「おはようございます、とミサカは悲しみを露わに言葉を紡ぎます」
朝の光が照らす部屋の中、戻ってきたゾルダート達を前にミサカは深くため息を吐いた。
欠員は三。しかし、持ち寄られた情報は二人のサーヴァントの情報である。
補充可能な欠員と比べて、得られた情報は十分お釣りが来るレベルだ。
欠員は三。しかし、持ち寄られた情報は二人のサーヴァントの情報である。
補充可能な欠員と比べて、得られた情報は十分お釣りが来るレベルだ。
「では、先程報告にあったキャスター、ライダーですが……現状は放置しましょうとミサカは冷静に判断します」
ただし、ミサカはそうは思わない。
彼らは一人一人が意志を持ったサーヴァントであり、誰が欠けたとしても悲しい。
その感傷は決して間違いではないはずだ。
彼らは一人一人が意志を持ったサーヴァントであり、誰が欠けたとしても悲しい。
その感傷は決して間違いではないはずだ。
レプリカがレプリカに情をかけるなんて。
滑稽だと嘲笑うか。それとも、素晴らしいと拍手が舞い散るか。
一々悲しむなんて非効率だし、こうなることぐらい覚悟はしていたはずだった。
自分達が行うのは戦争だ。ただ一組しか生き残れない過酷な戦いである。
それを理解していながらも、ミサカは欲張りにもゾルダートを一人の人間として扱うと決めていた。
かつて、自分を助けてくれたあの人のように。
一々悲しむなんて非効率だし、こうなることぐらい覚悟はしていたはずだった。
自分達が行うのは戦争だ。ただ一組しか生き残れない過酷な戦いである。
それを理解していながらも、ミサカは欲張りにもゾルダートを一人の人間として扱うと決めていた。
かつて、自分を助けてくれたあの人のように。
「いえ、ミサカ。ここは打って出るべきです。我らに雪辱の機会をお与え下さい」
「是非とも、仲間達の仇を!」
「是非とも、仲間達の仇を!」
けれど、結局は取り零してしまった。
息絶え絶えに帰ってきたゾルダートは情報を全て伝えた後、怨み言一つ言わずに消えていった。
息絶え絶えに帰ってきたゾルダートは情報を全て伝えた後、怨み言一つ言わずに消えていった。
「今なら、総力を上げて討ち取れるはずです!」
「ミサカの勝利の為にも、そして我々の誇りの為にも!」
「ミサカの勝利の為にも、そして我々の誇りの為にも!」
そうだ、仲間を殺した悲しみは仇を取ることでしか拭えないのだ。
道化師の翁を討つ。
主へと弓を引いた敵は――総てゾルダートが排除する。
道化師の翁を討つ。
主へと弓を引いた敵は――総てゾルダートが排除する。
「…………っ」
だが、ミサカは即座に討伐の命令を下さなかった。
ここで感情のままに動くのは簡単だ。
たった一言、ゾルダート達に命じればいい。
死力を尽くして戦い、敵を討て。
危険性の強いサーヴァントに対して、容赦など必要ない。
そこまでわかっていながらも、ミサカは打って出ることを許可しなかった。
ここで感情のままに動くのは簡単だ。
たった一言、ゾルダート達に命じればいい。
死力を尽くして戦い、敵を討て。
危険性の強いサーヴァントに対して、容赦など必要ない。
そこまでわかっていながらも、ミサカは打って出ることを許可しなかった。
「いいえ、ダメです……ここは冷静になる場面です、とミサカは歯を食いしばりながら貴方達に伝えます」
リベンジに燃え、思いのままに決断をする。
その行為は今も残っているゾルダート達を無闇に犠牲にすることに等しい。
無策で挑んでは、また同じ結果が待ち受けているだけだ。
その行為は今も残っているゾルダート達を無闇に犠牲にすることに等しい。
無策で挑んでは、また同じ結果が待ち受けているだけだ。
「今はまだ一日目です、焦ってはいけませんとミサカは感情を抑えながら発言します」
これが終盤ならともかく、序盤から大きく動いては他の主従から目をつけられる。
単騎ならともかく、複数から狙われるのは望ましくない。
単騎ならともかく、複数から狙われるのは望ましくない。
「……了解、いたしました」
