「…本当に……終わったの……?」
爆煙が風に消える様子を眺めながら、サクヤはぽつりと誰に訊くでもなく呟いた
「あぁ、終わったよ。もう逃げなくてもいい
助かったんだ、お前の世界も、俺の世界も…違う“俺”達の世界も」
助かったんだ、お前の世界も、俺の世界も…違う“俺”達の世界も」
裂邪が微笑みを浮かべてそう答えると、
彼女はその場にぺたん、とへたり込んでしまった
そして、
彼女はその場にぺたん、とへたり込んでしまった
そして、
「……良かった……よかっ…たぁ……」
しゃくり上げ、大粒の涙を零し始める
それを見て、ミナワがそっと彼女の傍に寄り、宥めるように肩を支えた
それを見て、ミナワがそっと彼女の傍に寄り、宥めるように肩を支えた
「うおおおおおおおおおおおおん!! あっしも涙が止まらねえええええええええ!!」
「っちょ、テメェが泣いてどうすんだ!?」
「…ま、まぁ、一件落着って事で良いのか;」
「少シ気ニナッタノダガ……サクヤ、ト呼ベバ良イノカ?」
「っちょ、テメェが泣いてどうすんだ!?」
「…ま、まぁ、一件落着って事で良いのか;」
「少シ気ニナッタノダガ……サクヤ、ト呼ベバ良イノカ?」
シェイドに呼ばれたサクヤは、涙を拭って顔を起こし、彼の方に目を向けた
「感傷ニ浸ッテイルトコロ申シ訳ナイノダガ…オ前ハ、コノ後ドウスルノダ?」
「へ?……あ、」
「そっそうですよ! サクヤさんはこの世界の人じゃないから……」
「やべぇじゃねぇか!? お、おい、あの零人とか言う奴呼んで来い!」
「理夢の旦那ァ、それが出来たらとっくにサクヤの姐御を元の世界に帰してあげてやすぜ!?」
「いや、それなら――――」
「心配してくれてありがとう…でも、私は大丈夫」
「へ?……あ、」
「そっそうですよ! サクヤさんはこの世界の人じゃないから……」
「やべぇじゃねぇか!? お、おい、あの零人とか言う奴呼んで来い!」
「理夢の旦那ァ、それが出来たらとっくにサクヤの姐御を元の世界に帰してあげてやすぜ!?」
「いや、それなら――――」
「心配してくれてありがとう…でも、私は大丈夫」
脚についた塵を払い、サクヤは立ち上がる
そして、両掌を合わせるようにして構えると、手の中でほんの小さな黒い塊が出来上がる
そして、両掌を合わせるようにして構えると、手の中でほんの小さな黒い塊が出来上がる
「さっき、ブラックホールの中で、色んな世界に繋がってる道を見つけたの
穴だらけの、虫喰い穴の道が」
「虫喰い…ワームホールか」
「そう…その中に、私の世界も見えた
だから、ブラックホールをくぐって帰れると思う
……これで、お別れだね」
穴だらけの、虫喰い穴の道が」
「虫喰い…ワームホールか」
「そう…その中に、私の世界も見えた
だから、ブラックホールをくぐって帰れると思う
……これで、お別れだね」
表情を曇らせ、俯くサクヤだったが、
すぐに首を振って顔を上げ、笑顔を作って話を続ける
すぐに首を振って顔を上げ、笑顔を作って話を続ける
「この世界に来たのは、偶然だったけど…
私、この世界に来て……ううん、あんた達に出会えて良かった
もっと違う時に出会えたら、ずっと一緒にいたいくらいだったのに
…向こうに戻ったら、一人になっちゃうから寂しくなるかもね」
「一人じゃないよ、お前は」
「え?」
「寂しくなったら思い出せよ
俺達は、お前の心の中にいるから
会いたくなったらいつでも来いよ
ずっとこの世界で、お前の事待ってるから
今日から俺も、こいつらも、お前の友達……いや、“家族”だ」
私、この世界に来て……ううん、あんた達に出会えて良かった
もっと違う時に出会えたら、ずっと一緒にいたいくらいだったのに
…向こうに戻ったら、一人になっちゃうから寂しくなるかもね」
「一人じゃないよ、お前は」
「え?」
「寂しくなったら思い出せよ
俺達は、お前の心の中にいるから
会いたくなったらいつでも来いよ
ずっとこの世界で、お前の事待ってるから
今日から俺も、こいつらも、お前の友達……いや、“家族”だ」
裂邪が言い終わると、シェイド達はそれぞれ微笑むなり頷くなりして、彼の言葉に賛同した
サクヤはまたも目を潤ませ泣き出しそうになったが、すぐに拭ってまた笑みを作る
サクヤはまたも目を潤ませ泣き出しそうになったが、すぐに拭ってまた笑みを作る
「…皆……本当にありがとう! それじゃ、私は…」
「あ、そうだ、サクヤ」
「?」
