「ビオ……やっぱり、ビオなんだな……?」
見下げるように聳える蛇型ロボットに、
裂邪は小さな声で、呟くように問いかけた
裂邪は小さな声で、呟くように問いかけた
「人間は面白いものを創ってくれたものだ…
夢などという下らないものを持ちながら、絵空事を紙に書いて夢のまま終わらせる
そうして都市伝説となってしまった兵器達がこの世に幾つも存在する
僕はそんな兵器達を手駒として製造した
でもそれだけじゃ面白くない
他の都市伝説を合成させ、より強力な都市伝説に“改造”してあげたのさ
使えなければ廃棄処分し、また製造すれば良い
その工程を何度も繰り返し、より強力な機械軍団を作り上げた
中でもこのβ10-MidgardSchlange-ArtificialIntelligence+MicroSystem-MachineGun+BearingBallet-Land&Sea-1935228は、
僕の最高傑作だと言っても過言じゃない
直接命令した事を忠実にこなすだけの他の兵器とは違い、
「人工知能」によって細かい状況も可能になった奇襲用兵器さ
結果として何千もの人間、何百もの町を破壊した……血塗られた大蛇だよ」
「黙れ! それはお前が強引に押しつけた結果だろうが!
こいつは……ビオは、好きで人を殺した訳じゃない!」
「ビオ? そんな下らない名前までつけて…つくづく人間は愚かな生き物だね」
「……ッ!!」
夢などという下らないものを持ちながら、絵空事を紙に書いて夢のまま終わらせる
そうして都市伝説となってしまった兵器達がこの世に幾つも存在する
僕はそんな兵器達を手駒として製造した
でもそれだけじゃ面白くない
他の都市伝説を合成させ、より強力な都市伝説に“改造”してあげたのさ
使えなければ廃棄処分し、また製造すれば良い
その工程を何度も繰り返し、より強力な機械軍団を作り上げた
中でもこのβ10-MidgardSchlange-ArtificialIntelligence+MicroSystem-MachineGun+BearingBallet-Land&Sea-1935228は、
僕の最高傑作だと言っても過言じゃない
直接命令した事を忠実にこなすだけの他の兵器とは違い、
「人工知能」によって細かい状況も可能になった奇襲用兵器さ
結果として何千もの人間、何百もの町を破壊した……血塗られた大蛇だよ」
「黙れ! それはお前が強引に押しつけた結果だろうが!
こいつは……ビオは、好きで人を殺した訳じゃない!」
「ビオ? そんな下らない名前までつけて…つくづく人間は愚かな生き物だね」
「……ッ!!」
2本の大鎌を構え、β-No.0との距離を詰めた
が、彼の前にビオが立ち塞がった
が、彼の前にビオが立ち塞がった
「っ!?」
「β10-MidgardSchlange-ArtificialIntelligence+MicroSystem-MachineGun+BearingBallet-Land&Sea-1935228、
殺し方は君の好きにするが良い
でも、凄惨且つ芸術的な殺しの方が僕は好みだ」
「β10-MidgardSchlange-ArtificialIntelligence+MicroSystem-MachineGun+BearingBallet-Land&Sea-1935228、
殺し方は君の好きにするが良い
でも、凄惨且つ芸術的な殺しの方が僕は好みだ」
にやり、と彼は笑った
連続した重厚な音が響いたと思えば、ビオの機体にある機関銃の砲口が、全て裂邪の方に向けられている
連続した重厚な音が響いたと思えば、ビオの機体にある機関銃の砲口が、全て裂邪の方に向けられている
「ビオ! 俺だ、黄昏裂邪だ! 覚えてるか!?」
「主!そっから逃げろ!!」
「お前が忘れてる訳ないよな!? 山で俺と会った事…ちゃんと覚えてくれてたもんな!?
名前まで一言一句覚えててくれてたもんな!?」
「ご主人様――――――」
「主!そっから逃げろ!!」
「お前が忘れてる訳ないよな!? 山で俺と会った事…ちゃんと覚えてくれてたもんな!?