「人数は減りましたが、4号から12号までは同じく偵察……接触が可能ならば情報を収集、残りはミサカの登校について来て下さい、とミサカは命令を下します」
「人数は減りましたが、4号から12号までは同じく偵察……接触が可能ならば情報を収集、残りはミサカの登校について来て下さい、とミサカは命令を下します」
ゾルダート達もこれ以上食い下がっても効果はないと判断したのか、大人しく引き下がった。
自分達の目的は仇討ちではなく聖杯を主へと捧げることだ。
怒りに気を取られ過ぎて足元をすくわれるなどあってはならない。
サーヴァントとはマスターに従うもの。
そう、今はまだ。
自分達の目的は仇討ちではなく聖杯を主へと捧げることだ。
怒りに気を取られ過ぎて足元をすくわれるなどあってはならない。
サーヴァントとはマスターに従うもの。
そう、今はまだ。
――いつか、この報いは受けてもらいます、とミサカは決意します。
しかし、ミサカとて死んだ三人のゾルダートを殺ったサーヴァントをこのままにはしておけない。
機が熟せば、ゾルダートを率いて討伐することだろう。
表面上は冷静ではいるが、ミサカも内心は憤怒で満ち溢れている。
好き好んで戦いこそしないが、立ち塞がるなら容赦するつもりはない。
機が熟せば、ゾルダートを率いて討伐することだろう。
表面上は冷静ではいるが、ミサカも内心は憤怒で満ち溢れている。
好き好んで戦いこそしないが、立ち塞がるなら容赦するつもりはない。
それはきっと、幻想殺しの少年が取らないであろう道だ。
剣呑な思考だとわかっていても、ミサカは抑えずに熱へと変えていく。
学校という日常に埋没しても尚、忘れない。
自分が置かれている場所は戦場で、必要とあらば殺す覚悟を指に込めろ。
鞄には念の為に小型の拳銃を仕込んでいる。
これ以上、奪われないように。いつでも、殺せるように。
学校という日常に埋没しても尚、忘れない。
自分が置かれている場所は戦場で、必要とあらば殺す覚悟を指に込めろ。
鞄には念の為に小型の拳銃を仕込んでいる。
これ以上、奪われないように。いつでも、殺せるように。
「では行きましょう、各員行動開始です、とミサカは宣言します」
心の何処かでは気づいていたし、諦めていた。
きっと自分は、幻想殺しの少年みたいに上手くはいかない、と。
きっと自分は、幻想殺しの少年みたいに上手くはいかない、と。
■
走る、走る、走る。
華奢な両腕に少女を抱き、ギーは足を動かした。
今の自分は何処にいる。自宅に向かうにはどの道を走ればいい。
幾ら呼びかけても震えてばかりのはやてが答えを返すことはなかった。
華奢な両腕に少女を抱き、ギーは足を動かした。
今の自分は何処にいる。自宅に向かうにはどの道を走ればいい。
幾ら呼びかけても震えてばかりのはやてが答えを返すことはなかった。
(参ったな。いつもの行動範囲とは違う方面へと逃げたからか、現在位置がいまいち掴めない)
ぎゅっと握られた服の裾からは震えが伝わり、今も彼女の中に恐怖が渦巻いていることが見て取れる。
見通しが甘かった。
聖杯戦争が始まり、各マスターが動き出したというのにこの油断。
ちょっとした朝の散歩であっても、命を狙われる危機に発展する可能性は予想出来ていたはずだ。
見通しが甘かった。
聖杯戦争が始まり、各マスターが動き出したというのにこの油断。
ちょっとした朝の散歩であっても、命を狙われる危機に発展する可能性は予想出来ていたはずだ。
――視界の端で道化師が嘲笑っている。
それはまるで、彼らの行く末に希望はないと言わんばかりに。
八神はやては聖杯戦争を理解していない。
この偽りの街が永遠に続くと無邪気に願っている。
永遠なんて、何処にもないのに。
明日には、自分達がこの世界から消え去っているかもしれないのに。
八神はやては聖杯戦争を理解していない。
この偽りの街が永遠に続くと無邪気に願っている。
永遠なんて、何処にもないのに。
明日には、自分達がこの世界から消え去っているかもしれないのに。
