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連載 - ぼくの物語-09

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sougiya

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《注射男》

 幼少の頃、ぼくは病弱だった。
 症例の少ない病気を持ち、いつ死んでもおかしくなかったらしい。
 医者は十年生きれるかどうかと宣言していた――とは後から聞いた話だ。
 物心ついた頃から病院内でしか生活できなかったぼく。
 それが普通だと思っていたし疑問に思ったこともなかった。

 このまま自分はここで死ぬんだろうなと思ったのは今でも覚えている。

 あの日の晩、ぼくは死ななくてもよくなった。
 都市伝説『注射男』がぼくの体に何かを打ち込んだ。
 何を打ち込んだのか今でもわからない。伝えられているように毒薬ではないことだけは確かだった。
 ただ、それから三日三晩ぼくの容態は急変した。
 四日目の朝、ぼくの体から病巣は消えていた。

 ぼくは生きることになった。

 誰もが完治したぼくに驚く中、ぼくはひとつの決心をした。
 もう一度彼に会おう。
 たとえ何年かかっても彼に会わなければならない。
 たったの注射一本でぼくの人生が変わった。
 だからこそ、彼に会って言わなければ。

 ねえ、都市伝説。
 どうしてあの時ぼくを生かしたんだい?

 ぼくが生き延びたことで、死んだ時に入るはずだった保険金が下りなくなったこと、きみは知っているのかい?
 めったにない症例は治療するのにどれだけの金額がかかってくるのか、きみは知っているのかい?
 いつまでも生きていないで早く死んでくれと願われていたことを、きみは知っているのかい?
 ぼくが完治したことで、一体どれだけの人間が残念がったのか、きみは知っているのかい?
 死んだ方が良かったと子供のぼくですら思ってしまったこと、きみは知っているのかい?

 きみがぼくに打ち込んだに「生」という名の毒薬は、今もなおぼくを蝕んでいるよ。

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