「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 電子レンジで猫をチン!-59

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匿名ユーザー

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【電磁人の韻律詩59~二人組と二人組~】

謎の男による明日家襲撃とそれに伴う明日家全壊により、俺たちは住む家を失っていた。
家を出た時点では確かに半壊だったのだ。
しかし家に帰るとしっかり全壊していた。

何故だ!

繰り返して問う。

何故だ!

「それが様式美だよ。」
「それにしたって毎回家壊せば良いってもんじゃないぞ!」
「は?」
「え?」
「また人の話聞いてなかったでしょ、駄目だよアスマ。」

ビシッと俺に向けて指を突きつける少女。
俺の契約していた都市伝説“猫レンジ”の前の契約者にして今の契約者「恋路」である。
彼女は一昔前に猫レンジと契約して飲まれてしまい、それ以降都市伝説として生きていたのだそうな。
この度、謎の男の襲撃によって彼女の中の都市伝説の部分と人間の部分を切り離されてしまった為に、偶然人間に戻れたのだそうだ。

「だから、水戸黄門が毎回印籠を出してなんか話を丸く収めちゃうのも!
 デジモンで残り時間が無くなると進化したりワープ進化したりするのも!
 世界には決まり切っているからこそ歓迎される物が有るんだ!」

あながち話題はずれてなかったようだ。



今日は謎の男による俺の家への襲撃が有った日の翌日。
俺とレンジは姉と雪絵に
「家は任せてこう言う時くらい二人っきりでイチャイチャしろ」と言われたので、
そこらへんのハンバーガーレストランでとりあえずお茶をしていた。

「まあ明日家が破壊されるのもある意味様式美だけどね。」
「いやだよそんな様式美……」
「まあどうせフランちゃんと姉さんが治してるさ。」
「ガテン系超能力者とかジャンルが新しすぎて訳が解りませぬ。」
「まあまあそこはそれですよ。ところでさ。」
「ん?」
「宏也さんにどう報告するよ、これ。」
「―――――――!」
「私の身体の変化とかさ、もう誤魔化し効かないよこれ。」
「となると雪絵のことも……。」
「言わなきゃいけないだろうね。」
「……。」

全く考えていなかった。
けど、仕方ない、素直に言って謝ろう。

「となると、あれだね。雪絵ちゃんは晶さんに任せた方が良いんじゃないか?」
「え?」
「残っていると彼女に興味を持つ組織の人間が出るかもだし。」
「宏也さんはそんなこと……。」
「Hさんは違うだろうさ、でも十二月の事件、聞いたでしょう?
 あれみたいにどこから火種が吹き出すか解らないんだから。」




「まあ確かにそうか……」
「そうだよ、それが良い。」
「解ったよ。」
「…イ、イザーク、どうしたの?」
「…いや、なんでもない」
「おや?」
「あれ?」

何処かから聞こえる聞き覚えのある声。
そして聞き覚えのある名前。
イザークとは俺を助けてくれたイザークさんに違いない。
イザークなんて名前の人間がそう沢山居て良いはずがない。

「ほら、十分に温まったら、店を出るぞ?」
「あ、う、うん」
「あれ?イザークさんとジョルディさんじゃないですか?」
「おや、明日君。それと……」
「恋路です。」
「二人とも怪我はもう良いのかい?」
「私は元々肉体的なダメージは殆ど無かったですし、彼は慣れてますし。」
「慣れてる?」
「正義の味方ですから。」
「ああ……」

イザークさんは辺りを見回す。
何かの監視を警戒しているのか。




「前に言ってもらったことなら、駄目です。
 前に言ってもらったようなことはできません。」
「正義の味方だからか。大事な人が居るだろう。」
「恋路は……俺が側に居て、俺が守ります。
 誰を助けるのであろうと何人で助けるのだろうとそれこそ例え俺一人でも頑張ります。」
「できるのか?」
「やります。」
「昨日の事件だって助けがなかったら危なかったんじゃないのか?」
「はい。ありがとうございました。」
「怖いだろう……?」
「まったく怖くないです。だって一人でも多くの人を助けようとするのは正しいことですよ。
 町に何かするって言う奴らがどんな事情が有ったとしても、町に住む人々を傷つけて良い理由にはならないと思うんです。」

イザークさんが少し苦い顔をする。
ジョルディさんも俯いている。
二人ともこの町を救おうと戦っているであろう人達だ。
相手は相当強大なのだろうけど、きっとこの二人も居れば大丈夫だ。

「死ぬかも知れないぞ。」
「正義は死にません。」
「駄目ですよイザークさん、アスマは馬鹿だからそういうの解らないんです。」
「あっ、馬鹿呼ばわりするなよ!」
「そろそろ時間か、色々話したいことは尽きないが俺たちはもう行くぞ?」
「あ、呼び止めてすいませんでした!
 あと最後に一つだけ聞いても良いですか?」
「どうしたんだ?」

イザークさんが振り返る。



「俺、さっきどんな事情が有ってもやっちゃいけないことがあるって言ったじゃないですか。
 でもやむを得ない事情が有って悪いことをしてしまう人は居ると思うんです。
 二人ともその犯人と戦っているみたいですけど……
 もしその犯人に事情が有ったなら、俺はその人達を助けたいんです。
 本当に我が儘でしょうがないんですけど、もしそうだったら彼等を助けるのを手伝ってください。
 俺は恋路が居ないと何も出来ないし、よわっちい正義の味方気取りなんで。
 誰かを助けるとか説得するとか、俺一人じゃとてもとても……。」

恋路が何故か頬を引きつらせている。
イザークさんもジョルディさんも苦い表情を通り越してポカーンだ。

「……あ、ああ。」
「……明日君は優しいんだね。」

二人とも何か微妙なリアクションだ。
三人のリアクションの理由が俺には全く解らなかった。
【電磁人の韻律詩59~二人組と二人組~】


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