「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 夢幻泡影-64

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Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
「UFO」から召喚された4体の「ミュータント」が、6本の腕を構えて襲いかかる
裂邪達は、それらと1対1になるように――裂邪はウィルとナユタを連れて――立ち向かった




「貴様ノ相手ハ私ダ……『影法師(ドッペルマン)』」

黒いローブを着ているような姿がぐにゃりと歪み、形を変えて「ミュータント」を抑え込むシェイド
その姿は、相対する「ミュータント」と瓜二つ、異なる点は黒一色だと言う事と、目が赤く輝いている事のみ
「シャドーマン」はその性質上、あらゆる姿を取る事が出来る
一部の「ドッペルゲンガー」等に見られるような“本物が持つ能力”の使用は不可能だが、自身の能力は問題なく使用できる

「ジ・ジ・ゼ・ジ・ゾッ!!」

尻尾の先端の棍棒を振るってシェイドにそれを叩きつけようとする
しかしそれは大きく空振り、アスファルトだけを抉り取った

「コッチダ、俗物」

声に反応して振り向いた瞬間、突然「ミュータント」の身体が地面に叩きつけられ、
がががががっ!と鈍い音を立てながら強い力で引き摺られていった
「シャドーマン」が出現する際に発生すると言われる現象―――ポルターガイスト
ここ暫くで手に入れた、シェイドの新たな力だ

「サテ……ミッション完了ダ」

ぴたり、「ミュータント」の動きが止まる
そこは日の光を遮るUFO母艦の、巨大な影の中だった

「『闇誘拐』」

声とほぼ同時に、影の中から無数の腕が伸び、「ミュータント」を縛り、掴み、抑え込み、
水面のように揺らめく黒い影に、ずぶずぶと引き摺り込んでいく
叫びながら必死に足掻く「ミュータント」だが、それは正に蟻地獄に入り込んでしまった蟻のようだった
とぷん、と「ミュータント」の身体が完全に沈み、影が波打つ
静かな影が、そこにあった




「『ブレイカブル』!」

ミナワが棒を叩きつけると、その先端についたシャボン玉が大きな破裂音を鳴らして「ミュータント」を吹き飛ばす
空中で態勢を整え、ずざざっ、と着地した「ミュータント」は、
短いストロー状の棒から大量の小さなシャボン玉を作り出しているミナワに狙いを定めると、6つの腕の鋭い爪を構えて跳びかかった
ふぅ、と一息吐いた後、彼女は手に持っていた棒をひょいと空中に投げ、
先程持っていた、先端にリング状の装飾がなされた長い棒に変形させ、両手でくるくると回し始める

「もう少し待ってて下さいね…『バリアブル』!」

回転を止めて棒を振るうと、リングから巨大なシャボン玉が生成され、
「ミュータント」の爪が弾かれると同時に、その弾力で身体まで弾き飛ばされた
ミナワの専用武器である『バブロッド』は、以前裂邪が『COA』の中で彼女に渡したものだ
都市伝説の力が篭っているらしく、現実世界でも使用できるようなのだが、そのお陰でミナワも本来以上の力を発揮する事が出来ている

「ジ・ジ……ゼ・ジ・ゾ」

多数の腕を巧みに操り身体を起こす「ミュータント」
唸り声を上げて怒りを露わにしながら、胸の水晶体に光を集めるが、
不意に何かに気付いたのか、きょろきょろと辺りを見回し始めた
見れば「ミュータント」は、ふわり、ふわりと浮かぶ、沢山の小さなシャボン玉に囲まれていた

「一気に決めます! 『インコンシーバブル』!」

ぴたっ、とシャボン玉が、時が止まったかのようにそこから1ミリたりとも動かなくなった
かと思えば、円を描くようにくるくると回転し始めた
何が起こるか分からず、「ミュータント」がその場で狼狽えていると、身体がシャボン玉に触れてしまった
直後、シャボン玉が次々に破裂し、「ミュータント」の皮膚に霜が降りて、凍りついた
動けなくなった「ミュータント」に向かって、ミナワは『バブロッド』の先端に巨大な氷の三又の槍を作り、距離を詰めた

