三秒ルール&隙間女 02 (秋祭り二日目編)
-西区
「何なんだよあいつはーっ!」
『知るわけないでしょこのバカ!アホ!スケベ!』
「スケベは今関係無ぇーっ!」
『知るわけないでしょこのバカ!アホ!スケベ!』
「スケベは今関係無ぇーっ!」
始まりは唐突だった。
北区で行われている秋祭りの噂を聞いた俺は、リンゴ飴とかパイン飴とかぶどう飴なんかを楽しみに
西区から北区へと伸びる通りを歩いていたのだ。
するとまあ、なんだ?謎の黒服に追われて、今に至るってわけ。
北区で行われている秋祭りの噂を聞いた俺は、リンゴ飴とかパイン飴とかぶどう飴なんかを楽しみに
西区から北区へと伸びる通りを歩いていたのだ。
するとまあ、なんだ?謎の黒服に追われて、今に至るってわけ。
*
-西区・廃工場地帯
「ハァ・・・ハァ・・・。なんとか巻けたか?」
自慢じゃないが、脚はそれなりに早いほうだ。
体育祭の対抗リレーではけっこう活躍したもんだ。
体育祭の対抗リレーではけっこう活躍したもんだ。
『まさか・・・夢の国?』
「あ?なんだ?それ。」
『公衆便所の天井に張り紙してあったでしょう。』
「あー・・・。変な張り紙だなーくらいにしか思ってなかったけど、その夢の国ってなんなんだよ?」
『夢の国って言うのはね・・・カクカクシカジカ』
「まさか・・・秋祭りに集まる人を狙って!?」
『その可能性は否定出来ないわね。』
「あ?なんだ?それ。」
『公衆便所の天井に張り紙してあったでしょう。』
「あー・・・。変な張り紙だなーくらいにしか思ってなかったけど、その夢の国ってなんなんだよ?」
『夢の国って言うのはね・・・カクカクシカジカ』
「まさか・・・秋祭りに集まる人を狙って!?」
『その可能性は否定出来ないわね。』
さてと、とにかく今はこの状況をなんとかしないと。
俺の他にも都市伝説と契約した奴は居るって話しだ。そいつらも恐らく北区に。
俺の他にも都市伝説と契約した奴は居るって話しだ。そいつらも恐らく北区に。
「三秒、ちょっと静かにしててくれ。『夢』を見る。」
『ええ、わかったわ。手短にね。見てる間に黒服が襲ってきても知らないから。』
「分かってるよ・・・」
『ええ、わかったわ。手短にね。見てる間に黒服が襲ってきても知らないから。』
「分かってるよ・・・」
言ってなかったかもしれないが、俺は予知夢を見ることが出来る。
三秒と契約する前はランダムに未来を見ていたのだが、
同化してからは、ある程度近い未来を見ることが出来るようになっていた。
そして俺は目を閉じ、まどろみへと落ちていった。
三秒と契約する前はランダムに未来を見ていたのだが、
同化してからは、ある程度近い未来を見ることが出来るようになっていた。
そして俺は目を閉じ、まどろみへと落ちていった。
*
意識がゆっくりと覚醒していく。
『どう、良い夢は見れた?』
「時間は?」
『そうね、5分ってところじゃない?』
「最短記録更新だな。ギネスねらえるぜ。」
『落ち着いたら申請しましょうか。とにかく、今はここを離れないと。』
「・・・そんなに上手くはいかないんだよな。外に出たら黒服が居る。」
「時間は?」
『そうね、5分ってところじゃない?』
「最短記録更新だな。ギネスねらえるぜ。」
『落ち着いたら申請しましょうか。とにかく、今はここを離れないと。』
「・・・そんなに上手くはいかないんだよな。外に出たら黒服が居る。」
夢に出てきていた。
某マト○ックスの主人公っぽい黒服の男が、廃工場の周辺をうろついていた。
某マト○ックスの主人公っぽい黒服の男が、廃工場の周辺をうろついていた。
『幸い、周りには鉄骨が散乱してるわ。上手くやりましょう。』
「ああ、そうだな。」
「ああ、そうだな。」
廃工場を出て、夢で見たポイントへと移動する。現れる黒服。
そして、物陰に隠れながら呟いた。
そして、物陰に隠れながら呟いた。
【三秒後、鉄骨を纏めているワイヤーが千切れる】
その声に気が付いたのか、黒服はこっちへと向きなおった。
そして、リアル鬼○っこの黒服のごとく走ってきたではないか。
そして、リアル鬼○っこの黒服のごとく走ってきたではないか。
3
『ちょっと、気づかれたわよ!逃げなさい!』
しかし、俺は動かない。
2
2
『ねえ、ちょっと!捕まったらどうなるか分かってるの!?』
焦る三秒。しかし、俺はその場に立ちつくすだけだった。
1
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なぜならば。
黒服が頭上から振ってきた鉄骨に押しつぶされる瞬間を、ハッキリと夢で見ていたからだった。
黒服が頭上から振ってきた鉄骨に押しつぶされる瞬間を、ハッキリと夢で見ていたからだった。
0
ブチンっと言う音と共に、計ったようなタイミングで黒服の頭上に鉄骨が降り注ぐ。
体が押しつぶされた後にも、振る…振る。
体が押しつぶされた後にも、振る…振る。
『ふぅ・・・ヒヤヒヤさせないでよね。寿命が10年縮まったわよ。』
「伝説に寿命なんてあったっけ?」
『とりあえず、黒服も始末したし、向かいましょうか。』
「・・・でも、いくらこの能力があったって、夢の国の連中と渡り合えるとは思わないんだが・・・」
『何、きっと現地に向かってるのはあなた一人じゃないわよ。協力者を見つければ?』
「そうだな。とにかく、連中に見つからないように慎重に移動しよう。」
『ええ。』
「伝説に寿命なんてあったっけ?」
『とりあえず、黒服も始末したし、向かいましょうか。』
「・・・でも、いくらこの能力があったって、夢の国の連中と渡り合えるとは思わないんだが・・・」
『何、きっと現地に向かってるのはあなた一人じゃないわよ。協力者を見つければ?』
「そうだな。とにかく、連中に見つからないように慎重に移動しよう。」
『ええ。』
そうして俺は、北区の祭り会場へと歩を進めるのだった。