「信じろ。自分の心を信じて正直になれ
そしたら絶対に良い事があるからさ
…これを心の中に大事にメモしておけよ?」
「あ、そうだ、サクヤ」
「?」
「信じろ。自分の心を信じて正直になれ
そしたら絶対に良い事があるからさ
…これを心の中に大事にメモしておけよ?」
何だか分からなさそうに首を傾げたが、こくん、と首を縦に振って了承した
そして、彼女は黒い小さな塊に手を触れた
そして、彼女は黒い小さな塊に手を触れた
「それじゃ、皆……いつか、未来で!」
直後、彼女の姿と小さなブラックホールは、その場から忽然と消えた
残ったのは、彼女と共に過ごした極僅かな時間を振り返っている、裂邪達だけだった
残ったのは、彼女と共に過ごした極僅かな時間を振り返っている、裂邪達だけだった
「……行っちまったな、女の主」
「向こうでも元気でやってくれると良いんですがねぇ」
「ところでご主人様」
「ん?」
「さっきの言葉…どういう意味ですか?」
「あぁ、あれか
はっきり言えば、『15歳はロリ』ってことだな」
「向こうでも元気でやってくれると良いんですがねぇ」
「ところでご主人様」
「ん?」
「さっきの言葉…どういう意味ですか?」
「あぁ、あれか
はっきり言えば、『15歳はロリ』ってことだな」
スマホを操作しながら、彼は家路を辿り始める
全員が、「何言ってんだこいつ」とでも言いたそうな顔をしている
全員が、「何言ってんだこいつ」とでも言いたそうな顔をしている
「ロリっ子の願い は、ババアのそれより強いってことだよ
あ、もしもしローゼちゃん? いや実は折り入って頼みが――――――」
あ、もしもしローゼちゃん? いや実は折り入って頼みが――――――」
そう付け足すと、彼は受話器を耳に当てて誰かと話し始めた
シェイド達は暫く顔を見合わせて考えたが、何かに納得したように「あぁ~」と声を揃えた
シェイド達は暫く顔を見合わせて考えたが、何かに納得したように「あぁ~」と声を揃えた
† † † † † †
すとん、と少女―――黄昏 裂邪(サクヤ)は住宅街に降り立った
先程と場所は同じだが、そこには彼女とは別の裂邪達の姿は無い
ここは、彼女が元々いた世界だ
彼女は手を組むと、ゆっくり伸びをした
先程と場所は同じだが、そこには彼女とは別の裂邪達の姿は無い
ここは、彼女が元々いた世界だ
彼女は手を組むと、ゆっくり伸びをした
「……んー、何だか懐かしい気がするなぁ…まだ数時間しか経ってないのに」
呟き、ちらと後ろを振り向く
誰もいないが、彼女にはそこに裂邪やシェイド達の幻影が見えた
そっと胸に手を当てる
誰もいないが、彼女にはそこに裂邪やシェイド達の幻影が見えた
そっと胸に手を当てる
「家族、か……変態だけど、案外カッコよかったかも、あいつ
…『お兄ちゃん』くらい呼んでみたかったかな」
…『お兄ちゃん』くらい呼んでみたかったかな」
くすっと笑い、彼女は何となく、家路に向かって歩き出した
その時だった
その時だった
「裂邪ー!」
「……え!?」
「……え!?」
己を呼ぶ声に反応して顔を上げた
驚くのも無理は無かった
こちらに向かって駆け寄ってくる2つの影
それは紛れもなく、自分が“殺した”と思っていた2人―――彼女の両親だったのだ
驚くのも無理は無かった
こちらに向かって駆け寄ってくる2つの影
それは紛れもなく、自分が“殺した”と思っていた2人―――彼女の両親だったのだ
「裂邪ぁ!」
「良かった、無事だったんだな!」
「え……お父さん、お母さん……? 何、で……?」
「何でって、お前が助けてくれたんだろう?」
「そうよ、ブラックホールで私達だけ外に逃がしてくれたんじゃない」
「良かった、無事だったんだな!」
「え……お父さん、お母さん……? 何、で……?」
「何でって、お前が助けてくれたんだろう?」
「そうよ、ブラックホールで私達だけ外に逃がしてくれたんじゃない」
何が起こっているのか分からなかった
ただ、彼女は心の底から込み上げる想いを止める事は出来なかった
ただ、彼女は心の底から込み上げる想いを止める事は出来なかった
「ぐすっ……お父さんっ!お母さんっ!!」
嬉しさの余り、泣きじゃくりながら2人を目一杯抱きしめるサクヤ
そして彼女は心の中で、感謝の想いを天に捧げた
そして彼女は心の中で、感謝の想いを天に捧げた
――――――ありがとう、もう一人の“私”
...To be Continued