「『フリーザブル・トリシューラ』!!」

冷たい破壊神の槍は、凍てついた「ミュータント」の身体を容易く貫き、
罅が広がって粉々に砕け散り、きらきらと輝いて風に消えていった

「……ちょっとやり過ぎましたね;」

ちろり、と舌を出して彼女はあどけなく笑った




「どうしたどうしたぁ!? んなツラしてその程度かテメェはよぉ!?」

空気を裂く様な音を立てて襲い来る爪を、持ち前の速さでひらりと避け、長い鼻でぴしゃりと弾いていく理夢
たまに余裕をかまして、標準形態である子供のマレーバクの姿になって躱してみせたりもする
お分かりだろうが、理夢は完全に遊んでいた
熊の頭と胴、虎の脚、象の鼻、犀の目、牛の尾を持つ奇獣「獏」
その属性は―――“夢”

「クックック、夢でも見てろ!『夢現』!」
「ジ・ジッ……!?」

「ミュータント」の顔面に、白い煙が吹きかけられる
頭を振って煙を振り払い、相手を見据えるが、すぐに周囲の違和感に気付いた
今まで住宅街で戦っていた筈だが、立っているのはどう見ても屋内、しかも台所である
そして「ミュータント」は、台所に潜む魔物の存在を感知した
理夢ではない別の敵、しかも2つ
赤みを帯びた甲殻、爪の生えた翼、棘がある尻尾
『モンスターハンター』シリーズの代名詞とも言える空の王者、火竜リオレウスだった
そんなことを知っている訳もなく、動揺する「ミュータント」に容赦なく火球が放たれる
ところで、現役ハンターならご存知だろうが、リオレウスは雄であり、
雌のリオレイアと共に行動する事はあるが、雄同士で行動することはない
それに、ここは狭い台所である
そんなところに、しかもフライパンにすっぽり収まりそうなリオレウスが何故いるのか
というより、「リオレウス」は都市伝説ですらなく、創作の産物である
何故こんなところに存在しているのか
その理由は、ただ1つ

「……また主の夢か? 相変わらず妙な夢ばっか見やがって…」

そう、“夢”
理夢は「獏」、夢を喰らう伝説上の生物
加えて、彼は夢を吐き出して相手に見せる事も出来る
この混沌とした光景も、全て夢
だが、夢だけに留まらず、相手が気付きさえしなければ、それは夢を超えて現となる
見た記憶も、聞いた音も、感じた痛みも……死さえも

「……ッ!? ジ…ジ・ゼ……ジ……」

火球を受け、尻尾を叩きつけられ、毒の爪で抉られ、「ミュータント」は疲労困憊していた

「ちっ、つまんねぇな、終わらせるか……『死王戯(シオウギ)』!」

理夢は飛び上がると、巨大化した右前脚の爪を立て、虫の息になった「ミュータント」の身体を穿つ
そこで、「ミュータント」の夢は暗転した




「行くぞ! 『ウィルウィップ』!」
「がってんでい!」

ずらりと並んだ火の玉を鞭にして、「ミュータント」に叩きつける裂邪
打撃と熱の二重奏を受け、ぐらりとよろめいたが、態勢を立て直して彼の姿を捉えた
先程戦闘していた裂邪には、次の行動がすぐに分かった

「よし、ナユタ! 『ザンクトゥーアリウム』!」
『は?』
「“聖域”だ、“聖域”!」
『あぁなるほど、仰せのままに』

裂邪の周りを紫の炎が包み込んだ直後、「ミュータント」の水晶体から赤い光条が伸びた
当然、「ヴァルプルギスの夜」のお陰で、攻撃は裂邪に届かない
それでも尚発射し続ける「ミュータント」の隙を突き、彼はウィルに指示を促した

