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連載 - 夢幻泡影-71

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Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
―――貴様、「水晶髑髏」を知っておるか?






―――13の「水晶髑髏」を集めた時、宇宙万物の力を手に入れる事ができるのだ






―――その力を手に入れれば、例え人間だろうとそこの神も、下手をすれば我でさえも滅ぼせるだろう








―――――――――――――「水晶髑髏」を………13個集めれば…………!!










ぱちり、目を開いて彼は飛び起きた

「ッ!! レ、裂邪!」
「ご主人様ぁ!!」

思わず勢い良く抱きつくミナワ
上体をよろめかせながらも、裂邪は彼女の身体をそっと抱きとめた

「っとと……すまねぇ皆、心配かけたな」
「全くバクよ、あの状況で一人だけ残るなんてどうかしてるバク」
「水臭いですぜ旦那ァ! 死ぬときゃ皆一緒でさあ!!」
「そっちか、俺は血を吐いた方にくるもんかと」
「どっちでもッ、良いですよぉ……お元気そうで……よかったぁ……」

しゃくり上げ、青い瞳から大粒の涙がぽろぽろと溢れ出した
至極申し訳無さそうな顔をして、裂邪は指でその涙を拭う

「本当にごめんな……でも、涙は後に取っといてくれないか?」
「…え?」
「シェイド、ミナワ、リム、ウィル
 驚くだろうし怒るかも知れないけど……話がある、黙って聞いて欲しい」

それぞれに視線を配りながら、彼はベッドの上で正座をして、一つ咳払いをする
4人を捉えるその目は真剣な、しかし深刻な色をしていた
が、シェイド達はそれ以上に得体の知れない何かを感じ取り、思わず小さく身震いした

「……用件ハ何ダ」

ようやくシェイドがそう問いかけると、
裂邪はこくん、と頷いて、大きく息を吸った

「まず…ローゼちゃんや正義が出て何分経った?」





     †     †     †     †     †     †     †





「うわー、お兄ちゃんの様子見に行ってたの忘れてたー!」

病院の廊下であるにも関わらず、騒ぎながら慌ただしく走るライサ
先程、ローゼの命を受けて晶髏を別室に誘導し、蓮華に連絡をしていたのだが、
裂邪の病室に行った本当の目的を忘れてしまっていたようで、遅まきながら彼女はひたすら走っていた
そんなに走らずとも、この階は然程広くもない為、すぐに辿り着くのだが、

「あっ、こ、ここだ……お兄ちゃん、お姉ちゃん、入りますよー」

今回だけは、もう少し早く来るべきだったのかも知れない

「………あれ…お兄、ちゃん?」

部屋は蛻の殻だった
真っ暗な部屋の中は、窓から入る月光が視界を作り出している
その光を直接浴びている綺麗に整頓されたベッドの上には、
『ごめん』とだけ書かれた紙切れが、寂しく残されていた















     †     †     †     †     †     †     †















「…「太陽の暦石」よ………お疲れで御座いますか?」

ぱちり、と麻夜―――を宿主とした「太陽の暦石」が目を覚ます
目の前には赤いダウンコートの壮年の男性―――「ククルカン」が顔を覗き込むようにして立っていた
そして彼女は、自分が今さっきまで木の幹に凭れかかって眠っていた事に気がついた

「っ……我は今眠っていたのか?」
「はい……どうかなさりましたか? これまでそのような事は一度も無かった筈でしたが」
「……くっ」

麻夜は苛立ったような素振りを見せて歩き出し、木陰から出て月の光を浴びた

「未だ完全にこの身体に馴染めていないというのか…?
 やはり何かが……何かが我を拒絶している…この少女の持つ“何か”が」
「拒絶、と申しますと……?」
「どうやら苦労しておるようだな?」

