「お前の、所為で…大切な約束を守れなかったじゃねぇか!!」
闇から現れた少年――黄昏 裂邪のその声、立ち振る舞いからは、怒りが滲み出ているのが目に見えて分かった
「ぐぅっ……し、死に損いが……また来たか………?」
「生憎、昔から執念深さには定評があってなぁ!」
「生憎、昔から執念深さには定評があってなぁ!」
腰に巻かれたR-No.製のベルト型都市伝説召喚機『ウルベルト』を外して手に取り、
彼は最後の力を振り絞って麻夜に―――「太陽の暦石」に向かってダッシュし始めた
彼は最後の力を振り絞って麻夜に―――「太陽の暦石」に向かってダッシュし始めた
「馬鹿が……祟り神の妨害を受けようとも、貴様を殺すくらい訳は無い…!!」
迎え撃つかのように、右腕に鋭い風を纏わせる「太陽の暦石」
しかし、一瞬の赤い輝きと共に、右腕が弾かれ風が四散した
驚いた様子で振り返った様を見て、“彼女”は笑みを見せた
しかし、一瞬の赤い輝きと共に、右腕が弾かれ風が四散した
驚いた様子で振り返った様を見て、“彼女”は笑みを見せた
「ッ!? 小娘…何時の間に!?」
「おほほほ…人間を舐め過ぎですわ!」
「ナイス、ローゼちゃん!!」
「おほほほ…人間を舐め過ぎですわ!」
「ナイス、ローゼちゃん!!」
地面を蹴り、跳び上がって、裂邪はベルトのバックルをぶつけんとする
咄嗟に、動ける範囲で「太陽の暦石」は腕で防御の姿勢をとった
鈍い音が響く
ぱらぱらとビス等の部品が落ちてゆく
咄嗟に、動ける範囲で「太陽の暦石」は腕で防御の姿勢をとった
鈍い音が響く
ぱらぱらとビス等の部品が落ちてゆく
「…………」
「やっひゃひゃひゃひゃ……何をするかと、思えb――――――があ゙っ!?」
「やっひゃひゃひゃひゃ……何をするかと、思えb――――――があ゙っ!?」
にやっ、と彼は笑う
「太陽の暦石」は先程にも増して苦しみ始めた
それだけではなく、鎧として装着されていた石板が、次第にぼろぼろと剥がれ始めた
「太陽の暦石」は先程にも増して苦しみ始めた
それだけではなく、鎧として装着されていた石板が、次第にぼろぼろと剥がれ始めた
「コ……こ レ は………!?!?」
「ウヒヒヒヒ…『ウルベルト』にはな……情報化された「刃物は縁を切る」が封じ込められたんだ…
一か八かだったが………成功だった、みたいだな」
「ウヒヒヒヒ…『ウルベルト』にはな……情報化された「刃物は縁を切る」が封じ込められたんだ…
一か八かだったが………成功だった、みたいだな」
裂邪がその場に腰を落とした瞬間、ぷつん!という音がはっきりと聞こえたかと思えば、
ごろん、と大きな円形の石板が転がって倒れ、少女――神崎 麻夜は、倒れそうになる身体を兄である漢に支えられた
ごろん、と大きな円形の石板が転がって倒れ、少女――神崎 麻夜は、倒れそうになる身体を兄である漢に支えられた
【馬鹿な………馬鹿な!?】
「これでお終いですわね……「太陽の暦石」!」
【ふざけるな……まだ…まだ今日(エックスデー)は終わらん!!
今度はその娘を―――――――】
「シェイドぉ!!!」
「これでお終いですわね……「太陽の暦石」!」
【ふざけるな……まだ…まだ今日(エックスデー)は終わらん!!