(それでも、僕はこの娘がいつの日か本当の意味で家族を手に入れることを願う)
はやてはギーのことを家族だと言ってるが、勘違いも甚だしい。
所詮自分はサーヴァント。
いつかは別れが待っている存在にあまり重みをかけてはいけない。
この出会いは必然ではなく偶然だ。
戦いへの参加証代わりに充てがわれたモノに過ぎない自分。
所詮自分はサーヴァント。
いつかは別れが待っている存在にあまり重みをかけてはいけない。
この出会いは必然ではなく偶然だ。
戦いへの参加証代わりに充てがわれたモノに過ぎない自分。
……人ではない僕は聖杯戦争を終えたら消える。未来がない僕が彼女にできることは、ない。
絶対の別れが定められているのに、家族になどなれるはずもなく。
なればこそ、深入りは避けるべきだった。
彼女とはあくまでマスターとサーヴァントの範疇に信頼をとどめておくべきだとわかっていたはずだ。
なればこそ、深入りは避けるべきだった。
彼女とはあくまでマスターとサーヴァントの範疇に信頼をとどめておくべきだとわかっていたはずだ。
(過ぎたことは仕方がない。今はこの状況を迅速に解決しなければならない)
幾らでも浮かび上がる自己嫌悪を切り替える。このまま黙って狩られる訳にはいかない。
一刻も早く、彼女を安全な場所へと連れて行く。
それが今のギーができる最善の献身であり、不器用な優しさだった。
一刻も早く、彼女を安全な場所へと連れて行く。
それが今のギーができる最善の献身であり、不器用な優しさだった。
『こんにちは、ギー』
そんな優しさを、道化師は肯定するでもなく否定するでもなく、ただ見続けている。
『目覚める時間だ』
見続けている。
『目をそらしてはいけないよ』
見続けている。
ギーが背を向けた戦争の象徴たる敵が彼の背中へと迫っている。
常在戦場、この街に安息はもはや存在しない。
戦わなければ生き残れないと理解していながらも、ギーは苦悩を深めた。
はやてを助けてくれる主従は本当に存在するのか。
サーヴァントだけを都合よく倒せる程、自分は強いのか。
どんな数式を唱えても導き出せない計算に、顔の表情も自然と鈍くなる。
ギーが背を向けた戦争の象徴たる敵が彼の背中へと迫っている。
常在戦場、この街に安息はもはや存在しない。
戦わなければ生き残れないと理解していながらも、ギーは苦悩を深めた。
はやてを助けてくれる主従は本当に存在するのか。
サーヴァントだけを都合よく倒せる程、自分は強いのか。
どんな数式を唱えても導き出せない計算に、顔の表情も自然と鈍くなる。
(やれるのか、じゃない。やらなくちゃいけないんだ)
救う。強くなくても、例え拒まれたとしても。
ギーは困っているモノ全てを救い続けなければならない。
それが自分の存在意義であり、ギーの根源なのだから。
ギーは困っているモノ全てを救い続けなければならない。
それが自分の存在意義であり、ギーの根源なのだから。
「止まれ!」
「貴様、サーヴァントだな?」
「抵抗するのはやめてもらおうか」
「貴様、サーヴァントだな?」
「抵抗するのはやめてもらおうか」
――さぁ、試練の時だ。
同じ体格、同じ顔、同じ服。
まるで分身したかのような三人のサーヴァント。
急ぎ、家へと戻ろうとするはやて達を邪魔するように、彼らは立ち塞がる。
まるで分身したかのような三人のサーヴァント。
急ぎ、家へと戻ろうとするはやて達を邪魔するように、彼らは立ち塞がる。
■
(誰を先に狙うか。悩む所ではあるね)
詰まるところ、狙う的が増えてしまい面倒だ。
最初は逃げているギーを狙撃しようと砲口を向けていたが、新手が複数やってきた。
同じ顔のサーヴァントが三人。魔術による幻影か、それとも宝具の効能かは不明。
全てが未知数故に狙撃を中止し、様子見を試みる。
最初は逃げているギーを狙撃しようと砲口を向けていたが、新手が複数やってきた。
同じ顔のサーヴァントが三人。魔術による幻影か、それとも宝具の効能かは不明。
全てが未知数故に狙撃を中止し、様子見を試みる。