名前まで一言一句覚えててくれてたもんな!?」
「ご主人様――――――」
駆け寄ろうとしたミナワだったが、シェイドに肩を掴まれた
シェイドは何も言わず、ただゆっくりと頷いただけだったが、
彼女はそれを理解し、心配そうに裂邪を見守った
シェイドは何も言わず、ただゆっくりと頷いただけだったが、
彼女はそれを理解し、心配そうに裂邪を見守った
「……お前が洞窟の中まで助けに来てくれた時さ……俺、凄く嬉しかったんだ
正直、これからもお前と一緒にいたいって、本気で思ったんだ
あの時は、言えなかったけどさ……助けてくれて、有難うな」
「ハハハハハハ、もはや救いようが無いね
遺言はそれだけかな? ならいい加減に――――――――む?」
正直、これからもお前と一緒にいたいって、本気で思ったんだ
あの時は、言えなかったけどさ……助けてくれて、有難うな」
「ハハハハハハ、もはや救いようが無いね
遺言はそれだけかな? ならいい加減に――――――――む?」
その異変に、ようやくβ-No.0は気付いた
ビオは目標を定めはしたが、その後からは一切動いていないのだ
ビオは目標を定めはしたが、その後からは一切動いていないのだ
「どうしたβ10-MidgardSchlange-ArtificialIntelligence+MicroSystem-MachineGun+BearingBallet-Land&Sea-1935228?
たった数体の契約者や都市伝説程度、君だけで十分だろう?」
《……緊…急………事,態…………発……生…………熱源,反応……感,……知………》
たった数体の契約者や都市伝説程度、君だけで十分だろう?」
《……緊…急………事,態…………発……生…………熱源,反応……感,……知………》
冷たい女性のような声が響く
直後、その蛇を模した機体が微弱に動いたが、やはり攻撃には移らない
その様は、裂邪には苦しんでいるように見えた
直後、その蛇を模した機体が微弱に動いたが、やはり攻撃には移らない
その様は、裂邪には苦しんでいるように見えた
「ビオ…!」
《……方角不明…距離0………熱源…………自,分??………理解,不能……???》
「な……ッヒヒヒヒ……そうだ、お前はやっぱりただの機械じゃなかったんだ
お前はちゃんと“生きてる”んだよ! 命を持って、心を持ってな!」
《命??………心???………》
「お前の身体ン中が熱いのは、お前の心に何かが燃え始めたからだ!
殺意でも怒りでも無く! お前の優しい心が産声上げて目覚め始めたんだよ!
お前は誰かの言いなりで動く殺戮マシーンじゃない!
ただ、自分が何をすべきか分からなかっただけなんだ! まだ赤ん坊だったんだ!
俺が教えてやる! その命が、心が、魂が……何の為に生まれて、何の為に使われるべきなのか!!」
《……方角不明…距離0………熱源…………自,分??………理解,不能……???》
「な……ッヒヒヒヒ……そうだ、お前はやっぱりただの機械じゃなかったんだ
お前はちゃんと“生きてる”んだよ! 命を持って、心を持ってな!」
《命??………心???………》
「お前の身体ン中が熱いのは、お前の心に何かが燃え始めたからだ!
殺意でも怒りでも無く! お前の優しい心が産声上げて目覚め始めたんだよ!
お前は誰かの言いなりで動く殺戮マシーンじゃない!
ただ、自分が何をすべきか分からなかっただけなんだ! まだ赤ん坊だったんだ!
