「………我儘。ただの、我儘でしかない」
小さく、イザークが呟いた
真は、その言葉は、自分に向けられたものかと思った
真は、その言葉は、自分に向けられたものかと思った
だが
「……それが、悪事を働く理由は……唯一、ただ一つの理由から。その為に、その願いの為ならば、それはどんな事でもやってみせる」
どうやら、違うようだった
ジョルディが、イザークを見上げて、小さく首をかしげている
ジョルディが、イザークを見上げて、小さく首をかしげている
「ただ一つ。唯一、たった一つのそれを、二度と失わない。ただそれだけの願いの為ならば、それはどこまでも残酷になれるし、残虐になれる」
「イザークさん……?」
「その、お前の言う犯人とやらが……この街を襲う理由が…もしくは、その犯人とやらを知りながらも止めようとしない者の、止めない理由が………そんな、身勝手で我儘な理由だとしても、お前は許せるか?」
「イザークさん……?」
「その、お前の言う犯人とやらが……この街を襲う理由が…もしくは、その犯人とやらを知りながらも止めようとしない者の、止めない理由が………そんな、身勝手で我儘な理由だとしても、お前は許せるか?」
それを、尋ねたイザークの表情は……ひどく、暗かった
絶望しきっているようでいて
しかし、唯一残った希望にしがみつき
…だが、同時に
その希望にしがみついているが故に絶望しているような
そんな………
しかし、唯一残った希望にしがみつき
…だが、同時に
その希望にしがみついているが故に絶望しているような
そんな………
「そんな、救いようのない存在でも、お前は救いたいと思うか?」
「俺は………」
「俺は………」
まるで、試されているような錯覚
自分は
そんな存在でも、救うか?
そんな存在でも、救うか?
……答え、なんて
「俺は」
最初から、決まっている
「それでも、俺は、その人を救いたいです」
だって
自分は、正義の味方なのだから
自分は、正義の味方なのだから
真の答えに、イザークが怪訝そうな表情を浮かべる
「…そこまで身勝手な相手でも、救いたいと思うのか?」
「たった一つの失いたくないものの為に、悪事を働いてしまうというのなら。悪事を働いてでも、それを失いたくないと言うのなら……悪事を働かなくとも、それを失わずに済む方法を、見つけてあげたいです」
「たった一つの失いたくないものの為に、悪事を働いてしまうというのなら。悪事を働いてでも、それを失いたくないと言うのなら……悪事を働かなくとも、それを失わずに済む方法を、見つけてあげたいです」
悪事を働いてでも、失いたくない存在
そこまで、大切な、大切な存在ならば
それを失わずにすむ方法を、見つけてやりたい
そう、確かに思うのだ
そこまで、大切な、大切な存在ならば
それを失わずにすむ方法を、見つけてやりたい
そう、確かに思うのだ
「よわっちい正義の味方気取りだけど。でも、それでも……救ってやりたいって、思うんです」
あぁ
この少年は、どこまで優しいのか
どこまで、お人好しなのか
この少年は、どこまで優しいのか
どこまで、お人好しなのか
どこまで、まぶしいのだろうか
正義の味方気取り?
……違う
きっと、この少年は、正義の味方なのだろう
自分とは、大違いだ
……違う
きっと、この少年は、正義の味方なのだろう
自分とは、大違いだ
--イザークは、ボクにとっての、正義の味方だから
唯一、ただ一人の為の正義の味方にすらなれなかった自分とは、大違いだ
「イザーク…?ねぇ、どうしたの……?」
ジョルディの不安そうな声で、正気に戻る
ンでもない、と小さく笑って見せた
昔よりも、ずっと臆病になったが……この、不安そうに見上げてくる表情は、昔と全く変わらないままだ
ンでもない、と小さく笑って見せた
昔よりも、ずっと臆病になったが……この、不安そうに見上げてくる表情は、昔と全く変わらないままだ
「……そうか、救えると、良いな。ただし、無理はするなよ」
「はい!」
「私も傍についてますから。本当にやばくなりそうだったら、何とかしますよ」
「はい!」
「私も傍についてますから。本当にやばくなりそうだったら、何とかしますよ」
恋路が、にこりと微笑み、そう言ってきた
彼女にとって、真はとても大切な存在なのだろう
…それこそ、唯一、無二の
彼女にとって、真はとても大切な存在なのだろう
…それこそ、唯一、無二の
「そうか、傍に支えてくれる者がいるなら……大丈夫だな」
小さく、笑って見せる
少しでも無理のないように、少しでも、自然に見えるように
少しでも無理のないように、少しでも、自然に見えるように
「その、掴んだ手を、絶対に離さないようにな」
そう言って
ジョルディの手を、掴んだ
ジョルディの手を、掴んだ
「……放してしまったら………もう、二度と、掴めなくなるかもしれないからな」
そう告げて、真達と別れ、店を出る
ジョルディは戸惑いながらも、イザークに手を引かれたままだ
ジョルディは戸惑いながらも、イザークに手を引かれたままだ
「イザーク……?ねぇ、どうしたの……?」
不安そうな声に、心が痛む
何でもない、と、誤魔化す事しかできない
何でもない、と、誤魔化す事しかできない
「……ジョルディ」
「…?」
「…俺は、お前の手を、離さないからな」
「…?」
「…俺は、お前の手を、離さないからな」
呟くように
自分に言い聞かせるように、そう口にした、イザークに
自分に言い聞かせるように、そう口にした、イザークに
……ジョルディは、小さく笑った
「うん………ボクも、イザークの手を、離さないよ」
と、そう、答えてくる
「だって、イザークは、ボクの大事な幼馴染で、たった一人の家族だから」
「…ジョルディ」
「お父さんの顔も、お母さんも顔も、ボクは知らない。でも、イザークの顔は知ってる。イザークの事は知ってる。ボクの家族は、ずっとイザークしかいないから」
「…ジョルディ」
「お父さんの顔も、お母さんも顔も、ボクは知らない。でも、イザークの顔は知ってる。イザークの事は知ってる。ボクの家族は、ずっとイザークしかいないから」
それは、自分も同じだ
父の顔も母の顔も知らない
物心ついた頃は、すでに一人だったから
父の顔も母の顔も知らない
物心ついた頃は、すでに一人だったから
同じような境遇にいたジョルディと出会ってから、ずっと一緒だった
自分にとって、家族はジョルディしかいない
自分にとって、家族はジョルディしかいない
「ボクは……家族をなくしたくない。我儘だとは思うけど……イザークと、ずぅっと一緒に居たいな」
「……そうか」
「……そうか」
手を握る力を、少し強める
「…ありがとう」
この手を離さない
もう二度と、失わない
もう、屍にはさせない
もう二度と、失わない
もう、屍にはさせない
その為ならば
この身がいくら罪に塗れようが、血でぬれようが、かまわない
この身がいくら罪に塗れようが、血でぬれようが、かまわない
to be … ?