ドクター 03
(黒服Hと呪われた歌の契約者より)
「なるほど、両手に花とは素晴らしい。君達が良ければ同行させていただきたいな。そちらの都合があるなら全てそちらに任せても構わない」
電話を受けたドクターは、受話器から聞こえる声に満面の笑顔を浮かべていた
「電話を代わってもらっていいかな? 同行してくれる彼女にも挨拶ぐらいはしておきたい」
「改めましてご挨拶を。この度は色々とご迷惑をお掛けしました」
「いやいやそんな事はない。怪我人や病人を助けるのは医者の義務だし、女性を助けるのはボクの義務だからだ」
電話の向こうでは、意図を探っているのか呆れているのか、一瞬の沈黙の後
少女に聞き取られないようにするためか、やや声を潜めて問い掛ける
「……『首塚』に接触するおつもりですか? 『第三帝国』の使者として」
「勿論だとも! ボク達が活動する上で軋轢は生みたくないし、出来る事なら良い関係を築いていきたい。何より首塚とやらにも女性の構成員はいるだろうからね!」
もしも相手の心を読んだり嘘を見抜く能力の持ち主がいたら、こう思うだろう
電話を受けたドクターは、受話器から聞こえる声に満面の笑顔を浮かべていた
「電話を代わってもらっていいかな? 同行してくれる彼女にも挨拶ぐらいはしておきたい」
「改めましてご挨拶を。この度は色々とご迷惑をお掛けしました」
「いやいやそんな事はない。怪我人や病人を助けるのは医者の義務だし、女性を助けるのはボクの義務だからだ」
電話の向こうでは、意図を探っているのか呆れているのか、一瞬の沈黙の後
少女に聞き取られないようにするためか、やや声を潜めて問い掛ける
「……『首塚』に接触するおつもりですか? 『第三帝国』の使者として」
「勿論だとも! ボク達が活動する上で軋轢は生みたくないし、出来る事なら良い関係を築いていきたい。何より首塚とやらにも女性の構成員はいるだろうからね!」
もしも相手の心を読んだり嘘を見抜く能力の持ち主がいたら、こう思うだろう
ダメだこいつ、早くなんとかしないと
「出来れば君達の『組織』の上層部にご挨拶もしておきたいのだが、どうも接触する機会が無くてな」
「……私に言われても困ります」
「ああいや、困らせるつもりは無かったんだ、済まない。ただ我々は何処の組織とも対立するつもりは無いという意思表示をしたくてね」
それまで明るく陽気だったドクターの声が
「ボク達『第三帝国』が本気で戦争したら、それこそ世界大戦どころではない。姿を晒し都市伝説として存在が終わる前に……世界が終わってしまう」
まるで機械が吐き出す合成音声のように
「……仲良くしたいのさ。戦争なんてものは何一つ良い事はない。そう黒服の彼にも、できれば『組織』の上役にも伝えておいてくれたまえ」
「……伝えておきます。どこまで伝わるかはわかりませんけれど」
ほんの一瞬だけ、まるでそこにいなかったような余韻だけを残し、すぐにいつもの声のドクターは戻ってきていた
「それでは、何か打ち合わせしたい事があればいつでもこの番号に、直接来てもらっても構わないよ。勿論プライベートのご相談もOKだ」
「……プライベートはご遠慮っせていただきます」
にべもなく電話を切られたが、それでもいつもの笑顔を浮かべているドクター
「うん、とても良い声だ。あの服の下の性癖は彼女の趣味なのか相手の趣味なのか……まあどちらでもボクはいけるわけだが!」
「真昼間から性癖だのなんだの抜かさないで下さい、ドクター」
「いやいや、自らの趣味なのか相手の趣味なのかはたまた両方なのか恥らっているのか受け入れているのかどれも違った味わいがだね?」
バイト青年とのやりとりを、くすくすと笑いながら見守るメアリーとミツキ
平和が一番だ――ドクターは心の底からそう思い、ぶつぶつ文句を言うバイト青年をスルーして窓の外に広がるのどかな北区の風景を眺めるのであった
「……私に言われても困ります」
「ああいや、困らせるつもりは無かったんだ、済まない。ただ我々は何処の組織とも対立するつもりは無いという意思表示をしたくてね」
それまで明るく陽気だったドクターの声が
「ボク達『第三帝国』が本気で戦争したら、それこそ世界大戦どころではない。姿を晒し都市伝説として存在が終わる前に……世界が終わってしまう」
まるで機械が吐き出す合成音声のように
「……仲良くしたいのさ。戦争なんてものは何一つ良い事はない。そう黒服の彼にも、できれば『組織』の上役にも伝えておいてくれたまえ」
「……伝えておきます。どこまで伝わるかはわかりませんけれど」
ほんの一瞬だけ、まるでそこにいなかったような余韻だけを残し、すぐにいつもの声のドクターは戻ってきていた
「それでは、何か打ち合わせしたい事があればいつでもこの番号に、直接来てもらっても構わないよ。勿論プライベートのご相談もOKだ」
「……プライベートはご遠慮っせていただきます」
にべもなく電話を切られたが、それでもいつもの笑顔を浮かべているドクター
「うん、とても良い声だ。あの服の下の性癖は彼女の趣味なのか相手の趣味なのか……まあどちらでもボクはいけるわけだが!」
「真昼間から性癖だのなんだの抜かさないで下さい、ドクター」
「いやいや、自らの趣味なのか相手の趣味なのかはたまた両方なのか恥らっているのか受け入れているのかどれも違った味わいがだね?」
バイト青年とのやりとりを、くすくすと笑いながら見守るメアリーとミツキ
平和が一番だ――ドクターは心の底からそう思い、ぶつぶつ文句を言うバイト青年をスルーして窓の外に広がるのどかな北区の風景を眺めるのであった