【陛下と僕と獣の数字 第六話】
「鷲山くん、今度一緒に遊びにいかないか」
「え?」
「この前のお礼も兼ねてだ!」
「ああ……」
そんな感じで事件の有った翌日、陛下はさっそく九郎に接触していた。
僕の都合は特に考えていない辺りがまた泣けるぜ。
僕の都合は特に考えていない辺りがまた泣けるぜ。
「俺だって、解ったのか」
「私の眼力の前では仮面なぞ無意味故、しかし中々洒落たデザインだったな」
「ふぅん……まあ良いぜ、契約者同士話は有るだろうしな。場所は……」
うーん、完全に僕の存在は無視ですか。
「無論、私はセージを連れてくるし貴様はあの少女を連れてくるのだぞ
場所は街の北側にある遊園地が良いな、ダブルデートという形式にしておこう
セージはあれで遊園地が好きだしな」
場所は街の北側にある遊園地が良いな、ダブルデートという形式にしておこう
セージはあれで遊園地が好きだしな」
クラウディアちゃん愛してる。
マジチュッチュ、ディアちゃんマジディアディア。
でも僕が好きなのは遊園地じゃなくて油淋鶏だ。
食べ物だ、場所じゃない。話し聞いてなかっただろお前。
マジチュッチュ、ディアちゃんマジディアディア。
でも僕が好きなのは遊園地じゃなくて油淋鶏だ。
食べ物だ、場所じゃない。話し聞いてなかっただろお前。
「あ、ああ……それなら一応了解とってから返事とさせてもらおうか」
若干困ったような表情をする九郎。
そりゃあそうだ、同級生がそんなメルヘンな趣味持っているなんて聞かされたらドンびくわ。
そりゃあそうだ、同級生がそんなメルヘンな趣味持っているなんて聞かされたらドンびくわ。
「うむ、それでは色よい返事を待っているぞ!」
そういって陛下は僕を連れて教室を出ていった。
「クラウディア、なんでわざわざ彼らに接触を?」
「うむ、あの九郎という男はまあ善人というか常識人というか、良きにつけ悪しきにつけ筋の通った気分の良い男だ
しかし奴の側に居るあの女を見定めねば少々危険に思われてな」
しかし奴の側に居るあの女を見定めねば少々危険に思われてな」
「あー、あのちっちゃい子」
「そうだ、恐らくあれが九郎を蘇生させた都市伝説だろう」
「まだ死んだとも決まった訳じゃないのに……」
「いいや、私の直感が正しければ間違いなくあれは一度死んでいる
そして私の直感は八割方当たる」
そして私の直感は八割方当たる」
「ふぅん……じゃあ良いけど」
家に続く帰り道。
商店街にはまだあちこちに昨日の事件の爪痕が刻まれていた。
警察が忙しく歩き回っている中に黒服の人達も混じっている。
おそらくは組織の人間だろう。
商店街にはまだあちこちに昨日の事件の爪痕が刻まれていた。
警察が忙しく歩き回っている中に黒服の人達も混じっている。
おそらくは組織の人間だろう。
「ひどいことになったものだな」
「一体なんだったんだろうね、あの這いよる混沌ってのは」
「詳しくは分からぬが……少なくとも邪悪な意思を以てこの街に顕現した都市伝説ではあろうな
あれは早々に打ち倒さねばならないだろう」
あれは早々に打ち倒さねばならないだろう」
「できるの?」
「余の辞書に不可能の文字はない」
「一人じゃあきついだろうに」
「一人なものか、セージよ。貴様が居るではないか」
「そう言われると照れるなあ」
「まあとにかく共通の敵を持つ九郎達が私たちにとっては何者なのかをはっきりさせておきたいのだ」
「なるほどね」
「そういうわけで、明日は遊ぶぞ。セージ」
「本来の目的は!?」
「ハハッ、自ずと知れてこよう」
しばらく話していると家の前に到着。
今日の帰り道は平和でなにより。
今日の帰り道は平和でなにより。
「ただいま帰りました母上殿」
「ただいまー」
