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連載 - 陛下と僕と獣の数字-08

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陛下と僕と獣の数字 第八話】

 という訳でお化け屋敷。
 病院風である。
 ここは不景気の煽りを受けて倒産した病院で、怪しげな実験の犠牲者達の霊が未だに彷徨っているという設定なのだそうだ。
 まあ怖い。
 しかし……

「ハッハッハ!これがお化け屋敷か、私は始めてだから楽しみだぞ!」

「えーん、お兄ちゃん怖いよう」

 こいつらのほうが怖い気がします。
 ていうかトトさん妹キャラで通すことにしたんですか?
 キャラぶれ過ぎじゃないですか?

「はいはい……コレ終わったら次どこ行こうかな」

 おのれ九郎、トトちゃんを適当にあしらいやがって!
 妹だぞ!?血の繋がってない妹だぞ!?
 世界遺産レベルのレア物だ、そんなものエロゲかエロゲかエロゲの中にしかいない。
 それこそ可愛いメイドさんレベルの貴重品だ。
 そんなトトちゃんをわりと適当に扱ってるなんてどうなんだそれは!

「チェッ、食いつき悪いなあ」

「トトとやら、私をお姉ちゃんと呼んでもいいぞ
 妹という物は今まで持ったことがないから少し興味深い」

「え?」

 妹キャラにこっちが食いつくとは思わなかった。
 確かお兄さんはいたんだけど権力争いに巻き込まれて全員暗殺されてたとか言ってたっけ。

「……おねえちゃーん」

 うひょひょひょひょ、かわええのうwwwwwかわええのうwwww

「コレはイイ( ゚∀゚ )!
 トト、お前は私の妹になれ( ^ω^ )!」

 陛下気に入りすぎです。
 どんだけ家族愛に飢えてるんですか貴方は。
 トトさん戸惑っているじゃないですか。

「これは命令である!」

「は、はぁ……」

 陛下トトちゃん肩車し始めちゃったよ。
 くそっ、百合百合しいなあ……妄想が猛るなあ。
 女が二人並んでいればカップリング楽勝です。

「お客様四名様でお願いします」

 僕達はフリーパスを見せてお化け屋敷の中に案内された。

「どういう順番で行くの?」

「ここはやっぱ男二人が前後を固めるべきじゃないかなあ」

 鷲山が当たり前のような顔で言い放つ。
 冷静に考えろ鷲山、多分そこの女子ニ名は俺たちより強い。

「妹( ^ω^ )妹( ^ω^ )」

 陛下はもうどうでもいいかんじですね。

「…………」

 トトさんブルー入ってますね。
 猫に弄ばれる鼠レベルのブルーですね。
 都市伝説にとって彼女は恐ろしい存在らしいし当然といえば当然か。

「じゃあそれで良いんじゃないの?」

 そんな状況で反対意見など言える筈もなく、僕は一番前を任されることになってしまいましたとさ。
 賑やかに僕を盾がわりにしながら僕達はお化け屋敷の中を進む。
 会話はない。
 おどろおどろしい音楽と共に正体不明の笑い声や通路から突然伸びる腕が僕達を驚かせる。

「キャキャキャキャキャキャ!」

 けたたましい声をあげながら人体模型が倒れこんでくる。

「うわっ!」

 驚いて転びそうになりながら後ろに飛び退いた。
 ポスッ
 バランスを崩して転びそうになった僕を柔らかい何かが受け止める。

「わーお」

 トトさんの声。

「……セージ、貴様なにをやっておる」

 やや怒り気味陛下。

「え?」

 成程、どうやら陛下の胸に当たったらしい。
 コレほど柔らかくて張りのあるものはおっぱいしかあるまいよ。
 鷲山の声が聞こえない辺り奴は後ろからこのToLOVEるをニヤニヤと笑っているのだろう。
 ちなみに春菜ちゃんが最近でないのはキャラ造形が矢吹御大のカミさんがモデルだったからだそうな。

「ど、どうしたの?」

 ラッキースケベ、か。だからといってすぐに頭をどけると思ったか?
 せっかくのラッキースケベだぜ?
 俺はそんじょそこらの草食系ハーレム男子とは違う。
 庶民系一般男子としてこの一生に一度有るか無いかの機会を丁寧に堪能してやるぜ。
 後頭部で愛しの陛下の素敵なおっぱいを余す所なく堪能してやるぜ!
 あああああああ!ふわふわ!ふわふわだよお!形も良いし!
 張りもあって最高だ!伝わってくる体温とか!どことなく良い香りが漂ってくる辺りとか!
 顔を埋められなくて残念だよおおおおおおおおお!
 でもすげえええええ!興奮してくるよおおおおおお!
 忠誠心が鼻から噴き出しちゃううううう!

「この……ド変態め!」

 ややアッパー気味に後頭部に突き刺さる拳。
 ギャグマンガのように吹き飛ばされて顔から地面に激突するのだがその程度大したことはない。

「いったいなあ……、いきなり殴ることないじゃないかよぉ……」

 とまあ表面上はあくまでいやらしい気持ちなんて一切無かったアピールをしつつ起き上がる。
 振り返る。




 ――――Then there were none



 そして誰もいなくなった。
 どういうことだ?まるで出来の悪い推理小説だ。
 B級ホラーかよ。
 さっきまで俺にアッパーを食らわせていた陛下。
 それに肩車してもらってたトトさん。
 鷲山だって冷静に考えれば俺が陛下の胸に後頭部タッチした時点で既に消えていたのかも……

「……まさか、な」

 僕には戦闘能力なんて無い。
 もし今僕がバトル展開に持ち込まれたりでもしたら抵抗する暇もなく殺される。
 お化け屋敷で本当のお化けを相手にするなんて誰も思わないじゃないか。
 どうしよう助けて神様仏様皇帝陛下。

「お兄さん一人?」

 身構えながら後ろを振り返る。

「どうしたんですか?そんなびっくりして」

 おっぱい

「私はお化けじゃないですよ、もしかしてお友達と逸れたんですか?
 私もちょうどはぐれちゃった所で……」

 そこにはいっぱいおっぱいな女の子が居た。
 年頃は僕と同じかちょっと上。
 クラウディアなんか目ではなかった。
 おっぱいはパワーだ。陛下のおっぱいがギガクラスだとすると彼女のそれはテラの単位で測るべき豊乳力を持っている。
 この娘、本当に日本人なのか!?

