【第三話】
「おふく……母さん、そちらの方は?」
「おふく……母さん、そちらの方は?」
「お母さんの居た国の人でサン・ジェルミ伯爵様よ、先代の陛下の遺言に従ってクラウディアちゃんの様子を見に来たんですって」
日常的に伯爵とか陛下とか妙な言葉を聞けるなんて素敵。
誰か僕の日常を返せ。
誰か僕の日常を返せ。
「セージさん、クラウディア様のお世話をしていただいているそうですね。ありがとうございます」
伯爵はそう言って頭を下げる。この人も日本語上手いなあ。
もしかして彼の国の人々は皆親日家なのだろうか?
もしかして彼の国の人々は皆親日家なのだろうか?
「いやそんな大したことはしてませんよ。普通に日本に不慣れな転校生の世話をしているだけです」
偶に防備の網をくぐってくる刺客も居るけど。
「その普通が、大切なのですよ。特別なあのお方には」
「と、言いますと?」
「あのお方は都市伝説の力の為に忌々しき“教会”に付け狙われ、半ば幽閉されるようにして暮らしてこられた
そんな彼女が陽の光を浴びて普通に、幸せに、平和に暮らしていらっしゃる
これは彼女が後に人の上に立つ者として欠かせない経験になるかと思われます
貴方はいわば彼女にとっての師なのです」
そんな彼女が陽の光を浴びて普通に、幸せに、平和に暮らしていらっしゃる
これは彼女が後に人の上に立つ者として欠かせない経験になるかと思われます
貴方はいわば彼女にとっての師なのです」
「ま、今のところは従者とか家臣扱いですけどね」
「それはクラウディア様が人との関わり方を知らぬまでのこと」
「学校では普通に転校生として振舞っていますよ?」
「それは指示された通りの役柄を演劇のようになぞっているだけのこと。彼女がありのままの人間性で他人と関わっている訳ではない筈です
人々は貴方に良き従者であれ良き守役であれ良き友人であれと言うでしょうが、私だけは貴方が彼女に彼女の王として欠けている部分を教える師であることを願っています
それこそが貴方と彼女の出会った意味であると願っています」
人々は貴方に良き従者であれ良き守役であれ良き友人であれと言うでしょうが、私だけは貴方が彼女に彼女の王として欠けている部分を教える師であることを願っています
それこそが貴方と彼女の出会った意味であると願っています」
この人は絶対に僕を過大評価している。
やめて欲しい、僕は偶然お寺に生まれて偶然母親が外国人で偶然ハーフで妙なキャラ立ちしてしまっているだけの一般人なのだ。
そりゃあ海外からホームステイしにきた少女に親切にするのはやぶさかではないがそこにそんな大きな意味を求められても困る。
やめて欲しい、僕は偶然お寺に生まれて偶然母親が外国人で偶然ハーフで妙なキャラ立ちしてしまっているだけの一般人なのだ。
そりゃあ海外からホームステイしにきた少女に親切にするのはやぶさかではないがそこにそんな大きな意味を求められても困る。
「はぁ……」
「セージ、お母さんこの人とお父さんとでお話するから少しクラウディアちゃんと寺を開けてくれる?」
「オヤジ……じゃなくて父さん帰ってきてるの?兄ちゃんは?」
「今だとお父さんの代わりに葬式行ってるんじゃないかしら」
とりあえず葱と卵と牛乳と海苔と鶏むね肉と猫缶(安い奴)とシチューの素と単二電池買ってきておいて
これお金、お釣りは好きに使いなさい」
とりあえず葱と卵と牛乳と海苔と鶏むね肉と猫缶(安い奴)とシチューの素と単二電池買ってきておいて
これお金、お釣りは好きに使いなさい」
「あ、セージくん」
「なんですか?」
「今この街ではタチの悪い都市伝説がウロウロしている。気をつけるといいでしょう」
「は、はぁ……」
「貴方男の子なんだからクラウディアちゃんを守ってあげなさいよ?」
「解ってるよ母さん」
今度こそお金をもらって家に戻る。
クラウディアが白いフリルと赤い薔薇のワッペンの付いたカーディガンと押さえ気味な赤色のスカートを来て待っていた。
彼女の美的センスは良く分からない。
とりあえず紅くなくては駄目らしい。
クラウディアが白いフリルと赤い薔薇のワッペンの付いたカーディガンと押さえ気味な赤色のスカートを来て待っていた。
彼女の美的センスは良く分からない。
とりあえず紅くなくては駄目らしい。
「遅いぞセージ!この私を待たせるとは何事だ!このツケは高くつくぞ!
そうだな、さしあたっては私にあのソフトクリームとやらをまた食べさせるのは必須だな」
そうだな、さしあたっては私にあのソフトクリームとやらをまた食べさせるのは必須だな」
「いやなんかお前の国の人に会ってな、金ピカな伯爵だったけど……」
「おお、サンジェルミか。奴も心配性だな、私は心配ないといっておるのに」
うわ、通じた。
いつも金ピカなんだあの人。
いつも金ピカなんだあの人。
「そういえばあの人が危険な都市伝説がウロウロしてるから気を付けろって……」
そこまで言いかけて僕は自分がミスをしたことに気がついた。
我が庭で狼藉を働く不逞の輩が居るとな!?それは我が手を以て誅伐するしかあるまい!と彼女は意気揚々と駆け出していった。
我が庭で狼藉を働く不逞の輩が居るとな!?それは我が手を以て誅伐するしかあるまい!と彼女は意気揚々と駆け出していった。
【第三話】