喫茶ルーモア・隻腕のカシマ
マスター(前編)
その日は、とても静かな日でした
いつもであれば、都市伝説やその契約者たちで賑わう店内も
その時は、わたしたち三人だけで
気だるい雰囲気が漂っていました
その時は、わたしたち三人だけで
気だるい雰囲気が漂っていました
寺生まれのTさん、花子さんらしき女の子
黒服さんと小さな女の子、コーラしか注文しない綺麗な男性
ちょっとエッチな人面犬さん、口裂けさんと一緒に来るスーツの人
そして、彼らの契約者さん達
他にもたくさんの都市伝説や契約者たちが
ルーモアへと足を運んで来てくれるそうです
黒服さんと小さな女の子、コーラしか注文しない綺麗な男性
ちょっとエッチな人面犬さん、口裂けさんと一緒に来るスーツの人
そして、彼らの契約者さん達
他にもたくさんの都市伝説や契約者たちが
ルーモアへと足を運んで来てくれるそうです
でも、その日は本当に誰も来ませんでした
こんな日は、わたしがバイトを始めてからその時まで
一度も無かったと思います
こんな日は、わたしがバイトを始めてからその時まで
一度も無かったと思います
今にして思えば
これも全て、何かの都市伝説によるもの影響だったのかもしれません
これも全て、何かの都市伝説によるもの影響だったのかもしれません
*
ジャック・ザ・リッパーがカシマに保護された同日のことである
─ 17:25 ─
「今日は、お客さん来ませんね~」
伸びをしながら、サチ
「う~ん、しばらくは大規模な調査があるらしいんだよ」
マスターが応え
「調査……ですか」
「厄介な都市伝説が動いているらしいよ」
輪が補足する
伸びをしながら、サチ
「う~ん、しばらくは大規模な調査があるらしいんだよ」
マスターが応え
「調査……ですか」
「厄介な都市伝説が動いているらしいよ」
輪が補足する
常連の契約者達は何か大きな事件の調査があるらしく
朝からずっと、今の時間帯──逢魔ヶ刻──まで誰も来てはいない
朝からずっと、今の時間帯──逢魔ヶ刻──まで誰も来てはいない
店内には三人だけ
カラン・コロン……カラン・コロン……来客を告げるベル
「「「いらっしゃいませ」」」
どこかホッとした表情の三人
「「「いらっしゃいませ」」」
どこかホッとした表情の三人
─ 17:28 ─
初めて見る客
───ガリガリに痩せ、頬のこけた男だ
その客は、店内をジロジロと眺め回すと
「知識の泉…その英知を…我に分けたまえ」
そう、つぶやいて三人に視線を移す
───ガリガリに痩せ、頬のこけた男だ
その客は、店内をジロジロと眺め回すと
「知識の泉…その英知を…我に分けたまえ」
そう、つぶやいて三人に視線を移す
三人は揃って眉をひそめる
今まで色んな客が来たが、その中でもかなり異質な雰囲気を纏っている
今まで色んな客が来たが、その中でもかなり異質な雰囲気を纏っている
「そのガキか……限定予知と……輪廻…転生だと?」
その言葉でハッとする三人
都市伝説の契約者
そして、この男は輪を好ましく思っていない
都市伝説の契約者
そして、この男は輪を好ましく思っていない
「生き返るのか?……まあ、倒してみれば分るな」
いつの間にか、マスターはカウンターから出て男の後ろ側にいる
「お客さま、席はどちらになさいますか?」
マスターの声はいつもの調子
だが、その表情は……硬い
「お客さま、席はどちらになさいますか?」
マスターの声はいつもの調子
だが、その表情は……硬い
「あんた契約者か……俺は人間に興味は」
「客でないなら出て行ってくれませんか」
「客でないなら出て行ってくれませんか」
有無を言わせない、マスターらしからぬ口調
─ 17:30 ─
「大気に宿る…優しき風の精霊よ…眼前の敵を散らせ」
「んっ!」「きゃっ」「うわっ?!」
突如発生した風に吹き飛ばされる
突如発生した風に吹き飛ばされる
「マスター!サチ!……くそっ、おまえ一体……」
「契約者だ……この世界を都市伝説から救う……な」
「都市伝説から……救う?!」
「輪……コイツは危険すぎる……逃げろ!」
「輪……コイツは危険すぎる……逃げろ!」
「そこの二人、うるさいな……」
「大地よ…その重き手で…我が敵を潰せ」
「んぐっ!」「んッ」
急激に重力が高まったかの様に這いつくばるマスターとサチ
急激に重力が高まったかの様に這いつくばるマスターとサチ
─ 17:31─
「やめろッ!」
輪は当身を食らわせようと走る
だが、狙いすましたかの様に蹴りを繰り出す男
「うぐっ!」
鳩尾に直撃し、もんどりうつ
男の動きは外見に似合わず速い
よく見ると、青白い光が男の体全体を包み込む様に揺らめいている
「ふん、ガキが……俺の魔法に叶うはずないだろうが」
「っ…はぁ…はぁ……ま、魔法?!」
「男は30を越えると……ど……選ばれし者は魔法を使える様になるんだよ」
「……どうて、グッ?!」
蹴り上げられる
「黙れ」
輪は当身を食らわせようと走る
だが、狙いすましたかの様に蹴りを繰り出す男
「うぐっ!」
鳩尾に直撃し、もんどりうつ
男の動きは外見に似合わず速い
よく見ると、青白い光が男の体全体を包み込む様に揺らめいている
「ふん、ガキが……俺の魔法に叶うはずないだろうが」
「っ…はぁ…はぁ……ま、魔法?!」
「男は30を越えると……ど……選ばれし者は魔法を使える様になるんだよ」
「……どうて、グッ?!」
蹴り上げられる
「黙れ」
「大気に宿る…猛き風の精霊よ…眼前の敵を切り裂け」
血煙が上がる
体中を小さな裂傷が覆い尽くしている
「なッ!」「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
地に臥す二人から悲鳴があがる
「回復はしないか……やはり一度*してみるしかないな」
体中を小さな裂傷が覆い尽くしている
「なッ!」「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
地に臥す二人から悲鳴があがる
「回復はしないか……やはり一度*してみるしかないな」
─ 17:34 ─
輪は立ち上がる事が出来ない
この男から逃れるすべは───無い
自分は都市伝説だ
いつかこういう事態に遭遇するであろうことは十分に考えられた
だが、幸福な時間に包まれて
自分が都市伝説であることすら忘れかけていた
この男から逃れるすべは───無い
自分は都市伝説だ
いつかこういう事態に遭遇するであろうことは十分に考えられた
だが、幸福な時間に包まれて
自分が都市伝説であることすら忘れかけていた
「ふん、首塚のヤツラ……ここが都市伝説の拠点の一つだと?
