「ようこそ、歓迎するよ…黄昏裂邪くん?」
かつ、かつ、と右腕に重々しい機械を装備した白衣の青年が歩み寄る
ある程度距離を置いて止まると、彼はまた口を開いた
ある程度距離を置いて止まると、彼はまた口を開いた
「僕の作った兵器達はどうだったかな?…まぁ、君に壊された以上“失敗作”としか言い様が無いけどね
それでもβNumberless-Cyborg-Mutant+Panjandrum-PlasmaCannon-Land-1960はなかなかの傑作だと言えるかな
異世界の君には本当に感謝するよ、お陰で兵器の開発が捗った」
「誰だ?」
「…フフフ、せっかちだね君も……では自己紹介と行こうかな」
それでもβNumberless-Cyborg-Mutant+Panjandrum-PlasmaCannon-Land-1960はなかなかの傑作だと言えるかな
異世界の君には本当に感謝するよ、お陰で兵器の開発が捗った」
「誰だ?」
「…フフフ、せっかちだね君も……では自己紹介と行こうかな」
青年は左腕を胸に当て、丁寧に軽く御辞儀をしてから話を再開した
「初めまして、僕はβ-No.0
君が先日配属になったR-No.と同じ「組織」の一員さ」
「ッ……「組織」のNo.0ぉ!?」
「もう一つ聞こうか。何故俺のことを知ってるんだ?」
「その筋に詳しい者がいてね……他にも知ってるよ?
「シャドーマン」のシェイド、「童謡シャボン玉」「くるくる回るシャボン玉」に飲まれた元契約者ミナワ
「獏」の理夢、「鬼火」のウィル、そして……」
君が先日配属になったR-No.と同じ「組織」の一員さ」
「ッ……「組織」のNo.0ぉ!?」
「もう一つ聞こうか。何故俺のことを知ってるんだ?」
「その筋に詳しい者がいてね……他にも知ってるよ?
「シャドーマン」のシェイド、「童謡シャボン玉」「くるくる回るシャボン玉」に飲まれた元契約者ミナワ
「獏」の理夢、「鬼火」のウィル、そして……」
くすっ、と彼は小さく笑って
再び、彼等を見据えて言葉を放った
再び、彼等を見据えて言葉を放った
「…久しぶりだね、ディシリオン・ダークナイト」
聞き慣れない名前
だがその名に唯一反応したのは、ナユタだった
だがその名に唯一反応したのは、ナユタだった
『なっ……何故その名を知っている?』
「まさか生きていたとね…“彼女”のことは、残念だったよ」
「まさか生きていたとね…“彼女”のことは、残念だったよ」
邪悪と形容しても差し支えない笑みを見せるβ-No.0に向かって、
ナユタは裂邪の手を離れて真っ直ぐに飛んでいった
ナユタは裂邪の手を離れて真っ直ぐに飛んでいった
「お、おい!待てナユタ!」
『はあああああああああああああああああああああああぁ!!!』
『はあああああああああああああああああああああああぁ!!!』
がきぃん!!と甲高い音が響く
ナユタの「ティルヴィング」と、β-No.0の右腕の機械から伸びるレーザーブレードが、火花を散らしてぶつかった
ナユタの「ティルヴィング」と、β-No.0の右腕の機械から伸びるレーザーブレードが、火花を散らしてぶつかった
「おやおや、暴力的なのは昔と変わらないね」
『答えろ! アルを……アルケミィ・エインシェントをどうしたぁ!?』
「僕に聞かれても困るな、あれは僕の管轄外で…ね!」
『答えろ! アルを……アルケミィ・エインシェントをどうしたぁ!?』
「僕に聞かれても困るな、あれは僕の管轄外で…ね!」
かぁん!と弾かれ、「ティルヴィング」は床に投げ飛ばされた
からん、からから、と剣がスピンし、暫くして止まった
β-No.0はレーザーブレードの切っ先を飛んでいったナユタに向けたかと思えば、
光の剣は消え、代わりに発射口から雷光が瞬く
からん、からから、と剣がスピンし、暫くして止まった
β-No.0はレーザーブレードの切っ先を飛んでいったナユタに向けたかと思えば、
光の剣は消え、代わりに発射口から雷光が瞬く
『くぅっ!?』
「よく無事で生きていたものだ……死んでくれても構わなかったのに」
「させるか!」
「よく無事で生きていたものだ……死んでくれても構わなかったのに」
「させるか!」
雷光を纏った鉄の弾が、ナユタ目掛けて射出された
が、間一髪のところで巨大なシャボン玉によって防がれる
さらに裂邪が黒い鎌と黄金の鎌を持ってβ-No.0に攻撃を仕掛ける
β-No.0は光の剣を振るい、黒と金の刃を弾きながら、白衣を翻してひらりと後方へ飛んだ
が、間一髪のところで巨大なシャボン玉によって防がれる
さらに裂邪が黒い鎌と黄金の鎌を持ってβ-No.0に攻撃を仕掛ける
β-No.0は光の剣を振るい、黒と金の刃を弾きながら、白衣を翻してひらりと後方へ飛んだ
「ナユタ、無事か!?」
「こっちは大丈夫です!」
『……すまない』
「ほう、君が謝るなんて珍しい事もあるんだね
契約者が出来て心に変化でも訪れたのかい、ディシリオン・ダークナイト?」
「黙れ! お前、ナユタの何を知ってる!?」
「そうだね、君達には話しておこうかな」
「こっちは大丈夫です!」
『……すまない』
「ほう、君が謝るなんて珍しい事もあるんだね
契約者が出来て心に変化でも訪れたのかい、ディシリオン・ダークナイト?」
「黙れ! お前、ナユタの何を知ってる!?」
「そうだね、君達には話しておこうかな」
薄ら笑みを浮かべ、彼は光の剣を消して両腕を背に回した
――――笑ってるのに感情が全然感じられないな…
裂邪は背筋に嫌なものを感じた
――――笑ってるのに感情が全然感じられないな…
裂邪は背筋に嫌なものを感じた
「今から40年程前の話だ……当然君達は生まれてもいないが、これは「組織」が出来る前の話でもある」
「「組織」結成より前…?」
「ある人物を中心に、僕達は都市伝説と人間の繋がりについて研究をしていた
“XADOMEN(ジャドーメン)計画”……これは被験者のコードネームから取ったものだ」
『…身寄りのなかった僕達に善人を装って歩み寄り…そして私利私欲の為に僕達を弄んだ…!』
「人聞きが悪い…親も家もなかった君達に帰る場所を与えてやったのは僕達だよ?