(一目見ただけではわからないか。あの男を当て馬にして対処法を考えるのが最善)
人はヴェールヌイのことを臆病者と呼ぶかもしれないが、聖杯戦争では一つのミスが大事に繋がることだってある。
アーチャーの利点である遠距離攻撃を活かすなら慎重過ぎるぐらいが丁度いい。
砲口はそのままに。ヴェールヌイは戦況を見つめ続けることにした。
アーチャーの利点である遠距離攻撃を活かすなら慎重過ぎるぐらいが丁度いい。
砲口はそのままに。ヴェールヌイは戦況を見つめ続けることにした。
弓を引くタイミングを見誤るな。
ヴェールヌイは強く自分に言い聞かせ、ぎゅっと口元を噛み締めた。
ヴェールヌイは強く自分に言い聞かせ、ぎゅっと口元を噛み締めた。
そして、もう片方。先程狙撃した痩身の男は砲撃を防ぐ力はあれど、反撃はしてこなかった。
あの鋼の腕を攻撃に転換すると脅威になると考えていたが、彼は逃げを選択した。
マスターの安全重視なのだろう、積極的に戦う主従ではないことは確かだ。
あの鋼の腕を攻撃に転換すると脅威になると考えていたが、彼は逃げを選択した。
マスターの安全重視なのだろう、積極的に戦う主従ではないことは確かだ。
(非力なマスターを庇うのは好感が持てるが……愚かでもある)
足の不自由な少女など、足手まとい以外の何物でもないというのに。
それでもなお、見捨てないということは、彼は善良なサーヴァントなのだろう。
それでもなお、見捨てないということは、彼は善良なサーヴァントなのだろう。
(もっとも、私も人のことは言えないか)
このような戦場で邂逅しなければ、良き友になれたかもしれないと考えると少し気が重いが、仕方がない。
砲口の先には膠着状態であるサーヴァント達。
タイミングが悪ければ、狙われるのは自分だ。
第三者として、利を得ることをしっかりと考え、ヴェールヌイは息を殺し潜む。
砲口の先には膠着状態であるサーヴァント達。
タイミングが悪ければ、狙われるのは自分だ。
第三者として、利を得ることをしっかりと考え、ヴェールヌイは息を殺し潜む。
(彼女達なら……電達ならどうするだろうな)
もし此処に呼ばれたのが姉妹達ならば、誰かと協力して聖杯戦争を打ち破ろうとしたのか。
特に、争いを忌避していた電なら、自分とは違い、他マスターとの共存を選ぶだろう。
手を取り合い、争うのはやめようと主従を説得して回ったかもしれない。
特に、争いを忌避していた電なら、自分とは違い、他マスターとの共存を選ぶだろう。
手を取り合い、争うのはやめようと主従を説得して回ったかもしれない。
(だが、私は私だ。私の願いはともかく、マスターの願いは尊いものだ。
サーヴァントである以上、それを叶える為に十全を尽くすのが道理だ)
サーヴァントである以上、それを叶える為に十全を尽くすのが道理だ)
もっとも、そんなイフの話をしても、状況は変わらないし、何よりも、今ここにいるのは自分だ。
ヴェールヌイ自身が納得できる判断を下さなくてはならない。
ヴェールヌイ自身が納得できる判断を下さなくてはならない。
(許しは乞わない。討つまではいかなくても、少々の手痛い目にはあってもらうよ)
真っ白な自分の身体が赤に染まるまで。
ヴェールヌイの歩みは止まれないし、止まるつもりもない。
ヴェールヌイの歩みは止まれないし、止まるつもりもない。
■
「見ぃ~つけたっ」
そして、彼らの姿を確認してにぃと口元を歪めて笑う少女が一人。
少女、瑞鶴はヴェールヌイ達から更に離れた場所で艦載機からの連絡に頭を回している。
少女、瑞鶴はヴェールヌイ達から更に離れた場所で艦載機からの連絡に頭を回している。
(マスターさんは学校に行かせたから動きやすい。仕掛けるなら今だね)
同じ顔の軍人が三人、痩せた風貌の青年と幼い少女のマスター、そして同郷のヴェールヌイ。
狙うべき獲物は選り取りみどりで悩んでしまう。
チャンスが有れば全員を此処で落としたい所だが、そこまで美味しい状況にはならないだろう。
