「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 夢幻泡影-60

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Retsuya

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――――某日、学校町の某所にて

「…もう、行っちまうのか」
「あぁ、色々と世話になった」
「裂邪くん、ミナワちゃん、どうも有難うございました」
「いえいえ、零人さんも陽子さんも、どうかお元気で」

裂邪とミナワ、そして零人と陽子は、互いに別れを惜しんでいた
彼等が来た日から今日までの数日間、様々なことがあった
R-No.1―六条 蓮華が、魂が入れ替わってしまった陽子とミナワを元に戻すべく、その方法を調査している間に、
裂邪は陽子の身体のミナワに、ミナワの身体の陽子に言い寄って殴られたり
ようやく「落雷で人格が入れ替わる」という都市伝説の存在を確認し、
「組織」内からその契約者を見つけ出して2人とも元の身体に戻ったのだが、
尚も裂邪のセクハラが炸裂して蹴り飛ばされ
約1名散々なことになっているが、それでも彼等にとっては楽しい数日間となった

零人達の背後に、ゆらりとオーロラがたなびく
異世界の扉が開かれたようだ
くるりと2人は振り返り、七色に輝くオーロラに足を踏み入れる

「記憶が全部戻ったら、またこの世界に来てくれよな!
 その時は、友人も呼んでパァ~ッ!とやるからさ! そして陽子ちゃんを僕n「れぇ~つぅ~やぁ~?」ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
「はは……分かった、楽しみにしてるよ」

手を小さく振って、兄妹はオーロラの向こうに消えていった
零人が何やら複雑そうな表情だったのは、裂邪は見ていなかった

「…本当に行っちまったな……寂しくなるなー陽子ちゃーん」
「もう! さっきから貴方って人は!!」
「冗談冗談、こう見えてお前が元に戻ったから喜んd」

ミナワは『バブロッド』を展開し、大きく振り被る

「いやっ、ちょ、落ち着けミナワ!?」
「問答無用です!!」
「ヘェェェェェェェェェェェェル、プっと」

ピコーン、と電子音がベルトから発せられ、目の前からミナワがいなくなった
R-No.製の都市伝説転送機『ウルベルト(裂邪命名)』が起動し、彼女は裂邪の自室に送られたのだ

「むぅ、これは意外に使えるやも知れぬ……今度からこうやって逃げよう」

うんうんと頷き、パスを腰のホルダーに入れる裂邪
と、急に辺りが暗くなる

「ん……曇ってきたな、こりゃひと雨来るか?
 影がなくなるから厄介だ、念の為シェイドを呼んどこうか」

仕舞ったばかりのパスを手に取ると、裂邪はベルトのバックルの黒いボタンを押し、パスを翳した―――――――――

「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!??」

――――――――翳す前に、叫び声が響く
声色から察するに、少女のもののようだが
びくんっ、と一瞬跳び上がり、きょろきょろと周囲を見回す裂邪
ふと、上を見上げると

「どいてどいて――――――――――――きゃあっ!?」
「ちょっ、何だ――――――――――――うぎゃあ!?」

ずてーん、とギャグ漫画のように押し潰される裂邪
彼の上に落ちてきた“少女”は、慌てて降りてぺこぺこと頭を下げた

「あいたたたたた……」
「ご、ごめんなさい、突然オーロラが目の前に現れて―――――――あ、れ?」
「ん? オーロラってもしかして零人の兄ちゃんの―――――――え、お、おい?」

言葉が詰まる
と同時に、ぴしりと固まってしまった
無理もない、何故なら今目の前にいるこの少女、何処をどう見ても

「……………お、俺!?」
「な、何で私がここにいるの!?」
「俺が聞きたいわ! というか落ちてきたのはお前だろッ、ん?」

ここで彼は違和感に気付く
まずはこの自分とそっくりな少女の顔と髪型を確認する
鏡に映したかのように瓜二つ、唯一違うのは後ろ髪が僅かながら長い事だけだろう
続いて彼女の服装だ
ワイシャツの上に黒いミニジャケット、そして下は何とミニスカートである

「おい、お前」
「え? 私?」
「それ! 何で“私”なんだよ!? 俺そっくりなのに女みたいな格好と喋り方と声しやがって!」
「す、好きでこんなになった訳じゃないもん! それに『女みたいな』じゃなくて、私は歴とした『女』よ!」
「嘘吐けぇ!」
「嘘じゃないもん! ほら、胸だってこんなに――――」
「んなもん幾らでも誤魔化し効くわ! この方が手っ取り早い!」

「え?」と彼女が疑問の声を漏らしたのも束の間、裂邪はミニスカートの中に右手を滑り込ませた
耳を劈く金切り声が、天高く轟いた

「………っま、マジで……ない………!?」
「ぐすっ……ひ、ひどぉい……初対面の女の子にこんなことっ………」
「あ、あの、ごめん、疑って悪かった」
「もう遅いわよ! 馬鹿! 変態! 痴漢! 性犯罪者! レイパー! ロリコン! ペドフィリア!!」
「ちょっと待て! ロリコンは関係ないだろ!?」
「だって15歳はまだロリじゃない!!」
「っほほう、良く分かってるじゃないか、どうやら女になっても俺は俺らしい
 ところでこんなことで言い争ってる場合じゃないだろ」
「“こんなこと”!? あんたの中で痴漢とかレイプって“こんなこと”で済まされるの!?」
「あー、いやあの、確かに『そっち系』の同人誌は好みだけど」
「呆れた! 何なのよこの性犯罪者!」
「その呼び方やめろ!? 俺には黄昏 裂邪って名があるんだよ!」
「私だって黄昏 裂邪だもん!」
「何で女なのに『レツヤ』なんだよ、お前の親はどうなってんだ!?」
「生まれた時はちゃんとツいてたのよ! 「マッドガッサー」って都市伝説にガス吹きかけられてこうなったの!」
「……そう、そういう話をしたかったんだよ
 ってことはお前、やっぱり異世界から来たのか?」
「異世界………っそ、そうよ! ねぇ、さっきのことはもう良いから! 私の事、匿って!」
「はぁ? 急に何を―――――」
「早くして! でないと私、“あいつ”に殺されちゃう!!」
「“あいつ”ぅ? 誰だよあいつって」
「後で全部話すから、今は―――――――――――」
《ビィ~~~~~~~ンゴォ!! 見つけたぜぇ黄昏 裂邪ぁ!!》

女裂邪の言葉を遮るように、機械音声が響いた
その声を聞いた瞬間、彼女の表情は青ざめ、身体が小さく震え始めた

「…な、何だ、あれ!?」

裂邪は驚愕の色を隠せなかった
見ていたのは、空に浮かぶ“何か”
赤、緑、青のライトがチカチカと点滅する、楕円形の滑らかな飛行物体―――「UFO」
それは1機のみならず、2、3、4――――何機かの編隊を組んでふわふわと浮いていた
スピーカー音声は尚も続ける

《んん? よぉーく見りゃ“この世界の俺”もいるじゃねぇか……
 ヒハハハハハハハ! こりゃ好都合だ! 探す手間が省けたってもんだ!!》

裂邪はハッとした
この声に、聞き覚えがある
だがその答えは、「UFO」の中でも一際大きな機体の下方にあるハッチが開いた瞬間に判明した
そこに現れたのは、黒い軍服のようなものを着た、中学生くらいの少年
驚く事に、その少年は

「……また……俺………?」


   ...To be Continued

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