俺が教えてやる! その命が、心が、魂が……何の為に生まれて、何の為に使われるべきなのか!!」
裂邪は「レイヴァテイン」の刃を床に突き立て、
その左手を、ビオに向けて真っ直ぐに伸ばした
まるで、握手を求めるかのように
その左手を、ビオに向けて真っ直ぐに伸ばした
まるで、握手を求めるかのように
「俺と一緒に来い! ビオ!!」
「そんな戯言に耳を貸す必要はないよ。殺せ」
「そんな戯言に耳を貸す必要はないよ。殺せ」
沈黙
機械の駆動音と心臓の鼓動だけが響く空間
何分経っただろうか、遂に静寂が断たれる事となる
機械の駆動音と心臓の鼓動だけが響く空間
何分経っただろうか、遂に静寂が断たれる事となる
「……そういうことか」
β-No.0は静かに呟くと、すっ、と左腕を上げた
「どうやら“バグ”があったようだね」
その瞬間、ビオの機体全体から、光る流体が溢れだし、
β-No.0の左掌の吸い込まれていった
同時に、彼へと向けられる筈だった機関銃の砲台が全て停止し、
擡げた先頭車両ががくん、と力を無くしたように落ち、床が罅割れ部屋が揺れた
β-No.0の左掌の吸い込まれていった
同時に、彼へと向けられる筈だった機関銃の砲台が全て停止し、
擡げた先頭車両ががくん、と力を無くしたように落ち、床が罅割れ部屋が揺れた
「ッ!? ビオ! おい、ビオ!!」
《…………Re,tsu,ya,…………………A………R………G………T………―――――――――――――――》
《…………Re,tsu,ya,…………………A………R………G………T………―――――――――――――――》
声が止まる
裂邪が駆け寄り何度も何度も呼びかけたが、返事は無い
裂邪が駆け寄り何度も何度も呼びかけたが、返事は無い
「言ってなかったね、僕は「生命エネルギー」を操れるんだ
僕が作り出した兵器達はこの「生命エネルギー」を動力源としている
つまり今のように“バグ”が生じた場合、これを取り除けば後はただのガラクタになる訳さ
そう、丁度こんな風にね」
「……ガラクタだと?」
「創造主の思い通りにならないものは壊すのが当然だ、そうだろう?
何らかの“バグ”が生じたなら尚更、ね」
「バグじゃない! 機械が、都市伝説が心を持って何が悪い!?」
「素晴らしい御花畑脳味噌だね。物が心を持つ訳が無いじゃないか」
「さっきのビオの言葉、聞いてなかったのか!!
俺には確かに聞こえた……『ありがとう』って言ってたのがはっきりとなぁ!!」
「ハァ………往生際が悪いね、君も
仮に心があったとしても、そのガラクタにはもうどうすることも出来ないじゃないか
そもそも兵器や機械なんてものは、生み出されては壊されるという決まり切った運命にあるんだよ」
「この世に最初から決められたもんがあって堪るか!
もしもビオの運命が必然だったっつぅんなら……変えてやるよ! 俺が、その運命を!!」
僕が作り出した兵器達はこの「生命エネルギー」を動力源としている
つまり今のように“バグ”が生じた場合、これを取り除けば後はただのガラクタになる訳さ
そう、丁度こんな風にね」
「……ガラクタだと?」
「創造主の思い通りにならないものは壊すのが当然だ、そうだろう?
何らかの“バグ”が生じたなら尚更、ね」
「バグじゃない! 機械が、都市伝説が心を持って何が悪い!?」
「素晴らしい御花畑脳味噌だね。物が心を持つ訳が無いじゃないか」
「さっきのビオの言葉、聞いてなかったのか!!
俺には確かに聞こえた……『ありがとう』って言ってたのがはっきりとなぁ!!」
「ハァ………往生際が悪いね、君も
仮に心があったとしても、そのガラクタにはもうどうすることも出来ないじゃないか
そもそも兵器や機械なんてものは、生み出されては壊されるという決まり切った運命にあるんだよ」
「この世に最初から決められたもんがあって堪るか!
もしもビオの運命が必然だったっつぅんなら……変えてやるよ! 俺が、その運命を!!」
裂邪はおもむろに、ベルトのホルダーから何かを取り出し、ビオに翳した
灰色の、四角いパスのようなもの
ナユタの事件の時に蓮華から予備として貰った、最後のパスだった
灰色の、四角いパスのようなもの
ナユタの事件の時に蓮華から予備として貰った、最後のパスだった
「………シェイド、ごめんな。これで最後にするから」
「ドウセヤルト思ッテイタ。トイウカ、ココデ止メレバ私ガ悪者ニナル」
「サンキュー、シェイド」
「何の儀式を始める気かな?」
「お決まりの奴さ」
「ドウセヤルト思ッテイタ。トイウカ、ココデ止メレバ私ガ悪者ニナル」
「サンキュー、シェイド」
「何の儀式を始める気かな?」
「お決まりの奴さ」
すぅっ、と大きく息を吸い込み、
裂邪は辺りに響く程の声で言い放った
裂邪は辺りに響く程の声で言い放った
「ビオ! 目を覚ませ! 俺と――――俺達と一緒に来い!!」
刹那、灰色のパスが、眩い光を放った
...To be Continued