英霊を舐めてはいけない。そもそも、戦場で油断など愚の骨頂だ。
調子に乗りやすい性格をしている瑞鶴だが、締める所はきちんと締める。
過小評価も過大評価もせず、自分にできることを今はこなすだけ。
狙うべき獲物は選り取りみどりで悩んでしまう。
チャンスが有れば全員を此処で落としたい所だが、そこまで美味しい状況にはならないだろう。
英霊を舐めてはいけない。そもそも、戦場で油断など愚の骨頂だ。
調子に乗りやすい性格をしている瑞鶴だが、締める所はきちんと締める。
過小評価も過大評価もせず、自分にできることを今はこなすだけ。
(でも、早計は駄目。ちょっかいをかけるにしても、場がもっと混乱してからの方がいいよね。
あの娘が動いてからが本番かな? それに、これだけ集まっているんだから……戦闘が始まるともっと寄ってきちゃうかもだし)
あの娘が動いてからが本番かな? それに、これだけ集まっているんだから……戦闘が始まるともっと寄ってきちゃうかもだし)
まだ彼らは出会ったばかり。ヴェールヌイも機を伺っており、チャンスが有れば動くはずだ。
狙い目はそこだ。全員が目先の相手にとらわれた瞬間に弓を引けばいい。
辺りには索敵機を飛ばしているので、奇襲にも対応できる。
狙い目はそこだ。全員が目先の相手にとらわれた瞬間に弓を引けばいい。
辺りには索敵機を飛ばしているので、奇襲にも対応できる。
(とりあえず、無理は禁物だね。全く、前衛がいないとやりにくいったらありゃしないわ。
これで全員から狙われたら即刻大破よ?)
これで全員から狙われたら即刻大破よ?)
加えて、敵は彼らだけではなく無数に存在する。
目立つ戦闘をすれば当然、他の主従も自分と同じような態勢に入るだろう。
そうすれば、ますます動くのにも慎重を要さなければならなくなる。
無論のこと、負けるつもりはないが、絶対の保証はない。
目立つ戦闘をすれば当然、他の主従も自分と同じような態勢に入るだろう。
そうすれば、ますます動くのにも慎重を要さなければならなくなる。
無論のこと、負けるつもりはないが、絶対の保証はない。
(それに、マスターさんを残して死ぬ訳にはいかないっての)
今の自分はマスターの刃であり盾である。
自分が此処で倒れてしまってはスタンは一人になってしまう。
サーヴァントを失ったマスターがどうなるかなんて想像も容易い。
肝心な所以外はどうも及び腰な少年だ、暫くは自分が面倒を見てやらなければならない。
これでは、手のかかる弟を持った気分だ。
自分が此処で倒れてしまってはスタンは一人になってしまう。
サーヴァントを失ったマスターがどうなるかなんて想像も容易い。
肝心な所以外はどうも及び腰な少年だ、暫くは自分が面倒を見てやらなければならない。
これでは、手のかかる弟を持った気分だ。
(マスターさんってばヘタレだし、ヘタレだし、ヘタレだし……私がいないと駄目なんだから)
けれど、そんな少年に自分の命運を預けたいと思ったのはきっと間違いではない。
みっともなく足掻く自分を間違っていないと言ってくれた彼の期待を裏切るのは、嫌だ。
サーヴァントとして、そして一人の艦娘として。
何としても成果を上げて、彼の元へと戦果を持ち帰ってみせる。
その過程で、優先的に始末しなくてはならないのはやはりヴェールヌイだろう。
同郷の戦友。こんな戦場で敵として再会するとは思っていなかったが、それもまた運命なのかもしれない。
みっともなく足掻く自分を間違っていないと言ってくれた彼の期待を裏切るのは、嫌だ。
サーヴァントとして、そして一人の艦娘として。
何としても成果を上げて、彼の元へと戦果を持ち帰ってみせる。
その過程で、優先的に始末しなくてはならないのはやはりヴェールヌイだろう。
同郷の戦友。こんな戦場で敵として再会するとは思っていなかったが、それもまた運命なのかもしれない。
(でも、一人で戦うには限界があるしなぁ。まずはあの娘以外を狙撃する。
そして、警戒を解いて協力を結ぶ、なーんて甘過ぎるか)
そして、警戒を解いて協力を結ぶ、なーんて甘過ぎるか)
