【電磁人の韻律詩66~おしまい~】
「……っぷはぁ。」
「あれ、眼を覚ましたみたいだね?」
「俺気絶してたの?」
「うん。」
「イザークさんとジョルディさんは?
ていうかこの町は大丈夫だったの?」
「やだなあアスマ、アスマが寝ている間に全部終わってるよ。」
「なーんだ……。」
「あれ、眼を覚ましたみたいだね?」
「俺気絶してたの?」
「うん。」
「イザークさんとジョルディさんは?
ていうかこの町は大丈夫だったの?」
「やだなあアスマ、アスマが寝ている間に全部終わってるよ。」
「なーんだ……。」
無論、終わってない。
明日真が起きたのは彼が気絶してからわずか一時間後。
この町のそこかしこで戦闘は続いていた。
だがすくなくとも明日家では戦闘は終わったことになっていた。
明日真が起きたのは彼が気絶してからわずか一時間後。
この町のそこかしこで戦闘は続いていた。
だがすくなくとも明日家では戦闘は終わったことになっていた。
「……なあ恋路」
「どうしたんだい?そんな神妙な顔つきしちゃって。」
「俺、なんか俺じゃない。」
「は?」
「気づいたんだよ。俺は確実に昔の俺じゃなくなってる。」
「いやそりゃあ強くなったし、変わったとは思うけど。」
「もう……怯える側じゃない。」
「まあそうだね。」
「怯えられる側だ。」
「どうしたんだい?そんな神妙な顔つきしちゃって。」
「俺、なんか俺じゃない。」
「は?」
「気づいたんだよ。俺は確実に昔の俺じゃなくなってる。」
「いやそりゃあ強くなったし、変わったとは思うけど。」
「もう……怯える側じゃない。」
「まあそうだね。」
「怯えられる側だ。」
その時、恋路は明日真の瞳に危うい物を感じた。
何か取り返しがつかないことが起きそうな予感。
何か取り返しがつかないことが起きそうな予感。
「俺は最初良く分からないままにお前と契約した。」
「私が都市伝説化してたからね。」
「でも二度目の、狂骨との契約は違った。」
「そうなの?」
「ああ、俺はあの時、心から力を求めて、得た。
助けるための力、守るための力が欲しいって思って。
悪を叩き潰す力が欲しいって思って。」
「…………。」
「なあ恋路、正直に言ってくれ。
今の俺ってさ……正義の味方だよな。
もう俺は正義の味方を夢見る少年じゃないんだよな……。
冷静に考えればあの時点でもうとっくに俺は正義の味方になってたんだよな。」
「私が都市伝説化してたからね。」
「でも二度目の、狂骨との契約は違った。」
「そうなの?」
「ああ、俺はあの時、心から力を求めて、得た。
助けるための力、守るための力が欲しいって思って。
悪を叩き潰す力が欲しいって思って。」
「…………。」
「なあ恋路、正直に言ってくれ。
今の俺ってさ……正義の味方だよな。
もう俺は正義の味方を夢見る少年じゃないんだよな……。
冷静に考えればあの時点でもうとっくに俺は正義の味方になってたんだよな。」
ついに来たか、と恋路は溜息をつく。
「ああ、そうだよ。君はなったんだ。もうとっくになっていた。
君自身がなりたかったものに。」
「そっか……。じゃあもう正義の味方になろうとした少年の物語はオシマイだな。」
「思えば君は力を手に入れてからずっと正義の味方正義の味方うるさかったね。」
「うん。」
「今まで一度も聞いてなかったよ、なんでさ?」
「姉さんが昔正義の味方をやっていた。」
「へえ。」
「ってのはあくまでヤツの勝手な推測で。」
「え、違うの?」
「違います。」
「うわあ…………。」
「じつは、特に理由なんて無いんだ。」
「無いの?」
「子供の頃、普通のこどもと同じようにテレビを見て育ち、テレビのヒーローに憧れた。
そして、未だに憧れ続けているだけさ。
意味なんて無い、理由なんて無い、困っている人が居るから助けたかっただけ。
しかも力を手に入れるまでは臆病で、何もできていなかった。」
「そうだったんだ。」
「力を手に入れてからしばらくはずっと力に酔ってたと思う。
あの時に誰にも倒されなかったのが不思議だよ。」
「神様に愛されてるんじゃないか?」
「そうかもな。力に酔って人を助けて回って……」
「でも助けてもらった人が居る、って素敵だよね。」
「うん、素敵だ。」
「俺はとある契約者から力が無くては何も出来ないということを学んだ。
俺は別の契約者から人間は不平等にできていることを学んだ。
俺はまた別の契約者から生まれつきの悪としか言えない人間が居ることも学んだ。
俺はまたまた別の契約者からいくら力が有っても結局それは正義を貫くこととは別なのだということを学んだ。
契約してから出会った人達から沢山の事を学んで、今の俺になった。」
「正義の味方になれたってことかい?」
「うん。俺が今正義の味方ならばそういうことさ。」
「はぁ……そっか。」
「残念そうだな。」
「いやあ、男の子って成長早いなーって。」
