「良い風・・・やっぱり、夏はこうでなくちゃ」
細波の音に耳を傾け、さらりと長く美しい髪を風に任せているのは、
典型的な紺色のスクール水着の上からシースルーの上着を羽織っている少女
ビーチパラソルの陰で腰を下ろし、水平線を眺めるその様はどこか儚げで、魅力を感じさせる
典型的な紺色のスクール水着の上からシースルーの上着を羽織っている少女
ビーチパラソルの陰で腰を下ろし、水平線を眺めるその様はどこか儚げで、魅力を感じさせる
「・・・裂兄ぃも、誘えばよかったかな・・・」
ぽつり、寂しげに呟いた
その、直後
その、直後
「にぃにぃ!! タコ取れたよタコ!!」
「うわっ!?」
「うわっ!?」
あまりの驚きに、思わず倒れて砂地に顔を埋めてしまった
驚かせた張本人であるショッキングピンクのビキニを着た少女は、
手にしたタコをべちゃりと落とし、慌てて彼女の身体を起こした
驚かせた張本人であるショッキングピンクのビキニを着た少女は、
手にしたタコをべちゃりと落とし、慌てて彼女の身体を起こした
「っだ、大丈夫にぃにぃ!?」
「そ、そそそそ、それより、そ、そ、そ・・・」
「え? あぁこれ? えへへ、そこで泳いでたのを捕まえちゃった♪
あとでタコ焼きにして食べよ?」
「で、でも、可哀想だよ・・・ま、麻夜、逃がしてあげて?」
「うぅ~・・・分かった、にぃにぃがそう言うなら、今から逃がしてくる」
「ありがとう。麻夜は優しいね」
「そ、そそそそ、それより、そ、そ、そ・・・」
「え? あぁこれ? えへへ、そこで泳いでたのを捕まえちゃった♪
あとでタコ焼きにして食べよ?」
「で、でも、可哀想だよ・・・ま、麻夜、逃がしてあげて?」
「うぅ~・・・分かった、にぃにぃがそう言うなら、今から逃がしてくる」
「ありがとう。麻夜は優しいね」
ぽふぽふ、と麻夜と呼ばれた少女の頭を撫でる
麻夜は嬉しそうな、いや、心なしか恍惚とした表情を浮かべて、
楽しげにスキップしながら海辺へと走っていった
麻夜は嬉しそうな、いや、心なしか恍惚とした表情を浮かべて、
楽しげにスキップしながら海辺へと走っていった
「ははは・・・さてと、僕も泳いでこようかな」
シースルーを脱ぎ、絹のような柔肌を露出して、
少女――――――もとい、“少年”―――――――神崎 漢は、潮香る海へと裸足で駆けだした
少女――――――もとい、“少年”―――――――神崎 漢は、潮香る海へと裸足で駆けだした
【 神 力 秘 詞 】
十二之巻 ~楽シイ 海ノ 物語~
十二之巻 ~楽シイ 海ノ 物語~
...物語猶続