「『ソーラーストーム』!」
「がってん! ハァァァァァァァァァァ!!」

無数の火の玉が空中に現れ、それらは流星雨の如く「ミュータント」に降り注いだ

「ジゼッ……ゾ……!」

身を焦がす攻撃に、「ミュータント」も思わず攻撃を止め、6つの腕を防御に使用し始める

「今だ、ウィル! 「ティルヴィング」を包み込め!」
「がってん承知でい!」
『待ちたまえ、僕が融けてしまったらどうするつもりかね?』
「その時はその時だ! 正直お前がどうなろうと至極どうでもいい!」

言われた通りに、ウィルの赤い炎が白銀の秀麗な剣を覆い尽くす
そして、裂邪は炎に包まれた「ティルヴィング」を構えた

「日輪の力を拝借して…今必殺の! 『サン・アタック』!!」

わざわざポージングを決め、燃える切っ先を目標に向けると、
赤い炎と白い光の入り混じった光条が放たれ、「ミュータント」に直撃する
灼熱業火の太陽に足を踏み入れたかの如きその熱さは、アスファルトさえも煮え滾る程
「ミュータント」は跡形もなく、その場から消え去った
この瞬間ほぼ同時に、4体の「ミュータント」が彼等の手によって葬り去られたのだった

「ヒッハハハハハ、我ながら圧倒的なコンビネーション、惚れ惚れするぜ
 どうだ見たかUFO野郎! これが俺の本気だ――――――――」
《放て》

見上げれば、母艦の砲門が眩い光を放っている
シェイドやミナワの声が、とても遠くから呼ばれているように感ぜられた
終わった―――――――裂邪は、心の中で呟いた








「『シュヴァルツ・リヒト』!!」







「へ?」と素っ頓狂な声を上げる裂邪
結果的に、母艦からのレーザーは発射されなかった
ごうごうと激しく燃える砲門、ぽっかりと穴の空いたUFO母艦

「っご、ご主人様! お怪我は!?」
「いや、俺は大丈夫だけど……今のは?」
「良かった、何とか間に合ったみたい…」

声に振り向くと、ほっと胸を撫で下ろしている少女裂邪が立っていた

「ム、異世界ノ裂邪カ」
「へぇ、マジで瓜二つだな、胸以外」
「もう一人の俺、もしかしてお前がやったのか…?」
「さっき、「ダークマター」と契約したって話したでしょ?
 「ダークマター」として挙げられる物質は、ブラックホールの他にもあるの
 それが今、私が使った……ニュートリノよ」
「っちょ、それって光より速いっていうあれか!? な、なるほどねぇ…」

裂邪は、ちら、と再び母艦を見上げる
さぞ艦内は混乱していることだろう、反撃してくる様子は無い

「…冷静に聞け、お前ら
 俺は今からあの母艦に侵入して、あいつの野望をぶっ潰そうと思ってる
 ついでに、柄じゃねぇけど、あいつに殺された他の世界の俺の仇と…その家族の仇を討つ」

ぴくっ、と少女裂邪が反応した
裂邪は小さく笑って答え、

「…最後まで、俺の我侭に付き合ってくれるか?」
「……クッフフフ、訊クマデモ無カロウ?」
「私達はこれまでも、ずっとご主人様と一緒に歩いて来ましたから
 これからもご主人様にお供致します!」
「ま、このまま帰っても退屈なだけだしな。いっちょ、やってやらぁ!」
「どんな強敵だろうと、あっしが焼き尽くしてやるぜい!」
『ギハハハ、折角ここまで来たからね、最後まで付き合わせて貰うy』
「あ、お前は強制的だから、答えは聞いてない」
『……君、僕に恨みがあるのかないのかはっきりして貰おうか?』
「あ、あの……私も行っても、良い?」
「勿論だ、お前だって父さんと母さんの仇、取りたいだろ?」

彼女は強く、こくんと頷いた
それを確認すると、裂邪は「ティルヴィング」を構える

『因みに、君の願いはまだ3つ残っているけど?』
「馬鹿野郎、「神出鬼没」で十分だ……やれ、ナユタ!」
『ハァ、仰せのままに』

裂邪達一行は、住宅地から忽然と姿を消した
そして彼等は、最終決戦の地へと赴く


   ...To be Continued

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