今度はその娘を―――――――】
「シェイドぉ!!!」
石板が黒い無数の腕によって、ぽーん!と上空に跳ね上げられた
周りに生い茂る木よりも高く
周りに生い茂る木よりも高く
【なっ…このっ、邪魔をするな!】
「やれぇぇぇぇぇぇぇ!! 正義ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
「やれぇぇぇぇぇぇぇ!! 正義ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
キラリと夜空の向こうに流星の如き輝きが一つ
それは徐々に、徐々にこちらに近付き、やがては小さな隕石のように見える程になった
だがそれは石ではなく、人間だった
それは徐々に、徐々にこちらに近付き、やがては小さな隕石のように見える程になった
だがそれは石ではなく、人間だった
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
正義が、足を突き出して遥か上空から「太陽の暦石」目掛けて飛び蹴りを行っていたのだ
「太陽の暦石」は、契約者がいなければロクに動く事も出来ない
「太陽の暦石」は、契約者がいなければロクに動く事も出来ない
【……う、嘘だ………こんな事があって……】
何十年も前に先人によって遺された「マヤの予言」
それが、今
それが、今
【我が予言は……絶対に狂わないイイイイイイイイイイイ!!】
「未来は…お前のものじゃない!!」
「未来は…お前のものじゃない!!」
この学校町に住む、多くの人々(キボウ)の力によって
金色に輝く満月の下に、儚く、しかし激しく
金色に輝く満月の下に、儚く、しかし激しく
「『トワイライト・ジャスティス』!!」
木っ端微塵に打ち砕かれた
† † † † † † †
「っつぅ………!」
「あ、動かないで下さい、目に入っちゃうかも知れませんので」
「あ、動かないで下さい、目に入っちゃうかも知れませんので」
『マヤの予言』の根源たる「太陽の暦石」を打ち砕いて数分後
既に時計の短針が12の文字を通り過ぎている事からも、この世界が無事だという事実を教えてくれる
裂邪はベッドの上で、ミナワに怪我をした右目の応急処置をして貰っていた
とは言え、消毒液を塗っているだけなのだが
既に時計の短針が12の文字を通り過ぎている事からも、この世界が無事だという事実を教えてくれる
裂邪はベッドの上で、ミナワに怪我をした右目の応急処置をして貰っていた
とは言え、消毒液を塗っているだけなのだが
「……本当ニ良カッタノカ?」
「何が?」
「先ニ帰ッテキタ事ダ……昨日ガソモソモ何ノ日ダッタカ、オ前モ忘レタ訳デハナイダロウ?」
「…俺に麻夜を祝ってやる資格なんか無い。ローゼちゃんに漢、正義にも合わせる顔は無い」
「拗ねてんだな」
「まだまだ子供でござんすねぇ」
「黙ってろ…痛っ」
「はい、お終い。………でも、本当に宜しいんですか?」
「お前もか。何度も言うが――――――」
「いえ、そっちじゃなくて……その傷」
「…あぁ、」
「何が?」
「先ニ帰ッテキタ事ダ……昨日ガソモソモ何ノ日ダッタカ、オ前モ忘レタ訳デハナイダロウ?」
「…俺に麻夜を祝ってやる資格なんか無い。ローゼちゃんに漢、正義にも合わせる顔は無い」
「拗ねてんだな」
「まだまだ子供でござんすねぇ」
「黙ってろ…痛っ」
「はい、お終い。………でも、本当に宜しいんですか?」
「お前もか。何度も言うが――――――」
「いえ、そっちじゃなくて……その傷」
「…あぁ、」
そっと、処置の終わった右目の傷に触れる
正義との戦いで出来た、大きな傷
幾ら裂邪の前髪が長いとはいえ、それでも隠れない程に大きかった
正義との戦いで出来た、大きな傷
幾ら裂邪の前髪が長いとはいえ、それでも隠れない程に大きかった
「まだ「蝦蟇の油」は残ってますよ? そのまま放っておいたら、残っちゃいますし…」
「いや…残って良いんだ。これは証なんだよ
俺が“正義”に負けた……馬鹿な真似をした証だ
それと……今日みたいな悲劇を、二度と繰り返さないように、忘れないように」
「いや…残って良いんだ。これは証なんだよ
俺が“正義”に負けた……馬鹿な真似をした証だ
それと……今日みたいな悲劇を、二度と繰り返さないように、忘れないように」
裂邪が哀しげに語っていると、一同は呆れつつ、笑いながら溜息を漏らした
「……何だよ?」
「いや? なんか、やっぱいつもの主だな、って」
「うふふ、でもご主人様の気持ち、何となく分かります」
『…さてと、少し聞きたいのだが』
「「「「「あ、いたのか」」」」」