尤も、僕は君や“彼女”のお陰で、この研究から退いたけどね」
「「組織」結成より前…?」
「ある人物を中心に、僕達は都市伝説と人間の繋がりについて研究をしていた
“XADOMEN(ジャドーメン)計画”……これは被験者のコードネームから取ったものだ」
『…身寄りのなかった僕達に善人を装って歩み寄り…そして私利私欲の為に僕達を弄んだ…!』
「人聞きが悪い…親も家もなかった君達に帰る場所を与えてやったのは僕達だよ?
尤も、僕は君や“彼女”のお陰で、この研究から退いたけどね」
はふ、と溜息を吐いたβ-No.0
その目からは蔑みの念が読みとれた
その目からは蔑みの念が読みとれた
「“XADOMEN計画”は順調に進んだ……筈だった
しかしアルケミィ・エインシェント、ディシリオン・ダークナイトの両名が失踪し、研究に支障が出た
失望したよ……人間達の脆さに、ね」
「ふざけんな!」
しかしアルケミィ・エインシェント、ディシリオン・ダークナイトの両名が失踪し、研究に支障が出た
失望したよ……人間達の脆さに、ね」
「ふざけんな!」
2本の刃が床に突き刺さった
軽やかに躱し、宙に飛んだβ-No.0を、理夢の爪が襲い掛かった
が、光の剣によって爪を防ぎ、体勢を整えて着地する
追撃してきた火の鳥の突撃もひらりと避けたが、白衣が黒く染まった
燃え始めた白衣を、β-No.0は、ばさ、と投げ捨てた
軽やかに躱し、宙に飛んだβ-No.0を、理夢の爪が襲い掛かった
が、光の剣によって爪を防ぎ、体勢を整えて着地する
追撃してきた火の鳥の突撃もひらりと避けたが、白衣が黒く染まった
燃え始めた白衣を、β-No.0は、ばさ、と投げ捨てた
「人間が脆いだと? こいつを、ナユタを見てまだそんな戯言が言えんのか!?
こいつが飲まれた理由をお前は知ってんのか!?
お前みたいな馬鹿の所為で、こいつがどんだけこの世に絶望したか知ってんのか!?」
『ッ…マスター……』
「知らないよ、知る必要も無いしね
僕が興味を持ったのは、そんな人間の感情なんかじゃない
もっと便利なものだよ」
こいつが飲まれた理由をお前は知ってんのか!?
お前みたいな馬鹿の所為で、こいつがどんだけこの世に絶望したか知ってんのか!?」
『ッ…マスター……』
「知らないよ、知る必要も無いしね
僕が興味を持ったのは、そんな人間の感情なんかじゃない
もっと便利なものだよ」
パチン、と指が鳴らされると、
彼の背後の床が開いたかと思えば、エレベーターのように何かが上昇してきた
彼の背後の床が開いたかと思えば、エレベーターのように何かが上昇してきた
「友、仲間、家族………人間なんて、“生きている”から失われてしまうんだよ
だけど、そもそも命の概念の無い機械なら、失われるものは何もない
例え壊れてもまた作り直せば良い………機械は永遠の兵器だよ」
だけど、そもそも命の概念の無い機械なら、失われるものは何もない
例え壊れてもまた作り直せば良い………機械は永遠の兵器だよ」
現れたのは、蛇型の巨大ロボットだった
曇った鏡のような装甲を持ち、77個のキャタピラ付きユニットが連なっている
頭部のように擡げた先頭車両には、4基のドリルと2つのランチャーパックが装備されていた
忘れもしないその姿は、裂邪が探していた“友達”のものと同一のもの
曇った鏡のような装甲を持ち、77個のキャタピラ付きユニットが連なっている
頭部のように擡げた先頭車両には、4基のドリルと2つのランチャーパックが装備されていた
忘れもしないその姿は、裂邪が探していた“友達”のものと同一のもの
「……ビ、オ………」
「行け、β10-MidgardSchlange-ArtificialIntelligence+MicroSystem-MachineGun+BearingBallet-Land&Sea-1935228
脆く儚い人間達を始末しろ」
「行け、β10-MidgardSchlange-ArtificialIntelligence+MicroSystem-MachineGun+BearingBallet-Land&Sea-1935228
脆く儚い人間達を始末しろ」
...To be Continued