笑わせるな! 雑魚のガキが一匹いるだけじゃねぇーかよ!
……まぁいい、いずれ首塚のヤツラも消して……ん?」
足元にまとわりつく手
「やめ……るん、だ」
マスターは増大した重力に押しつぶされながらも
無様に這いずり、もがき……男の足を掴んでいた
「ふん、大人しく見ていろ……今からアンタを都市伝説から解放してやる」
男は振りほどこうとするが、離れない
引きずって前に出ようとするも、重い
しがみ付かれ足が動かない
「……コイツ」
増大した重力によってマスターの体は鉄の塊の様に重くなっている
男は、自身のかけた魔法の威力を初めて知る
同時に、この重さの中を這いずりながら進んだマスターの気迫を知る
「こんなバケモノの為に……これ程まで魅入られているとは……末期だな」
「バケ……モノ……なんか、じゃあ……ない」
「チッ……大地よ……その束縛を……解放せよ」
魔法を解き、しがみ付く手を振り解いて進む
マスターとサチは重圧から解放され、荒い息を吐く
笑わせるな! 雑魚のガキが一匹いるだけじゃねぇーかよ!
……まぁいい、いずれ首塚のヤツラも消して……ん?」
足元にまとわりつく手
「やめ……るん、だ」
マスターは増大した重力に押しつぶされながらも
無様に這いずり、もがき……男の足を掴んでいた
「ふん、大人しく見ていろ……今からアンタを都市伝説から解放してやる」
男は振りほどこうとするが、離れない
引きずって前に出ようとするも、重い
しがみ付かれ足が動かない
「……コイツ」
増大した重力によってマスターの体は鉄の塊の様に重くなっている
男は、自身のかけた魔法の威力を初めて知る
同時に、この重さの中を這いずりながら進んだマスターの気迫を知る
「こんなバケモノの為に……これ程まで魅入られているとは……末期だな」
「バケ……モノ……なんか、じゃあ……ない」
「チッ……大地よ……その束縛を……解放せよ」
魔法を解き、しがみ付く手を振り解いて進む
マスターとサチは重圧から解放され、荒い息を吐く
─ 17:38 ─
「随分と上手く取り入っていた様だな……この糞ガキ」
「……ろせよ……ボクを*せよ!!」
「……ふん」
「*せばいいだろ! ニンゲンは関係ないんだろ! ボクを*ろせ!!」
「*して下さい……だろ?」
「……グッ……ろして……下さい」
「なんだって?……お願いしますはどうした?」
「お願いします! ボクを*して下さいッ! もう二人を傷つけないで下さいッ!!」
「いいだろう……確実に死ぬ魔法でやってやる」
「……ろせよ……ボクを*せよ!!」
「……ふん」
「*せばいいだろ! ニンゲンは関係ないんだろ! ボクを*ろせ!!」
「*して下さい……だろ?」
「……グッ……ろして……下さい」
「なんだって?……お願いしますはどうした?」
「お願いします! ボクを*して下さいッ! もう二人を傷つけないで下さいッ!!」
「いいだろう……確実に死ぬ魔法でやってやる」
「凍てつく風よ……」
詠唱が始まり、男の右手が蒼い冷気に包まれる
「北より来りて……」
この魔法を受けた者は、その体を徐々に凍結させていく……そして
「眼前の敵の命を……」
相手は死ぬ
「奪え!」
繰り出される手刀
肉がえぐられ、掌が深々と突き立つ
詠唱が始まり、男の右手が蒼い冷気に包まれる
「北より来りて……」
この魔法を受けた者は、その体を徐々に凍結させていく……そして
「眼前の敵の命を……」
相手は死ぬ
「奪え!」
繰り出される手刀
肉がえぐられ、掌が深々と突き立つ