「お帰りなさい、クラウディアちゃんにお手紙来ているわよ」
「おおなんと、国のものからでしょうか」
「ええ、伯爵様からみたい」
「ありがとうございます」
陛下は部屋に戻ってから手紙の封を開けて中身を読む。
「ふむ、奴の過保護ぶりには呆れてしまうな
幾ら父上から念入りに頼まれていたとはいえ何もそこまで」
幾ら父上から念入りに頼まれていたとはいえ何もそこまで」
「なんて書いてあるんだい?」
「うむ、最近この街に教会とは関係のない危険な都市伝説が紛れ込んでいるとのことだ
教会の奴らがまるで危険みたいな口ぶりなのだからこれが笑えてしょうがない
恐らく昨日の男もその危険な都市伝説関連だと見るべきだろうな」
教会の奴らがまるで危険みたいな口ぶりなのだからこれが笑えてしょうがない
恐らく昨日の男もその危険な都市伝説関連だと見るべきだろうな」
いや、充分危険だと思います。
「奴らの神でも引っ張り出さない限り相性で勝てないものを延々と襲ってくるのだから愚かにも程があろう」
「あははは……」
やっべええええ、リアクション困るうううう!
「で、その危険な都市伝説って?」
「神様、邪神の類だそうだ、もはや都市伝説って騒ぎじゃないと思うのだがな」
ツッコミを待っているのだろうかこの少女は
「そうだな」
だからって突っ込むと思うなよ!
あーでもクラウディアちゃんになら突っ込まれても構わないよ!
ふはははは!男のくせにずいぶんと情けない声をあげるのだな!とか言われて口では言えないあんなことやこんなことをされるのも吝かではないよ!
ちなみに本来はやぶさかじゃなくてやふさがだったらしいね!
でも今では廃れた言い方だしやっぱり吝かでいいよね!
あーでもクラウディアちゃんになら突っ込まれても構わないよ!
ふはははは!男のくせにずいぶんと情けない声をあげるのだな!とか言われて口では言えないあんなことやこんなことをされるのも吝かではないよ!
ちなみに本来はやぶさかじゃなくてやふさがだったらしいね!
でも今では廃れた言い方だしやっぱり吝かでいいよね!
「で、奴らは私に好意を抱いているのだそうだ」
「好意?」
「そうだ、まあ碌でもない奴らに人気が出てしまうのも私の美貌と知性、そしてカリスマ故
それは特別に許してやるとしよう」
それは特別に許してやるとしよう」
「でも厄介だな」
「何故だ?」
「触らぬ神に祟り無し、って知ってる?」
「ああ」
「好かれているということは向こうから接触を求めてくる可能性が有るってことだ」
「向こうから触ってくる上に祟りのある神か」
「そゆこと」
「厄介だな」
「そうなると……やはり同じ敵を相手にしている鷲山との連携は大事かもな」
「いや、それについても手紙があってな」
「え?」
「鷲山九郎はその邪神に乗っ取られている可能性があるのだそうだ」
思い出す、先日の戦いを。
あの禍々しい黒い甲冑を纏って剣を振るっていた姿。
あれが本当に鷲山九郎なのだとしたら……確かに乗っ取られているのかもしれない。
あの禍々しい黒い甲冑を纏って剣を振るっていた姿。
あれが本当に鷲山九郎なのだとしたら……確かに乗っ取られているのかもしれない。
「明日のダブルデートが少々面白くなってきたな」
「面白いなんて言っている場合じゃないんじゃないの?」
「ふん、この私にとって危地こそが揺り籠、悲鳴こそが子守唄
相手が何であろうと私自ら見定めるだけだ」
相手が何であろうと私自ら見定めるだけだ」
不敵に笑う陛下。
彼女に引っ張りまわされるのがなんだかんだで楽しみな僕が居ることに僕は気づいていた。
彼女に引っ張りまわされるのがなんだかんだで楽しみな僕が居ることに僕は気づいていた。
【陛下と僕と獣の数字 第六話 続】