「宜しければ一緒に行きませんか?
 女の子一人じゃあ怖いんですよね」

 いやでもお互いに知らない人同士だし……

「勿論!」

 本音と建前が逆になるのもまた人間である。

「うふふ、それじゃあ行きましょうか」

 その子の腰のポーチで魔女のキーホルダーが揺れる。
 何を思ったか彼女は僕の手を握って歩き始めた。

「ああそうそう、私の名前は美空。星野美空と言います」

「えっと、僕は金子セージと言います」

「セージさんってなんていうか整った顔立ちしてますよね
 もしかしてハーフの方?」

「ああ、そうなんですよ。母が外国の人で」

「成程成程、日本人離れしているわけですね」

 ※お互い様です。
 その時突然血糊べったりのナースさんが僕達を追いかけてくる。

「きゃあ!」

 僕はすばやく美空さんの手を引いて走りだす。
 男らしいですよ俺。
 ナイスですよ俺。
 しばらく走ると長めの廊下に出る。

「な、何か出ませんよねえ?」

 美空さん近いです、胸近いです。
 寄ってます、むちゃくちゃ寄ってます。
 陛下のを仮に天使のほっぺとするのならばだ。
 彼女のそれは深淵の接吻とでもいうべき妖しげな魅力がある。
 気を抜けばどこまでも堕していくことのできそうな性的魅力を秘めている。
 ……しっかし今日はおっぱいに縁のある日だなあもう。

「ははは、大丈夫大丈夫。どうせ偽物なんだから」

「こういうところって一つは本物が混じってそうじゃないですか?」

「まっさか、お化けなんて居る訳無いじゃないですか」

「セージさんってお化けとか信じない人なんですか?」

「ええ、お化けなんて居たならとっくに世間に知れ渡ってますよ」

 都市伝説を目の前にしているくせに良く言うよ、と思う。
 でも都市伝説と呼ばれるものはお化けとは違うとも思うのだ。
 あと美空ちゃんの前で格好付けたかったし。

「ですよねえ!」

「そうそう、だから楽しめる距離で楽しく付き合っていけば良いじゃないですか
 このお化け屋敷みたいに
 人間にとって役に立つならば、面白いならば居るように振る舞うのもまた楽しいものです」

「うふふ、セージさんって面白いですね」

「そうですかね?」

 いやー陛下達心配だなあ。
 でもまああいつら皆一般人じゃないし大丈夫だろう。
 むしろ心配なのは僕の方だ。

「ええ、大好きですよ。そういう考え方」

「そう言われるのは始めてだ」

「あっ、あれ出口ですかね?」

「ああ本当だ」

 もうおしまいか……
 まあ思えばこの子に会うまでに既に結構な距離歩いたし仕方ないか。
 惜しいなあ。

「良ければ連絡先交換しません?」

「え?」

 フラグがたった!
 フララがたった!
 クララがたった!

「携帯電話とかありますかね?」

「あ、ありますあります」 

 赤外線で携帯のアドレスを交換する。
 これはおそらく絶賛モテ期到来中ってことか。
 今まで生きてて良かった……。

「ぶじとうちゃーく」

 そう言ってお化け屋敷を出ると先に他の皆は出てきていた。
 やっぱりね、どうせ新しい刺客とかに襲われたんだろうけど上手いこと撃退したんだろ?
 あれ?皆若干疲れてらっしゃる?楽勝ムードではない?
 それになんか若干イライラして…………

「おいセージ、お前は何をやってるのだ」

「金子……そこの美人なお姉さまは誰だ」

 クラウディアちゃんも鷲山も待てよ、落ち着けよ。
 なんで二人共そんな般若のような表情なんだよ。

「にゅふふ……」

 トトさんなんであんたは“ヒャッハー人間のどす黒い感情が渦巻いてるぜえ!愉悦!愉悦!(まさに外道)”みたいな顔してるんですか
 そんな表情でにゅふふとか言われると可愛いじゃないですかもう

「あら、セージ君のお友達ですか?」

「え、あ……はい」

「あはは、お邪魔みたいですね
 セージくん、お姉さんは楽しかったですよ。縁があったらまた会いましょう
 さようなら~」

 素敵な笑顔で駆けていく美空さん。
 ああ、胸が弾む。
 ただし俺のな!(まさにトキメキ)

「流石わがクラスでも一ニを争うイケメンであらせられる金子くんだ……
 お化け屋敷ではぐれた隙に女の子ひっかけちゃうとは……」

 うわああああああああ!待って!
 鷲山が背中からスタンド出してる!
 近接パワー型のスタンド出してる!
 特に鷲山の怒りがマックスになってるよ!
 理由はシンプルだ俺!俺はあいつを怒らせた!

「連絡、待ってますからね」

 耳元で小さく囁いて美空さんは素早くその場を離脱する。
 後に残された俺は笑顔の素敵な三人への言い訳を考えなくてはならないようだった。

【陛下と僕と獣の数字 第八話 続】



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