お互いのことを知り尽くしているからこそ、敵に回ると厄介である。
艦娘になる以前に経験した戦争で自分よりも長く生きた少女を、瑞鶴は甘く見ていない。
一見するだけだと華奢な少女だが、本質は自分と同じく戦う為に作られたモノだ。
艦娘になる以前に経験した戦争で自分よりも長く生きた少女を、瑞鶴は甘く見ていない。
一見するだけだと華奢な少女だが、本質は自分と同じく戦う為に作られたモノだ。
(ねぇ、【響】。例え貴方が相手でも、マスターさんと私の願いは譲れないわ)
だが、その本質を象る中身には瑞鶴とヴェールヌイでは大きく違いがある。
終えたものと終えてないもの。戦の最後を見たものと見てないもの。
まだ瑞鶴は、ヴェールヌイのことを同じく最後まで戦って果てた【響】だと考えている。
瑞鶴はまだ、【響】の辿った結末を知らない。戦争は終わり、護るべき国が変革を遂げていったことを――知らない。
終えたものと終えてないもの。戦の最後を見たものと見てないもの。
まだ瑞鶴は、ヴェールヌイのことを同じく最後まで戦って果てた【響】だと考えている。
瑞鶴はまだ、【響】の辿った結末を知らない。戦争は終わり、護るべき国が変革を遂げていったことを――知らない。
【C-6/御坂妹のマンション・駐車場/1日目・午前】
【御坂妹@とある魔術の禁書目録】
[状態]健康
[令呪]残り3画
[装備]パジャマ
[道具]特になし
[金銭状況]普通(マンションで一人暮らしができる程度)
[思考・状況]
基本行動方針:元の世界へ生還する
1.協力者を探します、とミサカは今後の方針を示します
2.そのために周辺の主従の情報を得る、とミサカはゾルダートを偵察に出します
3.偵察に行ったゾルダート達が無事に帰ってくるといいのですが、とミサカは心配になります
[備考]
自宅にはゴーグルと、クローゼット内にサブマシンガンや鋼鉄破りなどの銃器があります
衣服は御坂美琴の趣味に合ったものが割り当てられました
ペンダントの購入に大金(少なくとも数万円)を使いました
自宅で黒猫を飼っています
[状態]健康
[令呪]残り3画
[装備]パジャマ
[道具]特になし
[金銭状況]普通(マンションで一人暮らしができる程度)
[思考・状況]
基本行動方針:元の世界へ生還する
1.協力者を探します、とミサカは今後の方針を示します
2.そのために周辺の主従の情報を得る、とミサカはゾルダートを偵察に出します
3.偵察に行ったゾルダート達が無事に帰ってくるといいのですが、とミサカは心配になります
[備考]
自宅にはゴーグルと、クローゼット内にサブマシンガンや鋼鉄破りなどの銃器があります
衣服は御坂美琴の趣味に合ったものが割り当てられました
ペンダントの購入に大金(少なくとも数万円)を使いました
自宅で黒猫を飼っています
【レプリカ(エレクトロゾルダート)@アカツキ電光戦記】
[状態](13号~20号)、健康、無我
[装備]電光被服
[道具]電光機関、数字のペンダント
[思考・状況]
基本行動方針:ミサカに一万年の栄光を!
1.ミサカに従う
2.ミサカの元に残り、護衛する
[備考]
[状態](13号~20号)、健康、無我
[装備]電光被服
[道具]電光機関、数字のペンダント
[思考・状況]
基本行動方針:ミサカに一万年の栄光を!
1.ミサカに従う
2.ミサカの元に残り、護衛する
[備考]
【レプリカ(エレクトロゾルダート)@アカツキ電光戦記】
[状態](7号~12号)、健康、無我、スリーマンセル、単独行動
[装備]電光被服
[道具]電光機関、数字のペンダント
[思考・状況]
基本行動方針:ミサカに一万年の栄光を!
1.ミサカに従う
2.他のサーヴァントの偵察
3.ミサカが学校から帰宅するのにあわせて帰還する。
[備考]
[状態](7号~12号)、健康、無我、スリーマンセル、単独行動
[装備]電光被服
[道具]電光機関、数字のペンダント
[思考・状況]
基本行動方針:ミサカに一万年の栄光を!