『失礼だね; 僕は除者かい……まぁそれでも構わないが』
「悪い悪い、で?」
『僕はどうすれば良いのかな? ずっとこのままでいるしか無いようだけど』
「いや? なんか、やっぱいつもの主だな、って」
「うふふ、でもご主人様の気持ち、何となく分かります」
『…さてと、少し聞きたいのだが』
「「「「「あ、いたのか」」」」」
『失礼だね; 僕は除者かい……まぁそれでも構わないが』
「悪い悪い、で?」
『僕はどうすれば良いのかな? ずっとこのままでいるしか無いようだけど』
本来ならベルトのバックルに通してパスに戻すところなのだが、
先の戦闘で、裂邪が『ウルベルト』を破壊してしまったが為に、それが出来ないのだ
「レイヴァテイン」も同じで、そちらは前のように金の枝のネックレスになり、
裂邪の机の上に置かれていた
先の戦闘で、裂邪が『ウルベルト』を破壊してしまったが為に、それが出来ないのだ
「レイヴァテイン」も同じで、そちらは前のように金の枝のネックレスになり、
裂邪の机の上に置かれていた
「そうだな……ベッドの下にでも隠れていてくれ」
『僕はがらくたか何かかね?』
「ふぁ~ぁ…そう言うな、明日には得策を考える。今はちと休もうか…」
「そういやぁ、あの大きな蛇のロボットは何だったんでい?」
「あ、そういえばまだ話してませんでしたね;」
「それだけ話して寝るか。あれは確か平行世界の俺と戦った次の日に―――――」
『僕はがらくたか何かかね?』
「ふぁ~ぁ…そう言うな、明日には得策を考える。今はちと休もうか…」
「そういやぁ、あの大きな蛇のロボットは何だったんでい?」
「あ、そういえばまだ話してませんでしたね;」
「それだけ話して寝るか。あれは確か平行世界の俺と戦った次の日に―――――」
その時、唐突に家の電話が鳴り響いた
こんな夜中に……?――――恐らく“関係者”からだと踏んだ裂邪は、
ミナワ達に断りを入れて部屋を出、廊下に置かれた子機を取った
こんな夜中に……?――――恐らく“関係者”からだと踏んだ裂邪は、
ミナワ達に断りを入れて部屋を出、廊下に置かれた子機を取った
「もしもし」
《裂邪さん? もう、お身体は宜しいの?》
「……ローゼちゃんか……さっきは本当に―――」
《もう終わった事ですの、ワタクシは気にしておりませんわ
それより……お身体が万全になった時で宜しいので、少しお話がしたいのだけれど》
「話?……今からでも良いが」
《え、ほ、ホントに大丈夫ですの?》
「話を聞く位なら大丈夫だ。場所は?」
《…東区の、壊れた自動販売機のある場所で》
「了解。すぐ行く」
《では、後程お会いしましょう》
《裂邪さん? もう、お身体は宜しいの?》
「……ローゼちゃんか……さっきは本当に―――」
《もう終わった事ですの、ワタクシは気にしておりませんわ
それより……お身体が万全になった時で宜しいので、少しお話がしたいのだけれど》
「話?……今からでも良いが」
《え、ほ、ホントに大丈夫ですの?》
「話を聞く位なら大丈夫だ。場所は?」
《…東区の、壊れた自動販売機のある場所で》
「了解。すぐ行く」
《では、後程お会いしましょう》
おう、と返事をして受話器を置き、彼は自室に戻った
部屋ではミナワが深刻そうな顔で彼を待っていた
部屋ではミナワが深刻そうな顔で彼を待っていた
「そ、それで…」
「気にするな、ローゼちゃんからだ。話があるんだと
今から行ってくる。シェイド、頼む」
「おい、マジで休まなくていいのか?」
「大丈夫だ、今日は土曜だし、用事が済んだらすぐに帰って寝る」
「…止めはしません、けど…万一の事があったら、すぐに逃げて下さいね?」
「あぁ、分かった。愛してるよ」
「気にするな、ローゼちゃんからだ。話があるんだと
今から行ってくる。シェイド、頼む」
「おい、マジで休まなくていいのか?」
「大丈夫だ、今日は土曜だし、用事が済んだらすぐに帰って寝る」
「…止めはしません、けど…万一の事があったら、すぐに逃げて下さいね?」
「あぁ、分かった。愛してるよ」
ミナワと口付けを交わした後、ゆらりと影が揺らめいたのを確認し、
裂邪は影の中へと足を踏み入れ――――――
裂邪は影の中へと足を踏み入れ――――――
「……待てよ? 何で携帯に連絡してこなかったんだ?」
徐にズボンのポケットに入っていたスマートフォンを手に取った
真っ暗な画面。ボタンを押しても反応が無い
この後、彼が出かけるまでに暫し時間がかかったのだった
真っ暗な画面。ボタンを押しても反応が無い
この後、彼が出かけるまでに暫し時間がかかったのだった
...To be Continued