「男子三日会わざれば刮目して見よ、と言うんだぜ。」
「毎日顔突き合わせているけどね。」
「まあそれはそれ。」
「で、正義の味方になった真君はなにがしたいんだい?」
君自身がなりたかったものに。」
「そっか……。じゃあもう正義の味方になろうとした少年の物語はオシマイだな。」
「思えば君は力を手に入れてからずっと正義の味方正義の味方うるさかったね。」
「うん。」
「今まで一度も聞いてなかったよ、なんでさ?」
「姉さんが昔正義の味方をやっていた。」
「へえ。」
「ってのはあくまでヤツの勝手な推測で。」
「え、違うの?」
「違います。」
「うわあ…………。」
「じつは、特に理由なんて無いんだ。」
「無いの?」
「子供の頃、普通のこどもと同じようにテレビを見て育ち、テレビのヒーローに憧れた。
そして、未だに憧れ続けているだけさ。
意味なんて無い、理由なんて無い、困っている人が居るから助けたかっただけ。
しかも力を手に入れるまでは臆病で、何もできていなかった。」
「そうだったんだ。」
「力を手に入れてからしばらくはずっと力に酔ってたと思う。
あの時に誰にも倒されなかったのが不思議だよ。」
「神様に愛されてるんじゃないか?」
「そうかもな。力に酔って人を助けて回って……」
「でも助けてもらった人が居る、って素敵だよね。」
「うん、素敵だ。」
「俺はとある契約者から力が無くては何も出来ないということを学んだ。
俺は別の契約者から人間は不平等にできていることを学んだ。
俺はまた別の契約者から生まれつきの悪としか言えない人間が居ることも学んだ。
俺はまたまた別の契約者からいくら力が有っても結局それは正義を貫くこととは別なのだということを学んだ。
契約してから出会った人達から沢山の事を学んで、今の俺になった。」
「正義の味方になれたってことかい?」
「うん。俺が今正義の味方ならばそういうことさ。」
「はぁ……そっか。」
「残念そうだな。」
「いやあ、男の子って成長早いなーって。」
「男子三日会わざれば刮目して見よ、と言うんだぜ。」
「毎日顔突き合わせているけどね。」
「まあそれはそれ。」
「で、正義の味方になった真君はなにがしたいんだい?」
恋路はいたずらっぽく問いかける。
「決まってるだろ、そんなこと。」
誇らしそうに笑って明日真は立ち上がった。
「最終回なんだぜ?ラスボス倒して、エクストラステージ終わらせて、やることといったらたった一つ!」
「今の君の言うことなら私も反対しないよ。」
「今の君の言うことなら私も反対しないよ。」
ああ、飛び立っていってしまう。
私の手の中から行ってしまう。
もう私じゃ彼を引き止めてはいられない。
そんな思いに恋路は胸が張り裂けそうだった。
私の手の中から行ってしまう。
もう私じゃ彼を引き止めてはいられない。
そんな思いに恋路は胸が張り裂けそうだった。
「宿命のライバルと決着つけに行かなくちゃ!」
「友人の仇からライバルか、随分ランクアップしたね。」
「不思議なことにあいつが暴れれば暴れるほど他の悪党がおとなしくなる法則に気づいたからな。
あとあいつ、なんだかんだ言って墓参りして回っているんだぜ。」
「え?上田さんが?」
「聞いたら
『俺がやったことは肉食獣が草食獣を食らうのと同じ行為だ。
だが俺も元は人間だ、ご馳走様くらい言っても良いだろう。』
だってさ。
あいつもあいつなりに思うところはあるみたいだよ。
つーかあいつがああなったのって姉さんのせいも有るみたいだし。」
「絶対に遺族の方に聞かせられないね。」
「うん。」
「何時行くの?」
「今から……は無理だから一週間後。」
「武器は?」
「要らない、俺使いこなせないもん。」
「そうだったね。君は胸に一本正義を持ってけば其れで良いよ。」
「というわけで今日はねるぞー」
「友人の仇からライバルか、随分ランクアップしたね。」
「不思議なことにあいつが暴れれば暴れるほど他の悪党がおとなしくなる法則に気づいたからな。
あとあいつ、なんだかんだ言って墓参りして回っているんだぜ。」
「え?上田さんが?」
「聞いたら
『俺がやったことは肉食獣が草食獣を食らうのと同じ行為だ。
だが俺も元は人間だ、ご馳走様くらい言っても良いだろう。』
だってさ。
あいつもあいつなりに思うところはあるみたいだよ。
つーかあいつがああなったのって姉さんのせいも有るみたいだし。」
「絶対に遺族の方に聞かせられないね。」
「うん。」
「何時行くの?」
「今から……は無理だから一週間後。」
「武器は?」
「要らない、俺使いこなせないもん。」
「そうだったね。君は胸に一本正義を持ってけば其れで良いよ。」
「というわけで今日はねるぞー」
まだ戦いが続く学校町。
そんな中で傷ついた正義の味方はそっと眼を閉じた。
そんな中で傷ついた正義の味方はそっと眼を閉じた。
【電磁人の韻律詩66~おしまい~】