「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 夢幻泡影-54

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Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
(裂邪>ただいま、っと・・・あれ、誰もいないのか?

自分の部屋に入り、きょろきょろと辺りを見回す裂邪
荷物と制服姿を見るに、学校から帰ってきたところのようだ

(裂邪>っかしいなぁ、シェイドもここにいる筈なんだが・・・

家には、両親も弟の正義も帰っている様子は無く、今は裂邪1人という事になる
一応、彼の契約都市伝説の内の誰かがこの家を徘徊していてもバレる心配は無いが
裂邪は扉を開けたまま、バッグを肩から下ろして部屋に踏み入った

(裂邪>シェイド~、ミナワ~、リム~、ウィル~?
(ミナワ>はーいご主人様ぁ♪

むぎゅっ、と後ろから抱きしめられる
振り向いて、裂邪も彼女を抱きしめ返した

(裂邪>何だ居たのか、ただいま
(ミナワ>お帰りなさい、ご主人様♪
(裂邪>いつにも増して元気だな、何か良い事あったのか?
(ミナワ>えへへ・・・その、ご主人様は、何か欲しい物とか、ございますか?

裂邪の胸の中で、顔を上げてミナワは彼に尋ねた
んー、と唸りながら暫く考えた後、裂邪は

(裂邪>・・・ミナワがいれば、それでいいや♪
(ミナワ>あーん、そうじゃなくってぇ
(裂邪>??

珍しく反抗的なミナワに首を傾げつつも見惚れていると、部屋の入り口から声がした

(シェイド>・・・ヤッパリ止メヨウカ?
(リム>むかつくけど今日は無礼講バク、折角作ったのに勿体無いバクよ
(ウィル>旦那、お疲れさんでい!
(裂邪>おう、ってシェイドもこっちにいたのか、お前いきなりどうしたんだ――――ん?

ふと、彼の目に飛び込んだのは、ウィルが持っている(?)物体だった
炎が黄色く揺らめくのに合わせて、大きな皿の上でぷるんぷるんと揺れている、紫がかったもの
プリンやゼリーに似ているが、裂邪は一目で分かった

(裂邪>あ、ババロアじゃん!しかもブルーベリーか、どしたのそれ?
(ミナワ>うふふふふ♪ご主人様ぁ?

さっとミナワがシェイド達の傍に移動する
一同は顔を見合わせて、大きく息を吸い、

(四天王>ハッピーバーズデー!
(裂邪>・・・・・・へ!?

余りに突然の出来事に、言葉も出ない様子の裂邪
はい、とミナワは巨大ババロアの乗った皿を、彼に差し出した

(ミナワ>これ、ご主人様へのプレゼントです♪ 皆さんと一緒に作ったんですよ?
(裂邪>え・・・お、俺の、為に?
(ウィル>てやんでい、当然でさぁ! 因みに、シェイドの旦那が計画なすったんですぜ?
(シェイド>イ、イヤ、待テ、作ッタノハ主ニミナワダゾ?
(ミナワ>そそそ、そんな、最初に『ババロアにしよう』って仰ったのはリムさんですよ?
(リム>ちょっと待つバク、主が好きなブルーベリーを使う案を出したのはウィルだバクよ?
(ウィル>いやいやあっしなんて・・・

何故か、手柄を譲り合う四天王達
暫くして、ちら、と裂邪を見ると、何やら複雑そうな顔をしていた
先に話しかけたのは、シェイドだった

(シェイド>・・・リムカラ聞イタ。止メタラシイナ、世界制服
(裂邪>なっ、ちょっ、リムお前!
(リム>いやぁ、すっかり忘れてたバクから・・・
(ウィル>旦那も人が悪いぜい、『世界制服』の意味ぐらい教えてくれても良いでしょうに
(ミナワ>それは、そうとして・・・ホントですよ、早く言ってくだされば良いのに
(裂邪>いや、だって・・・俺は、お前らを利用しようとしてたんだぞ?
    なのに、簡単に諦めたなんて言ったら・・・お前らに悪いじゃねぇかよ
    俺の都合で勝手について来させて、危険な目に合わせて
    お前らが俺にしてくれたことが、全部無駄になっちまうんじゃないかって―――
(シェイド>忘レタノカ?

え、と裂邪は小さく聞き返した
シェイドは、フゥ、と溜息を吐き、そして小さく笑い、言葉を繋げた

(シェイド>私ガ契約シタ時・・・オ前ハ、『世界制服』ナドト言ウ事ハ一言モ言ッテナカッタゾ?
(裂邪>・・・あ
(シェイド>少ナクトモ、私ガ今日マデオ前ニ付キ従ッテキタ理由ハ世界制服ノ為デハナイ
      ・・・認メタクハナイガ、黄昏裂邪トイウ人間ソノモノニ興味ヲ持ッタカラダ
(ミナワ>私だってそうですよ!
     ご主人様に助けられたから、ただ恩返しがしたかったんです!
     それが例え世界制服でも、その夢を諦めたとしても、私の想いは変わりません!
(リム>ま、オイラは無理矢理契約させたようなもんバクから、大したことは何も言えないバクけど
    強いて言うなら、主を気に入らなければ早々に契約解除してどっか行ってたバクよ
(ウィル>旦那があっしを誘ってくれた時の言葉は、今でもあっしの心に残ってやす
     旦那は、今自分にできることをやんなせぇ! あっしらも、それについて行きやすぜ!

順に、それぞれの思いをぶつける
押し黙って聞いていた裂邪は、ヒヒ、と笑って、

(裂邪>ウヒヒヒ・・・お前ら、ありが、と・・・あれ?

異変を感じ、己の顔に手を運ぶ
頬に触れた彼の指先は、しっとりと触れていた

(シェイド>・・・オイ、裂邪・・・
(ミナワ>もしかして・・・泣いt
(裂邪>ッバ、バカ! ななな、泣いてねぇよ! さっき目に砂が入ったからだよ! あー目が痛ぇちくしょっ・・・

怒鳴り散らす裂邪だったが、
強がりも長くは持たず、感情が涙となって込み上げる

(裂邪>・・・痛ぇよ・・・ちくしょう・・・
(ウィル>っへへ、旦那らしい
(リム>もっと素直になれば良いバク
(裂邪>うる、せぇ・・・

ぐしぐし、制服の袖で涙を拭い、
目を真っ赤に腫らせながら、数度深呼吸すると、

(裂邪>・・・ありがと。お前ら・・・大好きだ

にっこりと笑って、そう言うと、
シェイド達からも思わず、笑みが零れてくるようだった

(リム>・・・さ、湿っぽいのはここまでバク。さっさと食べるバクよ!
(ミナワ>ウィルさん、ロウソクの代わりお願いしますね♪
(ウィル>えーっと、15でやしたね?
(シェイド>私ハコレヲ分ケルトシヨウ・・・裂邪ハ多目ガ良カロウ?
(裂邪>ううん、5等分で良いよ
(四天王>珍しっ!?
(裂邪>黙れ!? 少しは有難く思えよ!?

   ...To be Continued

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