低いハスキーボイスが暗い木々の間を木霊する
ククルカンがその声に反応し、麻夜を、いや「太陽の暦石」を守るようにして構える

「おぉっと勘違いして貰っては困る。敵ではない」

そう言って闇の中から現れたのは1匹のジャガー
だがそのジャガーは、麻夜達に近付くにつれて姿を変え、肌の黒い男になる
全身に動物の骨で作られた装飾品をじゃらじゃらとつけ、獣の頭蓋骨の兜を被り、
右足が月明かりに怪しく輝く鉱物の義足、顔には黒と黄の縞模様の仮面
その姿を確認した後、ククルカンの形相が著しく変化した

「「テスカトリポカ」……!! 貴様、何をしに来た!?」

彼の目が人のもので無くなり、口から牙を剥き出し、身体中に羽毛が生え始める
「テスカトリポカ」はアステカ神話に登場する神であり、「ケツァルコアトル」の天敵
その「ケツァルコアトル」と同一視される「ククルカン」にとって、それは許し難い存在

「だから言っておるだろう? 敵ではない、と」
「黙れ! 今すぐここから立ち去れ!!」
「全く…荒々しい奴だ、昔から何も変わっていない…ならすぐに帰らせて貰うが
 ただ一つ、「マヤの水晶髑髏」を持っているのは誰だ?」

「マヤの水晶髑髏」とは、その名の通りこの世に点在する「水晶髑髏」の内の一つ
マヤの神官が持っているとされていた、が

「ふん、まさか13の「水晶髑髏」を集めて私達の邪魔をしようと言うのか?
 くくるくくくくくく、愚かな、その前にここで返り討ちに――――――」

ぴた、とククルカンの口がそこで止まり、辺りを見回した
彼の眉が一瞬、僅かに動いた

(……イシュムカネーとイシュピヤコックは何処へ………?)
「その様子だとここにはいないようだな
 仕方が無い、探しに行くか…この町で、他の契約者に盗られぬように、なぁ?」

挑発するような「テスカトリポカ」の言葉を受け、
彼の――「ククルカン」の表情が、怒りに満ち溢れた
ごごごごご、と大地が、木々が唸りを上げる

「……顕現せよ、四つの魔神共………愚かな人間を裂き、穿ち、砕き、喰らえ!!」

巨大な黒い影が、宣言通りに4つ現れた
蝙蝠、コンドルのような影は上空へと舞い上がり、
バク、獅子のような影は森林の闇を駆け抜けた

「フラカンっ!!」
「わぁーってるよぉ!! 行きゃ良いんだろ行きゃあよ!!」

近くの木の枝ががさっ、と揺れ、パンクファッションの青年――「フラカン」が降り立ったかと思えば、
とんっ、と跳んで足元に旋風を生み出し、風に乗ってその場を飛び去った

「…「太陽の暦石」、申し訳ありませんが私も…」
「構わん、行け」
「はっ………「テスカトリポカ」、次会えばその時は殺す」

ククルカンの背から純白の翼が生え、ばさりと羽ばたいて飛び上がる
森の闇の中、残ったのは少女と男のみ
ふん、と鼻を鳴らしたのは麻夜だった

「……どういうつもりだ、「テスカトリポカ」……否、貴様の真の名は―――」
「おっと、それ以上は言わないで貰おうか」

彼女の言葉を止め、「テスカトリポカ」はにやっと笑う
瞬間、彼の姿が一瞬にして、黒いローブの男に変わった

「それより「太陽の暦石」……あと2時間も休息を取れば、貴様はその身体を思うがままに操れるようになる
 そしてさらに時が立てば…日付が変わるまでには、この世に人類はいなくなる」
「…何故我にそれを教えに来た?」
「さあな。ある者の意思だ、とだけ言っておこうか? がっひゃっひゃっひゃ……」

ローブを翻し、男は歩き始める

「期待しておるぞ「太陽の暦石」。人類が滅ぶその時を」

後ろ手に手を振りながら、彼は闇に消えていった

「…分かっている…我の予言は絶対だ」

麻夜は――「太陽の暦石」は独り呟く
2011年10月28日、午後7時前――――――



   ...To be continued

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