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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・咎負い人-17

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
 救いたかった、護りたかった
 けれど、救えなかった、護れなかった
 結局、自分にはその程度の力しかなかったのだ


「せんせー!フベルトゥスが虐めるー!!」
「っち、違うよ、グンドゥラが……」

 ドイツの片田舎の、孤児院を兼ねた教会
 自分は、「教会」の一員として、そこを任せられていた
 そこは酷く平和な場所で、悪魔事件とも縁の薄い場所
 セラフィムと契約していたとは言え、その力を十二分に引き出せずにいた時分には、ちょうど良い場所だった

「あぁ、ほら、フベルトゥス、泣かないで……グンドゥラ、彼の髪の色を笑ってはいけませんよ」
「う~………御免なさい……」
「謝るのは、私にではなく、フベルトゥスにでしょう?」

 小さな子供ばかり集まった孤児院
 みな、何らかの理由で親を亡くした子供ばかり

 それでも、皆、明るさを失っていなかった
 いつでも、希望に満ちた顔をしていた

「司祭様ー!ロザムンデが木から降りられなくなったー!!」
「え~ん!助けて~!」
「また、降りられないのに登ったのですね……じっとしていてください、今行きますから」

 …少々、元気すぎる子供も多かったが
 時々、言うことを聞かない子供もいたが
 基本的に皆素直で、良い子達だった

「アルベルティーネ、いいな~……僕もせんせーのお手伝いしたいー」
「駄目よ、アーダルブレヒトはまだちっちゃいんだから。火を使うのも刃物を使うのも危ないわ」
「まぁまぁ、アルベルティーネ、そう言わず……アーダルブレヒト、ジャガイモをつぶすのを手伝ってくれますか?」
「うん!」

 大人と呼べるのは、自分一人きりだった
 他は、一番大人でも16歳
 大変ではあったかもしれない
 けれど、充実した日々だった

 その平穏を、護りたいと思った
 健やかに育っていく子供達
 皆が孤児院から旅立っていくまでを、自分が護っていきたいと、そう願っていた


 そうだったと、言うのに


「それでは、行ってきますね……皆を頼みますよ、ツァハリーアス」
「はい、司祭様、いってらっしゃいませ!」

 「教会」の用事で、一日、孤児院を離れなければならなくなった
 一番年長であった少年に子供達の世話を任せ、自分は孤児院を後にした
 自分を見送ってくれた子供達
 あの子達の、生きていた姿を見たのは

 それが、最後だったのだ


 血の匂いが漂っていた
 自分が孤児院に戻った時、子供達は全員、死んでいた
 中は荒らされ、めちゃくちゃになっていた

 ツァハリーアスが、ロザムンデを護るように抱きかかえた状態で死んでいた
 腕の中のロザムンデも、すでに事切れている
 タンスの中に隠れようとしたのだろうか
 フベルトゥスとグンドゥラは、手をつないだ状態のまま、タンスの前で首を切り裂かれて死んでいた
 アルベルティーネは、服を裂かれ、汚された後に殺されたらしかった
 抵抗を試みたのだろうか、アーダルブレヒトは手に小さなナイフを持ったまま死んでいた

 全員、殺されていた
 誰が、このような事をしたのか
 ……犯人はすぐに姿を現した

「っち……駄目だな。ほとんど金目の物がありゃしねぇ」
「だから言っただろ、こんな場所襲ったって、ロクなもんがねぇって」
「けどよぉ、あの男が、ここは金を蓄えてるって言って………」

 どうやら、野盗の類のようだった
 詳しい事はわからない
 詳しい事など、どうでも良かった

「………っ!餓鬼以外にもいやがったか!?」
「くそ、やるぞ!」

 男達が、刃をこちらに向けてくる
 その刃は、血でぬれていた

「…あなた達が、この子達を、殺したのですね?」

 この時の、自分の声は、恐ろしく冷え切っていたような気がする

「だったらどうしたぁ!?」
「うぜぇんだよ、ピーピーギャーギャー泣きわめきやがってよ……っ!!」
「てめぇも死ねぇ!!!」

 意識が、はじけた
 その瞬間を、自分は覚えていない


 気付いた時には、野盗達は全員、焼け死んでいた
 燃え盛る蛇が、自分の目の前にいる

 自分が殺したのだ
 それを、はっきりと自覚した
 同時に、己が、セラフィムに飲まれようとしている事に気付く
 自覚をしたからだろうか
 セラフィムは、完全には自分を飲み込みはしなかった
 だが、もはやこの身が人の理から離れた事をはっきりと自覚する

 黒焦げて死んでいる野盗達
 後に残るは、子供達の亡骸


 何故
 何故、自分は離れてしまったのだろう、この場所を
 「教会」に頼んで、一日だけでも、他の者をここに置いてもらえはしなかったか?

 自分のせいだ
 自分が、不用意にここを離れたせい

 自分はセラフィムの契約者なのだ
 呼び出した天使を傍に置けなかったか?
 ……今の自分には、それができる
 だが、それは自分がセラフィムに飲まれたからこそ、できる事
 十二分にセラフィムを扱いきれていなかった自分には、それができなかった

 自分のせいだ
 自分が弱かったから、誰も護れなかった

 自分のせいで
 皆、命を落としてしまった


『せんせー、絵本読んでー!!』
『司祭様、お祈り?一緒にやっていい?』
『僕、ね、おっきくなったら、もっと司祭様のお手伝いするの!』
『あのね、あのね、せんせー、私、おっきくなったらせんせーのお嫁さんになれる?』
『私、シスターになりたいな。そうすれば、先生の傍にいられるでしょう?』
『俺も…………天使様と契約して、司祭様と一緒に、戦えるかな』


 あの、笑顔は
 もう二度と帰ってこない
 自分の不用意のせいで
 あの子達は、もう二度と、起き上がらない


 気付けば、涙を流していた
 涙を流しても、子供達の命は帰ってこない
 それは、わかっていた
 それでも、自然と涙が零れ落ちる

 せめて、子供達の亡骸を何とかしなければ
 だが、体が動かなかった
 子供達の亡骸を前に、ただ、泣く事しかできなかった


 そんな、時だ


「その子供達に、もう一度起き上がってほしくはないか?」

 あの、囁きが、自分にかけられたのは

 振り返る
 そこには、二人の男の姿

 「教会」本部で、姿を見かけた事がある二人
 自分にとっては、雲の上のような存在の二人

「……その子供達、蘇らせたくはありませんか?」

 先に声をかけてきた青年ではなく、壮年の男がそう、声をかけてきた
 エイブラハム・ヴィシャス
 救世主に飲まれたと言う、救世主候補

「…できるの、ですか…?そんな、事が……」
「できますよ、私の「奇跡」の力を使えば」

 エイブラハムが、小さく笑う
 あぁ、どうして、この時の自分は気づけなかったのだろうか
 その笑顔の裏の、邪悪さに

「あなたが、私に力を貸すと言うのならば」

 エイブラハムが、手を差し伸べてくる

「あなたが、その力を私の為に尽くすと言うのならば」

 それは、悪魔の囁き

「その時がくれば………その子供達を、蘇らせましょう」



 差し伸べられたその手を、自分はとってしまった
 悪魔の囁きに、耳を貸してしまった


 その瞬間から、自分は後戻りできなくなってしまった
 後戻りなど、許されない

 だが、せめて
 幼い「13使徒」達が、これ以上罪に塗れないように
 その命を、散らさないように

 せめて、救い、護る事だけでも、できるならば
 自分は、命を懸けて、それを実行するまでだ



to be … ?




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