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連載 - 死ねばよかったのに・嘲笑う魔女02

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
 それは、いつも唐突な事なので
 彼女にとっては、慣れた事

「アンジェリカ」

 名前を呼ばれる
 呼ばれたならば、参上せねばなるまい
 即座に、座り込んでいる少年の背後に具現化して見せる

「OK,呼んだか?ハッピー・ジャッ」


 -------ぐしゃり


 言葉の途中で、彼女、反魂と復讐の魔女アンジェリカの体は、崩れた
 内臓と屑肉の山に成り果て、辺りに血をまき散らした

 いきなり呼び出されて、この仕打ち
 だが、これすらも、いつもの事であり
 彼女にとっては、日常に等しい事であった為、特に驚きも怒りも感じないのだ



「で、どうかしたか?」

 当たり前のように、元の姿に戻ったアンジェリカ
 少年が、小さく舌打ちする

「わかっているだろ?何だよ。この茶番は」
「うん、まぁ、お前なら気づくわな。ハッピー・ジャック。お前はここですべてを見下ろせるんだからな」
「わかってるなら、どうにかしてくれる?………いい加減、飽き飽きなんだけど」

 冷たい声
 とても、10にも満たない少年が発するような声じゃない
 そして、アンジェリカはそれを異常とも思わず、ごく普通に接して見せる

「わかっていても、どうにもできないと言ったら?」
「……………」

 じろり
 アンジェリカの答えに、ハッピー・ジャックと呼ばれたその少年は、彼女を睨み付けた

 真っ黒な瞳
 平均的な日本人の瞳
 苛立ちと殺意の混じった眼差しを、アンジェリカは真正面から受け止めて


 ------ざくぅ!!
 どこからか飛んできた銀の杭に、額を貫かれた


 悲鳴を上げる間もなく、今度は胸を
 次に、腹を
 次に、膝を、足を
 容赦なく、貫かれ、抉られていく

「か、は…………………くひひひひひひひひっ!お前も相変わらず過激だよなぁ?カラミティ卿よぉ」
「うるせぇ。いいから、とっと何とかしろ。今すぐ何とかしろ」

 ひらり
 漆黒の蝶と共に姿を現した、カラミティ
 ハッピー・ジャックの傍らに立ち、その長い杖をアンジェリカに向けてくる

「いい加減、この繰り返しを何とかしやがれ……まさか、これが千年続くとか言わねぇよな?」
「さすがに、そこまでは続かないよ。そこまで続く前に俺達の気が狂うだろうしな」

 ぼとり
 アンジェリカの体を貫いた杭は、あっけなく抜け落ちた
 傷痕が、まるで、最初からなかったかのように消えている

 彼女は、魔女
 彼女の創造主がこの世界に干渉し続ける限り、永遠に生き続けることを決定づけられた存在
 彼らでは、彼女を殺しきれない
 彼らの刃は、直接は、自分達を生み出した存在に届くことはないのだから

「ま、あれだ。俺がどうにもできないのは、今回の件が我が主の脚本ではないからだ」
「だから、どうにもできないと?」
「そういう事だ。介入する隙があるように作られた脚本ならばともかく、初めから終わりまできっちり決定づけられている。我が主にゃどうにもできないさ」

 肩をすくめて見せるアンジェリカ
 そして、小さく笑ってくる

「……安心しろ。そろそろ、このエンドレスな日々も終わりだ。誰かの永遠かもしれなかった平穏も、誰かの永遠かもしれなかった拷問の日もおしまい。繰り返しの日に平穏を過ごした連中の天国も、繰り返しの日に苦痛を味わった者の、死を味わった者の、永遠に続く地獄の拷問も……そろそろ、終わりだ」

 脚本のページがめくれる
 物語が動き出す
 彼女が、彼女自身を生み出した主に接触する

 かくて
 ウロボロスの輪は、破壊されよう


「…………そう、なら、いいんだけど?」
「カインが可愛いのはいいけど、同じことの繰り返しなんて飽きるんだよ」
「だろうな…………日常は平穏の繰り返し。されど、そこにはささやかに違いあり。完全なる繰り返しに非ず………だからこそ、その平穏は愛おしい」

 アンジェリカは、笑う
 つられたように、ハッピー・ジャックは笑って


 ぐしゃり


 また、アンジェリカの体が、屑肉と内臓に変わった
 血が、どろどろと辺りを汚していく

「…そうやって、いい話で終わらせれば許されるとでも思ってた?………許される訳ないだろ。自分達がやってきた事、自覚してる?」
「なぁに、許されるとは思ってないさ」

 むくり
 中途半端に蘇生し、頭から血を流しながら起き上がるアンジェリカ
 ゴキゴキ、首や肩の関節を鳴らす

「いつまでも、俺達を憎むがいいよ。そして、復讐したくなったら、俺に言うがいい。俺は、反魂と復讐の魔女。復讐物語を演出するが俺の役目だ」
「……っは。お前の手を借りる気は、今のところないよ、アンジェリカ……もっと長く、くたばっていればいいのに」

 吐き捨てるように言って、ハッピー・ジャックは姿を消した
 彼は、ここに現れる時も、退場する時も、余計なエフェクトを発生させない
 いつの間にかそこにいて、いつの間にか消えている
 今回も、目の前で消えたと言うのに、消えていく様を感じさせやしなかった

「…お前はどうだ?カラミティ卿。お前の愛しい愛しい大切な者に過酷な運命を背負わせた我が主を。お前達姉弟の間に悲劇をもたらした我が主、憎くはないか?」
「俺様は万能の大魔法使いだぞ。お前みたいな半端な魔女の力なんざ借りる気はねぇよ」

 カラミティの周囲に、漆黒の蝶が現れる
 現実での状況と同じ
 カラミティは漆黒の蝶と共に現れ、漆黒の蝶と共に姿を消す
 その体を漆黒の蝶の群れが包み込み………群れが散った瞬間には、姿を消す

 こうして
 アンジェリカは、一人ぼっち
 暗闇の世界に、彼女と、彼女がまき散らした血の跡だけが残される

「…………やれやれ」

 ふぅ、と小さくため息をつき
 アンジェリカは、虚空を見上げる

「本当、厄介な役目を押し付けてくれたよな?我が主?」

 アンジェリカの言葉に、答える者はない
 だが、彼女はその答えを、確かに自分を生み出した者から
 かつて、自分の大元であったそれから、受け取って

 …………諦めたようにため息をついて、暗い世界の中、姿を消していった


fin




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