
(シモネッタ>なっ!?

全ての牛の背中が融けて穴が空き、中からまず4枚の翼が生える
あたかも蛹から虫が羽化するかのようにゆらりと顔を出し、牛のオブジェを融かしてしまった
ぎり、と歯を鳴らすシモネッタに、裂邪は嘲うように吐き捨てた

(裂邪>あぁ温い温い、さっきも見てたでやしょ? あっしは今、鉄を融かす程の高熱なんでい
    あんな鉄の箱なんざぁ、屁でもねぇ!!
(シモネッタ>~~~~~~!! いい加減に―――――、ッ?

鞭を振り下ろそうとした瞬間、ぐらっと彼女の身体が傾きかけた
不思議そうな顔をしているシモネッタだが、すぐに原因は知れた
気がつけば、身体が汗だくになっている
視界も段々と歪んでいき、呼吸も整わない
これが裂邪の策略――『ファンタズマゴリア』の真骨頂だ
鉄をも融かす高温を持つものに周囲をぐるりと囲まれ、
さらにそれが酸素を奪っているとすれば、常人ならどうなるだろうか
じわり、じわりと相手の体力を削り、戦う力を殺いでトドメを刺す

(シモネッタ>・・・き、たない、方法ねぇン・・・
(裂邪>おめぇに言われちゃお終いでい
    卑怯はあっしの本職でやしてねぇ・・・獲物はまず弱らせてから仕留める!!

動きが鈍くなったシモネッタに、炎の鞭が打たれる
1本は、肉の焦げた匂いを散らしながら、腹部を貫いていた
ずるりと蛇腹剣を引き抜けば、赤黒い血がどろりと流れ、
赤熱したアスファルトの上で音を立てて零れ落ちる

(シモネッタ>っあ゙あ゙あ゙ああぁ!?
(裂邪>どうでい? 誰かに味わわせた拷問を、自分が受けることになった屈辱の味はぁ!?

再び鞭を数回ぶつける
脚を打たれ、腕を打たれ、顔を打たれ、背を打たれ、
炎の輪の中のシモネッタは、覚束ぬ足で踊り狂うマリオネットのようだった
身体中に焦げた切り傷が増え始めたところで裂邪は攻撃を止めると、
彼女は力無くその場に倒れ伏し、紫に燃える翼も掻き消えた

(裂邪>ウヒヒヒヒ・・・トドメと行きやしょうかぁ!!

鉄板と化した地面に横たわるシモネッタを中心に、
尚も円状に回って集団で飛び上がると、裂邪はもう1度鞭を構えた
彼女は半分が焼けてしまった己の顔を上げ、上空を見上げるのが精一杯だった

   ...To be Continued

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