1.ミサカに従う
2.他のサーヴァントの偵察
3.ミサカが学校から帰宅するのにあわせて帰還する。
[備考]
【C-5/住宅街の外れ/1日目 午前】
【八神はやて@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]軽度の恐慌状態、魔力消費(小)、下半身不随(元から)
[令呪]残り三画
[装備]なし
[道具]なし
[金銭状況]一人暮らしができる程度。
[思考・状況]
基本行動方針:日常を過ごす。
1.戦いや死に対する恐怖。
[備考]
戦闘が起こったのはD-5の小さな公園です。車椅子はそこに置き去りにされました。
[状態]軽度の恐慌状態、魔力消費(小)、下半身不随(元から)
[令呪]残り三画
[装備]なし
[道具]なし
[金銭状況]一人暮らしができる程度。
[思考・状況]
基本行動方針:日常を過ごす。
1.戦いや死に対する恐怖。
[備考]
戦闘が起こったのはD-5の小さな公園です。車椅子はそこに置き去りにされました。
【キャスター(ギー)@赫炎のインガノック-what a beautiful people-】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:はやてを無事に元の世界へと帰す。
1.はやてを安全な場所まで連れて行く。
2.白髪の少女(ヴェールヌイ)を警戒。
3.脱出が不可能な場合ははやてを優勝させることも考える(今は保留の状態)。
[備考]
白髪の少女(ヴェールヌイ)を確認しました。
[状態]健康
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:はやてを無事に元の世界へと帰す。
1.はやてを安全な場所まで連れて行く。
2.白髪の少女(ヴェールヌイ)を警戒。
3.脱出が不可能な場合ははやてを優勝させることも考える(今は保留の状態)。
[備考]
白髪の少女(ヴェールヌイ)を確認しました。
【レプリカ(エレクトロゾルダート)@アカツキ電光戦記】
[状態](4号~6号)、健康、無我、スリーマンセル、単独行動
[装備]電光被服
[道具]電光機関、数字のペンダント
[思考・状況]
基本行動方針:ミサカに一万年の栄光を!
1.眼前のサーヴァントに対して――。
[備考]
[状態](4号~6号)、健康、無我、スリーマンセル、単独行動
[装備]電光被服
[道具]電光機関、数字のペンダント
[思考・状況]
基本行動方針:ミサカに一万年の栄光を!
1.眼前のサーヴァントに対して――。
[備考]
【アーチャー(ヴェールヌイ)@艦隊これくしょん】
[状態]健康
[装備]12.7cm連装砲
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:マスターと共に戦う。
1.狙撃する。幾らかの手傷は負わせたい。
2.マスターの心情に対し若干の不安。
[備考]
マスターの少女(八神はやて)とサーヴァントの男(キャスター・ギー)、レプリカ(エレクトロ・ゾルダート)を確認しました。
[状態]健康
[装備]12.7cm連装砲
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:マスターと共に戦う。
1.狙撃する。幾らかの手傷は負わせたい。
2.マスターの心情に対し若干の不安。
[備考]
マスターの少女(八神はやて)とサーヴァントの男(キャスター・ギー)、レプリカ(エレクトロ・ゾルダート)を確認しました。
【アーチャー(瑞鶴)@艦隊これくしょん】
[状態]健康
[装備]
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を取る。
1.できればここで全員落としたいが、深入りはしない。
[備考]
艦載機(索敵)を飛ばしています(周囲には特に念入りに)
キャスター(ギー)、マスターの少女(八神はやて)、レプリカ(エレクトロ・ゾルダート)、アーチャー(ヴェールヌイ)を確認しました。
[状態]健康
[装備]
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を取る。
1.できればここで全員落としたいが、深入りはしない。
[備考]
艦載機(索敵)を飛ばしています(周囲には特に念入りに)
キャスター(ギー)、マスターの少女(八神はやて)、レプリカ(エレクトロ・ゾルダート)、アーチャー(ヴェールヌイ)を確認しました。
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018:One man's fault is another's lesson.(人の振り見て我が振り直せ) | 投下順 | 020:アンダードッグ・ファンタズム |
018:One man's fault is another's lesson.(人の振り見て我が振り直せ) | 時系列順 | 020:アンダードッグ・ファンタズム |
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002:開戰 | 御坂妹 | 026:夢現ガランドウ |
015:Fake/この手が掴んだものは | レプリカ(エレクトロ・ゾルダート) | 023:回転悲劇/邂逅 |
006:泡沫の心 | 八神はやて | |
キャスター(ギー) | ||
014:再会:re | アーチャー(ヴェールヌイ) | |
008:鶴翼出撃 | アーチャー(瑞鶴) |